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ヘッドホンモニタリングが劇的に変わる!Questyle SIGMA Pro徹底レビュー

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先日、ヘッドホンアンプやBluetoothデバイスであるQCC Dongle Proなどで著名なオーディオ機器メーカー、Questyle(クエスタイル)がSIGMA Pro(シグマ・プロ)という名称のポータブルヘッドホンアンプを発売しました。税込みの実売価格が143,000円となかなか高価な製品ながらポータブルオーディオの愛好者を中心に注文が殺到しており、11月28日の発売以降、しばらく品切れが続いていました。それがようやく落ち着いてきて、入手できるようになってきたので、その実物を使ってチェックしてみました。

こうしたポータブルヘッドホンアンプ、DTMや音楽制作の世界から見ると、あまり馴染みのない機材ではありますが、昨今の技術進化により非常に高機能化、高性能化が進んでいます。そんな機材を音楽制作の世界で使うことで、これまでとはレベルが異なる高品位なヘッドホンモニターの環境を構築することができるのです。そこで、このようなポータブルヘッドホンアンプの世界を少し紹介した上で、その最高峰といわれるSIGMA Proがどんな機材なのか紹介してみましょう。

ヘッドホンでのモニタリング性能を最高レベルに高めるポータブルヘッドホンアンプ、QuestyleのSIGMA Pro

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ヘッドフォン祭やポタフェスで盛り上がるポータブルヘッドホンアンプの世界

オーディオの世界を見渡してみると、ここ10年ほどで大きく様変わりしてきました。かつてはリビングに据え置き型のステレオシステムを置いて、そこでレコードやCDを聴くというのが一般的なスタイルでしたが、今やヘッドホンを使ったポータブルオーディオが完全に主流となっています。

実際、都内を中心に年に数回開催される「ヘッドフォン祭」や「ポタフェス」といったイベントには、10代から70代まで実に幅広い層のオーディオファンが集まります。会場では国内外のヘッドホンメーカーが最新製品を展示すると同時に、ヘッドホンアンプメーカーも数多くブースを構えており、その場で試聴できるようになっています。

ヘッドホン祭やポタフェスといったポータブルオーディオイベントが盛り上がっている

ポータブルオーディオの世界では、かつてはDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)が中心でしたが、スマートフォンの音楽再生機能が充実してきたことで、スマホとポータブルヘッドホンアンプを組み合わせて使うスタイルへと少しずつシフトしてきています。Apple MusicやAmazon Music、Spotifyなどのストリーミングサービスでハイレゾ音源が聴ける時代になったことも、この流れを後押ししているのでしょう。

興味深いのは、こうしたヘッドホンアンプメーカーの多くが中国メーカーであるという点です。深圳(しんせん)を中心に、さまざまなブランドが誕生しており、それぞれが独自の技術や音作りで差別化を図っています。今回紹介するQuestyleもそうした中国メーカーのひとつですが、その中でも特に技術力の高さで知られる存在となっています。

音楽制作の世界では見かけない、バランス接続が可能な4.4mmの端子

DTMや音楽制作の世界にいると、ポータブルオーディオの世界で当たり前に使われている規格が意外と馴染みがなかったりします。その代表例が「バランス接続」です。

一般的なヘッドホン端子といえば、3.5mmのステレオミニジャックか、6.3mmの標準ステレオジャックですよね。DTMの世界では、MDR-CD900STをはじめとするモニターヘッドホンは、ほぼすべてこのどちらかで接続します。

一般的なアンバランスのヘッドホン

しかし、ポータブルオーディオの世界では「4.4mmバランス端子」というものが広く普及しています。これは、通常のヘッドホンがL(左)とR(右)とGND(グラウンド)の3点で接続するのに対し、L+、L-、R+、R-の4点で接続する方式です。この方式により、左右のチャンネルが完全に独立し、クロストークが極めて少なくなるため、より高品位な音質が得られるとされています。

高品位な音を実現するバランスヘッドホン

考えてみれば当たり前。レコーディングにおいては普通にXLR=キャノンのバランスケーブルが使われていますよね。でもヘッドホンにおいてはアンバランスしか使われていなかったのが、オーディオファンの間ではバランスが普通に使われるようになっていて、高音質での再生が可能になっている、というわけです。

左から3.5mm(アンバランス)、4.4mm(バランス)、6.3mm(アンバランス)

