アメリカ・ロサンゼルス発のケースブランド、Analog Cases(アナログケーシーズ)をご存じでしょうか。シンセやドラムマシンといった電子楽器に特化し、機種ごとに専用設計のケースを作り続けているブランドで、国内では2025年10月からディリゲントが取り扱っています。そのAnalog Casesから、機材に角度をつけて設置するデスクトップ・スタンド、XTSシリーズの新製品3モデルが8月19日に発売されました。小型機材を2段に積めるXTS Mini Duo-Flex デスクトップ・スタンドが19,800円(税込)、大型版のXTS Duo-Flex デスクトップ・スタンドが25,300円(税込)、1段にトレイを組み合わせたXTS Flex デスクトップ・スタンドが13,200円(税込)となっています。
DTMはデスクトップ・ミュージックの略ですから、本来なら机の上で完結するはずの音楽制作。とはいえシンセやフィジカルコントローラなど機材が増えていくと、作業スペースはあっという間になくなってしまいます。そこで機材を斜めに立てて、机の上を立体的に使ってしまおうというのがXTSシリーズの提案で、100%スチール製の堅牢なつくりと、載せる機材の幅に合わせて伸縮するデザインが最大の特徴となっています。従来の1段3サイズと2段モデルと合わせ、国内のXTSシリーズはこれで全7モデル。しかも机が片付くだけでなく、機材が並んだ姿がとてもかっこいいんです。実際どんなスタンドなのか、紹介していきましょう。
電子楽器専用のケースを作り続けるロサンゼルス発のブランド、Analog Casesとは
まずはAnalog Casesがどんなブランドなのか、簡単に紹介しておきましょう。2018年にロサンゼルスで創業した電子楽器専門のケースブランドで、衝撃に強く軽量なセミハードケースやハードケース、バックパック、そしてデスクトップ・スタンド・システムまでを手掛けています。国内での取り扱いがスタートしたのは2025年10月のこと。そこから2026年1月に9モデル、8月19日に10モデルと、1年足らずで19モデルが追加されています。
そんなAnalog Casesが名乗っているのが、モバイルプロデューサーのための最初のケースカンパニーという肩書きです。機材をスタジオに据え置くのではなく、外に持ち出して世界中どこでもスタジオにしてしまおう、というのがブランドの出発点。ケースはシンプルでクールでスタイリッシュであるべき、というデザイン哲学も掲げています。
では、その肝心のケースはどう作られているのか。Analog Casesのケースは、いずれも機種ごとに専用の型を起こして作られているのが大きな特徴です。純正のケースが用意されていない機種、すでに純正が終売になってしまった機種も少なくないので、機材にぴたりと合うケースが手に入るのはありがたいところ。
とはいえ機種専用ということは、その機種が終売になってニーズが減れば、ケースも一緒に行き場を失うわけです。そこでAnalog Casesが力を入れているのが、機種を問わずに使える汎用品のラインナップ。ケースとはまったく別の切り口で机の上に目を向けたのが、今回紹介するXTSデスクトップ・スタンドなのです。
機材を斜めに立ててスペース問題を解決するXTSデスクトップ・スタンド
XTSデスクトップ・スタンドは、ひと言でいえば、机の上で機材を斜めに立てて置くための台。独自の伸縮式デザインを採用し、耐久性と汎用性を両立させたデスクトップ・スタンド・システムとなっています。机に直接置けばいいのでは、と思う方もいるかもしれませんが、実際にシンセやサンプラー、フィジカルコントローラを直置きしてみると、困ったことが2つ起こります。
ひとつは面積の問題。機材を平らに置くと、その設置面積がまるごと机から失われてしまいます。もうひとつがケーブルで、リアパネルに端子が並んでいる機材だと、背面にケーブルを挿すためのスペースを別に確保しておかなければなりません。結果として、机の奥行きをさらに食ってしまいます。
これを傾斜で解決しようというのがXTSスタンド。機材を斜めに立てて置くことで、机の上で占める面積は小さくなります。しかも機材そのものが持ち上がるため、背面のケーブルも扱いやすくなるのです。ノブやディスプレイが自分のほうを向くので、操作しやすく、姿勢もラクになる。デスクのスペースを有効活用しよう、というのがコンセプトです。
素材は100%スチール。実際に持ってみると、サイズの割にずしりと重く、そのぶん安定感は非常に高いものでした。耐荷重は1段のスモールとラージが約11.3kg、XLと2段モデルが約13.6kg。傾斜角は1段のラージが30度、XLが32度で、2段モデルは下段が20度、上段が45度と、段ごとに使いやすい角度に調整されています。
