iZotope Ozoneの神アプデ!Ozone 10では、AIが理想のマスタリングを行う!?

プロアマ問わず、マスタリングツールとして定番になったiZotopeOzoneがバージョンアップして、Ozone 10になりました。初代Ozoneが誕生してから17年経ち、革命ともいえるAIを用いたマスタリング機能、Master Assistantを2017年にOzone 8で実装。これにより、初心者でも高いクオリティの楽曲をリリースすることが可能になりました。唯一無二の存在であるOzoneですが、今回もさらに進展し、ユーザーはより納得のできるマスタリングを行えます。

具体的には、Master Assistantが機能強化され、普段聴いている楽曲により近づけられるようになっているのです。EQからだけではなく、ダイナミクス、ステレオ感も認識し、理想のマスタリングへ調整されるようになりました。ダイナミクスを調整するための新モジュールImpactStabillizerが追加され、さらに魅力的な楽曲に仕上げることが可能です。またMaximizerにSoft Clipが追加された、Imagerでステレオ幅をより自然に狭められるようにもなっています。また10月20日までイントロセールも行われており、さらに日本限定特典として、マスタリングエンジニアであるJonathan Wyner氏によるリファレンスプリセットのプレゼントも実施されるそう。このキャンペーンも含め、Ozone 10の内容について紹介していきましょう。

Ozone 10にバージョンアップしてMaster Assistantが進化した

Ozone 10は現在2グレード、イントロセールは10月20日まで

具体的な内容に入る前に、ラインナップを整理すると、9月13日現在での発表内容を見る限りOzone 10のラインナップに、Elementsが見当たらず

Ozone 10 Advanced
Ozone 10 Standard

の2グレードとなっています。現時点ではOzone 9 Elementsのままなので、今後Elementsがどういった扱いになるのか、不明ですが、情報があり次第整理したいと思います。また今回のバージョンアップで追加された、新モジュールであるImpactとStabillizerは、Advancedのみに搭載されるので、新バージョンの恩恵を受けたい方は、この機会に最上位版にアップグレードするというのもアリだと思います。

嬉しいことにイントロセールで、Ozone 10 Standardは20%OFF、Ozone 10 Advancedは40%OFFとなっています。新規購入やアップグレードでの価格については、記事の最後に掲載しているので、そちらをご覧ください。また日本限定特典であるJonathan Wyner氏によるリファレンスプリセットのプレゼントについても後ほど紹介します。

AIマスタリング機能、Master Assistantを機能強化

さて、Ozone 10のバージョンアップの内容について見ていきましょう。まず目玉となるのは、Master Assistantが新しくなった点です。2017年のOzone 8で初めて実装されたMaster Assistantですが、これがさらに強化されているのです。Master Assistantというのは、Ozoneの代名詞でもある人工知能による自動マスタリング機能。Ozoneを起動して、Master Assistantボタンをクリックして、対象の曲を再生し、Ozoneに読み込ませることで、EQやコンプ、マキシマイザなどをいい感じに調節してくれるのですが、この部分がさらに賢くなりました。

Ozone 10の代名詞でもあるMaster Assistantが進化し、新しいモジュールも追加された

これまでのMaster Assistantは、正解とされるマスタリングのトーナルバランスに静的なEQでのアプローチしかありませんでした。それに対し、Ozone 10では静的と動的なEQを組み合わせることで、よりターゲットの音源に近いトーナルバランスを実現しているのです。またダイナミクスとステレオ感からのアプローチも加わり、より立体的にいいマスタリングとされている音源に近づくようになりました。そして新しくなったトーンマッチとダイナミクスのマッチを実現するために新しいモジュールのImpactとStabillizerが追加されいるので、順番に解説していきます。

Ozoneの各モジュールは単体をインサートすることも可能。画像は新搭載されたImpact(左上)とStabillizer(右下)

では実際にOzone 10の画面を見ながら新しくなったMaster Assistantから見ていきます。Ozone 10を起動すると、以下のような画面が表示されます。大きくは変わっていないので、従来からOzoneを使用していた方ならすぐに新機能を扱えると思います。Master Assistantを使うには、画像の赤枠で示しているアイコンをクリックします。

進化したMaster Assistantを利用する

すると、画面が切り替わるので、この状態になったら、目的の楽曲の一番盛り上がるところ再生していきます。ここまでは、従来通りですね。

自分の楽曲を再生する

4つのブロックでサウンドを調整していく

楽曲を解析し終わったら、ここからOzone 10に追加された新しい画面に移っていきます。画面は大きく分けて、4つのブロックで、Targets、Tone Match、Width Match、Dynamics Matchが表示されます。

新しくなったMaster Assistant

Targetsでは、目的となるトーナルバランスを設定していきます、ここにはデフォルトでCinematic、Country、EDM、Folk……といったジャンルがあり、自分の楽曲に当てはまるものを選択します。実際に使ってみたところ、EDMの楽曲を読み込んだのですが、自動でTargetsもEDMになったので、ここもOzone 10がいい感じのものを選んでくれるのだと思います。世界中の楽曲を参考にTargetsを用意しているみたいなので、これを選ぶだけでもグッと自分の曲がよくなりますよ。また、目的となるトーンバランスを既存の曲にすることも可能で、+ボタンを押すと音声ファイルを読み込めるので、リファレンスとしている曲の情報をOzoneに与え、自分の曲をそこに近づけることも可能です。

Targetsで理想とするマスタリングのバランスを選択する

Targetsのジャンルを変えるとTone Matchにあるカーブも変更されるのですが、ここにはトーンマッチで目指すトーナルバランスが表示されています。各帯域にソロボタンがあるので、選んだ帯域だけを聴くことも可能です。

