iOS用の600円のアプリ、Auto-Tune Mobileを使ってみよう!
あのケロケロボイスって、どうしてあんな歌声なんでしょうか?あれはピッチ補正機能を用いて、強制的に指定のピッチに合わせ込んでいるために、あんな風なサウンドになるんですよね。だからAuto-Tuneに限らず、ピッチ補正機能を装備しているCelemonyのMelodyneでも、Cubase搭載のVari Audioでも同様のことは可能です。
KITAKEN(@ktkn_cute)さんという方による作品ですが、このボーカル部分で使っているのがAuto-Tune Mobile。600円のアプリでこれだけのことができてしまうのですから、使ってみる価値はありそうですよね。
見比べてみるとPC用のプラグインソフト、Auto-Tune EFX3とソックリ
一番単純な使い方は、このアプリ単体でリアルタイムにケロケロ化させるエフェクトとして使うこと。つまりマイクに入った歌声を、そのままケロケロボイスとして出力するという手段です。ただし、この場合ヘッドホンやマイクを使わずにiPhone単体で使おうとすると、iPhoneのスピーカーから出てくる音をそのままマイクが拾ってしまうため、ハウってしまいます。とりあえず、iPhone付属のヘッドセットでもいいので、これを使ってハウらないようにしてから試してみてください。
することは、いたってシンプル。マイクから歌うだけでOK。ちょっとケロった声になりますよね。「イマイチ効果がよく分からない……」というのであれば、少し使う音程を絞ってみましょう。画面にはC、Db、D、Eb、E……と12の音階がすべて青く点灯しています。これをタップして、C、E、Gだけにして歌ってみてください。
どうですか?どんな音程で歌っても、ドミソの音に強制的に置き換えられるのとともに、違う音程で歌った声が、ケロった感じになっているのを確認できるでしょう。ここまで絞らなくても、キーとスケールで出る音程を設定していくことが可能です。たとえば、キーをDに設定してBluesを設定すればブルース調で歌うことができるわけですね。
また画面下にはRetune Speedというパラメータがあります。デフォルトではNormalに設定されていますが、これは音程の強制変換をどのくらいのスピードで行うかを指定するもので、Normalだと約50msecとなります。これを一番右のAuto-Tune Effectにすると、基本ゼロレイテンシーの、いかにもAuto-Tuneという音になるわけですね。
アプリ単体で使うとしたら、この程度のことができるというものなのですが、これはiOSで動作する最新のアプリ、ほかの機材やアプリと組み合わせることで、さらにいろいろなことができるんです。その実例をいくつか紹介していきましょう。
Auto-Tune Mobileの画面右下の4つの矢印のボタンをタップすると入力するMIDIインターフェイスを指定することができるので、接続したキーボードをオンにしてください。この状態でMIDIキーボードを弾くと……。そう、これで使う音程を指定することができるんです。つまりキーボードでコードを抑えながら歌っていけば、特定の音程に固定されるのではなく、曲の進行に合わせて変えていくことが可能になるわけです。ちょっとボコーダー的に使い方ですよね。
CubasisのInsert EffectsとしてIAAのAuto-Tune Mobileを設定する
たとえば、Cubasisを例に見てみましょう。事前にCubasisにボーカルを普通にレコーディングしておいたとしましょう。後から、「やっぱりこのボーカルをケロケロボイスにしたい」といった場合、まさにエフェクトとして使うことができるのです。
IAAとして組み込まれた側のAuto-Tune MobileからリモートでCubasisのプレイ・ストップの操作も可能
この場合、Insert EffectsとしてInter-App Audioを選択すると、この中にAuto-Tune Mobileが見つかるので、これを選べばいいだけです。もちろんこの場合でもMIDIキーボードからの制御は可能だし、必要あれば、CubasisのMIDIトラックからMIDIノート信号をAuto-Tune Mobile側へ送るといったことも可能なんです。
こう考えていくと、かなり応用範囲も広く使っていくことができそうですよね。PC版のAuto-Tune EFX3に搭載されているハーモニー機能は装備されていませんが、それでもこれだけのことができるのですから、ちょっと試してみる価値はあると思います。これで物足りなければPC版を導入しているという流れでも悪くないと思いますよ!
※追記 2017.5.14
この記事をUPして、結構すぐにジェットダイスケ(@jetdaisuke)さんが、“iPhoneアプリなら600円「Auto-Tune Mobile」あの元祖ケロケロボイス「オートチューン」がiOSに。歌ってみた動画を撮影した結果…”というタイトルで以下のビデオをUPされていたので、ご紹介しておきます!結論としては「ボクはやっぱりボコーダーのほうが好きですね」とのことではありましたが(笑)。
◎App Store ⇒ FL Studio Mobile
◎サウンドハウス ⇒ Auto-Tune 8
◎サウンドハウス ⇒ Auto-Tune EFX 3
◎Amazon ⇒ microKEY Air-37