Rolandのゲーミングミキサー、BRIDGE CASTに著作権フリーのBGM活用サービス、BGM CAST搭載

本日7月18日、Rolandから新たなサービス、BGM CASTなるものが発表されました。これはRolandのゲーミングミキサー、BRIDGE CASTに搭載された新たなサブスクリプション・サービスで、ゲーム実況をはじめとする動画配信時に、著作権フリーのBGMを流したり、さまざまな効果音を鳴らせるようにする、というもの。

HAPPY、COOL、EXCITING…といったムードと、EDMやHIPHOP、ROCK…といったジャンルを指定すれば自動的にいい感じの曲をBGMとして流してくれるというもの。これをYouTubeなどで配信しても、著作権でトラぶることなく、利用できるため、安心して配信クオリティーを上げることが可能になる、というサービスなのです。このBGM CASTはすでにRolandがサービスを実施しているクラウド型のソフト音源サービス、Roland Cloudを活用する新機能でもあります。実際どんなものなのか試してみたので、紹介してみましょう。

Rolandのゲーミングミキサー、BRIDGE CASTの新機能として著作権フリーのBGMを流せるBGM CASTが追加に

ゲーム実況のための配信用ミキサー、BRIDGE CAST

以前「ゲーム実況で使うミキサーの完成形!?ゲーマー社員の熱意によって開発されたRoland BRIDGE CAST」という記事でも紹介したRolandのデジタルミキサー、BRIDGE CAST。楽器メーカーの出したミキサーではありますが、音楽制作用のミキサーとは大きく異なる機材であり、まさにゲーム実況のネット配信をするために誕生したユニークなミキサーです。

小さいながら各アプリごとの音量をノブで調整したり、マイクにボイスチェンジャーをかけられる機能を持つBRIDGE CAST

AV Watchで書いている私の連載、Digital Audio Laboratoryでも上記記事とはちょっと違う視点から「ゲーム配信特化のコンパクト最強ミキサー!? ローランド、BRIDGE CAST」という記事も書いているので、よかったらこちらも参照してみてください。

BRIDGE CASTのリアパネル

そのBRIDGE CAST、発売当初は人気がありすぎて、入手することが困難な状況が続いていましたが、最近になってようやくある程度は購入できるようになってきました。またファームウェアのバージョンも徐々にアップされて、機能・性能ともに向上してきているようです。そうした中、今回コントロールソフトであるBRIDGE CAST AppがVer.2.00へとアップデートされるとともに、機能を大きく向上させてきたのです。

これまでもBRIDGE CAST Appを起動させるとメニューの一番下の「Roland Cloud BGM Beta」というものがあり、これを選ぶとグレーアウトされた状態で「Coming Soon !!」とあったので、どんな機能が来るんだろう…と思っていた方も多いと思います。今回、そこが実現した形です。

従来のBRIDGE CAST Appには「Coming Soon !!」と表示されるメニュー項目があった

UIも刷新されBGM CAST機能を搭載したBRIDGE CAST App Ver.2.00

新しいBRIDGE CAST App Ver.2.00を起動すると、まずファームウェアのアップデートを促されるので、これに対応しておきます。7月18日現在の最新ファームウェアは1.06となっているようです。これによって新たなBGM CASTにも対応する、ということのようですね。

BRIDGE CAST App Ver 2.00を起動すると、まずファームウェアのアップデートがかかる

BRIDGE CASTユーザーであれば、すぐにお気づきの通り、新BRIDGE CAST AppではUIが従来とは変わり、BRIDGE CAST本体とかなり近いデザインに変わっていす。またHOME画面において、ほとんどの操作、設定ができてしまうのも大きなポイントとなっています。

UIもブラッシュアップされるとともに、より実機の雰囲気と似た感じになった

では、ここからが今回の本題。画面左側に並ぶメニューの一番下を見るとBGM CASTというものが追加されています。これがComing Soonだった新機能ですね。

BGM CASTに関する説明書きが表示される

これを選ぶとBGM CASTに関する機能説明が表示されるのですが、ここには以下のような記載があります

 

BGM CASTを使うことで、ライブ配信に簡単にバックグラウンドミュージックや効果音を加えることができます。すべての楽曲は著作権フリーですので、あなたのチャンネルが著作権侵害の申し立てを受ける心配はありません。

無料のバックグラウンドミュージックと効果音にアクセスするために、Roland CloudでFreeのアカウントを作成してください。またライブ配信のために厳選された数千のすべての楽曲と数百のすべての効果音にアクセスするために、有料のメンバーシップへのご登録もご検討ください。

 

そう、この新しい機能を使うことで、まず配信中にBGMを利用することができるようになるのです。もちろんゲーム中はゲームサウンドでいいわけですが、いったんゲームを離れてトークをするシーンなどではBGMがあることで配信のクオリティーはグンと上がります。

もちろんそのBGMが自分で作成したオリジナルであれば問題ないのですが、既存楽曲をBGMに使ったりするとYouTube側から警告がくることは、配信者であればよくご存じだと思います。これが来ても、通常はうまく権利処理されて問題はないのですが、権利処理される結果、収益はBGMの著作権者側に持っていかれてしまいます。また楽曲によっては、権利侵害ということでそのコンテンツの配信が中止されたり、動画が削除されてしまったり、最悪の場合、アカウント停止という可能性もあるので、著作権には十分過ぎる以上に気を付けなくてはいけません。