Tone Matchには、目指すトーナルバランスが表示される

また音量を変えずに音質の変化だけを確認するためのボタンも画面上部に搭載されているので、Bypassボタンも使用しながら、適切な処理がされているか音量に騙されず確認することもできます。

音量を変えずに音質のみを比較することも可能

Tone Matchの右上には、EQとStabillizerのパラメータがあり、これは各モジュールのAmountつまり量をコントロールするものになっています。右に行けば深く掛かり、左に行けば浅く掛かることになります。

この画面から各モジュールのAmountを調整できる

たとえばEQの帯域やQの設定は自動で行われているので、ユーザーはその掛かり具合だけを調節するだけなので、初心者でも簡単に調整することができます。もし、帯域やQの調整といった詳細なパラメータを調整したい場合は、上部のタブから画面を切り替えると、各モジュールが表示されるので、ここから調整可能です。

画面を切り替えて各モジュールの詳細を設定する

Width Matchには、ステレオ感を確認するためのベクトロスコープが搭載されています。ここにも、ImagerのAmountを調整できるものが配置されています。

Width MatchにあるImagerのAmountでステレオ感をコントロール

Dynamics Matchにもメーターがあり、ここではImpactとMaximizerのAmountを調整できます。

Dynamics MatchにあるImpactとMaximizerのAmountでアタック感や音圧を調整

またラウドネス値のターゲットは、StremingとDJ Playerの2つになり、以前あったCDの項目は消えています。

StremingとDJ Playerから、ラウドネス値のターゲットを選択できる

ここまで紹介した画面で基本的なセッティングは行うことができるので、初心者でもかっこよく楽曲の仕上げをできますね。さらに詳細にコントロールしたい方は、前述の通り画面を切り替えると各モジュールを調整できます。

新モジュール、StabillizerとImpact

次は、そのモジュールに追加されたStabillizerとImpactの概要を紹介していきます。Stabillizerは、通常のEQとは違い動的にブーストとカットが行われるモジュールとなっています。ダイナミックにいい感じに調整し続けてくれるEQであり、帯域ごとにどのぐらい強さで掛けるのか調整できたり、反応の早さをコントロールしたりなど、好みで調整することも可能です。

Stabillizerはダイナミックにいい感じに調整し続けてくれる動的なEQ

Impactは、細かいダイナミクスを調整するモジュールとなっています。コンプは、波形全体のダイナミックレンジを調整するのに対し、Impactはトランジェント感を4つの帯域でコントロールします。これにより楽曲にメリハリが出てて、より迫力のある楽曲に仕上がります。ターゲットに設定した音源などを参考に、Master Assistantを使えば自動で設定されるのですが、パンチ感をリファレンスに寄せることができるなんて、かなりすごいモジュールですよね。

Impactは細かいダイナミクスを調整するモジュール

また、MaximizerにSoft Clipが追加されたのですが、これはマキシマイザのスレッショルドの手前からサチュレーションを掛けていってより大きなラウドネスを感じさせることのできるもので、原音をより保つことのできる機能です。L、M、Hでどのぐらい手前からサチュレーションを掛けるか選択でき、Hではもっとも過激な掛かり方になります。

MaximizerにSoft Clipが追加された

そしてImagerでステレオ幅をより自然に狭められるようになったわけですが、画面を見てみるとRecover Sidesというパラメータが追加されているのを確認できます。これは両サイドの音をモノにしたときに存在感が弱まってしまうソースに対して、それを補うために音が追加され、存在感のある芯のある音を再生する機能です。これによりImagerでステレオを調整すると、立体感がなくなったりしてしまう場合があるのですが、この機能を使うことで、奥行きをしっかり保った音源を作成することが可能です。

ImagerにRecover Sidesが追加された

Ozone 10製品のラインナップとセール価格

以上、Ozone 10について紹介しました。冒頭でも紹介したように、日本限定特典としてJonathan Wyner氏によるOzone 10 Advanced専用のリファレンスプリセットがプレゼントがあります。後日Jonathan Wyner氏が登壇予定のMIFES 2022タイミングで配布されるとのこと。国内販売のiZotope製品付属サポートIDを登録、もしくはMIオンラインでの購入をした場合に限りとなっています。先日、DTMステーションでも紹介したKOMPLETE 14にOzone 10 Standardはバンドルされるようになりましたが、これは特典対象とはならないとのことでした。

またイントロセールが10月20日まで実施中です。価格は以下の通りとなっています。

商品名 購入対象ユーザー タイプ 定価(税込) セール価格(税込)
Ozone 10 Advanced 新規 NEW ¥74,200 ¥44,500
Ozone 10 Standard 新規 NEW ¥37,000 ¥29,600
Ozone 10 Advanced 旧Ozone Advancedユーザー UPG ¥29,600 ¥22,200
Ozone 10 Advanced 旧Ozone Standardユーザー UPG ¥37,000 ¥29,600
Ozone 10 Standard 旧Ozone Standard/Advancedユーザー UPG ¥22,200 ¥14,800
Ozone 10 Advanced Elements、Expoを含むiZotope製品ユーザー CRG ¥74,300 ¥37,000
Ozone 10 Standard Elements、Expoを含むiZotope製品ユーザー CRG ¥37,000 ¥22,200

お得にOzone 10をゲットできる機会なので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

【製品情報】
iZotope Ozone 10製品情報

【価格チェック&購入】
◎MIオンラインストア ⇒ Ozone 10 Advanced (新規 , アップグレード , クロスグレード)
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◎サウンドハウス ⇒ Ozone 10 Advanced (新規 , アップグレード , クロスグレード)
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