NI、iZotope、Plugin Alliance、Brainworxによる一大グループ会社、Soundwideが設立。設立記念でプラグインパックのプレゼント実施中

昨年、Native InstrumentsiZotopeが同じ資本系列に入り兄弟会社になったという情報はDTMステーションでも何度かお伝えしていましたが、このたびその2社に加え数多くのプラグインのプラットフォームとして知られるPlugin Alliance、さらにユニークなマスタリングエフェクトなどを出すBrainworxの計4社がグループとなり、その親会社としてSoundwide(サウンドワイド)という会社が設立されたことが4月12日、発表されました。

Soundwideは、「世界中のクリエイターにとって音楽・オーディオ制作をより楽しく刺激的な体験にするために、それぞれに合ったクリエイティブフローの発見と維持をサポートすること」を目指すとのこと。そのSoundwideの設立を記念して、各社の製品をパックにしたWelcome Bundleなる製品群のプレゼントキャンペーンが4月26日までの間実施されています。実際、どういうことなのか簡単にまとめてみました。

4社+1社をグループ会社として持つSoundWideが設立

4月12日、発表された資料によると、これまでNative Instruments、iZotopeの2社で歩調を整えてきたビジョンの賛同する形で、Plugin AllianceとBrainworxの2社が加入し、今回の新会社、Soundwideの設立となったようです。ご存じの方も多いと思いますが、Plugin AllianceはSSL、SPL、Focusrite、Mäag Audio、elysia、Millennia、AMEK、Vertigo……といった名だたるメーカーのプラグインを要するプラットフォームです。

多くのプラグインのプラットフォームとなっているPlugin Alliance

一方のBrainworxは、チャンネルストリップや、EQ、ダイナミクスなどプラグインや、アンプシミュレーターなどのアナログ機材をエミュレーションするプラグインを開発するメーカーであり、マスタリング用途などで多くの人が利用しているメーカーなので、使っているというDTMユーザーも少なくないでしょう。

アナログ機材をエミュレーションするプラグインを多く出すBrainworx

実はそのPlugin AllianceとBrainworxは兄弟会社であり、どちらもDirk Ulrich氏が設立し、これまでもオーナー兼CEOとして率いてきたという経緯があります。その2社は米国とドイツに合計60名の社員がいるのだとか。その2社が揃ってNative InstrumentsおよびiZotopeのグループに入ったので、まさにDTMの世界における一大グループになった、という形です。

比較対象として正しいかどうか分かりませんが、AKAI Professional、Alesis、M-Audio、BFD、Numarkなどを擁するinMusic、Behringer、TC Electronic、Midas、TC Helicon、Tannnoyなどを擁するMusic Tribeなどのような楽器・レコーディング業界のコンツェルンががまた新たに登場した、という感じですね。

最初に挙げたSoundwideのグループ会社のロゴを見て、おや?と思った方もいると思います。そう、Native Instruments、iZotope、Plugin Alliance、Brainworxに加え、もう一つ、Sound Stacksという会社があります。実はここは、業界標準のオープンソース・オーディオ・アプリケーション・フレームワークであるJUCEの開発者であるCesare Ferrari氏とJulian Storer氏から生まれた新会社。

JUCEに関する説明は割愛しますが、多くのプラグインメーカーが利用している開発ツールであり、DTMの世界を支える縁の下の力持ち的なもの。その開発者が「オーディオ開発業界全体の生産性とパフォーマンス向上を目標に、新しいオーディオプラットフォーム技術の開発を推進するためにSound Stacksを設立した」というのですから、実際どんな展開になるのか、個人的にも非常に関心のあるところです。

さて、そのSoundwideの設立に関連するプレスリリースには以下のようなことも書かれています。

Soundwideの使命を世界中のクリエイターに広め、コミュニティをより力づけるために、Native InstrumentsとiZotopeが育んできた業界を牽引するミュージシャンやプロデューサーとの関係をさらに発展させ、新しくアーティストボードを結成しました。初代ボードメンバーには、シンガーソングライターのAlicia Keys、レコーディング・ミックスエンジニアのAnn Mincieli、プロデューサー兼ラッパーのRun the JewelsのEL-P、ミュージシャン/プロデューサー/作曲家のJacob Collier、作曲家のLudwig Göransson、プロデューサー兼エンジニアのNoah “40” Shebib、制作チームのTake A Daytrip、シンガーソングライターのTayla Parx、プロデューサー兼エンジニアのYoung Guruが集まりました。それぞれがSoundwideグループとの有意義な繋がりを持っており、Soundwideとしても世界で最も革新性と実績を兼ね備えた存在として認識しています。このアーティストボードは、合計でグラミー賞を29回も受賞(77回のノミネーションから)しており、リリースした音楽の再生回数は、YouTubeとSpotifyだけで100億回以上を超えています。ボードメンバーは、クリエイターのニーズ、製品ロードマップ、コミュニティ開発、オープンなコミュニティを音楽業界に育てる新たな方法などに対して、Soundwideに定期的かつ重要なアドバイスをしていきます。

アーティストボードなるものを結成して、多くのミュージシャンと歩調を合わせながら事業展開をしていく、ということのようですね。

一方、SoundwideのCEOとなるのはMark Cattini氏。Cattini氏はソフトウェア畑を歩んできた方のようですが、以下のようなコメントを発表しています。

これから、私たち自身にこう問いかけていくでしょう。「コミュニティの人々が究極のクリエイティブワークフローへ入り込むには何が必要なのか、私たちがどのようにサポートするとそこに辿り着けるのか」。まず第一にコミュニティのニーズを明らかにし、それを理解することで、私たちの道しるべを描き、未来のサウンドに一歩近づけるのです。Soundwideのアーティストボードは、より多くの席数を用意し、ボードメンバーと協力してもらいながら新しい声を取り入れていく、というユニークな機会を提供します。

実際、これら5社がどのようなシナジー効果を出していくのか、ぜひ今後に期待したいところですが、そのSoundwide設立記念として、プレゼントキャンペーンを開始しているので、ぜひこれはみんなで入手しておきたいところ。

具体的には以下の3種類。

製品名 メーカー 概要
Ethereal Earth Native Instruments Ethereal Earthは、KONTAKTおよび無料のKONTAKTプレーヤー用のPlayシリーズで非常に人気のあるエントリです(必要な場合は、最初にダウンロードしてください)。シタール、ゴング、シンセサイザーが満載で、直感的なマクロコントロールの列を介して映画のようなパッドやテクスチャにひねることができます。
Neutron Elements iZotope EQ、トランジェントコントロール、励起、圧縮をカバーする、iZotopeのAI拡張ミキシングツールスイートの完璧な紹介です。また、トラックアシスタントを使用すると、オーディオを聞いて、各トラックの最適な開始点を推奨できます。
Welcome Bundle Plugin Alliance / Brainworx 最も人気のあるプラグインの6つのフルバージョンを1つの便利なパッケージに収めることで水準を引き上げました。Black Box Analog Design HG-2、Shadow Hills Mastering Compressor、Ampeg SVT-VR Classic、bx_masterdesk、bx_oberhausen、および bx_consoleFocusriteSCを入手できます。

いずれも、誰でも簡単にダウンロードできるようになっています。ダウンロードできるのは4月26日までとなっているので、ぜひ早めの入手をお勧めします。

【関連情報】
SoundWide設立情報(英語)
Ethereal Earthダウンロード
Neutron Elementsダウンロード
Welcome Bundleダウンロード