Banner B0
640x200伸縮サイズ
Banner B1
640x200伸縮サイズ
Banner A0(728x90)伸縮サイズ

カプコンのゲームサウンドデザイン現場に潜入。ShureのiOSデバイス用マイクが大活躍!?

ゲームにおいて非常に重要な要素となるサウンド。バックに流れるゲームミュージックやセリフはもちろんのことながら、鎧を着た兵士が歩く足音、剣を抜く際の“シャキーン”といったサウンド、切りつけた際の“グサッ”という音……そうした効果音がいかに臨場感あるものか、リアルなものなのかによってゲームへの没入感も大きく変わってきますよね。

 

でも、そうしたゲームのサウンドってどのようにして作っているかご存知ですか?「そりゃぁ、現在のゲームはコンピュータで作ってるわけだから、シンセサイザとかを駆使した合成音で作ってるんでしょ」と思う方も多いかもしれません。確かにそうしたケースもありますが、実際には“フォーリー”と呼ばれる生音を収録して使うケースがかなりの比率だ、って知ってましたか?先日、モンスターハンターバイオハザードストリートファイターなど、数々の大ヒットシリーズゲームを開発するカプコンサウンド開発室に伺い、サウンドデザイナーのみなさんを取材してきました。


カプコンのゲームサウンドデザイン現場に潜入


Banner B2
640x200(320x100)
伸縮サイズ
Banner B3
640x200(320x100)
伸縮サイズ
Banner A1(728x90)
伸縮サイズ

まずは、以下のビデオをご覧になってみてください。

 

これ、マイクメーカーであるShureが「iOSデバイス用マイク、MV88の活用事例をビデオにして欲しい」とカプコンにお願いした結果、カプコンのサウンド開発室のみなさんによって作られた、というビデオなんです。かなり興味深い内容の連続ですよね!


今回の取材のテーマともなったShureのiOSデバイス用マイク、MV88

個人的にとっても面白かったので、ぜひ話を聞いてみたいとカプコンに連絡してみたところ、すぐにOKのお返事をいただけたので、先日、大阪の本社に行ってきたのです。ここで、このビデオを作った経緯を伺うと同時に、通常は外部の人が立ち入ることは厳禁とされている、カプコン社内の収録スタジオを見学することができたので、あまり知られていない、ゲームサウンドの制作がどのように行われているかについて紹介してみましょう。

 

ShureのiOSデバイス用マイク、MV88というのが発売されるというのをネットの情報で知り、Shureの担当の方に問い合わせたところ、『使っているところをビデオで少しレポートしてくれるなら』という条件で、発売前にお借りすることができたんです。我々も、iOSデバイス用マイクが仕事に使えるのかチェックしてみたかったので、さまざまなマイクを9本くらい並べて特性なども調べてみたんです。その結果、MV88はS/N比も非常によく、『これは使えそう』、『軽くて持ち運びも便利でいい』という話になったんですよ」と話すのはカプコンのプロダクション部サウンド開発室・室長の岸智也さん。


カプコンのサウンド開発室のみなさん。 小玉光俊さん(左上)、岸智也さん(右上)、田中浩介さん(左下)、岡田信弥さん(右下)

 

以前からリニアPCMレコーダーを持って、屋外で音を収録することはあったんですが、MV88の一番のメリットは、怪しまれない点ですね。そんなものを持って音を録っていると周りからは奇異な目で見られますし、税関でスタンガンと間違われたり……なんてことがあるんです。でもiPhoneにMV88の組み合わせならそうしたことがありませんから!」(小玉光俊さん)


iOSアプリでMV88の設定を細かく調整できるのも魅力のひとつ

もちろん、しっかりした音が録れるのかが前提ではありますが、従来のリニアPCMレコーダーと比較しても音がいいんですよね。低音の捉え具合はすごくいいし、ハードとしてのノイズが少なく、操作中のノイズやスイッチを触ったときのカチカチいう音が入ることもなくて使いやすいんです。またアプリで指向性などの設定が簡単にできるため、使い勝手もいいんですよね」(田中浩介さん)


付属の小さなケースにMV88およびウィンドスクリーンを入れて持ち歩ける 

 

とみなさんベタ褒め。実際MV88発売後は、結構な数を買い揃え、みなさん、日々持ち歩いているんだとか……。とはいえ、みんながこれ1つでゲームサウンド制作をしているとはにわかには信じられないところ。

 

MV88はiOSの仕様もあって24bit/48kHzまでしか録ることができないのがネックであることは確かです。そのため、シチュエーションによっていろいろな機材を使い分けているから、MV88はいろいろある機材の一つという位置づけではあります。ただ、この小さなマイクをバックに入れておけば、いつでも取り出してすぐに使える機動力というのはいいですね」とサウンドデザイナー第四グループ長の岡田信弥さんも語っているとおり、用途に応じた使い方をしているんですね。


シニアサウンドデザイナーの北村武さん 

 

そうした中、特別にということで見せてもらったのがビデオにも登場していたカプコン社内のスタジオ「フォーリーステージ」。迎え入れてくれたのは20年以上のベテランのサウンドデザイナーである北村武さん。


サウンドデザイナーの黒岩若菜さん(左)、塙大輝さん(右)

開発中のゲームの画面をお見せすることはできませんが、実際にどうやってゲームにサウンドを割り当てているのかをお見せしていきましょう。ここでは鎧をまとった兵士が歩いていく音を実現させますが、まずは仮の音として足音を4つ、鎧がガシャンと鳴る音を4つ用意し、これをミドルウェアであるWwiseに割り当てます。この状態でゲームをプレイすると、Wwiseを通じて音が鳴るんです。例えるとゲームがシーケンサで、Wwiseがソフトサンプラーといったような感じですね」と北村さん。


