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夏恒例のDTM甲子園2026が今年も開幕!各部門大賞30万円、AI時代に問われる作曲力とは

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DTMステーションでもこれまで紹介し、夏の恒例イベントともなってきたDTMコンテスト、DTM甲子園。その第3回となるDTM甲子園2026のエントリーが、7月1日にスタートしました。主催するのは、2018年に欅坂46の「ガラスを割れ!」がミリオンセラーを記録、同年のオリコン年間ランキング作曲家部門で1位を獲得し、NiziUの「Joyful」やKing & Prince、Snow Manなどへの楽曲提供でも知られる作曲家、前迫潤哉さんが率いる音楽作家事務所、合同会社MOVEMENT PRODUCTION

DTM甲子園は、学生部門と社会人部門の2部門があり、それぞれの大賞には賞金30万円。またヤマハローランドサウンドハウスAbletonUVIHOTONEDOTEC-AUDIO……など、DTMの世界ではお馴染みの多数の企業が協賛した賞品も多数用意されています。エントリー期間は7月1日から7月31日。大賞・特別賞の発表は8月29日に都内のイベントで予定されています。前年同様の枠組みに加えて、今年特に気になるのが、生成AIとの付き合い方。歌声AIの利用はOKな一方、メロディやトラックを生成AIだけで作ったものはNG。AIの扱いについて、そしてAI時代の音楽制作をどう考えているかといったことも含め、前迫さんに直接伺ってきたので、DTM甲子園の概要とともに紹介していきましょう。

プロも輩出した「DTM甲子園」の受付が7/1にスタート!

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7名がプロデビュー。才能の出口にもなっているDTM甲子園とは?

昨年は、学生と社会人をあわせて470名ものクリエイターがエントリーしたDTM甲子園。そして、参加をきっかけにプロへと進むクリエイターも次々と生まれており、これまでに7名が作家事務所の所属となっているのです。コンテストの枠を超えて、才能の出口にもなりつつあるのが、DTM甲子園の最大の特徴。

昨年の受賞作品は、学生部門大賞のMusedさんの「フォルリの現在観測」、

社会人部門大賞のかげぴーぼーるさんの「星屑ペインター」をはじめ、

DTM甲子園2025特設ページで公開されています。2024年大会情報とあわせて、どんな作品が評価されてきたのかを見ておくと、応募の参考になりそうですね。

ワンコーラスで競う歌モノ楽曲。募集部門とスケジュールについて

さて、DTM甲子園で募集されるのは、一番のみで完結する、歌が入った楽曲です。インストゥルメンタル曲ではなく、ボーカルのメロディが入った、いわゆる「歌モノ」であることが必須条件となっています。

楽曲の長さはワンコーラス。これは実際の音楽業界、とくにJ-POPの楽曲コンペで使われている標準的なデモの形式で、Aメロ、Bメロ、サビといった展開の中で、いかに聴き手の心を掴むメロディを生み出せるか、そして楽曲の世界観を短い時間で表現することができるかといった、作曲家としての構成力が総合的に試される仕組みとなっています。

歌い手についての自由度は高く、自分で歌ったものはもちろん、シンガーに歌ってもらったもの、Synthesizer VやVOCALOID、CeVIO AIといった歌声合成ソフトを使ったものでもOK。今となっては、制作現場でも歌声AIは当たり前に使われているので、現代の音楽制作スタイルにそのまま対応している形となっているわけですね。

ジャンルやテーマも完全に自由。1人または1組につき1曲までで、コライトでの参加も大歓迎ですが、複数楽曲へのエントリーはNGです。アレンジやミックスは応募者本人が行うのが原則ですが、ギターやボーカルなど録音だけをほかの人に依頼するのは問題ないようです。エントリーの際の注意事項が書かれているので、しっかり確認した上で参加するようにしてくださいね。

そして部門は、在学中の学生クリエイターを対象とした「学生部門」と、それ以外のアマチュアクリエイターを対象とした「社会人部門」の2つ。スケジュールは以下の通りです。

・エントリー期間:2026年7月1日〜7月31日
・審査期間:2026年8月1日〜
・金賞作品発表および公開:2026年8月中旬
・大賞および特別賞発表:2026年8月29日(都内イベント予定)
※日程は予定で、変更となる場合があります。

