リハスタも超高音質で丸ごと撮(録)れる4K対応ビデオカメラ、ZOOM Q2n-4Kが便利

2年前に「超リアル、高音質に録れる音楽専用ビデオカメラ、ZOOM Q2nが楽しい!」という記事で、ZOOMQ2nというビデオカメラを紹介したことがありました。その上位機となる4K画像(3840×2160の画像)に対応したQ2n-4Kというものが昨年発売されたので、使ってみました。

Q2n-4Kは実売価格24,500円(税込)と、Q2nの19,800円よりは少し高いものの、やはり4Kの威力は絶大。使うまでは「4Kなんて高画質はいらないよ…」と思っていたのですが、実はデジタルズームをしたときに、実力を発揮してくれるんですね。もちろん音のほうは、24bit/96kHzの高音質で録れ、大音圧でも確実にレコーディングできるのもQ2n-4Kの大きな特徴。実際、どんなものなのか、撮影した素材も見せながら紹介してみたいと思います。

ZOOMの小さな4K対応のビデオカメラ、Q2n-4K

Q2nをご存知ない方も多いと思うので、改めてこのQ2n-4Kについて紹介すると、これはとってもコンパクトな機材ながら、4Kのビデオ撮影機能と、24bit/96kHzのリニアPCMレコーダー機能を兼ね備えた機材。まさに音楽専用の高画質・高音質ビデオカメラです。


手のひらに乗る、コンパクトな4K対応デジタルビデオカメラ、ZOOM Q2n-4K

頭の格子状の網の内側にはX-Y型のエレクトレット・コンデンサマイクを内蔵しているから、とくにマイクを用意しなくても、いい音で録れるわけですね。バッテリーは単3電池2本で駆動し、microSDカードに録画・録音していきます。


単3電池2本で駆動し、データはmicroSDに記録

まずは、これを使って3人のガールズバンド、GLIRUS(グリラス:@GLIRUS_offi)の演奏を撮影したものをYouTubeにUPしてみたので、ご覧ください。

いかがですか?YouTubeにUPしたことでビデオ・オーディオが圧縮され、元の画質、音質と比較して落ちてしまってはいるものの、かなりリアルに録画・録音されていると思いませんか?これはただ単に、Q2n-4Kを手で持って撮影しただけのものなんです。


メーザー・ハウスの学生バンド、GLIRUS。左から、なほさん、齋藤桃子さん、篠原由樹さん

撮影に協力してくれたGLIRUSは、いつもネット放送番組DTMステーションPlus!用のスタジオとして場所を提供いただいている音楽学校メーザー・ハウスの生徒のみなさん。ギターボーカル科2年生の篠原由樹さん(Gt:@yuki_obaka419)、ミュージックビデオ科2年生の齋藤桃子さん(Dr:)、ベース科で高等部3年生の、なほさん(B:@na10H4)の3人で、このメンバーで活動を始めてから2か月なんだとか(バンドとしてはちょうど1年とのこと)。

GLIRUSは都内のライブハウスを中心にライブ活動をしているほか、「エマージェンザ」という世界最大のバンドコンテストにチャレンジ中。これに日本で優勝すれば、ドイツの野外フェスに出演でき、その旅費も全部主催者側が負担してくれるそう。次回は準決勝。4月7日に東京・渋谷のShibuya eggmanで行われるので、よかったらぜひ応援に行ってあげてください!

このビデオを見てもわかる通り、ギターはギターアンプから、ベースはベースアンプから音を出す一方、ボーカル・コーラスはPAを経由してステレオのスピーカーで鳴らし、ドラムは生音のままです。


こんな感じにQ2n-4Kを手に持って撮影していた

広角レンズだから、ちょっと広めなスタジオではありますが、その全体がカメラに収まってしまうというのもQ2n-4Kならではの点です。スタジオの鏡にQ2n-4Kを持って撮影している自分が映ってしまっていますが、まさにそんな感じで録っていたわけです。あえて歩きまわったので、ギターに近づくと、ギターの音が強くなり、ドラムに近づけば、ドラムが強くなることや、そのステレオ感が変化するのもリアルに感じ取れると思います。

また間奏においてドラムに近づき、2番のボーカルが始まる時点ではPAのスピーカーの裏側にいたので、ボーカルが小さくなってしまい、スピーカーの前に来るとボーカルがハッキリとする、そんなところもしっかりと再現されています。


サイドのインプットボリュームのノブで入力音量を調整

実際の撮影の前に1回、音を出して演奏してもらい、それをヘッドホン端子でモニターし、レベルメーターも見ながら、音量調整を行っています。これはサイドにあるインプットボリュームのノブで行うのですが、これがちょっと重めなトルクのボリュームである点も好感が持てます。