さらに、もうひとつ感じたのが、機材を斜めに立てたときの見え方の違いです。平置きだと機材は机の一部になってしまいますが、角度をつけて持ち上げると、パネルのデザインもノブの並びも正面から見えるようになります。整理のための道具というだけでなく、好きな機材を見せるための台としても使えると思いますよ。机やラックを買い替えることなく、今使っている机のまま環境を変えられる。部屋も机も広くない日本の環境では、これは大きなポイントですね。
幅が自在に伸びる1段の3サイズと、機材を縦に積む2段スタンド
XTSシリーズ最大の特徴が、伸縮式デザインです。スタンドの長さそのものを変えられるようになっていて、1台で幅の違う機材に対応できます。ケースが機種専用設計だったのに対し、スタンドはサイズ違いで幅広い機材をカバーするという考え方なのです。
1段モデルはスモール、ラージ、XLの3サイズ展開で、これに2段モデルが加わります。仕様は以下の通りです。
| 1段・スモール | 1段・ラージ | 1段・XL | 2段 | |
| 型番 | XTS260 | XTS465 | XTS570 | XTS2TIER |
| 幅の調整範囲 | 約16.8〜 26.4cm |
約26.7〜 46.4cm |
約30.0〜 52.9cm |
約26.9〜 47.0cm |
| 奥行き | 約17.5cm | 約21.0cm | 約32.8cm |
下段約26.4cm/
上段約21.0cm |
| 高さ | 約12.4cm | 約14.7cm | 約21.0cm | 約31.0cm |
| 質量 | 約0.86kg | 約1.32kg | 約2.13kg | 約3.4kg |
| 耐荷重 | 約11.3kg | 約11.3kg | 約13.6kg | 約13.6kg |
| 価格 | 6,800円(税込) | 7,800円(税込) | 11,800円(税込) | 17,980円(税込) |
一番小さいスモールが対応するのは、Roland SP-404 MKIIやAkai MPK Mini、Ableton Move、Elektron Digitone、Arturia KeyStep 37、Moog Mother-32、Universal Audio Apollo X4といったあたり。幅の調整範囲が約16.8〜26.4cmなので、ミニ鍵盤やコンパクトなサンプラーがちょうど収まるサイズ感です。
真ん中のラージになると、Ableton PushやAkai MPC Live 3、MPC One、Native InstrumentsのMaschine Plus、Elektron Analog Rytm、Roland TR-8S、Korg MinilogueやmicroKORG、ASM Hydrasynth Desktopなど、デスクトップ・シンセの主力機が一通り収まります。DTM机まわりで使うなら、まずはこのラージが基準になるモデルです。
一番大きいXLは、奥行きが約32.8cm、高さが約21.0cmとぐっと大柄。Akai MPC XやMPC Key 37、Tascam Model 12やModel 16に加え、MackieやYamaha、Behringerのミキサー、PioneerやAllen & HeathのDJミキサーまでが対象に入ります。37鍵から49鍵のキーボードシンセにも対応するので、鍵盤付きのシンセを1台載せるという使い方もできますね。
そしてXTSシリーズにはもうひとつ、機材を縦に積む2段モデルがあります。先ほども触れた通り感心したのは、上段と下段で傾斜の角度が変えてあること。下段が20度、上段が45度で、上段はノブやタッチスクリーンを操作しやすいように、手前を向く角度が付けられています。
幅の調整範囲は約26.9〜47.0cmと1段のラージとほぼ同等。鍵盤付きの機材を2台積みたいのであれば、この2段モデルが一番向いています。ただし高さが約31.0cm、下段の奥行きが約26.4cmと、机の上での存在感はかなりのもの。設置にはそれなりのスペースが必要になります。
トレイと組み合わせた新製品3モデル。ミニサイズの2段が登場
ここからが8月19日に発売されたXTSの新製品3モデルです。いずれも製品名にFlexという言葉が入っていますが、これはXTS フレックストレイという別売りオプションを指しています。
フレックストレイは、スタンドに取り付けるスチール製の板。伸縮式のXTSスタンドは中央部分が空洞になっている構造なので、幅の狭い機材を2台並べたい、ペダルを何台か並べたいとなると、そのままでは載せる場所がありません。そこにトレイを渡してしまえば、面として使えるようになります。
