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ディエッサーもマルチバンドコンプも1スライダー!DOTEC-AUDIOの新プラグイン「DeeVocalTools」でボーカル処理が魔法のように簡単に

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難しい操作を誰でも簡単操作でいい音に仕上げられる、というコンセプトで魔法のようなプラグインを次々と生み出してきた日本のプラグインメーカー、DOTEC-AUDIO。そのDOTEC-AUDIOから、今度はボーカル処理に特化した新プラグイン「DeeVocalTools」(ディー・ボーカル・ツールズ)が登場しました。WindowsおよびMac両対応でVST2/VST3、Audio Units、AAXのプラグイン環境で動作。価格は通常5,000円(税抜)ですが、3月18日(水)~31日(火)までのセール期間中は3,000円(税抜)で購入できます。

このDeeVocalToolsはディエッサー、マルチバンドコンプ、EQ、ダブリングという4つの機能を一体化させたインテリジェント・ボーカル・プロセッサーで、各機能をたった1本のスライダーで操作できるのが最大の特徴で、制作において難しいボーカル処理を誰でも簡単にいい感じに仕上げることを可能にしてくれます。自分でレコーディングしたボーカルはもちろん、Synthesizer VやVOCALOIDなどの歌声合成エンジンを用いて制作したボーカルも、よりよい具合に仕上げてくれる強力なツールです。一方、同じタイミングでDOTEC-AUDIOの人気製品であり、あのTB-303をプラグインとしてDOTEC的に再現したアシッドベース・シンセ「DeeACID」もバージョン2.0.0にアップデートされました。「タイプII」という新フィルタが搭載されるとともに、フレーズジェネレーターの強化が図られているのです。そのDeeVocalToolsおよびDeeACIDについて、DOTEC-AUDIOのフランク重虎さん、飯島進仁さんにお話を伺ってみました。

DOTEC-AUDIOからボーカル用のエフェクトDeeVocalToolsが誕生。DeeACIDもバージョンアップ

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4つのボーカル処理機能を1本のプラグインに集約

楽曲の中でボーカルをいかにクッキリと浮かび上がらせるか、それと同時にバックとなるオケやコーラスとうまくなじむようにする、という処理は、なかなか難しい作業です。プロのミックスエンジニアであっても、それなりの時間がかかるものです。

それを、上手に、そして効率よく調整できるのがDeeVocalToolsです。といってもユーザーの意思、考えに関係なく、すべてオートで進めてしまうのではなく、ユーザーの思いに応じる形で、自然に簡単に調整できるとのがDOTEC-AUDIOのDeeシリーズ共通の特徴であり、それはDeeVocalToolsにおいても同様です。

ボーカル処理を誰でも簡単にいい感じに行えるDeeVocalTools

一般にボーカルトラックの処理としては歯擦音などを抑えるディエッサー、帯域ごとに調整が可能なマルチバンドコンプ、周波数成分に応じた音質調整ができるEQといったものを使いますが、このDeeVocalToolsでは、それら3種類を1つに統合。さらにソロのボーカルに厚みを出すためのピッチ追従型のダブリングエフェクト、ユニゾンWなるものを加えた4種類のエフェクトで構成されています。

まずは、以下のDeeVocalToolsのビデオをご覧ください。

いかがですか?明らかにボーカルが浮かび上がる効果を感じられると思います。またUNISON DOUBLEというところのAmountを上げていくと、シングルトラックのボーカルがまるで2回歌って重ねたように変化することも分かると思います。

では、もう少し具体的にその使い方について見ていきましょう。

ディエッサー:歯擦音を1スライダーで制御

ディエッサーはボーカルの「サ・シ・ス・セ・ソ」や「シャ・シュ・ショ」などの歯擦音(しさつおん)と呼ばれる耳障りな高音域を軽減させることができるエフェクトです。そのディエッサー、一般的には、処理する周波数帯域の選択、BPF/HPFの切り替え、スレッショルド、レシオ、深度など、多くのパラメーターを設定する必要があり、慣れていないと、なかなかいい感じに歯擦音を軽減することができません。

ディエッサーは一番左のスライダーの調整だけでOK

それに対しDeeVocalToolsのディエッサーは、本来いろいろあるパラメーターをすべて内部で自動的に最適化し、スライダー1本で「どのくらいディエッシングするか」を直感的にコントロールできるようになっているのです。つまり、スライダーを上に持ち上げていくだけで、歯擦音を軽減させることができるのです。

Deeシリーズの企画・開発を行っているフランク重虎さん

重虎さんによれば「使い方としては、まずマルチバンドコンプをかけるのが基本ですが、それでもシビランス(歯擦音に含まれる「シー」「スー」という耳障りな高周波のノイズ成分)が気になる場合にディエッサーを追加するというアプローチがおすすめです」とのことです。

