小節・拍での時間管理ができるビデオ編集ソフトの新バージョン、VEGAS 19誕生。ラインナップが一新され、ライブストリーミングや画像合成も可能に

これまでたびたび記事で取り上げてきている独MAGIXのビデオ編集ソフト、VEGAS。9月14日、新バージョンとなるVEGAS 19がソースネクストから発売されるとともに従来とは大きくラインナップが変更になりました。これまでは下から順にVEGAS Pro 18 Edit、VEGAS Pro 18、VEGAS Pro 18 Suiteというラインナップだったのが、今回VEGAS Edit 19(標準税込価格:15,400円)、VEGAS Pro 19(39,800円)、VEGAS Post 19(59,800円)という3ラインナップに変更となり、それぞれによって収録されているソフトの中身が変更になった格好です。

最上位版のVEGAS Post 19は、言ってしまえば、AdobeのPremiereとAfter Effectsをセットにし、さらにOBSのような配信ソフトを追加したり、波形編集ソフトであるSOUND FORGEを追加するなど、まさに映像、音声周りのソフトをいっぱい詰め込んで、それぞれで連携できるようにしたてんこ盛りパック。もちろん、人によって何が必要かは違ってくると思いますが、今回のVEGAS 19で、どのようなラインナップに変わったのかを紹介してみましょう。なお、9月26日までは新バージョンのリリースセールとして、VEGAS Edit 19が48%オフの7,980円、VEGAS Pro 19が62%オフの14,800円、VEGAS Post 19が33%オフの39,800円と、ソースネクスト恒例のトンデモ価格になっているので、チャンスだと思いますよ。

大きくバージョンアップしたVEGAS 19。画面は中枢となるソフトのVEGAS Edit 19

冒頭にAdobeを例に取り上げましたが、ビデオ編集ソフトはほかにもAppleのFinal Cut Pro、Black MagicのDaVinci Resolve、CorelのPinnacle StudioやVideo Studioなど、さまざまなものがありますが、DTMユーザーにとって扱いやすいのは、なんといってもMAGIXのVEGASだと思います。

その最大の理由は、VEGASがDAWに非常に近いビデオ編集ソフトであり、タイムラインを小節・拍で表示できたり、MIDIを使って外部のDAWやシーケンサと同期できたり、オーディオをマルチトラックで並べてVSTプラグインのエフェクトをかけて……といった操作ができるからです。

時間軸=タイムルーラーが小節・拍で表示されており、BPMや拍子の設定ができるようになっている

この辺は歴代のVEGASが踏襲しており、もちろん今回のVEGAS 19でも変わりありません。小節・拍で管理できるというだけでも、ミュージックビデオの作成をする人にとって、導入する価値は大きいと思いますし、以前の記事で紹介したとおり、ここに歌詞をテキストデータとして流し込むだけで、簡単に歌詞のテロップを作ることができるなど、まさにDTMユーザー、音楽制作者向けのビデオ編集ソフトと言って間違いありません。

VST2、VST3のプラグインをオーディオトラックに掛けることができる

唯一で最大の弱点ともいえるのはWindows専用のソフトであって、Macに対応していないという点。多方面からMac対応の要望はあるものの、20年変わっていないので、ここはどうしようもないのかもしれません。VEGASのためにWindowsマシンを買っても損はないと思いますが、BootCampを利用するとか、先日リリースされたM1 Mac対応のParallels Desktop 17を使って動かしてみるのもいいかもしれません(すみません、まだ検証できてませんが)。

さて、今回のVEGAS 19、そのDAW的な部分は、これまで通りなのですが、今回さまざまな点で大きく変わっています。まずは、そのラインナップと、収録内容が以下の表のようになっています。

VEGAS Edit 19 VEGAS Pro 19 VEGAS Post 19
映像編集
「VEGAS Edit 19」
ライブストリーミング
「VEGAS Stream」
クロマキー合成
「Boris FX Primatte Studio」
サウンド編集
「SOUND FORGE Audio Studio」
効果(VFX)・モーショングラフィックス作成
「VEGAS Effects 3」
画像合成
「VEGAS Image 3」

 

そう、ビデオ編集ソフトであるVEGAS Edit 19というソフトが、中枢となるソフトであり、これについては3ラインナップともすべて共通。VEGAS Pro 19になるとそこにライブストリーミングソフトであるVEGAS Streamやクロマキー合成ソフトであるBoris FX Primatte Studio(※9月14日時点、までリリースされておらず、10月上旬からダウンロードが可能になる予定とのことです)、波形編集ソフトのSOUND FORGE Audio Studioが付属し、VEGAS Post 19になると、さらにVEGAS Effects 3、VEGASImage 3のそれぞれが付属するという関係になっているのです。

アイコンやロゴなども変わったVEGAS 19

では、もう少し具体的に見てみましょう。まず根幹部分であるVEGAS Edit 19は前述のDAW的機能のすべてを含んでいるので、そこだけが目的であればVEGAS Edit 19で十分だと思います。これまで何度も記事にしているので、従来機能は省きますが、今回VEGAS Edit 19のアイコンがシンプルなものに変わるとともに、強力な機能がいろいろ追加されています。

