最強の音質を誇るDOTECのフラグシップとなるコンプレッサ、DeeCompressor誕生

日本のプラグインメーカー、DOTEC-AUDIO(ドーテック・オーディオ)が、「現在までのノウハウをつぎ込んだ」と自信をもって開発したDeeCompressorがリリースされました。これはDOTEC-AUDIOが2015年に最初の製品として開発したDeeCompの進化版にあたるもので、これまでDeeシリーズのプラグイン開発で培った技術や経験をすべて集約した最高傑作になっているとのこと。DOTEC-AUDIOは、ユニークな製品を数多くリリースしてきている日本が誇るメーカーですが、今回のDeeCompressorは、マキシマイザのDeeMaximizerと双璧をなすフラグシップとしてリリースした製品だけに、どんなシチュエーションでも利用することが可能となっています。

DeeCompressorが登場したことで、DeeCompはディスコンになりますが、これまでDeeCompを使っていたユーザーは、そのシリアルを使ってDeeCompressorを使うことができるのも嬉しいところ(ただし逆は不可)。フラグシップモデルとして登場しているので、価格は13,200円(税込)とDeeMaximzerと同じで、ほかのDeeシリーズよりは高めに設定されています。ただ、発売セールとして5月8日(日)24:00まで5,500円になっているので、入手するなら今がチャンス。王道のコンプではあるものの、従来のコンプとは一線を画す機能も搭載しており、実際どんな製品になっているのか、開発者であるフランク重虎さん、飯島進仁さんにお話しを聞いてみたので紹介してみましょう。

DeeCompから進化した究極版コンプレッサDeeCompressor


DOTEC-AUDIOのプラグインは、フランク重虎さんの天才的な技術力によって、難しいセッティングをすることなくカッコいい音が出力されるよう設計されいるのが特徴。これまで、音をいい感じに太くしてくれるDeeFat、知識不要で機能してくれるDeeEQ、音像を思いきり広げてくれるDeeWider、曇った音をクリアにし抜けのいい音に変換してくれるDeeCrystal……など、ユニークでありながら、即現場で使える強力なエフェクトを次々とリリースしてきました。さっそくですが、以下にDeeCompressorを紹介するビデオがあるので、ご覧ください。

今回新登場したDeeCompressorは、以前「過去最強の音圧を実現!DOTEC-AUDIOのマキシマイザ、DeeMaxシリーズの最終兵器、DeeMaximizerが爆誕」という記事で紹介したDeeMaximizerと対をなすフラグシップモデルとしてリリースされたので、デザインのコンセプトは同じになっているそう。ちなみにDeeMaximizerのデザインは出雲重機さん、DeeCompressorは福田興業さんとのこと。

DOTEC-AUDIOのフラグシップモデルDeeMaximizer(左)とDeeCompressor(右)

さてDeeCompの進化版として登場してきたDeeCompressor。一体なにが進化したのか、フランク重虎さんにお伺いしてみました。
基本的にDeeCompに搭載していたパラメータは装備しています。ただ中身の部分は、完全にゼロから作り直しているので、DeeCompよりも圧倒的に音がよくなっています。というのも、DeeCompはDOTEC-AUDIOの最初の製品であり、そこから10製品以上リリースしてきて、そのすべてのノウハウをフィードバックしているからです。どのコンプレッサにも搭載されているパラメータを基本としているので、初心者からプロの方までお使いいただけますよ。世の中のコンプレッサと比べると、よりコンプレッサらしい音がポイントで、音が太く、音圧が高く、聴きやすくなります。コンプレッサに求める音の雰囲気って、それぞれイメージがあると思います。そんなイメージに忠実に答えてくれるのが、DeeCompressorです」(フランク重虎さん)。

DeeComp(左)の進化版として登場したDeeCompressor

その話のとおり、DeeCompressorは、通常のコンプにも搭載されているTHRESHOLD、RATIO、ATTACK、RELEASE、KNEE……などを基本としているのですが、特徴的な部分もいくつかあるので、これについて見ていきましょう。

まずは、RATIOが1以下になるところからです。1以下に設定すると逆コンプが掛かるようになるので、アタックの頭だけを強調することが可能。スレッショルドに引っかかった音をより大きくすることができるので、たとえばボーカルの歌い出し、スネアやパーカッションのアタック感を強めることができます。またリミッターが搭載されているので、逆コンプに設定して、リミッターでピークを抑える使い方も考えられますね。

RATIOを1以下に設定してアタック感を強調することも可能

次にアタックとリリースを0で設定可能な点について。ちょっと特殊な使い方ですが、完全なリミッティングを行いときやサチュレーションとして利用することができます。KNEEで歪み具合を調整していくといった、上級テクニック的な部分ですが、これにより昔のプリアンプを通したようなサウンドを作ることが可能。シンプルに使って音がいいのはもちろんなのですが、こういった深みがあるもDeeCompressorの特徴です。

アタックとリリースを0に設定して、サチュレーションを掛けることもできる

アタック、リリースに関係するところでいえば、AUTO RELEASEが付いているので、自動でリリースを設定することも可能。最短のリリースタイムは、パラメータのリリースが有効になり、DeeCompressorその最短のリリースタイムよりも伸ばした方がいいと判断した場合は、オートでリリースが調整されるものになっています。

