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ボカロPライブで行われた実験的な立体音響放送

先日「ドキ生R」というライブイベントが行われたのをご存知でしょうか?これはVOCALOIDのPさん達が、ボカロ曲を演奏するという生ライブイベントで、2009年より行われてきた「ドキッ☆ボカロ曲だらけの生ライブ-Pもあるよ-」(略称:ドキ生)が、久しぶりに復活したというものでした。

 

主催者であるアカサコフにいとP)さんからご招待をいただいたので、初日に行ってきたのですが、満員の会場で異彩を放っていたのが、会場後方に設置されていたダミーヘッドです。ご存知の方もいると思いますが、これはドイツのマイクメーカー、NEUMANNノイマン)の「KU 100」というマイクなんです。今回は、このマイクについて少し解説してみたいと思います。


ドキ生R会場の後方で異彩を放っていたダミーヘッド、KU 100


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マネキンの頭みたいなものが、マイクってどういうこと??」と思われる方も少なくないと思います。実はこれ、バイノーラルマイクと呼ばれる特殊なマイクで、人間の聴いている音をできる限り正確に記録し、再現できるようにしたものです。そう、実際に生で聴く音と、録音された音や放送されている音というのには、明らかな違いがありますよね。


正面から見たKU-100。モアイ像を彷彿させる、どう見ても不気味な機材

普通のマイクで集音したものは、どうしても立体的なニュアンスがなくなってしまうのです。そこで、耳たぶまでリアルに再現したダミーヘッドを使い、人間の耳の鼓膜に相当する部分にマイク素子をつけて音を取り込むことで、人間が聴くのとそっくりな形で音を記録していこうというものなのです。


KU 100にはちょっと不気味なほどリアルな耳たぶまでついている

 

2006年に私が書いたAV Watchの記事「誰でもできる自然音録音のテクニックとは?~ フィールドレコーディングのプロに秘訣を聞く ~」でジョー奥田さんにインタビューする形で、KU 100について詳しく書いているので、興味のある方はそちらも参考にしてみてください。もっとも「誰でもできる」なんてタイトルがついているものの、KU 100自体が100万円もする機材なので、これ自体を入手すること自体がなかなか困難なのですが……。


PAエンジニアの武井さん(左)とMCのいぶし銀次さん(右) 

 

今回のライブでKU 100を持ち込んだのは、著名なプロのPAエンジニアであり、これまでもドキ生のサウンドを支えてきた有限会社パブリックアドレスの武井一雄さん。武井さんに伺ったところ、これは私物ではなく、FitEarでお馴染みの須山補聴器から借りてきたものだそうです。


ニコ生での放送画面。2日目のサウンドはリアルな立体サウンドを楽しめる

 

そのKU 100で集音したサウンドを、そのままニコ生で放送するという非常に実験的なことが行われたのです。残念ながら初日はその音がモノラルで放送されるという事故が行ってしまい、せっかくのバイノーラルマイクの威力が発揮できなかったのですが、2日目はバッチリうまく放送されていました。タイムシフト放送を聴くことができる方は、ぜひ2日目のサウンドを聴いてみると、ちょっと驚くと思いますよ。

ただし、バイノーラルマイクで集音した音を聴くには、ひとつポイントがあります。会場で武井さんも解説をされていましたが、これで立体サウンドを再現するにはヘッドホンで聴く必要があるのです。スピーカーで再生すると立体感がしっかりと味わえないんですよね。なお、その2日目のサウンドにも若干問題があり、左側の音量が右側に比べて小さめになっていました。なので、手元の再生環境で少し左側の音量を上げてみると、より立体的な、まさにライブ会場にいるような音を楽しめますよ。

※追記
武井さんから「左チャンネルを約6dB上げるとちょうど良い感じです」とのアドバイスをいただきました。ぜひ試してみてください。


KU 100の音をモニタリングしているアカサコフさん

 

さて、そのライブ会場では、KU 100の出力をPreSonusのAudioBox USBに突っ込んで、これをニコ生で配信していました。そのモニタリングをしていたのが、ドキ生R主催者のアカサコフさん(ちなみにアカサコフさんは、結月ゆかりをプロデュースしたVOCALOMAKETSのメンバーの一人でもあります)。撮影した写真を見て気づいたのですが、アカサコフさんが使っていたヘッドホンもPreSonusのモニターヘッドホンのようですから、以前の記事「StudioOneを核とする19,800円のDTMパッケージが誕生!」で紹介したAudioBox STUDIOを使っていたのかもしれませんね。そこから先の放送システムでは、特段変わったことはしていなかったようです。


Rolandのバイノーラルマイク、CS-10EM

 

非常に面白い試みではありますが、先ほども触れたとおり、100万円もする機材では、簡単に試せるものではありませんよね。でも、バイノーラルマイクってもっと安いものもあるんです。これについても以前、AV Watchの記事、「低価格バイノーラルマイクで立体録音にトライ ~ローランド「CS-10EM」とアドフォクス「BME-200」 ~」で紹介していますが、とくにCS-10EMなら1万円もしないで入手することが可能です。


CS-10EMの形状的にはカナル型のヘッドホンそのもの。外側にマイク素子がついている

 

こちらはダミーヘッドを使うのではなく、自分の耳を利用するもの。そうヘッドホンとマイクが合体した構造になっており、集音しているものをリアルタイムにヘッドホンでモニターすることができるんですよ。だから見た目もカナル型ヘッドホンそのもので、普通にヘッドホンとしても使うことも可能です。

実際のサウンドもKU 100に負けませんよ。ただし、録音中はしゃべるのは厳禁だし、小さな音を捉えるような場合は、ツバを飲み込むのもNG。でも、ライブ会場で録音するような場合は結構問題なく使えると思います。これとリニアPCMレコーダーを組み合わせると、いろいろな音を手軽に立体録音できるので、なかなか楽しいですよ。


舞台挨拶に立った、ドキ生R主催者のアカサコフさん 

【関連記事】

 

DAL第256回:誰でもできる自然音録音のテクニックとは?
~ フィールドレコーディングのプロに秘訣を聞く ~

 

 

DAL第419回:低価格バイノーラルマイクで立体録音にトライ
~ローランド「CS-10EM」とアドフォクス「BME-200」 ~

 

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