マルチバンドコンプ:5バンドを1スライダーで最適化

そのマルチバンドコンプはボーカル処理における必須のツール。ただ、どのように帯域を区分けして、それぞれどのように抑え込むのかは、かなり熟練しないと難しい操作です。

一般的なマルチバンドコンプは設定が難しい。画面はFender Studio Pro付属のMultiband Dynamics

このDeeVocalToolsのマルチバンドコンプは内部的には5バンドとなっていて、かなり複雑な動きをするコンプレッサなのですが、周波数の設定もなければ、スレッショルドやレシオといった設定もまったくありません。あるのはスライダー1本のみ。

DeeVocalToolsではMBCompのスライダーを上下するだけでマルチバンドコンプをうまく調整できる

この1本のスライダーを上げ下げするだけで各バンドの周波数設定から、スレッショルド、レシオ、アタック、リリース、ニー……といったすべてを自動調整してくれる、というにわかには信じられないほど不思議な魔法をかけてくれるエフェクトなのです。

「スライダーを上げるだけでボーカル全体のダイナミクスが整い、シビランスもある程度抑えてくれる」というのが重虎さんの説明で、ディエッサーの役割を補完しながら音圧感をバランスよく整えてくれます。

EQ(Top)はDeeCrystalとは異なるボーカル高域の補正

EQセクションは「Para-Top」と称する、ボーカルの高域帯に特化したパラメトリックEQ的な処理を行うパートです。

以前「EQではうまく処理できなかった音の曇りをクリアに!抜けのいいサウンドにするプラグイン、DeeCrystal誕生」という記事でも紹介したことがあったDOTEC-AUDIOの既存製品「DeeCrystal」。そのDeeCrystalも高域を扱いますが、DeeCrystalが”空気感”を加えるエキサイター的なアプローチであるのに対し、DeeVocalToolsのEQはそれとは異なり、ボーカルの声そのものがもつ高域のおいしい部分を引き出したり、逆に耳当たりのきついキンキンした成分を削るなど、声のキャラクターに直接働きかける設計で、目的、方向性がちょっと異なるもののようです。

5バンドのパラメトリックEQを1つのパラメータで動かすPara-Top

DeeVocalToolsのEQのスライダーはプラス方向にもマイナス方向にも動かせるため、ブーストとカットの両方に対応。高域が強く出やすいボーカリストの場合はスライダーを下げることで自然に整えることができるというのも大きな特徴となっています。

ユニゾンW:ピッチ追従型ダブリングで自然なダブルトラックを実現

一般的にボーカルパートを厚くするためにはダブリングと呼ばれるレコーディングを行います。つまり、同じパートを何度も歌って重ねていくことで、厚みを出していくのです。単純に1つのトラックをコピーして2つのトラックにして重ねるだけでは音量が増すだけで、音は厚くなりません。ダブリングによって同じ人が歌ってもタイミングやピッチが異なるから厚みが出てくるのです。

そこで、1つのボーカルトラックを元にダブリング効果を出すエフェクトとしてダブラーというものがあります。多くのダブラープラグインは、LFOによるピッチのモジュレーションや位相のずれを利用してダブリング感を演出します。しかしこのアプローチでは周期的なうねりが生じ、フランジャーのような不自然な揺らぎが出てしまうことがあるのです。

簡単に、リアルにダブリングを実現できるUNISON DOUBLE

そこでDeeVocalToolsのダブリングセクションであるユニゾンWでは、入力されたボーカルのピッチをリアルタイムで検出し、近似した音声を作り出すことでダブルトラックを生成するのです。ここでは512バンドという細かい周波数帯域で区切った上で、歌声を再合成するボコーダーが使われています。そのため再合成してもフォルマント(声質)が変わらないとのが大きな特徴で、声のキャラクターを保ちながら、まるで実際に2回歌ったかのような自然なダブルトラックが得られるのです。

「実際のダブルトラック録音がうまくいかなかった場合のリカバリーにも有効です」(重虎さん)

パラメーターは2つ。「Amount」はダブリングの強さ、「Follow」はピッチ追従の速さを調整します。Followを速くすると、ダブリングで生成された声がオリジナルのピッチと同様の動きをするため、2回同じ人が歌って重ねたような効果が得られます。逆に遅くするとピッチコレクターのフォロー速度を遅くしたような動きになり、メインのボーカルに対してダブルトラックのピッチ追従が遅れるため、ポルタメント的なずれが生じてより乖離(かいり)した二人が歌っているような印象になります。

なお、ユニゾンWはピッチ検出の精度を最大限に活かすため、ソロのリードボーカルでの使用を推奨しています。すでに複数の声を重ねたコーラストラックをさらにダブリングさせることは苦手としているため、個々の録音に対して使うのが基本となります。

Synthesizer VやVOCALOIDなどの歌声合成にも有効

多くのDTMerにとって、ボーカルトラックというのは、実際にボーカルをレコーディングしたトラックだけではないはずです。Synthesizer VやVOCALOIDをはじめとする歌声合成ツールを利用している人にとってもボーカルトラック処理は非常に重要な意味を持ってきます。