実際、ネットで検索してみると、MDR-CD900STをバランス化する改造サービスなども存在しており、プロの音楽制作現場でもバランス接続の優位性に注目する動きがあるようです。今回紹介するSIGMA Proも、3.5mm、6.3mmに加えて4.4mmバランス端子を搭載しており、さまざまなヘッドホンに対応できるようになっています。

中国・深圳の実力派メーカー、Questyleとは

SIGMA Proの話に入る前に、まずはメーカーであるQuestyleについて少し紹介しておきましょう。

Questyleは中国・深圳に本社を置くオーディオ機器メーカーで、2012年の創業以来、独自の電流モードアンプ技術を武器に、据え置き型のDAC/ヘッドホンアンプからポータブルアンプまで、幅広い製品をラインナップしています。

世界中で表彰されているQuestyle

同社の大きな特徴は、電流伝導(Current Mode)アンプという独自技術を持っていること。一般的なヘッドホンアンプが電圧駆動方式であるのに対し、Questyleは電流駆動方式を採用しており、これにより歪みを極限まで抑えつつ、高い駆動力を実現しています。この技術は国際特許も取得しており、同社の製品はすべてこの技術をベースに設計されています。

Questyleは2012年の設立以来、数多くの製品をリリースしてきた

以前、AV Watchの私の連載でも同社のCEOに深圳でインタビューした記事が掲載されていますが、その中で、Questyleの技術哲学や製品開発の姿勢について語られているので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。そこからは、単に音質を追求するだけでなく、測定値としても優れた性能を追求する、非常にエンジニアリング志向の強い企業であることが伝わってきます。

現在はポータブルヘッドホンアンプを中心に製品展開を行っている

国内では、e☆イヤホンやフジヤエービック、ヨドバシカメラ、ビックカメラなどで取り扱われており、ポータブルオーディオファンの間では既に高い評価を得ているメーカーです。

ポータブルヘッドホンアンプの最高峰、SIGMA Pro

そして今回登場したのが、Questyleのフラッグシップモデルとなる「SIGMA Pro」です。

SIGMA Proはブラックとシルバーの2色展開となっている

まず外観を見て驚かされるのは、そのデザインです。筐体上部には透明なガラスパネルが配置されており、その下に精密なプリント基板が丸見えになっています。このガラスは、Huawei社が開発した「昆崙(コンロン)ガラス」と呼ばれる特殊なガラスで、スマートフォン用のディスプレイガラスとしても採用されている高強度のものです。

デザイン哲学としては、バウハウスの「Less is more(少ないほど豊かである)」という理念を体現しており、無駄な装飾を排除し、機能美を追求したシンプルな造形となっています。内部の精密な回路基板をあえて見せることで、オーディオ機器としての技術的な美しさを表現しているのが印象的です。

サイズ的にはiPhone 16 MAXとほぼ同じ大きさで、厚さは約倍になっている

筐体本体はサンドブラスト仕上げの航空機グレードアルミニウムを採用しており、堅牢性と質感の高さを両立。サイズは155.7×85mmで、重量は約330.8g。これはiPhone 16 Pro Maxとほぼ同じサイズ感で、ポータブル機器としても十分に持ち運び可能な大きさとなっています。

フロントパネルには有機ELディスプレイが配置されており、サンプリングレート、対応フォーマット、バッテリー残量、入力ソース、出力モードなどの情報が一目で確認できるようになっています。右側には大型のボリュームノブがあり、これを回すことで音量調整が可能です。長押しするとミュート/アンミュートの切り替えもできます。

そして最も重要なのが、その音質性能です。

据え置き型に匹敵する電流モードアンプとTTA構造

SIGMA Proの心臓部には、ESSの最新フラッグシップDACチップ「ES9069Q」が2基、デュアル構成で搭載されています。このチップはES社の最上位モデルで、ハイエンドオーディオ機器に採用されているものです。

さらに注目すべきは、Questyle独自のTTA(Three-Tier Architecture:3層アーキテクチャ)デコード構造を採用している点。これは、DACからの信号を3段階のプリアンプ、アンプ、出力段で処理することで、ノイズや歪みを極限まで抑え込む技術です。

Questyle独自のThree-Tier Architecture:3層アーキテクチャ

そしてアンプ部には、Questyleの特許技術である電流モードアンプを4基搭載。フルディスクリート、フルバランス設計によりスペック上は、ピークツーピーク電圧25Vp-p、ピーク電流5A、最大出力8W以上となっています。

