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  • MIDI 2.0の詳細が発表!MIDI 1.0との互換性を保ちつつベロシティーは128段階から65,536段階に、ピッチベンドも32bit化など、より高解像度に

今年1月に発表されて大きな話題になったMIDIの新規格、MIDI 2.0。DTMステーションでも「MIDIが38年ぶりのバージョンアップでMIDI 2.0に。従来のMIDI 1.0との互換性を保ちつつ機能強化」という記事でも、その概要を紹介しました。それから4か月、いよいよその詳細が米国のMIDI管理団体であるThe MIDI Manufactures Association(MMA)から発表になりました。

今回発表になったのはプロトタイピングということで、正式版の発表ではないようですが、方向性は定まったようです。5月26日現在、日本の団体である、一般社団法人音楽電子事業協会(AMEI)からはアナウンスはでていませんが、MMAの発表内容を元に、その概略を紹介してみたいと思います。

MIDI 2.0の詳細が発表に

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まず最初にお伝えしておきたいのはMIDI 2.0が登場することで、従来のMIDI 1.0が使えなくなってしまうとか、古くなってしまう、ということにはならないという点。詳細は、以前の記事をご覧いただきたいのですが、MIDI-CI(Capability Inquiry)という仕組みによって、接続する機器同士が、まずお互いがMIDI 2.0で通信できるかを確認。それがOKであればMIDI 2.0での会話が始まり、MIDI 1.0しか扱えないものであればMIDI 1.0で会話をするようになっています。だから、互換性という面ではしっかりしていて、MIDI 1.0が使えなくなるわけではないことを理解してください。

次にお伝えしたいのは、ここで定義するのはプロトコル、つまり通信手順の中身の話であって、物理的な通信手段は別であるということ。ご存知の通り、すでに5ピンのDIN端子を使うMIDI端子MIDIケーブルを使うケースは少なくなっており、大半はUSBでMIDI信号をやりとりしています。また、MIDIをWi-Fiで飛ばして通信することもあれば、Bluetoothで飛ばすMIDI over Bluetooth LE(MIDI-BLE)といった規格も定義されており、物理的通信手段はいろいろ。どれを使ってもOKとなっています。

そしてもう一つ重要なのは

MIDI 2.0
MIDI 2.0プロトコル

という2つがあること。ちょっとややこしい感じもしますが、MIDI 2.0と呼ぶときには、MIDI-CI、従来のMIDI規格から、新たに定義されるものも含め、新しいMIDIの全体を表します。そしてMIDI 2.0プロトコルというのは、今回新たに定義される規格部分ということですね。

では、その38年ぶりというか、MIDIの歴史始まって以来初の大バージョンアップとなるMIDI 2.0で何が変わるのでしょうか?MMAが発表した情報を元にその中身を少し追ってみましょう。

ユニバーサルMIDIパケットには32bit、64bit、96bit、128bitの4種類がある

まずMIDI 1.0プロトコルとMIDI 2.0プロトコルがうまく混在できるように、ユニバーサルMIDIパケットなるものが定義されました。これは32bit、64bit、96bit、128bitの4種類があり、この中にMIDIのメッセージを入れ込む形になっています。

そのユニバーサルMIDIパケットに入れ込むMIDIメッセージには、以下の6つがあります。

6種類のMIDIメッセージ
ここからもわかる通り、MIDI 1.0プロトコルとMIDI 2.0プロトコルが混在できるようになっているので、新しい楽器を作るメーカーがMIDI 2.0を使いながらも、中身的にはすべてMIDI 1.0を踏襲することも可能になっているわけですね。

そして注目すべきがMIDI 2.0チャンネル・ボイス・メッセージでしょう。これは全体で64bitあり、データ部分だけで32bitあるのです。そうチャンネル・ボイス・メッセージとはノートオンノートオフピッチベンド・チェンジプログラム・チェンジコントロール・チェンジといったものがあったわけですが、ここで扱える値の範囲が大きく拡張されたのです。

チャンネル・ボイス・メッセージが64bitになりデータ部分だけで32bit分ある

もう少し具体的にいうと、ベロシティーは従来7bitしか割り当てられていなかったから0~127までしか扱えなかったのが16bitとなったので0~65,535という範囲で扱えるようになり、細かさが512倍にもなっています。ここで、そのベロシティーを扱うノートオンメッセージの中身を見てみましょう。

ノートオンメッセージの定義

これを見るとベロシティーが16bit分確保されている一方、これまでにはなかったアトリビュートなるものが追加されています。attribute typeで8bit、attributeで16bit用意されているわけですが、これを使うことで、今までになかったような楽器表現をするということなんでしょうか?

一方で、MIDI 2.0のプログラムチェンジのほうを見てみると、こちらは少し考え方が変わっているようですね。従来はバンクセレクトがあって、0~127の番号でプログラムを切り替える形になっていましたが、新しいプログラムチェンジではこれが1つに合体しているようですね。

プログラムチェンジでは、バンク切り替えが合体

そして、これまでのRPNNRPNも以下のように変わっています。従来RPNとNRPNはどう扱えばいいのかわかりにくい面がありましたが、MIDI 2.0ではこれもわかりやすく単一化されるとともに、RPNの後継がRegistered Controller Message、NRPNの後継がAssignable Controller Messageとなり、それぞれ32bitの解像度を持つようになっています。これによってピッチベンドも32bitの割り当てとなりより細かくコントロールできるようになっています。

Registered Controller MessageとAssignable Controller Message

もう一つ気になる存在が、タイムスタンプについて。高速に転送するようになるからこそ、そのメッセージをいつ実行するのか、細かく制御する必要があるわけですが、それをJitter Reduction Timestamp(ジッター低減タイムスタンプ?)なるもので実現させるようです。ただ、これについては今回のプロトタイピングに詳細はなかったので、まだ各メーカー間で仕様を詰めているところなのかもしれません。

とりあえず、ここでは、MMAが発表した資料を斜め読みする形で、ざっと紹介してみました。より細かい情報はMMAの資料をご覧ください。またおそらく日本のAMEIでも同様の資料を発表してくるのではないかと思います。また詳細情報があればお伝えしていきます。

【関連情報】
Details about MIDI 2.0, MIDI-CI, Profiles and Property Exchange(MMA:英語)
AMEIサイト
MMAサイト
MIDI規格1.0規格書