イタリア発のソフトウェアメーカー、OVERLOUD(オーバーラウド)をご存知でしょうか?これまで国内では一部の無償配布キャンペーンなどをきっかけに話題になることはありましたが、非常に高い技術力を持つ実力派ブランドとして世界的にも知られているメーカーです。長年のWindowsユーザー、特にかつてCakewalkのDAWであるSONARを使っていた方なら、標準搭載されていたリバーブプラグインのBREVERB 2を通して、そのクオリティの高さをすでに体感しているかもしれません。
そのOVERLOUD製品がこのたび国内のプラグイン販売サイトであるbeatcloudにて新たに取り扱いが開始されました。今回は数ある製品群の中から、とくに近年注目を集めているマスターバス・プロセッサのGEM FUSEや、独特なエンハンサであるGEM DOPAMINE、そして定番リバーブのBREVERB 2とREmatrixの4製品をピックアップしました。また現在、各プラグインは2月20日から3月12日までの期間限定で、最大55%OFFでお得に入手できるセールが実施されています。さっそくそれぞれの特徴を紹介していきましょう。
SONARユーザーにはお馴染みの実力派ブランドOVERLOUD
OVERLOUDはイタリアに拠点を置くオーディオソフトウェアの開発メーカー。ギターアンプシミュレーターのTH-Uをはじめ、ミキシングやマスタリング用の高品位なエフェクトプラグインを数多くリリースしています。
日本のDTMユーザーの間では、かつてCakewalkが開発していたDAWであるSONARのプロフェッショナル向けエディションに、OVERLOUDのBREVERB 2やTHシリーズのカスタム版がバンドルされていたことで広く知られるようになりました。当時のSONARユーザーの中には、とりあえずBREVERB 2をインサートしておけばリッチな空間が作れるということで、メインのリバーブとして愛用していた方も多いはずです。動作が非常に軽く、それでいて密度のあるサウンドを持っていたため、多くのクリエイターから高い評価を得ていました。
その後、OVERLOUDは独自のGEMシリーズという、往年の名機や最新のハードウェアを独自の技術でモデリングしたプラグインシリーズを展開し、世界中のエンジニアから支持を集めています。日本ではこれまで代理店の流通が限定的だったこともあり、知る人ぞ知るブランドという位置付けになっていましたが、今回Beatcloudで多くのアイテムが一斉に発売されたことで、日本のユーザーも手軽に導入できる環境が整ったというわけなのです。
最新アウトボードをモデリングした大注目のGEM FUSE
今回ピックアップする製品の中で、もっとも注目度が高いのがGEM FUSEです。これはここ数年でハードウェア市場に登場し、多くのスタジオで導入されて話題となったSolid State Logicのアウトボード、SSL Fusionの回路をモデリングしたもの。
FUSEは主にミックスバスやマスタートラックで使用することを想定して設計されたステレオ用のアナログカラープロセッサで、デジタル環境で作られたサウンドに、アナログハードウェア特有の温かみや重厚感、そしてステレオの広がりを付加するためのツールとなっています。画面上には複数の独立したプロセッシングセクションが並んでおり、左から順にシグナルが流れていく直感的なUIを採用しています。
まず左端にあるのがAnalog Preampセクションです。ここではアナログ回路特有の微細な色付けを行い、不要な低域をすっきりとさせるLow Cutフィルターも備えています。ここには「Fat」というオプションが用意されており、オンにするとカットオフ周波数付近にわずかなブーストが付加されます。これにより、不要な超低域の濁りは切り落としつつ、キックやベースの芯となる太さをしっかりと維持することができるのです。
それに続くのがAnalog Driveセクションです。ここではサチュレーションを生み出し、ミックス全体にアナログコンソールを通したような倍音と太さを加えることができます。Driveの値を上げていくと、サウンドが徐々に前に押し出されるような感覚が得られます。
次にIndigo EQというセクションがあります。これは位相のズレを最小限に抑えた2バンドのシェルビングEQ。低域の重みと高域の空気感をコントロールするのに最適化されており、わずかにブーストするだけでも、ミックス全体の抜けの良さと安定感が劇的に向上します。
その隣にあるHF Smootherは、高域の耳障りな成分だけを滑らかに抑え込むプロセッサです。シンバルやボーカルの歯擦音など、デジタルミックスで痛くなりがちな高音域を、アナログ機材を通したような非常に自然な形でトリートメントしてくれます。
さらにStereo Imageセクションでは、ステレオの広がりをコントロール可能。単に左右に広げるだけでなく、アナログ回路特有の自然な空間の広がりを作ることができるのが特徴です。最後にTransformerセクションをオンにすると、カスタム設計されたトランスフォーマーを通した際に見られる低域の引き締まりと、高域のきらびやかさを追加することができます。
FUSEはこれらの機能をひとつの画面で一括してコントロールできるため、マスタリングの最終段階や、ドラムバスなどのまとまりを作る際に絶大な威力を発揮します。
隠し味として絶大な効果を発揮するエンハンサGEM DOPAMINE
続いて紹介するのがGEM DOPAMINE。これもGEMシリーズのひとつですが、その仕組みは非常にユニークで、DTM上級者ほどその効果に驚くはずです。
