機能多彩でライブにも使える頑丈なUSBパッドコントローラ、PAD-One

PCをライブに持ち込む人はどんどん増えています。多くの場合、キーボーディストがUSB-MIDIキーボードを使って演奏しつつ、マウスやPCのキーボードでDAWを操作していますが、やはりパッドを利用したいというケースもあるでしょう。

ただ、いまある多くのUSBパッドコントローラは「頑丈さ」という面で不安を感じるものが多いことも確か。そんな中、アルミボディーで思い切り叩いても全然OKという実売価格13,000円前後VestaxPAD-Oneを使う機会がったので、試してみました。すると頑丈さだけでなく、普通のパッドコントローラにはない面白いプレイがいろいろできるので驚きました。
アルミボディーで頑丈なVestax Pad-One


USB接続のパッドコントローラというのは、以前から存在していて、珍しいものではありません。USB-MIDIキーボードに、スイッチ機能も兼ねるパッドが搭載されたものもあり、確かに便利ではあるけれど、パッドでの演奏だけにフォーカスすると、物足りなさも感じます。

そこに登場したのは、日本のメーカー、Vestaxが開発したPAD-One。アルミダイキャスト製のボディーでできた頑丈なコントローラで、12個のパッドに加え、左側にはXY PADも備えたというユニークなもの。

Ableton liveなどを使ってのパフォーマンス演奏をしたい人はもちろん、DAW上で動くドラム・パーカッション音源を使っての演奏にもなかなか便利な機材です。まずはVestaxがプロモーションビデオを作っているので、これを見てみると雰囲気が分かると思います。

そう、ここではliveを使ってのプレイが行われており、パッドをトリガーとして演奏しているわけです。ライブでついつい力が入っても、壊れる心配がないというのは安心なところですよね。

ただ、このビデオを見ても、PAD-Oneのすごさが伝わらないようにも思います。実は私も、最初にマニュアルを読んだとき、イマイチ、ピンとこなかったのですが、Cubaseを起動させて、ソフトシンセをつなぐと、MIDIデバイスとしての面白さがいろいろ見えてきたので、簡単に解説を。

PCと接続するとドライバ不要で認識される

まず、PCにつなぐとUSB電源供給で電源が入るとともに、ドライバ不要でMIDIデバイスとして認識されます。12個のパッドにはあらかじめMIDIのノートが割り当てられていて、デフォルトでは叩くとベロシティ127で信号が出るようになっています。また触れていないときは緑、叩くと緑に変化するのも面白いし、パッドを押し込むという操作でアフタータッチも使えるようになっています。設定によって叩く強さによってベロシティーが変化するモードにもでき、その変化を3種類のカーブから選択できるようにもなっています。
12個あるパッドは何もしないと緑、叩くとオレンジになる

このMIDIのノート番号とベロシティは自由に設定できるほか、コントロールチェンジも好きな番号に設定可できます。

XY Padでピッチベンドやモジュレーションほかさまざまな制御が可能

そして左のXY-PADは、X軸がピッチベンド、Y軸がモジュレーションとなっているので、MIDIキーボード風な直感的な操作が可能です。しかし、その上にROLLというボタンがあり、これをオンにするとXYパッドの位置づけが全然変わってしまいます。ROLLというのは、いわゆるドラムロールのロールであり、これで連打ができるという意味。先ほどのビデオでもROLLがオンになっていましたが、連打のスピードは自在に設定できます。

TAPボタンをタップすると、テンポ設定ができる

具体的にはTAPボタンをタップすると、テンポを感知し、TAPボタンがそのテンポで青く点滅してくれます。ここで曲に合わせて叩けば簡単にテンポ調整できてしまうわけですね。さらにXY PADのX軸でよりスピードを上げていったり、Y軸で連打の音量をコントロールできるのです。ちなみに、ここでのテンポとDAW側のテンポは同期しておらず、あくまでもPAD-One側のものであるのがミソです。

PCなしでもPAD-One本体だけで各種設定ができる 

この手の機材で面倒なのは、これらの設定をPCのユーティリティを使って行うこと。ところがこのPAD-Oneは本体の操作で直感的に設定できてしまうのが非常に便利。もちろん、一度設定した内容は覚えておいてくれるし、A~Dの4つのバンクがあるので、各バンクごとに異なる設定をしておくのも良さそうです。

外部MIDI出力も装備している

なお、PAD-OneにはオプションのACアダプタの接続が可能なほか、MIDI出力も用意されているので、PCなしでの使用もできるようです。

【関連サイト】
Vestax PAD-One製品情報

Commentsこの記事についたコメント

3件のコメント
  • DTMer

    はじめまして。
    いつも楽しみに記事を拝見させてもらっています。
    PAD-Oneの記事で気になったことがあるのですが、
    >具体的にはTAPボタンをタップすると、テンポを感知し、
    >TAPボタンがそのテンポで青く点滅してくれます。
    >ここで曲に合わせて叩けば簡単にテンポ調整できてしまうわけですね。
    >さらにXY PADのX軸でよりスピードを上げていったり、
    >Y軸で連打の音量をコントロールできるのです。
    >ちなみに、ここでのテンポとDAW側のテンポは同期しておらず、
    >あくまでもPAD-One側のものであるのがミソです。
    ここのDAW側とのテンポの同期についてですが、
    あえて同期しない設定にしているだけなのか、あるいは、
    同期させたいと思っても同期させられない仕組みなのか、
    どちらなのでしょうか。
    PAD-OneはWEB上にマニュアルが公開されていないため、
    その点が気になって夜も眠れません。
    お時間のあるときで結構ですので、教えていただけますと幸いです。
    これからもDTMに役立つ記事、楽しみにしております。

    2012年5月5日 7:09 PM
  • 藤本健

    こんにちは。
    このテンポ、DAW側とはまったく独立したものなので、仕組み上、同期はさせられなかったと思います。

    2012年5月5日 7:27 PM
  • DTMer

    わ、早速のレスポンス、感激です。
    謎が解決し、これで今夜からグッスリ眠れます。
    ありがとうございました!

    2012年5月6日 4:04 PM

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