そうした歌声合成においても、DOTEC-AUDIOのDeeVocalToolsを試してみたところ、しっかり有効に働くことを確認することができました。

もっともVOCALOIDにおいては、それほど歯擦音が気になることはないので、あまりこのディエッサーを使うことはないかもしれません。またSynthesizer VにおいてはAIリテイク機能や、先日搭載された合唱モードを利用してダブリング的、さらにはそれを超える効果を得られるので、DeeVocalToolsのユニゾンW機能は必ずしも必要ないかもしれません。

それでもマルチバンドコンプやEQを使ってボーカルをよりよい感じに仕立てる機能は非常に有効なので、ぜひ活用してみるといいと思います。

CPU負荷とバッファエラーの表示

CPU負荷が小さいことで定評あるDOTEC-AUDIOのプラグインですが、4つの処理を同時に実行するDeeVocalToolsは、DOTEC-AUDIOの他のDeeシリーズと比べると、CPUへの負荷はやや高めです。とくにユニゾンWのピッチ検出と音声合成処理は負荷が高く、内部で多重のループ処理が行われます。万が一オーディオインターフェースのバッファサイズが不足している場合は、プラグイン画面上部に赤字でバッファを大きくするよう案内が表示されるので、その場合はDAW側のバッファ設定を調整してください。

TB-303エミュレーター、DeeACIDに新フィルター搭載のバージョン2.0.0が登場

DOTEC-AUDIOのアシッドベース・シンセ「DeeACID」がバージョン2.0.0にアップデートされました。この新バージョンは既存ユーザーへは無償提供となっています。

主な追加機能は2点。ひとつは新フィルター「タイプⅡ」の搭載で、もうひとつはフレーズジェネレーターのアルゴリズム強化です。

DeeACID 2.0.0ではタイプIIというフィルターが新たに実装された

タイプⅡは従来フィルターとは設計が根本的に異なる、艶っぽくダイナミックな鳴り方が特徴の新フィルターです。従来フィルター(タイプⅠ)はDeeACID単体でも扱いやすくバランスよく鳴らしやすいのが特長でしたが、タイプⅡはCUTOFF・RESONANCE・ENVの関係性を踏まえたうえでアウト側にコンプレッサーなどを組み合わせることで、タイプⅠを超える派手なサウンドが得られます。以下がそのタイプIIの動きを紹介するビデオです。

ここで注目したいのは、タイプⅠとタイプⅡがスライダーで連続的にミックスできる点です。内部では2系統のフィルターが同時に動作しており、スライダーの位置でその混合比を調整できます。単なる切り替えではなく、2つのキャラクターを自在にブレンドできるのは大きな魅力です。なおタイプⅡにも、従来のDeeACIDが持っていた凶悪なフィルター特性にするDIABLOモードは搭載されています。

なおフレーズジェネレーターについては生成パターン数が大幅に増加し、より表現豊かでかっこいいフレーズが生み出せるようになりました。「同じフレーズが生成される確率は天文学的に低く、まさに一期一会となるのです」と重虎さんは説明します。

3月18日~31日の期間セールを実施、KENDRIX Experienceでは限定ノベルティとクーポンを配布

冒頭でも紹介した通り、DeeVocalToolsの登場とDeeACID 2.0.0のリリースを記念したDOTEC-AUDIOのセールが3月18日~31日の期間実施されています。これはDeeVocalToolsが税込みで通常価格の5,000円から3,000円に、DeeACIDが5,000円から3,000円になるだけでなく、これまでリリースされてきたほぼすべてのDOTEC-AUDIO製品もセール対象となっています。具体的には以下の通りとなっています。

3月18日から3月31日までセールが実施されている

またDOTEC-AUDIOの飯島さんによると「3月20日に開催されるKENDRIX ExperienceにDOTEC-AUDIOも出展します。このDOTEC-AUDIOブースでは、限定ノベルティのほか、クーポン付きのチラシを配布する予定です。3月31日まではセール期間なので、そこでさらに値引きされる、というわけではありませんが、このクーポンはDOTEC-AUDIOブランド紹介用の通年クーポンなので、セール期間が終わったあとも使い続けることができます。初めてDOTEC-AUDIOの製品を購入する際にぜひ活用してください。また、イベント会場ではDeeVocalToolsやDeeACIDを実際に試すことも可能です」とのこと。

DOTEC-AUDIOの飯島進仁さん

KENDRIX Experienceについては先日「人気クリエイターが集結。入場無料で豪華機材が当たるチャンスも!3月20日開催のKENDRIX EXPERIENCEが参加受付中」という記事で紹介した無料で参加できるイベントで、すでに参加申し込みは締め切られてしまっていますが、申し込んだ方はぜひDOTEC-AUDIOブースを覗いてみるのも面白そうです。

【関連情報】
DeeVocalTools製品情報
DeeACID 2.0.0製品情報
DOTEC-AUDIO WEBサイト
DOTEC-AUDIOブログ「DeeTips」

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