エントリーは、DTM甲子園2026の特設ページにある専用フォームから行う形になっています。まず基本情報を登録し、楽曲が仕上がったら楽曲提出用フォームから音源と歌詞を送る、という二段階の流れです。応募は1人1曲で、いったん提出した楽曲の差し替えや修正はできないので、注意してくださいね。また、エントリー開始日以前にすでに公開されている楽曲は応募できないほか、18歳未満の方は保護者の同意のうえで参加する形になります。

DTM甲子園2026 エントリーフォーム:https://forms.gle/BXNzMDt3Qfyid6467

豪華な審査員メンバーが集結

そして審査員は以下のメンバーであり、実はDTMステーションの藤本健もそのメンバーの一人として参加することになりました。

前迫 潤哉さん @Junya_Junya

MOVEMENT PRODUCTION代表
作曲はもとより、 制作ディレクターからアーティストの
仮歌やコーラスレコーディング、ボーカルディレクションなど
多岐にわたる活動を行う。
2018年「ガラスを割れ!/欅坂46」を提供。
グループ初となるミリオンセラーを記録し、
2018年オリコン年間ランキング・作曲家部門
において1位を受賞。
【参加者に一言】
今年で3回目、どんな大会も3回目は
濃度が濃いと認識しています!
とんでもない才能に出会えると思っておりますので
自分の実力にとことん向き合ってくださいね!!
・Dr. Lilcomさん
・力丸尊さん
・Akira Sunsetさん
・Carlos K.さん
・木原良輔さん
・城田敬さん
・HIKARIさん
・藤本健

賞品賞金総額100万円以上。特別賞について

また前述の通り大賞は各部門1名で、賞金30万円が用意されています。そのほか特別賞も複数用意されており、以下の通りとなっています。(随時最新情報を更新予定)

ローランド

・GO:MIXER STUDIO

ヤマハミュージックジャパン

・URX22

Hotone Japan

・AUDIENT ORIA Mini + SoundID Reference コンプリートバンドル

HOT MUSIC

・strymon BigSky Multi Reverb Plugin


・Pocket Master & Pocket Control セット

UVI

・Falcon Extended Bundle

・Vintage Vault 5

参加賞 (先着・条件付)
PrismaPrisma

下記条件を満たした方に贈呈!(贈呈は大会終了後、数量の上限に達する場合は楽曲提出の先着順。条件確認のタイミングはお教えいたしかねます)

DTM甲子園公式Xアカウントのフォロー
DTM甲子園【公式】:@DTMKoushien
https://x.com/DTMKoushien
審査員:前迫潤哉の公式Xアカウントのフォロー
前迫潤哉:@Junya_Junya
https://x.com/Junya_Junya

Ableton Japan

・Ableton Live 12 Suite

サウンドハウス

・Platane / UP1


・AKG / K712PRO

DOTEC-AUDIO

・全製品バンドル 2名分

I-O DATA

・ワイドモニター:LCD-CWQ341SDB-FX


・4KType-Cモニター:LCD-CU273AS-FX

・デュアルモバイルモニター:LCD-YC1412DX

イヨシコーラ

・イヨシコーラご提供

作家事務所から指名を受けるチャンス。作曲家ドラフト会議も開催

DTM甲子園には、コンテストとは別に開催される「作曲家ドラフト会議」という企画もあります。これは、エントリーの際に「プロの作曲家を目指す」という意思表示をした参加者を対象に、複数の作家事務所が才能あるクリエイターを指名するという、ドラフト形式のスカウト企画。2025年大会でも実施されました。

背景にあるのは、コンテストをきっかけにプロを目指すクリエイターが数多くいることです。近年は多くの作家事務所が自社でスクールを開くなど人材育成に力を入れており、このドラフト会議は、そうした業界のニーズと、プロを目指すクリエイターの熱意とを直接結びつける場になっているのです。

DTM甲子園の審査員であり、ドラフト会議メンバーのCarlos.Kさん、前迫潤哉さん、Akira Sunsetさん(左から順に)。

重要なのは、受賞者だけが対象ではないという点です。たとえ受賞に届かなくても、メロディのセンスや特定ジャンルへの理解といった一芸が事務所の目に留まれば、声が掛かる可能性は十分にあります。まさにプロ野球のドラフト会議のように、ここから次のヒットメーカーが生まれるかもしれませんね。2026年の開催についても予定されており、対象や時期などの詳細は決まり次第アナウンスされる見込みとなっています。