ゲームのサウンド開発におけるミドルウェアであるAudiokinetic社のWwise 

 

では、ここでよりリアルにするためにレコーディングしていきましょう」と言ってサウンドデザイナーの黒岩若菜さん、塙大輝さんがスタジオ内に入り、足音にマイクを近づけ、Pro Toolsで24bit/96kHでレコーディング。「ザッ、ザッ、ザッ……」という音の中から、良さそうな波形を北村さんが切り出し、整音した上で16bit/48kHzに変換し、LAN経由でWwiseへ持っていくと、もうこれだけでゲームプレイした際の音が大きく変わっていきます。


フォーリーステージ内の砂場で足踏みして、足音を収録 

 

続いて、金物のバケツの中に、金具を入れるとともに皮のカバン、柄のついた小さな鍋も投入。ここにマイクを近づけた状態で振るうと「ジャリン、ジャキン、ジャリン…」と、いかにも鈍い感じの鎧の音がして、これもPro Toolsの別トラックにレコーディングしていきます。


金具や皮のカバン、鍋が入ったバケツを揺すって鎧の音を作り出す

いろいろ試行錯誤した結果、この鍋を入れることで、それっぽい音になるんですよ!」と嬉しそうに、話す北村さん。今日は二人が手伝ってくれましたが、一人でこのスタジオに籠り、MacBook Airの画面共有機能を使って遠隔操作しながら、レコーディングすることもしばしばなんだとか……。


Pro Toolsを使ってレコーディングした後、波形を切り出して、Wwiseへと送る

つい一昨日、大発見だったのは、アルミホイルを使った効果音なんですよ。アルミホイルを両手で引っ張る音を近づけたマイクで録り、ゲインを上げていくと、『ピキピキピキ……』という湖面に張った氷が割れるようなサウンドが偶然に録れたんですよ」(北村さん)。こうやって日々、いろいろな音を探っているんですね。


アルミホイルで氷が解けてひび割れる音を再現する北村さん

 

このスタジオの横には、ガラクタ置き場のような倉庫があるのですが、黒岩さんは「ここ、まさに宝箱なんですよ。さまざまなものを使って音を録るから、何でも大切に思えちゃって!」笑いながら話します。足音一つ録るにしても、土を濡らしてみたり、草を置いてみたりと、いろいろ試行錯誤しながら行っているんですね。


スタジオの隣にある倉庫、入っているのはガラクタにしか見えないのだけど…サウンド的には宝の山!?

でも、そんなに毎回録らなくたって、一回録ったデータをライブラリとして保存しておけば、いくらでも使い回しが効くようにも思うのですが……。


濡らしたセーム皮を絞ると、血が滲み出るような不気味な音が…… 

 

サウンドデザイナーはみんな自分の音が作りたくて仕方ないんですよ。だからライブラリを使うのではなく、新作ゲームには、ほぼ新しい音で録っていくんです。人から「ああ、これ○○と同じ音だ!」なんて思われるのは悔しいし、それでは仕事として面白くない。自分で悩んで録った音があると愛着も沸いてきますからね」と北村さん。なるほど、そういうものなんですね。

 

ただゲームサウンドが映画のMAと大きく違うのは容量に制限があるということなんです。できるだけ少ない容量で自然に表現するため、この4×4をランダムで組み合わせるとともに、鳴らすタイミング、ピッチやボリュームもランダムで変更するんです。これによって、ループっぽくならず、しかもわずかなメモリ容量で実現しているのです」とゲームならではの工夫についても北村さんは語ってくれました。


フォーリーステージ内でもMV88を使って音が収録されることもある 

 

そんなフォーリールームにおいても、各社のマイクとともに、iPhoneを使いMV88で録ってみるケースもあるのだとか。やはりマイクによって特性に違いもあるから、いろいろと録り比べて使っているみたいですね。

 

もちろん、このように生音を録って使うだけでなく、例えば鎧の音もピッチを下げることで、より重たい音になったり、ハードウェアのプロセッサを通したり、プラグインエフェクトを掛けたりするとで、雰囲気を変えたり、さらにはシンセサイザによる電子サウンドを利用しながら未来的なサウンドを作り出したりと、さまざまな工夫をしているようです。

 

我々カプコンのサウンドチームでは独自のWebサイト『カプストーン』を作り10年以上発信し続けているのですが、世の中にサウンドデザインという仕事があること自体、まだまだあまり知られていないのが実情です。ぜひ、多くの人にこんな仕事があることを知ってもらうと同時に、興味を持っていただけると嬉しいですね」と岸さん。私も、このサイトを初めて見てみましたが、制作秘話やインタビューなど面白い情報がいっぱい。ゲームのサウンドに興味のある方はぜひ、覗いてみてはいかがでしょうか?

遊び心いっぱいのサウンドチーム、4月1日には以下のような360度動画も作っていましたよ!

【製品情報】

 

【関連情報】

【価格チェック】
◎Amazon ⇒ MV88
◎サウンドハウス ⇒ MV88

【関連記事】



Commentsこの記事についたコメント

1件のコメント
  • なお

    米ファンタジー映画のBDに、音楽と音響効果についての1時間ドキュメンタリーが入っていたのでフォーリーのことは知っていたのですが、DTM視点で見るとよりおもしろいですね。
    確かSkywalker Soundだったと思います。

    2016年4月9日 5:10 PM

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です