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DTMスクールの楽曲発表会に第一線のプロデューサーが来るとどうなるのか?

先日、DTMスクールのJBG音楽院が主催する形で「伊藤涼のソングライティング・アプローチ〜売れる!刺さる!ヒットの法則〜」という特別セミナーが開催されました。実は半年ほど前、私がとある席で、伊藤さんをJBG音楽院に紹介したことがきっかけで実現したセミナーだったこともあり、その様子を覗きに行ってきました。

そう伊藤涼さんとは元ジャニーズのプロデューサーで、最近でも安室奈美恵、乃木坂46、AKB48……といったアーティストへの楽曲提供も行っているソングライター。DTMステーションでも何度か登場いただいたことがありましたが、今回もなかなか刺激的なセミナー内容だったので、その様子を少し紹介してみたいと思います。

「伊藤涼のソングライティング・アプローチ〜売れる!刺さる!ヒットの法則〜」の様子

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これまでにも「プロのマル秘テクニックまで無料で伝授!? 音楽・DTMをいっぱい学べる初心者セミナーに潜入」や「海の見えるスタジオで、レコーディングの授業を見学してきた」という記事で紹介しているJBG音楽院ですが、今回のセミナーは大人気だったようで、普段授業を行っている場所とは違う少し広い会場で行われました。

プロデューサーで、ソングライターの伊藤涼さん

全体の参加人数は25名で、そのうちJBG音楽院の生徒が18名、一般の方が7名でした。司会進行は「社会人が作曲やDTMを本気で学べる学校に体験入学(!?)してみた!」という記事でも紹介したことのある、JBG音楽院の講師荒木健先生。

JBG音楽院の講師、荒木健先生

そもそも今回のセミナーは、その場で伊藤さんが生徒の楽曲を聴き、アドバイスしていくというものだったのですが、JBG音楽院の生徒の中には、これが人生で初めて作った曲だったという人もいたようですが、それを第一線のプロデューサーであり、ソングライターがコメントをくれるというのですから、かなり貴重な経験だったと思います。

添削してもらった曲は全部で7曲。JBG音楽院の生徒はコンペや楽曲提供というものよりも、アーティスト志向の人が多いとのことですが、今回はコンペや業界寄りの意見という違う視点から伊藤さんのコメントをいくつか紹介していきましょう。

 

2曲目
楽曲を提供するという視点で考えると、この曲はすごくアーティスティックな雰囲気が出すぎていると感じました。そもそもアーティストは自分で曲を作るので、アーティストでない人、つまり楽曲を欲しがっている人たちがどういうものを求めているか考える必要があると思います。
たとえばもうちょっとキャッチーなメロにしたり、曲の見せ場やマイク一本で歌うことを想定して作れると、そのニーズに答えられると思います。他にも、ギターを持って歌うのか、それとも踊りながらなのか、場所は大きいところでやるのか、それとも小さいところなのか……など、アーティストのタイプを想定することが大切です。それに、楽曲を必要としているアーティストの人たちって、誰かと同じことはしたくないので、オリジナリティのある楽曲に聴かせるための工夫などもしてあげるとよりいいですね。
その点でいうと、AメロBメロは2小節のフレーズが並んでて、サビに入ると1小節のフレーズに、大サビに行くと4小節のフレーズになるあの展開の感じはすごくよかったです。ですが、Bメロとサビが同じく2小節目からメロディが入っているので、そのせいでサビがパッとしないものになってしまっているはもったいないと感じました。
自分でメロディ出したときに、クセって出てきちゃうんですよね。たしかに自分のカラーとして大切なことなんですが、それだけになってしまうと面白くなかったり、求められているものが作れなかったりしてしまうんです。なので、一旦メロディを書いたら自分で確認してみて、自分のクセが出すぎていないか聴いてみて、再度ブラッシュアップする作業が必要です。もっと客観的に全体の流れとかメロディを見れるといいと思いますよ。

洋楽よりなK-POP系の曲調を狙っているってことなんですが、これだとカッコよさが足りないなと感じました。トラックも自分で作っているとのことなんですが、まずはサウンド選びが大切なので、そこをしっかりしたほうがいいですね。
音楽を聴きこんで、今流行っているサウンドやカッコいい音とは何かを探したほうがいいです。キック一つをとってみても、それがカッコよくなかったら、カッコいい曲にはならないんです。それから、トラックも作って、曲も作って、アーティストもやっているとのことなんですが、それはなかなか欲張りだなと思います。全部を完璧に作れる人って正直いないんですよ。
だけど全体を知っていることはすごくいいことだとも思います。もし自分がアーティストとして活躍していきたいのであれば、他の人の手を借りたほうがいいなと思いますよ。たとえば他の人に作ってもらうにしても、自分のイメージを人に伝えることが大切なので、そのイメージをしっかりもっていってください。
一番大切なのは、カッコいいものをカッコいいと思っていることなので、ちゃんと新しいもの、カッコいいもの、世の中の人が聴いているものをチェックしてみてください。5年前のあれがカッコいいではなく、常にミーハーにカッコいいアーティスト、カッコいい曲を自分の中に入れていくことが大切だと思います。
4曲目

 

5曲目
サビがキャッチーでメロディーセンスがいいなと思いました。構成もしっかりしていて、CMっぽい曲とのことでしたが、その感じは伝わりました。
ただ昔の音楽だなとも感じました。もしCM音楽とか子供向けの音楽を作りたいんだとすると、新しいものを分かったうえで作っていくことが大切だと思います。もはや子供たちは分け隔てなく曲を選んでて、子供向けに作ったものを選んでるわけではないんです。僕よく言うんですけど、三代目 J SOUL BROTHERSを聞きましょうって。三代目 J SOUL BROTHERSの音楽ってこれだけ流行っているのに、世の中の音楽やりたいなぁと思っている人に聞くと、自分のやりたい音楽とは違うと聴いていないんですよね。でも若い世代が学生がこれだけ好きなんだから、そういったものは一回聴くべきだと思います。
それから、この曲はメロディセンスはあるんですけど、今っぽくするには結構大改造が必要だなという気がしたので、最初から今っぽいっていうのを視野に入れて、曲を作り始めれば、もっといい曲ができるんじゃないかなとも思いました。