準備ができたらあとはRECボタンを押すだけで、これだけのものが録れちゃうんですね。ただ先ほどの通り、YouTubeではせっかくの4K動画も劣化してしまうので、撮ったままにUPして共有できるvimeoというサイトも試してみました。こちらは基本有料のサービスだけど、1週間に500MBまでならば無料でUPできるとのこと。ただ先ほどの動画ファイルは4K&24bit/96kHzだったため、約2分で1GB超。


Vegas Pro 16で半分弱にカットしてvimeoへのアップロード容量を節約

月額700円~というものなので、もちろん有料で使ってもいいのですが、ここはあくまでもどんなものなのかを確認するためのテスト。そこで先日紹介した動画編集ソフトVegas Pro 16を使って半分弱にカットしてUPしたのが以下のものです。これを見ると、画質の良さが分かるりますよね。

ちなみにビデオの録画データはQuickTime形式であるMOV。「MOVファイルって、3840×2160の4Kビデオを収められても、オーディオはAACとかに圧縮されちゃうんじゃないの?」なんて疑問に思い、Windowsのプロパティで確認してみたところ、24bit/96kHzのオーディオが非圧縮の状態で入ってますね。MOVファイル、優秀です。

※2019.1.13 12:00追記
MOVだとWindowsだと扱いにくそうという印象を持たれる方もいると思いますが、現在のWindows 10ではMOVを標準でサポートしています。また、前述のVegas ProがMOVファイルをサポートしているのはもちろん、Cubaseも標準でサポートしているので、もしかしたらAVIファイルよりも扱いやすいかもしれないくらいの環境になっています。

最新のWindows 10(iTunesも何もいれてない)環境のCubase Pro 10に、このMOVファイルを読み込ませると、こんな感じに

またQ2n-4Kでは24bit/96kHzのほか24bit/48kHz、16bit/44.1kHzの3つのモードを選択できるようになっています。また、カメラをオフにして録音だけを行うことも可能となっており、この場合は完全なリニアPCMレコーダーとして、WAVで記録される形になっています。

一方、ビデオのカメラ側もいろいろなフォーマットが用意されています。具体的には以下の6フォーマットです。


このオーディオのフォーマットの変更はAUDIOというボタンを、ビデオのフォーマットを変更するのはVIDEOというボタンを押すだけでOKで、メニュー構造なしに操作できるのも便利です。ここにはFOVというボタンもあるのですが、これで視野角の変更を5段階でできるようになっています。先ほどのビデオはWIDEというモードで、最も広い150度で撮影されるため、魚眼っぽいゆがんだ画像になります。

液晶ディスプレイの左右に並ぶボタンを操作することで設定を変更できる

それに対し、視野角を狭めていく4つのモードでは、ゆがみ補正をかけてくれて、普通のレンズで撮影した感じになります。しかも、4Kのレンズだけあって、視野角を狭めたものも、画質がきれいなんですよね。ここは、2年前に出たQ2nと比較して、圧倒的に向上したポイントでした。

さらに、SCENEボタンを押すと屋外での撮影に最適な色にしたり、コンサート会場での撮影に最適な形にしてくれるなどを選択できます。具体的には以下の12通りがあり、通常はAUTOでいいと思いますが、状況に合わせて変えてみると面白いと思います。

というわけで、この視野角を最も狭くしたモードにし、SCENEをセピア調に設定した状態で、再度、GLIRUSに演奏をお願いして撮影してみたのがこちらです。

音的には先ほどと同じ24bit/96kHzで録音しているので、大きく変わらないと思いますが、色も違うし、広角レンズによるゆがみもなくなっているので、見た目の雰囲気はかなり違ってきますよね。

最近のスマホはかなり高画質に録画できるようにはなってきたものの、音質のほうはまだまだであるのが実情。特に大きい音量で録音する場合には、オートレベル調整機能が効いてしまって正しい形で録れません。そういう意味では、Q2n-4Kは、音楽専用という点で大きな役割を果たしてくれるビデオカメラだといえそうです。コンパクトなので、いつもカバンに入れておいて持ち歩く、というのもよさそうですね。

【関連情報】
ZOOM Q2n-4K製品情報
ZOOM Q2n製品情報

【価格チェック】
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1件のコメント
  • 22センチュリー

    ステディカムのように手振れが完全に解消されるAI動画処理ソフトが出るといいなーと思います。

    2019年1月15日 3:00 AM

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