Roland CloudアカウントでBGM CASTを利用する

そうした中、このBGM CASTのBGMであれば、著作権フリーなので、難しいことを心配しなくてもOK。一般的に著作権フリーというものも、YouTubeで配信すると、著作権侵害になって収益を持っていかれる可能性もあるので、そこがケアされているという意味では非常に安心です。

BGM CASTの画面でRoland Cloudのアカウントを入力する

先ほどの説明にもある通り、BGM CASTを利用するためにはRoland Cloudのアカウントが必要となります。Roland Cloudについては、DTMステーションでもこれまで何度も紹介していますが、どんなサービスなのかは「クラウド型のソフト音源サービス、Roland Cloudが大きく進化し、国内でも本格スタート。現行ハードウェア製品と音色互換を持つソフトシンセZENOLOGYもリリース」という記事が分かりやすいと思います。

この記事にもある通り、Roland Cloudには以下の4種類のグレードがあります。

Roland Cloudには無償のFreeのほか有償のCore、Pro、Ultimateの各アカウントが存在する

Core、Pro、Ultimateが有償のサービスですが、無償のFreeでも、BGM CASTを取りあえず使うことは可能です。Freeの場合はBGMは36曲、効果音は16種類に限られますが、まずどんなものかを試してみることは十分にできるので、Roland Cloudアカウントを持ってない方は、ぜひこの機会に作ってみてください。

Roland Cloudでは数多くのRolandのソフトウェア音源やライブラリが利用できる

一方、Core、Pro、Ultimateのいずれかの有償のアカウントでログインすると、膨大な楽曲データと効果音のすべてが利用可能になります。Coreであれば月額2.99ドル(日本円で420円程度)なので、このためだけに加入する価値は十分にあると思うし、ソフトシンセを利用する方なら、月額9.99ドル(1400円前後)のProあたりに入るのがおすすめです。

さて、実際に配信をする前に、BGM CAST機能の中で、自分のYouTubeチャンネルを設定しておく必要があります。というのも、著作権フリーではあるけれど、この設定をしておくことで、明らかにこの楽曲を無料で利用できることをYouTubeに対して明示することができるので、トラブルにならないようになっているんですね。

まず自分のYouTubeチャンネルを設定することで、安心してBGM CASTを利用できるようになる

実際の使い方はいたって簡単。左側のMOODというところでHAPPY、COOL、EXCITING、DARK、EPIC、RELAXの6つから雰囲気を選ぶとともに、GENREというところにあるEDMやELECTRONIC、HIPHOP……というジャンルの中から好きなものを選んで、再生ボタンをクリックすればOK。もうこれで配信することができるのです。音量はBRIDGE CASTのノブを回せば自由に調整できるようになっています。

ムードとジャンルを設定して、再生ボタンを押せば、BGMが流れ続ける

曲が終わると、そのまま次の曲に行くのですが、「いいね」、「ダメね」ボタンを押すことでそれがお気に入りなのか、そうでないのかを評価することができ、今後の自動選曲に効いてくることになります。

ちなみに、このBGM誰が作っているのかというと、実はAIによるものなんです。正確にはAmadeus Codeという会社が提供する世界最大級の楽曲データセット「MusicTGA-HR]によるクオリティの高い素材となっています。Amadeus Codeについては以前「AI自動作曲機能でクリエイターを支援するサービス、Amadeus Codeがサービス開始」という記事でも紹介したことがありますが、日本の会社。残念ながらこのときに紹介した一般ユーザー向けのサービスは終了してしまいましたが、今回のBGM CASTなどを通じて利用できるようになっているんですね。

BGM CASTでの楽曲はAmadeus Codeによるもので、AIを用いて作曲されている

数多くの効果音も利用可能に

さて、今回のBGM CASTにおいて、BGMのほかに、もうひとつ提供されているのが効果音です。以前の記事でも紹介した通り、BRIDGE CASTの各ノブの下にあるボタンをポン出しボタンに設定すると、拍手や歓声、チャイム…といった効果音を割り当てることができます。この際、デフォルトで用意されている効果音のほか、自分で持っているWAVファイルなどを割り当てることもできるのですが、このBGM CASTの機能としても膨大なデータが利用できるようになっているのです。

SOUND EFFECTSタブを選択すると、4つの効果音の箱が現れる

使い方は簡単。まず、BGM CASTの画面上にあるSOUND EFFECTSタブをクリックするとA、B、C、Dと4つの箱があり、ここにBGM CASTで用意されている効果音を割り当てる形になっています。「…」というボタンをクリックすると11種類のカテゴリーがあり、その中に数多くの効果音が入っているので、PREVIEWボタンで聴いてみて気に入ったものを選択すればいいのです。

カテゴリーを選択し、各ファイルをプレビューしながら使いたい効果音を見つけて設定する

その後、HOME画面において、4つあるボタンのアサインメニューからSOUND EFFECTS A~D(BGM CAST)を選択すれば、各ボタンを押すことで、効果音を鳴らすことが可能になるのです。

HOME画面で、各ボタンにBGM CASTの効果音を設定すれば、すぐに利用できる

今回は、Roland Cloudを使ったBGM CASTというユニークな機能について紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?まずは、ほかにない非常に便利な配信用ミキサー、BRIDGE CASTを入手するのが先だとは思いますが、ゲーム実況に限らず、さまざまな配信で便利に使えるミキサーなので、改めてチェックしてみてはいかがでしょうか?

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