まず、8年ぶりとなるリニアPCMレコーダー、R-07は簡単、確実、高音質でスタイリッシュというコンセプトの製品で、最高で24bit/96kHzのWAVでmicroSDにレコーディング可能なコンパクトなレコーダー。最大の特徴はBluetoothでiOSおよびAndroidのスマートフォンからリモートコントロールができる、という点。
無料の「R-07 Remote」というアプリをインストールすることで、スマホからR-07の録音/停止操作や録音レベルの調整や各種設定の変更が可能となっています。赤外線の一般的なリモコンと異なり、これはBluetoothを使った双方向通信となっているため、スマホ画面上でリアルタイムに動くレベルメーターをチェックしながらレベル調整したり、録音時間の確認ができるのがポイント。たとえば、高い位置など手が届かない場所などにあっても、確実な操作ができるわけですね。
また、トラブルのない録音を実現するという意味では「リハーサル機能」および「デュアル・レベル・レコーディング機能」というものが装備されているのも重要な点。
リニアPCMレコーダーでいい音で録音するための秘訣は「レベルオーバーしない範囲でなるべく大きな音でレコーディングする」ということ。ただ、慣れないと、適切の録音レベルにするのがなかなか難しいところですが、リハーサル機能を使うことで、本番録音前に実際の音をR-07に聴かせて適切なレベルに自動で設定してくれるのです。
さまざまなシーンで利用可能なリニアPCMレコーダー、R-07
2つ目のKATANA-AIRはケーブルを一切接続することなくギターの演奏を楽しむことができる世界初のギター・アンプです。「でもステージなどでギターをワイヤレスで飛ばすシステムは昔からあるじゃん!」と思う方も多いはず。確かにメイン部分はワイヤレスだけど、ギターの出力からストラップに取り付けたトランスミッターへはケーブルで繋いでますよね。でも、このKATANA-AIRはギターのジャックに小さなプラグのようなものを取り付けるだけ。これがバッテリー内蔵のトランスミッターなんですね。
このトランスミッターは1回の充電で最大12時間の連続使用が可能で、一定時間演奏しないと自動的にスタンバイ状態になる省電力設計。しかもスタンバイ状態になっていても、ギターを持ち上げるなど、少し動かすとトランスミッター内のセンサーが振動を感知して、即座にワイヤレス接続を再開するというなかなか賢いシステムになっています。
一方、そのトランスミッターからの信号の送信先は定評のあるBOSSのKATANA Amp。ACアダプタ使用時で30W(15W+15Wのステレオ)、アルカリ電池使用時で20W(10W+10W)の出力を持つアンプなんです。そう、この出力からも想像できるように、このKATANA-AIRはステージ用というよりも、自宅環境やスタジオ内で使うためのアンプです。
こうしたアンプ・タイプやエフェクトの切り替え、設定はKATANA-AIR本体での操作に加え、iOS/Android対応の専用アプリを使うことで、GUI画面で分かりやすく操作できるようになっています。このアプリはBluetooth接続なので、音色変更も本体を触ることなく手元で可能ということですね。しかも、このアプリを使うことで、本体だけではできない、細かく緻密なエディットまでできるのも重要なポイントです。
そして3つ目は、本日からAppleのApp Storeでダウンロード可能になった、iPhone/iPadだけで画面分割の本格的な演奏動画を簡単に作成できるアプリ、4XCAMERA(フォーエックスカメラ)です。
これは1人で複数の楽器を演奏したり、1人で複数パートを歌ったり、ネット仲間とのセッションするのを画面分割の形で1つのビデオ作品に仕上げられる、非常に便利なアプリです。音だけであれば、DAWを用いて多重録音していくことで作品を作っていくことは可能ですが、ビデオにするとなると、なかなか難しく、従来かなりの手間がかかりました。
この撮影・録音が完了したら、アプリに用意されている10種類の画面レイアウト・パターンを選択した上で、どのビデオをどの位置にするかを指定していけばいいのです。もう、これだけで4分割画面のビデオ作品が完成しちゃうんですね。
アプリ内課金により4画面が利用可能になる
この4XCAMERA自体は無料アプリなんですが、無料版の状態だと画面分割は2つまで、つまり2パートの作品までしか作ることができません。しかし480円でのアプリ内課金を行うことで、アップグレード版にすることができ、4分割、10パターンの作品作りが可能になるのです。
無料版 | アップグレード版 | |
料金 | 0円 | 480円(アプリ内課金) |
録画時間 | 制限なし | 制限なし |
画面分割 | 2画面まで | 4画面まで |
「Roland」ロゴ表示 | 画面上に表示 | 表示なし |
面白いのはアプリ内でiPhoneやiPad上の曲にアクセスできるため、これをガイドトラックとして利用できるという点です。つまり原曲をヘッドホンで聞きながら、自分の演奏やボーカルを動画撮影することができるのです。この場合、動画には自分の演奏しか録音されませんから、原盤権を侵害するという心配もないわけですね。
できあがった映像作品はYouTubeなどにアップすることができる
【関連情報】
Roland Music Connect
【ダウンロード】
◎App Store ⇒ 4XCAMERA