DOPAMINEは、Aタイプのノイズリダクションシステムを応用したエンハンサプラグインです。Aタイプとは、かつてアナログテープレコーダーの時代に広く使われていたドルビーAノイズリダクション。このハードウェアは、録音時にテープのヒスノイズを目立たなくするために、小さな音量の高域成分を強調してテープに記録し、再生時に同じ回路を通すことで強調した高域を元に戻し、結果としてノイズだけを下げるという仕組みを持っていました。
しかし当時のエンジニアたちは、録音時に強調されたサウンドをそのまま再生すると、ボーカルや楽器に非常に美しい高域の輝きが付加されることに気づきました。これをエンハンサとして利用する手法はボーカルトラックにおける定番の隠し味として、数多くの名盤で使われてきました。DOPAMINEはこの往年のテクニックをプラグインとして完全にシミュレートしたものなのです。
画面上では、実機に搭載されていた「180」と「361」という2つのクラシックなプロセッサ、そして「A-Type」と「Stressor」という2つのカートリッジを切り替えて使用することができます。
一般的なEQで高域をブーストすると、どうしても音が細くなったり耳障りになったりしがちですが、DOPAMINEを使用すると、元の音の太さを保ったまま、まるでサウンドが前に飛び出してくるような自然な明るさを得ることができるのです。元のオーディオに存在しない倍音を不自然に付加するのではなく、自然に存在する倍音のバランスを整える設計になっているためです。ボーカルはもちろん、スネアドラムの抜けを良くしたり、アコースティックギターのストロークを際立たせたりと、あらゆるトラックの存在感を高めることができる魔法のようなツールとなっています。
往年の名機を再現するリバーブBREVERB 2
OVERLOUDの代名詞ともいえる空間系エフェクトについても紹介しておきましょう。まずは冒頭でも触れたBREVERB 2です。これはLexicon 480Lなど、1980年代から90年代にかけてスタジオの標準となっていたハードウェア・デジタルリバーブのアルゴリズムを徹底的に解析し、ソフトウェア上で再現したプラグインです。
Hall、Plate、Room、Inverse、Spaces Small、Spaces Large、Sourceという7つの異なるアルゴリズムを搭載しています。BREVERB 2の最大の強みは、その圧倒的な動作の軽さと、ミックスに自然に馴染むサウンド。パラメータは専門的なものまで細かく設定できますが、プリセットを選ぶだけでも十分に実用的な空間を作ることができます。EDMからオーケストラまで、ジャンルを問わずオールマイティに使えるリバーブとして、現在でも第一線で活躍するポテンシャルを秘めています。
IRの理想形ともいえるコンボリューションリバーブREmatrix
もうひとつ紹介したいのが、REmatrixというコンボリューションリバーブ。コンボリューションリバーブとは、実際のホールや機材の響きを録音したIRデータを読み込んで空間を再現する方式のこと。通常、1つのプラグインにつき1つのIRを読み込んで使用しますが、REmatrixは最大5つの異なるIRを同時に読み込み、それらをレイヤーして新しい響きを作り出すことができるという画期的なアプローチを採用しています。
たとえば、実際のホールのIRで全体的な空間の広がりを作りつつ、ヴィンテージ・プレートリバーブのIRで明るいテールを足し、さらに初期反射専用のIRを混ぜて輪郭をはっきりさせる、といった複雑な音作りがこのプラグインひとつで完結します。
さらにREmatrixの内部には、ドライブ、コンプレッサー、ディレイ、EQといったエフェクト・チェインが内蔵されているため、生成したリバーブ成分に対してさらに積極的な加工を施すことが可能です。単なる空間の再現にとどまらず、クリエイティブなサウンドデザインのツールとして非常に強力な機能を持っています。
今回紹介した4製品のセール情報まとめ
改めて、今回ピックアップした4製品の価格情報をまとめておきましょう。現在Beatcloudでは、3月12日までの期間限定でOVERLOUD製品の一斉セールが実施されています。
通常価格:25,020円(税込) ⇒ セール価格:15,520円(税込)
GEM DOPAMINE 37%OFF
通常価格:25,020円(税込) ⇒ セール価格:15,520円(税込)
BREVERB 2 23%OFF
通常価格:26,820円(税込) ⇒ セール価格:20,640円(税込)
REmatrix 37%OFF
通常価格:43,020円(税込) ⇒ セール価格:26,720円(税込)
以上、OVERLOUDの注目製品であるFUSE、DOPAMINE、BREVERB 2、REmatrixの4製品について紹介しました。いずれも高い技術力に裏付けされた素晴らしいサウンドを持っており、ミックスのクオリティを一段階引き上げてくれる頼もしいツールです。各製品のデモ版も用意されているため、まずはご自身の環境でその実力を試してみてください。
【関連情報】
GEM FUSE製品情報
GEM DOPAMINE製品情報
BREVERB 2製品情報
REmatrix製品情報
【価格チェック&購入】
◎beatcloud ⇒ GEM FUSE , GEM DOPAMINE , BREVERB 2 , REmatrix














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