主催・前迫さんに直撃。生成AIによる楽曲提出をNGとする理由

ここからは、DTM甲子園を主催する前迫潤哉さんに、今年のコンテスト、そしてAI時代の音楽制作について聞いてきたので紹介していきましょう。生成AIのルールの狙いから、作曲家という仕事の近未来まで、かなり踏み込んだ話を伺いました。

ーーまずは、今年の開催時期やスケジュールについて教えてください。
前迫:去年は少しスタートが遅れて、夏休みが過ぎたあとになってしまったんです。そこが反省点で。やはり、夏休みの間に作りたい人が多いんですよね。だから今年は7月1日スタートにしました。

ーー今回、特に意識しているポイントはどこになりますか。
前迫:やっぱりAI関連ですよね。ご存じの通りAIがものすごく進化しているじゃないですか。僕自身もSunoをアレンジのリファレンスに使ったりするんですが、クオリティが高くて、下手したら人が作ったものと分からない時もあるくらいでして。だからこそ、メロディやトラックを生成AIだけで作ったものは出さないでほしい、と線を引きました。AIを否定しているわけではないんですが、あくまで創造物に対して対価を払いたいので、賞金目当てでAIに丸投げ、というのはやはり違うなと思い、今回はこのような形にしました。

ーー生成AIだけで作ったものは、審査の段階で見抜くことができるものなのでしょうか。
前迫:それが、聴けばだいたい分かるんですよ。うちの事務所にもデモが来ますし、以前行っていた品評会でも、聴いて「これAI使ってる?」と聞くと「はい」と答える人が多いんですよね。なんというか、人じゃない感というか、独特の違和感が出るんです。ただ、一定のクオリティが見えている事務所の作家と違って、膨大な応募曲の中に混ざってしまうと、さすがに認識しづらい部分もありますからね。そこで最終審査では、DAWのプロジェクトデータ、いわゆるパラデータを出してもらうことにしました。これは去年の決勝でもやっていたことですが、そこまで見ればAIはまず隠せません。ルールを破っても結局は分かってしまう、というわけです。

MOVEMENT PRODUCTION代表の前迫 潤哉さん

中間層の作詞家や作曲家は数年で淘汰される?

ーー逆に、AIをどう使うのが今の時代に合っているのか、という点も伺いたいです。
前迫:たとえば、自分でモチーフを4小節だけ作って、そこから先をAIに作曲させる、という手もあります。ただ、それでも結局は自分で打ち込み直すことになるんですよ。つまり耳コピですね。そして作曲のセンスがある人って、耳コピも上手なんです。パートを聴き分ける力があるから、結果として出音もよくなる。DTM甲子園は単なるメロディの作曲コンテストではなく、楽曲のトータルを見ているので、最後はそういうセンスが効いてくると思います。

ーーAIの台頭によって、これから作曲家の仕事はどう変わっていくと感じていますか?
前迫:本音をいうと、中間層のプロは2〜3年で仕事を失う気がしています。トップ層にはまだ依頼が来ると思うんですが、真ん中あたりの作詞家や作曲家から、先になくなっていくのではないかと。攻めた言い方ですけどね。

ーー中間層からなくなっていく、というのは具体的にどういうことでしょうか。
前迫:A&Rの人って、曲のリファレンスを出すのがすごく上手なんです。そのリファレンスを元にAIで曲を作らせれば、コンペを行うより圧倒的に早いんですよね。これまでは、コンペで決まらずに再コンペ、ということも多かったんですが、自分で気に入ったものを選んで、信頼するアレンジャーに仕上げてもらえば、ずっと近道になります。そうなると、先に淘汰されるのは作詞家や作曲家なんですよ。アレンジのAIスキルが上がればアレンジャーも危ういんですが、そちらはまだ5年、10年は残るかなと。だからこそ、自分の中にインプットを増やす力を養わないと、これからは厳しいと思いますね。