サイズは13.3インチと17.7インチの2種類。13.3インチのXTT340が幅33.8cm×奥行21.0cm、17.7インチのXTT450が幅45.0cm×奥行21.0cmで、価格は4,800円から5,400円(税込)となっています。取り付けはXTS ラージスタンドまたはXTS 2段スタンドに、工具を使わずに行えます。
ただしトレイを取り付けると、その幅でスタンドが固定されます。伸縮式という自由度と引き換えに、面としての使いやすさを得ることになるのです。どちらを取るかは載せたい機材次第で、うまく兼ね合いを取りたいところ。
そのスタンドとトレイをあらかじめセットにしたのが、今回の新製品3モデルです。まずXTS Flex デスクトップ・スタンドが型番SET465で、価格は13,200円(税込)。1段・ラージのスタンドに幅約45.0cmのトレイを組み合わせた構成で、耐荷重は約11.3kg。中型機材なら2〜3台、コンパクトなペダルなら最大6台までレイアウトできます。
次にXTS Duo-Flex デスクトップ・スタンドが型番SET2TIER、25,300円(税込)。2段スタンド1台と幅約45.0cmのフレックストレイ2枚をセットにしたもので、耐荷重は約13.6kgです。各段に小型シンセやペダルを3〜5台ずつ、あるいはAkai MPC Live 3やRoland TR-8Sのような大きめの機材を1台ずつ置けるので、シリーズ中では最も収容力の高いモデルとなっています。
そして今回いちばん注目しているのが、XTS Mini Duo-Flex デスクトップ・スタンドです。型番はSET2DFM、価格は19,800円(税込)。名前のとおり2段構造ですが、通常の2段モデルよりもぐっと小型化されているのが最大のポイントで、幅約39.4cmのトレイが2枚セットになっています。各段に最大4台のペダル、または2〜3台の小型シンセやコンパクト機材を設置できます。
想定されているのはAkai MPC SampleやElektron Digitakt、Ableton Move、Teenage EngineeringのOP-1 Fieldといった顔ぶれ。Korg Volcaシリーズやコンパクトなサンプラー、小型のフィジカルコントローラをたくさん持っている人にこそ効いてくるモデルなのです。
こうした小型機材は机の上にそのまま置くと散らかりがちですが、2段にまとめて斜めに立てれば、すべてが視界に入り、手も届くようになります。ギター用のエフェクタを並べる使い方にもよさそうですね。
国内で買える全7モデルの価格と、どれを選べばいいのか
ここまでに出てきたモデルを、一度まとめておきましょう。8月19日以降、国内で展開されるXTSシリーズは、スタンド7モデルとトレイ単体2サイズという構成です。
| 製品名 | 構成 | 価格 |
| XTS 1段・スモール | 1段 | 6,800円(税込) |
| XTS 1段・ラージ | 1段 | 7,800円(税込) |
| XTS 1段・XL | 1段 | 11,800円(税込) |
| XTS 2段 | 2段 | 17,980円(税込) |
| XTS Flex | 1段・ラージ+トレイ1枚 | 13,200円(税込) |
| XTS Mini Duo-Flex | 2段+トレイ2枚 | 19,800円(税込) |
| XTS Duo-Flex | 2段+トレイ2枚 | 25,300円(税込) |
| XTS フレックストレイ | トレイ単体13.3インチ | 4,800円(税込) |
| XTS フレックストレイ | トレイ単体17.7インチ | 5,400円(税込) |
選び方の目安も整理しておきます。小型シンセやサンプラーを1台だけ持ち上げたいならスモールかラージ、MPCやミキサー、DJ機材のような大きめの機材ならXL、鍵盤付きの機材を2台縦に積みたいなら2段モデル。机の上の小さな機材をまとめて整理したいならMini Duo-Flex、1段で複数台を横に並べたいならFlex、収容力を最大にしたいならDuo-Flexとなります。
判断のポイントになるのは、載せたい機材の幅と、机の奥行きです。1段モデルは奥行き約17.5cmから約32.8cmまで、2段モデルは高さ約31.0cmと、モデルによって必要なスペースがかなり違います。とくに2段系は上に伸びるので、モニタースピーカーやディスプレイとの位置関係も考えておきたいところ。購入前に、机の上でメジャーを当てて実寸を測っておくと確実です。