ヘッドホンがアンバランス接続の場合、LとRの2つのアンプが駆動する

実際には、そこまで出ないようですが、それでもポータブル機とは思えない驚異的なパワーを持っているので、オーディオインターフェイスのヘッドホン出力のパワーの低さに困っている人いとって、これまでのすべての不満を解消してくれる機材であることは間違いありません。

ヘッドホンがバランス接続の場合、L-、L+、R-、R+と4つ独立したアンプが駆動する

この数値は、多くの据え置き型ヘッドホンアンプに匹敵するもので、高インピーダンスのヘッドホンも余裕でドライブできますし、逆に低インピーダンスのIEMに対しても正確なコントロールが可能です。実際、THD+Nは0.0002%、S/N比は120dBという、測定器のような数値を叩き出しています。

最高32bit/768kHzのPCM、DSD512に対応

SIGMA Proの対応フォーマットも非常に幅広くなっています。

PCMは最大32bit/768kHzまでサポート。DSDはネイティブでDSD512まで、DoPでDSD256まで対応しています。さらにMQAフルデコーダーも内蔵しており、TIDALなどでストリーミング配信されているMQA音源を、オリジナルの品質で再生することが可能です。

USB接続には、XMOS社の最新チップ「XU316」を採用。これはUSB Audio Class 2.0に準拠しており、WindowsでもmacOSでも、iOS、Android、Linux、HarmonyOSでも、ドライバレスで動作します。

USBコントロールにXMOSのXU316、DACにはESSのES 9069Qを2基搭載している

Windowsに関しては、さらに専用のASIOドライバも用意されており、DAWソフトから直接SIGMA Proに音声を送ることも可能です。これにより、音楽制作時のモニタリング環境として使用することもできます。

Bluetooth機能も充実しており、Bluetooth 5.4に対応。Qualcomm Snapdragon SoundとSony LDACの認証を取得しており、aptX Adaptive、aptX HD、LDAC、LE Audioといった最新のハイレゾコーデックに対応しています。ワイヤレスでも24bit/96kHzまでのハイレゾ再生が可能です。

数多くの入力端子を備え、用途に応じて切り替えが可能

SIGMA Proのリアパネルを見ると、実に多彩な入力端子が並んでいることに気づきます。

SIGMA Proのリアパネル

まず、デジタル入力としては

  • USB Type-C(UAC 2.0、デジタルオーディオ入出力)
  • 光デジタル(TOSLINK)
  • 同軸デジタル(S/PDIF)

光デジタルと同軸デジタルは、いずれもPCM 44.1kHz~192kHz/24bitまでサポートしています。CDプレーヤーやBlu-rayプレーヤー、ゲーム機など、さまざまな機器を接続できます。

そしてアナログ入力として

  • 3.5mm ステレオ入力(アンバランス)
  • 4.4mm バランス入力

この2系統のアナログ入力が用意されています。これにより、レコードプレーヤーのフォノイコライザー出力や、ミキサーのLINE OUT、マイクプリアンプの出力などを接続することができます。
フロントパネルの「SOURCE」ボタンを押すことで、USB、Bluetooth、OPT(光デジタル)、S/PDIF(同軸)、3.5mm アナログ、4.4mm アナログの6つの入力を切り替えることが可能。用途に応じて柔軟に使い分けられるのは、非常に便利です。

Sigma Proのフロントパネル

また、冒頭でも紹介した通りヘッドホン出力側も充実しており

  • 3.5mm ステレオ出力
  • 4.4mm バランス出力
  • 6.35mm ステレオ出力

の3系統を装備しています。さらに、「OUTPUT」ボタンで出力モードを切り替えることができます。

  • IEM MODE:IEM(インイヤーモニター)専用の低ゲインモード
  • HP OUT:各種ヘッドホン向けのヘッドホン出力モード
  • LINE OUT:アクティブスピーカーやパワーアンプへの接続用ライン出力モード

「GAIN」ボタンでは、さらに細かくゲインを調整できます。IEM MODEではLow/Highの2段階、HP OUT/LINE OUTモードではLow/High/Studioの3段階から選択可能です。

このStudioモードは、高インピーダンスのヘッドホンやプロ用機器との接続を想定した高電圧出力モードで、一般的なIEMでは使用しないよう注意が必要ですが、逆にプロ用の高インピーダンスヘッドホンを使う際には非常に有効です。

iOS/Androidのみならず、Windows/Macにも対応

SIGMA Proは、Apple MFi認証を取得しています。これは、iPhoneやiPadとの完全な互換性と、Appleのエコシステムとのスムーズな接続を保証するものです。付属のUSB-Cケーブル、あるいはLightning-USB-Cケーブル(別売)を使えば、iPhoneから直接ハイレゾ音源を再生できます。

