3万円で買えるワンランク上のオーディオインターフェイス選び

オーディオインターフェイスは持ってるけど、機能的にちょっと物足りないんだよね…」、「もうちょっと音質のいいオーディオインターフェイスってないかなぁ…」なんて思っている方も多いと思います。確かに5万、10万という金額を払えば高性能な製品はいっぱいありますが、そこまでの金額はなかなか出せない人も多いはず。

でも探してみると、結構すごい機能、いい音質だけど、3万円以内で買えてしまうオーディオインターフェイスもいろいろあるのです。そこで、ここではワンランク上のオーディオインターフェイスとはどんなものなのか、何を基準に選べばいいのかというポイントをチェックするとともに、狙うべき製品を6つほどピックアップしてみたので、紹介していきましょう。


ワンランク上のオーディオインターフェイスを探してみよう



以前「DTM初心者のためのオーディオインターフェイス選び」という記事を掲載しましたが、ここでは、初めてユーザーを対象に選び方を紹介しました。そこでチェックポイントとして挙げたのは、

●入力端子をチェック
標準ジャックなのか、コンデンサマイクなどが接続できるXLR対応なのか、ギター接続が可能なのかなどをチェックする
●オーディオ性能をチェック
24bit/48kHz程度なのか、24bit/192kHzまで対応しているのかなどをチェックする
●付属DAWも重要なポイント
バンドルソフトとしてどんなDAWが用意されているのかをチェックする

という3つでした。しかし、すでにDTMをスタートしているユーザーがオーディオインターフェイスをグレードアップしたいという場合、見るべきチェックポイントは変わってくるはずです。すでにDAWはなんらかのものを使っているでしょうから、バンドルソフトにあまり左右されることもないでしょうし、ただ安ければいいというわけでもないはず。上記の基本は抑えつつも、見るべきポイントを挙げてみましょう。

ここでは6つのポイントを挙げてきましたが、全部をクリアする製品を選ぼうというのではなく、これらをチェックしつつ、自分の目的に応じた製品を選び出せばいいのです。

●マイクプリアンプの数

マイクプリアンプをいくつ搭載しているかは選択の大きなポイント

とりあえず買ったオーディオインターフェイス、マイクが1つしか接続できずに物足りなさを感じている、という人もいるでしょう。たとえば1人でアコースティックギターの弾き語りするというのでも、最低ギター用とボーカル用のマイクを接続する必要があるし、バンドの一発録りをするとなれば、やはり4つ、8つと同時に使える必要が出てきます。

こうしたマイク接続を行うためには、オーディオインターフェイス上にマイクプリアンプを装備している必要がありますが、本来マイクプリアンプは単体で購入しても1つ1万円程度、高いものだと何十万円にもなるというもの。それがオーディオインターフェイスに搭載されているだけでもすごいと思うのですが、最近のものはかなり高性能なものが搭載されています。しかも4つ、さらには8つ搭載した製品も手ごろな価格で登場してきているので、同時に複数のマイクを使う必要のある人は要チェックですね。

●デジタル入出力端子を装備しているか


S/PDIFやAES/EBUなどのデジタル端子が装備されているかもチェック

オーディオインターフェイスに求められる入出力はアナログがすべてとは限りません。外部のデジタル機器と接続ができれば、音質劣化のない、高品位な連携が可能になります。たとえば、デジタルミキサーとS/PDIFAES/EBUという規格での接続ができれば、デジタルミキサー側の音質性能のままPCにレコーディングできます。

反対にS/PDIF出力を外部のオーディオ機器へ接続すれば、配線が多少乱雑であっても、高品位なサウンドでのオーディオ出力が可能になるので、簡単にDTM環境の音質を向上させることができるのです。

なお一言でデジタル端子としってもS/PDIFAES/EBUadatといった異なる規格があるほか、オプティカル(光)、 コアキシャル(同軸)といった物理的な違いもあるので、用途にマッチした端子になっているかもチェックポイントです。

●24bit/192kHzまで対応しているか


24bit/96kHz、24bit/192kHzに対応しているかはチェックしておくべき

エントリー用の安価なオーディオインターフェイスの場合、24bit/44.1kHzや24bit/48kHzまでの対応となっている製品も少なくありませんが、やはり、より高音質なレコーディングをしていくのであれば、24bi/96kHzさらには24bit/192kHzへの対応は考えるべきでしょう。

もっとも、プロのレコーディング現場において、現在でも24bit/48kHzで行っているところは少なくありません。逆に言えば96kHzや192kHzにすれば、必ずいい音質になるというわけではなく、どちらかといえば、ケーブルの取り回しなどのセッティング方法など大きな意味を持つ面はあるとは思います。とはいえ、手ごろな価格で24bit/96kHz、24bit/192kHz対応製品が手に入る時代ですから、あえて、それ以下を選択する必要もないように思います。
●DSPを搭載しているか?

DSPを内蔵したオーディオインターフェイスなら内部ミキシングやエフェクト処理が可能になる

DSPというのはDigital Signal Processorの略で、信号処理専用の演算ICのこと。オーディオを扱うためのコンピュータと考えればいいと思いますが、これを搭載しているオーディオインターフェイスの場合、PCのCPUパワーに頼ることなく、ミキシング処理を行ったり、エフェクト処理が可能になり、しかも高速に処理できるのです。

そのため、オーディオインターフェイス単体で、ボーカルにリバーブをかけてモニターできたり、ギターアンプシミュレーションを超低レイテンシーで行えたりするのです。しかもPCに負荷をかけないので、非力なPCでも問題なく使うことができます。
●iPhone/iPadで利用できるか?


