オーディオインターフェイス、コンデンサマイク、ヘッドホン、DAW、プラグインが全部揃ったDTMパッケージ、Scarlett Studio
Scarlett Solo Studio PackとScarlett Studio、どちらもDTM全部入りパックで、違いはオーディオインターフェイスのみです。前者がScarlett Soloというものを同梱しているのに対し、後者はScarlett 2|2というオーディオインターフェイスを同梱。いずれも24bit/96kHz対応の製品で2IN/2OUTという仕様なのですが、Scarlett 2|2が2chのマイク入力やステレオでのライン入力が可能であるのに対し、Scarlett Soloはマイク1系統+ライン/ギター1系統という構成。約4,000円の違いなので、どちらを選ぶべきかは悩ましいところですが、個人的にはScarlett 2|2をお勧めしたいところ。やっぱりキーボードを録るとか、ステレオ出力のエフェクトを録るなど、ステレオでのレコーディングというケースは結構ありますからね。
のそれぞれ(赤字がハード、青字がソフト)。ソフトのほうは、オンラインでシリアルを登録するとダウンロードできる仕組みになっているので、物理的に入っているわけではないけど、これって、超テンコ盛のDTMセットですよね。
ざっと紹介していくと、まずScarlett 2|2は2IN/2OUTのUSBオーディオインターフェイスで、フロントにコンボジャックが2つとヘッドホン出力、リアにTRSのライン出力を持った製品。フロントの2chともにファンタム電源に対応しているのでコンデンサマイクの接続もできるし、ライン入力も可能。さらに、LINE/INSTというスイッチをINSTに切り替えるとハイインピーダンス(Hi-Z)対応になるのでギターやベースと直接接続が可能になります。
同時に入力できるのはステレオ×1系統かモノラル×2系統ということになりますが、一人で音楽制作をするのであれば、これでたいていは賄えるのではないでしょうか?ギターを弾きながら歌うという場合でも1chにマイク、2chにギターを接続してレコーディングできるわけですよね。
またコンデンサマイクの構造上、湿気に弱いといわれており、その保存にも細心の注意が必要と言われています。そのため、レコーディングスタジオにはガラスケースの冷蔵庫のようなマイク保存用ボックスが置かれていたりするのですが、そんなものを自宅に置くのは、あまり現実的ではないですね。
実際、これをScarlett 2|2の入力に接続してみると、非常に高感度で音を拾うことができます。だから、ファンの音が大きいPCの前でのレコーディングはお勧めできないし、置時計の秒針の音などもクッキリ入っちゃうので、部屋は静かにしておく必要がありますが、低域から高域まで、非常にクリアにレコーディングすることができます。もちろんダイナミックマイクにはダイナミックマイクの良さがありますが、微細な音までキレイに録るという目的ならコンデンサマイクですよね。
一方、ヘッドホンは結構大きめなサイズのものですが、軽いので装着していても気にならない感じです。音質的には、まあ可もなく、不可もなく……といったところ。あまり過度な期待は禁物ですが、やはりモニターヘッドホンとしての解像度の高さはありますよ。ただ、その分、高域がキツめであることも事実。普通に音楽リスニング用として使ったりすると、ちょっと疲れるかもしれませんね。
続いてソフトのほうも見てみましょう。冒頭でも述べたとおり、Scarlett StudioにはCubaseがバンドルされており、WindowsでもMacでも利用できるようになっています。具体的にはダウンロード版のCubase LE 7です。マルチリンガルのCubaseですから、もちろん日本語メニューで使うことができますよ。
このCubase LE 7にもサンプラーのHALion Sonic SEが付属しているほか、ディレイやリバーブ、コンプなどのエフェクトも入っているのですが、それだけだとやや物足りないのも事実。でも、これらとは別に強力な音源、エフェクトが入っており、これらがCubaseで使えるようになっているんですね。もちろん、Windows/Macのハイブリッドとなっており、VST2、VST3、AudioUnits、AAX、RTASなどのプラグインフォーマットで利用可能となっています。
中でも非常に強力なのがRed 2というEQとRed 3というコンプレッサで、いずれも世界中のレコーディングスタジオで使われている定番機材であるのコンプレッサRed 2とEQであるRed 3をそのままソフトウェア化したもの。実機を触る機会というのは、なかなかないものの、これならDAW上でFocusriteの伝統的なサウンドをそのまま再現できるのですから、画期的ですよね。
アナログ風メーターも搭載されたコンプレッサのRed 3。プロ仕様としても十分使えるし、コンプレッサの特性を身につけるのにも最適
さらにFocusrite Scarlett plug-insにも別のコンプレッサ、EQが入っているほか、ゲートおよびリバーブが用意されています。リバーブはCubase標準のもの比較しても、気持ちよくかかってくれるので、お勧めですよ。
そしてNovationの人気アナログシンセサイザであるBass Stationのソフトウェア音源もバンドルされています。Novationは現在Focusriteの一部門となっているシンセサイザメーカーであり、その音質に定評がある会社。ソフトウェア版ではありますが、このBass Stationを使うと、かなり図太いサウンドが飛び出して楽しいですね。これとHALion Sonic SEのドラム音を組み合わせるだけで1日中遊んでいられそうですよ。
これからDTMを始めたいという人にはもちろんのことながら、すでに持っている人が予備セットとして購入してもいいし、自前の機材と組み合わせて使ってもよさそうです。この機会に1つ入手してみてはいかがですか?
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【製品情報】
Scarlett Studio製品情報
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