Android端末に対しても、Android 5.1以降であれば、ほぼすべての機種で動作します。HuaweiのHarmonyOSにも対応しているため、最新のHuaweiスマートフォンでも問題なく使用できます。

iPhone/Androidはもちろん、Mac、Windowsとも連携して利用できる

パソコンでの使用も快適です。macOSはもちろんドライバ不要で動作しますし、Windowsも10以降(ver.18.3以降)であれば、ドライバをインストールすることなくUSB Audio Class 2.0デバイスとして認識されます。

さらに、Windows用には専用のASIOドライバも用意されています。これをインストールすれば、CubaseやStudio One、Ableton Liveなどの主要DAWから、サンプリングレート変換などで音質劣化させることなく、低レイテンシーで音声を出力することが可能になります。

ASIOドライバを介してDAWやプレイヤーソフトと接続できる

つまり、SIGMA Proをオーディオインターフェイスのヘッドホンアンプとして使うのではなく、DAW→SIGMA Pro→ヘッドホンという接続で、より高品位なモニタリング環境を構築することもできるわけです。もちろん、いまお使いのオーディオインターフェイスで、より高音質にモニターしたいという場合は、オーディオインターフェイスのバランス出力をSIGMA Proのバランス入力に接続するというのがよさそうです。もっともSIGMA Proのバランス入力が4.4mmのコネクタを使うので、変換ケーブルを用意する必要がありそうですが。

アナログを取り込むオーディオ録音機能も搭載

ところでSIGMA Proのユニークな機能のひとつが、アナログ録音機能です。3.5mmまたは4.4mmのアナログ入力端子に機器を接続し、入力ソースをアナログに切り替えると、その音声をデジタル化してUSB経由でパソコンやスマートフォンに録音することが可能になります。

つまり、SIGMA ProはUSBオーディオインターフェイスとしても機能するわけで、例えば、レコードプレーヤーのフォノイコライザー出力をSIGMA Proのアナログ入力に接続し、WindowsやMacのDAWや波形編集ソフトなどで録音すれば、アナログレコードを48kHz/24bitのハイレゾ音源としてデジタル化する……といったことが可能になります。

アナログ入力からの音をパソコンに録音していくことも可能

ただし、やはりSIGMA Proはヘッドホンアンプ、DACがメインであって、録音を可能にするADC機能はサブ的なもののようではありました。まず録音フォーマットは固定で48kHz/24bitのPCMとなっています。また録音モードとした場合、再生はできないという一方通行となっており、汎用的なオーディオインターフェイスとして機能させることはできません。

この辺の制限を理解しつつ使うことで、いわゆるオーディオインターフェイスとはちょっと違ったオーディオ的なサウンドでの取り込みが可能になりそうです。

12時間駆動のバッテリーと充電しながら使える利便性

ところで、ポータブル機器として使う場合、重要になってくるのが、バッテリー性能です。

SIGMA Proは4300mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、満充電で約12時間の連続再生が可能です。この数値は、中程度の音量でヘッドホン使用時のもので、IEMを使ったり、音量を下げれば、さらに長時間使用できます。

大容量のバッテリーを搭載

充電はUSB Type-Cポートから行いますが、SIGMA Proには2つのUSB Type-Cポートが用意されているのがポイントです。ひとつは「UAC 2.0 USB IN」と書かれたオーディオ用のポート。もうひとつは「5V/2A」と書かれた充電専用のポートです。

この2ポート構成により、オーディオ用のUSBポートでパソコンやスマホと接続しながら、充電用のポートで給電を受けるという使い方ができます。つまり「充電しながら再生」が可能なのです。

これは非常に便利で、デスクで長時間使用する際には常に充電しながら使えますし、外出先でも、モバイルバッテリーを接続しておけばバッテリー切れの心配がありません。充電時間は約3時間(5V/2A充電時)。USB-PD対応の充電器を使えば、さらに高速な充電も可能です。

内蔵バッテリーには、スマートバッテリーマネジメントシステムが搭載されており、過充電や過放電を防ぎ、長期間安定して使用できるよう設計されています。

音楽制作での活用シーン

ここまで見てきたように、SIGMA Proは非常に高性能なポータブルヘッドホンアンプですが、DTMや音楽制作の現場でどのように活用できるでしょうか。

まず最も基本的な使い方は、ヘッドホンモニタリングの品質向上です。

多くのオーディオインターフェースにはヘッドホン出力が付いていますが、その音質は必ずしも最高とは言えません。特にエントリークラスのオーディオインターフェースでは、ヘッドホンアンプ部の性能が控えめで、音が平板に聴こえたり、低域のパワーが足りなかったり、高域の伸びが足りなかったりすることがあります。