USBクラス・コンプライアンス対応機材ならiPadやiPhoneでの利用も可能

最近、オーディオインターフェイスをiPadやiPhoneで使う例も増えてきていますが、これらで利用するためには条件があります。それはAppleがMade for iPadMade for iPhoneといった認証マークを出しているか、USBクラス・コンプライアントに対応しているか、のいずれかです。

※参照記事:USBクラス・コンプライアントって何のこと?
認証マークが出ているものは付属ケーブルで接続すればいいわけですが、USBクラス・コンプライアント対応の製品の場合は、まずオーディオインターフェイスのモードをUSBクラスコンプライアントのモードに設定するとともに、Lightning – USBカメラアダプタを用いてiPadやiPhoneと接続する形となります。こうすることで、PCだけでなく、iPadやiPhoneでも利用可能になるのです。

●実際の音質、レイテンシーは?


できれば筆者が連載しているDigital Audio Laboratoryのレビューで掲載している音質等もチェックしておくと参考になるはず

そして、最大のポイントはなんといっても、実際の音質がどうなのか、という点と、レイテンシーがどのくらいあるのか、ということでしょう。ただ、これらについては、実際に試してみないと分からないのが実情です。また、音は人によって好みもあるので、楽器屋さんの店頭などで音をチェックしてみることをお勧めします。

一方で、多くのオーディオインターフェイスは、私が書いているAV WatchのDigital Audio Laboratoryで音質および実効レイテンシーのテストを行っているので、一つの参考にしていただければと思います。

では、以下の3万円以内で買える(2014年2月7日にAmazonおよびサウンドハウスでチェックした価格)オーディオインターフェイスをピックアップしてみたので、簡単に紹介していきましょう。
●Roland / QUAD-CAPTURE

USBオーディオインターフェイスの定番ともいえる製品。マイク入力は2つのみですが、デジタル入出力を備えているのがポイント。AV Watchでの音質測定でもなかなか高性能という結果になっていました。

【メーカーサイト】
http://www.roland.co.jp/products/jp/QUAD-CAPTURE/
【価格チェック】
◎Amazon ⇒ QUAD-CAPTURE
◎サウンドハウス ⇒ QUAD-CAPTURE

●Steinberg / UR44

マイクプリアンプ4つを搭載し、6IN/4OUTを装備しています。デジタル入出力はりませんが、内蔵DSPでミキシング処理ができるほか、リバーブやEQ、アンプシミュレーションが行え、USBクラス・コンプライアントのモードも装備しています。

【メーカーサイト】
http://japan.steinberg.net/jp/products/hardware/ur_series/ur44.html
【価格チェック】
◎Amazon ⇒ UR44
◎サウンドハウス ⇒ UR44

●TASCAM / US-1800

3万円以内で購入できる手ごろな製品でありながら、16IN/4OUTを装備し、このうち8つにはマイクプリアンプを搭載するという贅沢な設計の製品です。24bit/96kHzまでの対応ではありますが、デジタル入出力も装備しています。

【メーカーサイト】
http://tascam.jp/product/us-1800/overview/
【価格チェック】
◎Amazon ⇒ US-1800
◎サウンドハウス ⇒ US-1800

●PreSonus / AudioBox 44VSL

非常に堅牢なボディーのAudioBox 44VSLは、アナログの4IN/4OUTのオーディオインターフェイスで、フロントに4つのマイクプリアンプ付コンボジャックが搭載されています。iPad/iPhoneでも利用可能で、内蔵DSPでリバーブ、ディレイ、コンプなどを利用できます。
【関連記事】
iPadで24/96、マルチch入力を実現するPreSonus AudioBox 44VSL
【メーカーサイト】
http://www.mi7.co.jp/products/presonus/audiobox44vsl/index.php
【価格チェック】
◎Amazon ⇒ AudioBox 44VSL
◎サウンドハウス ⇒ AudioBox 44VSL

●Focusrite / Scarlett 6i6

赤いボディーで見た目にもオシャレなScarlettはイギリスの老舗レコーディング機器メーカーの製品。6IN/6OUTを装備し、そのうち2つがマイクプリアンプ付、2chのデジタル入出力となっています。内蔵DSPでエフェクト処理も可能になっているのもポイントです。

【メーカーサイト】
http://www.h-resolution.com/Focusrite/Scarlett6i6.html
【価格チェック】
◎Amazon ⇒ Scarlett 6i6
◎サウンドハウス ⇒ Scarlett 6i6

●Avid Technology / Mbox


Avidの最新のMboxは以前のDTMパッケージとは位置づけが変わり、単体のオーディオインターフェイスとなっています。4IN/4OUTの仕様で、デジタル入出力も装備。また内蔵DSPによりリバーブを利用できるようになっています。

【追記】
最後に参考までに上記に紹介した6つの機種のスペックを簡単にまとめてみました。

マイクプリ デジタル 解像度 DSP iOS対応
Roland QUAD-CAPTURE 2 あり 24/192
Steinberg UR44 4 なし 24/192
TASCAM US-1800 8 あり 24/96
PreSonus AudioBox 44VSL 4 なし 24/96
Focusrite Scarlett 6i6 2 あり 24/96
Avid Technology Mbox 2 あり 24-96

【メーカーサイト】
http://www.avid.com/JP/products/Mbox
【価格チェック】
◎Amazon ⇒ Mbox

◎サウンドハウス ⇒ Mbox

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