AUTO RELEASEが搭載されているので、自動でリリースの調整を行ってくれる

そして、HPF/LPFフィルタも搭載しています。これは、スレッショルドが掛かる周波数を指定するもので、たとえばドラムループのキックの音を起点にコンプを掛けたり、ディエッサー的な使い方もできます。通常のディエッサーは、歯擦音のみにコンプが効くので、がっつり高音域を取ってくれます。一方DeeCompressorは、歌い出しの歯擦音に対して全体域に効くので、もう少し柔らかさのある出音になります。また、高音域以外の音にもコンプが効くので、ポップノイズなども制御することができます。

HPF/LPFフィルタを搭載しているので、ディエッサー的に使うこともできる

さらにここからは、ちょっとマニアックだけど、すごく便利な機能のついて紹介していきます。まずは、Peak/RMSについて。コンプは通常、音量をPeakとRMSの割合で見ています。たとえば、FETコンプはピークを見ていたり、OpticalコンプはRMS寄りで見ていたりなど、メーカーによってさまざまです。コンプの味付けは、スレッショルドの掛かり方とアタックリリースのカーブで決まってきます。このスレッショルドの掛かり方の部分を自在に調整できるので、幅広い音作りも可能となっています。たとえば、RMS寄りで設定すると聴感に近い掛かり方になるので、歌にDeeCompressorを使う時はRMS寄り。ドラムなどのパーカッションはPeak寄りで設定するといい感じの効果が得られるとのこと。ちなみに従来のコンプはPeakとRMSの割合は固定が多いので、しれっと搭載されていますが非常に商品価値を高めていると思います。より自分のサウンドを追求していくことができる数少ないプラグインの1つともいえます。

Peak/RMSを使って、スレッショルドの掛かり方を調整可能

また、CH LINKというパラメータもDeeCompressor特有の機能。正確には、DeeMaximizerにもこのパラメータは搭載されていたのですが、CH LINKは、値が大きいほど L/RまたはMID/SIDE間の同期が強くなり、M/S(MID/SIDE)ボタンのオンオフによって聴こえ方が変わります。M/Sボタンがオフのときは、普通のL/Rで音量を感知して、オンのときはM/Sで感知します。たとえば、L/Rでコンプレッサを使ったときにLだけ歪みやすい音源の場合、CH LINKを操作すると、歪みを回避することが可能だったりするわけです。ほかにも、MIDとSIDEの差を少なくすることで、結果的にステレオ感が増し、イヤホンで聴いたときにより迫力が出るようになっています。CH LINKの値を低くすると、音圧を高くすることができますし、これまでうまくコンプが掛からなかった音源でも、微調整が可能です。

CH LINKを調整することで、積極的に音圧を稼ぐこともできる

ここまで紹介してきた機能を使って作ったサウンドをDRY/WETを調整していくこともできます。100%の状態では、従来のコンプを通したときと同じ効果ですが、ドライとウェットのバランスを調整できるので、難しいルーティングを作成しなくてもパラコンプといったテクニックを簡単に再現可能。パラコンプとは、コンプで潰した音と元の音を混ぜて、元の音のダイナミクスを残しながら、コンプが掛かった音のパンチ感を追加していくミキシングテクニック。あらゆるジャンルで使われる定番のテクニックを手軽に使えるようになっているのは便利ですよね。

DRY/WETのパラメータを使って、パラコンプのような設定も楽に行える

なお冒頭でも書いたように現在セール中で13,200円(税込)が、5月8日(日)24:00まで5,500円となっています。
今回のM3-2022春にDOTEC-AUDIOも個人ブース(う-11a, b)で参加します。M3にいらっしゃった方には、お釣りの観点もありDeeCompressorを税込み5,000円で発売し、ほかの製品についてもお品書きの価格で販売します。なので、Webより10%割引での発売になります。当日は、各種クレジット、電子マネーにも対応し、交通系やPaypayでの支払いも可能です。直接、DOTEC-AUDIO製品の解説も行いますので、よかったらぜひ、会場まで足を運んでみてください」と飯島さん。もっとも会場に来れない方でも、オンラインM3特価販売はされているので(この場合は消費税分が乗ります)ぜひアクセスしてみてください。

M3特別割引のお品書き
以上DeeCompressorを紹介しました。王道コンプであるものの、DOTEC-AUDIOらしいユニークな機能も併せ持っていましたね。これ1台あれば、ボーカル、ドラムといったパーカッション、ギター、ベース……など、あらゆるサウンドをカッコよくできますし、攻めたサウンドだって思いのまま。DeeCompユーザーは、無料でゲットできるので、ちゃんとダウンロードしておきましょう。

今回、飯島進仁さんとフランク重虎さんにお話しを伺った
デモ版も用意されているので、DOTEC-AUDIOの最高傑作をぜひ1度試してみてはいかがでしょうか?

【関連情報】
DeeCompressor製品情報

DOTEC-AUDIO WEBサイト
DOTEC-AUDIOブログ「DeeTips」
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