まずは自動シーン検出機能。シーンの変化を自動的に検出できるようになっており、動画のカットやエフェクトの追加の目安にできるなど、スピーディーな編集が可能です。

シーンを自動検出して、区切ってくれるので、編集がしやすくなる

また、SD/HD映像を4Kにアップスケールする機能が追加されたのも今回のVEGAS Edit 19からです。解像度の低い映像の画面サイズを単純に変えるというのではなく、AIによって、キレイに高解像度化してくれるのは、ちょっと驚きの機能。かなり強力に活用できそうです。

また従来から色補正機能はありましたが、そこがさらにパワーアップ。色補正用のカラーグレーディングの画面が再設計されたのとともに、プロフェッショナルな色補正を手軽に提供できるLUTプリセットが40種類追加されています。

色補正も自由自在になっている

そのほかにも調整トラックが追加あれ、複数の映像トラックに同時にエフェクトがかけられるようになったり、HDRカラーのサポートが強化されたり、Blackmagic RAW(BRAW)形式をサポート(現時点はベータ提供とのこと)するなど、さまざまな機能が強化されています。

と、ここまでが一番下のグレードの、VEGAS Edit 19についてです。その上のVEGAS Pro 19になると、先ほどの表のとおり、3つのソフトが追加されます。それぞれ個別ソフトではありますが、連携できるようになっているのもポイント。DTMユーザー的にはSOUND FORGE Audio Studio 15がついているというのは大きな点です。

強力な波形編集ソフトであるSOUND FORGE Audio Studio 15

いわゆる波形編集ソフトの定番中の定番であり、オーディオ編集がサクサクと簡単にできます。詳細については「Windows DTMerがSOUND FORGE Pro 14を持っておくべき7つの理由」という記事を書いているので、そちらを参考にしていただきたいのですが、SOUND FORGE Audio Studio 15は、SOUND FORGE Pro 14の下のグレードではありますが、一通りの機能は備えているので、もしもWindowsユーザーで、SOUND FORGEを持っていないのであれば、この機会に入手しておいて損はないはず。VEGAS Edit 19上で、オーディオデータをダブルクリックすると、SOUND FORGEが起動し、ここで細かく編集を行い、保存するとVEGASに戻る……といった連携がでいるようになっています。

YouTube LiveやFacebook Liveなどのメディアに配信できるソフト、VEGAS Stream

そして、今回の目玉となるのがVEGAS Streamの登場です。これはYouTube LiveやFacebook Live、LINE Live、Twitch、そしてニコニコ生放送などを配信するためのソフトです。まあ、世の中にはOBSという便利なフリーウェアがあるので、それで十分ではあるけれど、このVEGAS Streamもなかなか使いやすく、何よりVEGAS Edit 19と連携できるのが最大の特徴。配信した内容をVEGASにエクスポートし、VEGASで編集した結果を再度、VEGAS Streamから配信する……といったことが可能になっているのです。単に配信するだけであればOBSでOKだと思いますが、その後、キレイに編集してアーカイブする……というような用途にはかなり役立つと思います。

VEGAS Streamからニコニコ生放送に配信することができた

そして最上位版のVEGAS Post 19になると、さらにこれまでにないソフトが登場してきました。ソースネクストに聞いたところ、実は以前からVEGAS Post Suiteという製品(これまで109,780円と、非常に高価だった)を通常のVEGAS Proとは別ラインナップで出していたけれど、今回のVEGAS 19登場のタイミングでVEGASシリーズとして統合されたのだとか。ここには視覚効果(VFX)・モーショングラフィックスの処理を行うソフトである、VEGAS Effects 3と、画像合成ソフトのVEGAS Image 3が入っているのが、VEGAS Pro 19との違いです。

SF映画のようなシーンを簡単に作ることができるVEGAS Effects

まずVEGAS Effect 3はマルチレイヤー合成とキーフレームアニメーションを使用して、SF映画のようなシーンを作成できるというソフト。800種類を超える強力なエフェクトとプリセットにより、視覚効果を短時間で設定できるのが特徴です。その例を紹介したビデオがこちら。

確かにVEGAS Edit 19でも、さまざまなエフェクトをかけることは可能ですが、VEGAS Effectsを使うことで、より積極的にシーンを作り上げることが可能であり、基本的には短いカットの映像や、細かい設定が必要な映像などをこれで編集し、できあがった素材をVEGAS Edit 19に取り込んで、並べていくという使い方になります。

写真を自在に変種できるVEGAS Image 3

一方の、VEGAS Image 3は画像合成ソフトで、レイヤーを無制限に設定でき、写真を非常に自然に合成できるというソフト。写真のRAWデータを保持したままレイヤーを追加し編集できるようになっています。そのVEGAS Image 3の紹介ビデオがこちら。

ビデオ編集ソフトとはちょっと違いますが、写真の加工が非常に効率的にでき、その結果をVEGAS Edit 19に取り込んで使っていくことも可能になっています。

以上、VEGAS 19について、ざっと紹介してみました。ミュージックビデオの制作用に編集ソフトが欲しいのであれば、VEGAS Edit 19で十分だとは思いますが、必要に応じて上位版を手に入れてみるのもよさそうです。

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