Sigma Proを使うことでヘッドホンンモニタリングを高品位にすることが可能

そこで、オーディオインターフェースのLINE OUTからSIGMA Proのアナログ入力に接続し、SIGMA Proのヘッドホン出力で聴くという使い方ができます。これにより、より高品位なヘッドホンモニタリング環境を構築できます。

あるいは、前述のようにDAWから直接SIGMA ProにUSBで接続し、ASIOドライバ経由で音声を送るという方法もあります。この場合、オーディオインターフェースを介さずに、DAWの音声を直接SIGMA Proで聴けるため、オーディオインターフェースのD/A変換をバイパスして、より純粋な音質でモニタリングできます。

次に、リファレンス音源のチェックにも最適です。

ミックスやマスタリングの作業中、市販のリファレンス音源と自分の作品を比較することは重要ですが、そのリファレンス音源をどのような環境で聴くかも大切です。SIGMA Proなら、スマホやDAPに入れたハイレゾ音源を最高の音質で聴けるため、「本来この曲はこういう音なんだ」という正しい基準を把握できます。

外出先での音源チェックにも便利です。

制作中の楽曲をスマホに入れて、電車の中やカフェでSIGMA Pro経由でチェックする、といった使い方も可能です。バッテリー駆動で12時間使えるので、丸一日外出していても問題ありません。

さらに、プリアンプとしての活用も考えられます。

SIGMA ProのLINE OUTモードを使えば、アクティブスピーカーやパワーアンプに接続できます。つまり、DAC兼プリアンプとして機能するわけです。小規模なスタジオやホームスタジオで、メインモニターとヘッドホンの両方を高品位な環境で使いたい、という場合に便利です。

ほかに類を見ない強力なヘッドホンアンプ

SIGMA Proは、ポータブルヘッドホンアンプとしては最高峰に位置する製品ですが、単なるリスニング用途だけでなく、音楽制作の現場でも十分に活躍できるポテンシャルを持っています。

ほかに類を見ない強力なヘッドホンアンプ性能、幅広いフォーマット対応、多彩な入出力端子、そしてマルチプラットフォーム対応。さらには録音機能まで備えており、「ポータブル」という枠を超えた、総合的なオーディオデバイスとなっています。

オプションとしてSIGMA Pro専用ケースも用意されている

税込み143,000円という価格は決して安くはありませんが、この性能と機能を考えれば、十分に納得できる価格設定でしょう。特に、ヘッドホンによる高品位なモニタリング環境を追求したいDTMユーザーや、外出先でも妥協のない音質で音楽制作をしたいクリエイターにとっては、非常に魅力的な選択肢になるはずです。

ポータブルオーディオの世界の技術進化を、ぜひ音楽制作の現場でも体験してみてはいかがでしょうか。

主な仕様

  • DACチップ:ESS ES9069Q × 2
  • アンプ:フルディスクリート電流モードアンプ × 4
  • 対応フォーマット:PCM 32bit/768kHz、DSD512、MQA フルデコード
  • Bluetooth:5.4(aptX Adaptive、aptX HD、LDAC、LE Audio、SBC)
  • 入力:USB Type-C、光デジタル、同軸デジタル、アナログ(3.5mm/4.4mm)
  • 出力:3.5mm、4.4mm、6.35mm
  • 最大出力:1200mW @ 32Ω バランス
  • THD+N:0.0002%
  • S/N比:120dB
  • バッテリー:4300mAh(約12時間再生、約3時間充電)
  • サイズ:155.7 × 85 × 26.5mm
  • 重量:約330.8g

【関連情報】
Questyleの公式サイト(※右上のLanguageから「日本語」を選択できます)
【価格チェック&購入】
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この記事を書いた人

DTM、デジタルレコーディング、デジタルオーディオを中心に執筆するライター。インプレスのAV WatchでもDigital Audio Laboratoryを2001年より連載。「Cubase徹底操作ガイド」(リットーミュージック)、「ボーカロイド技術論」(ヤマハミュージックメディア)などの著書も多数ある。趣味は太陽光発電、2004年より自宅の電気を太陽光発電で賄うほか、現在3つの発電所を運用する発電所長でもある。

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