もうひとつ意識しておきたいのが、伸縮式のまま使うか、トレイを付けて面として使うかという点。あとからフレックストレイを買い足すこともできるので、まずはスタンド単体で導入して、必要になったら追加するという順番でも問題ありません。ただしトレイの取り付け先はラージと2段の2モデルなので、スモールやXLを選ぶ場合は注意が必要です。
対応機材として挙がっている機種は、あくまでも一例。XTSシリーズは特定の機種専用に作られた製品ではないので、幅が調整範囲に収まり、重さが耐荷重の範囲であれば、リストにない機材でももちろん使えますよ。手持ちの機材のサイズを測ってから、上の表と照らし合わせてみてください。
持ち出すためのケース。GLIDE、PULSE、UNISON、SUSTAINの4シリーズ
XTSシリーズの話が中心になりましたが、Analog Casesは本来ケースのブランドです。せっかくなので、そちらのラインナップにも触れておきましょう。現在の製品は、XTSを含めて大きく5つのシリーズに分かれています。
一番手軽なのがGLIDEシリーズ。耐久性と軽量性を兼ね備えたEVA素材を採用し、耐水性合成皮革の外装、超ソフトベルベットの内装、滑らかなジッパーを組み合わせたセミハードケースで、価格帯は5,980円から9,800円(税込)となっています。
同じEVA素材に、取り外し可能なフォームを配したのがPULSEシリーズで、価格帯は6,800円から13,200円(税込)。このフォームの有無が、GLIDEとの違いになっています。
さらに上のクラスがUNISONシリーズ。超軽量アルミニウム合金製フレームに、カスタムカットされた高密度の内装フォーム、ロック可能なラッチ、ケーブル用の収納スペース、厚手のパッド入りハンドルを備えた軽量ハードケースで、価格帯は24,800円から39,800円(税込)です。
そして外装に強度と防水性に優れたバリスティックナイロンを使い、約19mmの成形フォームで裏打ちしたバックパックがSUSTAINシリーズで、37,800円から(税込)。
2026年1月には、UNISONにRoland TR-8S/TR-8用ケース、Akai MPC Live 3用ケース、Roland TR-1000用ケース、Korg Minilogue/Minilogue XD用ケース、Behringer POLY D/MonoPoly用ケース、そしてUnison パフォーマンス・ケースのスタンダードとXLという7モデルが追加されました。
また8月19日にも4モデルが同時に発売されています。Novation Launch Control 3用ケースが7,700円(税込)、Novation Launch Control XL 3用ケースが8,800円(税込)、Akai MPC Sample用ケースが8,800円(税込)、そしてLine 6 Helix Stadium XL用ケースが33,000円(税込)です。
さらに9月下旬には、Arturia AstroLab 37用ケースが13,200円(税込)、Akai MPK Mini IV用ケースが7,700円(税込)、キャスター付きのバックパック、TRAKPACK ROLLが48,400円(税込)で登場する予定。新製品が出れば、すぐにそのケースが用意される。そんな体制になっているのです。
以上、Analog CasesのXTSデスクトップ・スタンドについて紹介しました。8月19日に3モデルが加わったことで、1段から2段、トレイ付きまで、机の状況に合わせて選べるラインナップがそろいました。机の上が手狭になってきた方、小さな機材が散らかって困っている方は、6,800円(税込)のスモールからでも試してみてはいかがでしょうか?
【関連情報】
Analog Cases
XTS デスクトップ・スタンド
XTS Flex デスクトップ・スタンド
XTS Mini Duo-Flex デスクトップ・スタンド
XTS Duo-Flex デスクトップ・スタンド
XTS フレックストレイ
【価格チェック&購入】
◎ディリゲント ⇒ XTS デスクトップ・スタンド
◎Rock oN ⇒ XTS デスクトップ・スタンド 1段・スモール、1段・ラージ、1段・XL、2段、XTS フレックストレイ 13.3インチ、XTS フレックストレイ 17.7インチ
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◎オタイレコード ⇒ XTS デスクトップ・スタンド
◎Amazon ⇒ XTS デスクトップ・スタンド 1段・スモール、1段・ラージ、1段・XL、2段
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