 

一通り曲の添削が終わり、最後にセミナーに参加していた一般の方から質問があったのですが、それもかなり面白い内容だったので、一部ですが紹介したいと思います。

Q.今いろいろなコンペに曲をだしているんですけど、なかなか通らないんです…。また、そもそもクリエイターとしての心構えだったり、注意しておかなければいけないことはありますか?

A.コンペに出すクリエイターとして必要なことはたくさんあると思うんだけど、みんなが知ってることは、みんなクリアしているんですよね。キャッチーな曲を作ることだったり、聴きやすいものを作ることとかだったりは、当たり前にみんな曲に反映させてます。実はそれだけではダメなんです。大手のコンペとなると500曲~1000曲集まるのですが、そこで選ばれるのは1曲だけ。なので、みんながクリアしているところの先に行かないと上に行けないんですね。その先というのは、相手を知ることだと思います。他の数十人のクリエーターたちはA&Rとコミュニケーションをとって、今A&Rがほしいものの情報を仕入れているんです。曲を最終的に決めるのはA&Rの人じゃないかもしれません。ですが、500~1000曲の中から10曲選ぶんです。そこに行かない限りは、今の売れっ子作家と同じステージには立てません。事務所に曲を送って一安心みたいなことだと、曲は決まらないです。ちゃんとチャンスで球が打てるように、4番バッターにならなくてはいけないし、監督とコミュニケーションをとらなくてはいけないし、スパイクやバットはいつも磨いていなきゃいけないんです。ちゃんと戦略を練らないと1/1000にたどり着くことはできないですよ。とりあえず、3人のA&Rと仲良くなって仕事を発注されるようにならないと、食っていくことはできないと思います。作戦を考えて、行動していかないと今の音楽業界で生き抜くことはできないですよ。もちろん才能も必要だし、器用さも必要だし、光るものも必要だけど、まずは人間力が必要です。人間力というのはコミュニケーションがしっかりとれることだったり、ちょっと話をしたときに面白いと思ってもらえる力のことです。たとえば、好きなアーティストを聞かれたときにちゃんとした答えと理由を持っていますか?当たり前に聞かれる質問なので、考えておいたほうがいいですよ。まずは人間力、頑張って鍛えていってください。

Q.私はA&Rになりたいと思っているのですが、何が必要なのか分からないので、アドバイスをいただきたいです。

A.それはコネクションを作ることです。なかなかA&Rを新卒でとることはないので、まずはコネクションを作るところからだと思います。もちろん、そうはいってもA&Rに直接知り合いはいないかもしれません。でも、たとえばSMEであれば、ソニックアカデミー、通称ソニアカっていうイベントを行っており、A&Rを見つけ出してコミュニケーションをとるにはいい機会だと思います。オンラインの会員制度があって、オフ会も開催していたりするので、そういうものを活用して、積極的に人間関係を作っておくといいと思いますよ。

Q.ビルボードにK-POPが載っていて、日本の音楽は負けていると思うのですが、その要因はなんだと思いますか?

A.それは国がK-POPにたくさんお金を使ったからだと思います。韓国って日本と違って、自国にマーケットがないんですよね。日本は世界で2番目に音楽のマーケットがある国なんです。だから日本は海外に出なくても困らないんですよね。ですが、他の国は違うマーケットに行かないと、お金にならないんです。だからたとえば、スウェーデンの音楽クリエーターたちが日本のマーケットに来るし、アメリカに行ったりするんですよね。特にアメリカは、一番マーケットが大きいので、最終的にはみんなアメリカに行きたいんですよ。そのときに、アメリカで勝つためには英語で歌うこと、アメリカの音楽を知ること、求めているものを知ることだと思うんですよね。でもそんな簡単じゃないってときに、ちゃんと国が予算を割いてくれるってことが大切だと思っています。だけど日本はまったく予算を割いてくれないので、きっかけを掴めないんですよね。海外にクリエーターを連れていくこともできないんですよ。たとえば、ジャスティンビーバーとコライトするために国がお金を払ってくれるとかあれば、それだけで話題になるじゃないですか。日本はこういうお金の使い方ができていないのですが、韓国はしているので、日本が負けているのはそこかなと思っています。それに今海外のクリエーターたちが日本に入ってきて、海外にお金が流れているという自覚が日本にないことはかなり問題だと思っています。

今回のテーマは「スーパープロデューサー伊藤涼さんを迎えて~伊藤涼のソングライティング・アプローチ、売れる!刺さる!ヒット曲の法則」というものでしたが、なかなか業界の奥深くの話だったり、世界を視野に入れた話だったりは簡単に聞けるものではないと思います。JBG音楽院の生徒に今回のセミナーの感想を聞いてみたら、「普段荒木先生が教室で話している内容と伊藤涼さんのアドバイスが重なる部分があったりして、プロの方はこういうレベルで物事を考えているんだなと思いました。」というコメントがあったりもしました。

実際にJBG音楽院はプロ目線のアドバイスをもらえる場所で、無料体験セミナーなどで普段の授業の様子を体験できたりするので、興味のある方は一度情報をチェックしてみてはいかがでしょうか?
【関連情報】
JBG音楽院サイト
JBG音楽院の入学説明会