従来の譜面作成ソフトの常識を抜本的に覆すコード譜、マスターリズム譜作成専用ソフト、Clover Chord Systems
ビデオの最後で「簡単でしょ!」って言ってたとおり、すごく簡単にコードの入力ができます。基本はコードを選択してダブルクリックするだけ。
一般的に使うコードが一覧表示されるので、それを選んでダブルクリックするだけで譜面に反映される
調を設定しておけば、一般的に使うコードが一覧で表示されるので、それを選ぶだけでいいのですが、ない場合は、どんな複雑なコードでも3ステップで生成することができ、一度入力すればそれが履歴として残るから、次回からは選択するだけでOKなんです。
ただ、ここまでだと「単に、五線譜の上にコードを書いているだけでは??」とも思ってしまいます。が、違うんですよ!続いて次のビデオも。
これを見て、「何だこれ?ドラムマシン見たいにリズムが入力できるの?」と思いましたが、実際に使ってみるとまさにそんな感じ。とっても直観的に譜面が作れるし、ビックリするほどスピーディーなんですよね。先にこのリズムを入力した後に、コードを振っていくとさらに効率よくリズム進行に合わせてコードを付けられる「Rythm Slash」という機能も用意されていました。
移調はサポートされているので、とりあえず完成後、3音上げるとか、5音下げるといった場合でも一発で全体を変更できるのも嬉しいところです。頭にコードとリズムが入っていれば、本当に数分で譜面が仕上がってしまうんですよ!
もちろん、コードとリズムだけではなく、音符も入力できるし、繰り返し記号や、強弱記号、速さ記号なども用意されていますから、ある程度、普通の楽譜を作ることはできますが、ここはある意味オマケ機能。本気で楽譜を作るのを目的とはしていないようですから、その点ではFinaleなどと比較するものではないようです。
また使ってみて、すごい潔さを感じたのは、コード譜、マスターリズム譜を書くため以外の機能を徹底的に削ってしまっていること。その顕著な例が、MIDIをサポートしていないことでしょう。普通、譜面作成ソフトって、入力した五線譜を繰り返し記号にしたがって、MIDIで再生していったり、MIDIファイルを読み込んで、譜面化する機能などが搭載されています。ところが、Clover Chord Systemsにはそうした機能は一切なし。まあ、コードとリズムだから、そもそも再生する必要がないのかもしれませんが、サッパリしていますよね。
もう一つ、個人的に「割り切ってるなぁ!」と感じたのは、このソフトのメニューなどに日本語表示がないこと。このClover Chord Systems、たった3人の小さな日本のベンチャー企業が作ったソフトだけど、世界を目指してるってことなんでしょうね。まあ、コードとリズムを入力するのに、あえて日本語を出す必要もないわけですが、かえってカッコよくていいように思うのですが、どうでしょうか?
ちなみに、Clover Chord Systemsは現在のところMac版のみで、iTunes Storeからのダウンロード販売で、価格は4,800円。iTunes Storeのソフトとしては高めの設定かもしれませんが、普通のパッケージソフトとして見れば、画期的な内容の割にすごい安い設定ではないかと思いますが、いかがでしょうか?バンドスコアなどを作成する手間を思い切り軽減できるとともに、キレイな譜面を数分で作れてしまうというのは、画期的だと思います。
※追記
歌詞入力について、触れていませんでしたが、自由にテキストの入力が可能なText Toolというのがあるので、これを使うことで日本語でも問題なく歌詞入力ができます。
※追記 2014年6月16日
Clover JaponよりClover Chord SsytemsのWindows版が発売になりました。詳細は同社Webサイトをご確認ください。