求められるのはプロデュース力。コンテストで君の一番を聴かせてほしい

ーーこれだけAIが強くなる時代に、プロを目指す人は何を身につけるべきでしょうか。
前迫:プロデューサとしての視点を養ったほうがいいと思います。プロになりたい、その先にあるのが、ヒットを生みたい、歌姫を作りたい、売れるアーティストを作りたい。そういう動機から作曲家を目指してほしいんです。ただ曲を作りたいだけ、という人は、これから先もっと厳しくなると思うんですよね。たぶんAIに負けてしまう。でも、第2のYOASOBIになりたい、米津玄師になりたい、という具体的な目標がある人は、AIを凌駕できると思うんですよ。そのためには、誰かを売る、自分の曲を届けるといった、音楽以外のことまで勉強しないといけない。そこまで成長していける人なら、十分に通用するはずです。

ーーそれは、自分がアーティストとして前に出る、というのとは別の話ということですね。
前迫:そうですね。YOASOBIでいうAyaseさんのように、提供する側でもいいんです。自分の作品のゴールをもう少し解像度高く見たときに、それでも作曲家になりたい、という人なら活躍できると思います。ただ曲を作るのが好き、というだけだと少し怖いですね。今はまだ、偶然のヒットもありますけどね。

ーーその上で、あえてコンテストを開催する意味は、どこにあるのでしょうか。
前迫:このイベントのテーマは「君の一番を聴かせて」なんです。AIと比べたらレベルは低いかもしれない。でも、その人の今の一番であればいい。音楽って、必ずしも綺麗でクオリティの高いものが人に刺さるとは限らないですよね。去年も、まだ10歳になっていない子がエントリーしてくれて。最初は何だろうと思ったんですが、年齢を見て驚きました。その子の曲を聴くと、心を揺さぶられるんです。クオリティで賞は取れなくても、AIを凌駕するような気迫があるんですよね。

ーー実際のところ、約1か月のエントリー期間中、応募はどのようなペースで集まってくるものなのでしょうか。
前迫:これが毎回ソワソワするんですが、最初にポンと来て、その後は横ばいになります。そして、夏休みの宿題に追われたみたいに、ラスト1週間で7割くらいがブワっと来るんですよ。ただ面白いのが、真ん中の時期に出してくる人の方が、意外とクオリティが高かったりするんですよね。ゆとりを持って制作できているんでしょうね。逆にギリギリの人は、時間がなくて雑なミックスになりがちで。最初に出してくれる子は、締め切りを守ってくれそうだな、という安心感もありますね。

ーー昨年からの変化や、今年の手応えはいかがですか。
前迫:去年、表彰式をリアルイベントにしたのが大きかったですね。一昨年はオンラインだけだったんですが、クリエイターが顔を合わせてワイワイ楽しめる空間は、すごく盛り上がりました。今年もオフラインで開催します。若い子たちがそこでコミュニティを作っていってくれたら嬉しいですし、出会いのきっかけになってくれたらいいなと思っています。

ーー最後に、これから応募する人へメッセージをお願いします。
前迫:今から始める人は、Sunoに作らせたものに勝てるわけがない、と思ってしまうかもしれません。でも、前提として、みんなSunoは使わない。人間の創作はAIには負けないぞ、というところに挑戦してほしいんです。なにより、楽しく音楽を作る、というのが一番大事なので。夏の一曲、なにかに打ち込んだきっかけになれば、それで嬉しいです。音楽業界を目指す若い人が増えてほしいですし、AIも、ツールとして上手に使うことができるようになってくれたらいいなと思っています。

ーーありがとうございました。

以上、DTM甲子園2026について紹介しました。夏の限られた期間にワンコーラスの楽曲を作り、自分の「一番」を更新していくこのコンテストは、7月1日から31日までエントリーを受け付け、各部門の大賞には賞金30万円が用意されます。今年は受賞作にパラデータの提出が求められるなど、AIとどう付き合うかがあらためて問われる大会にもなっています。前迫さんの言葉のとおり、AIを壁打ちや参考として活かしつつ、最後は自分のセンスで「君の一番」を更新していく。そんな夏の挑戦に、ぜひこの機会にエントリーしてみてはいかがでしょうか?

【関連情報】
DTM甲子園2026
MOVEMENT PRODUCTION

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