Lightning端子に接続できる小さな高性能ステレオマイク、iRig Mic Field

iPhoneやiPadの内蔵マイクも、そこそこの音で録音できるので便利ではありますが、「もうちょっと性能がよければ…」、「せめてステレオで録れたら……」なんて思いを持っている方も少なくないでしょう。以前から、ヘッドホン/マイク端子に接続して使う、エレクトレット・コンデンサマイクなどもありましたが、アナログ接続だから、ある程度限界があったのと、モノラルだという問題がありました。

しかしLightning端子を使うことで、そうした問題は一挙に解決します。これまでにもZOOMやFocusrite、LINE 6、Blue MicrophonesなどがLightning接続のステレオマイクを出していましたが、先日、伊IK MultimediaからもiRig MIC Fieldという製品がリリースされたので、使ってみました。


IK MultimediaのLightning接続ステレオマイク、iRig MIC Fieldを使ってみた


今回、IK Multimediaが発売したiRig MIC Fieldは、とにかく薄くて軽くてコンパクトなステレオマイクです。 50mm(W)×57.5mm(H)×16mm(D)で、30gだからポケットの中に入れて持ち歩いても気になりません。いざというときに、Lightning端子に接続すれば、即、制御が内蔵マイクからiRig MIC Fieldに移るため、何の設置をしなくても、すぐにこれでレコーディングできるようになるのです。


重さ30gというとても軽くてコンパクトなマイク

スペック的には44.1kHz/24bitまたは48kHz/24bitとなっていて、96kHzや192kHzには対応していませんが、内蔵マイクの16bitと比較してダイナミックレンジが大きく広がるため、小さな音も確実に捉えてくれます。

端子部分を90度回転させることができる
実際に録音してみると、内蔵マイクと比較して、かなりHi-Fiなサウンドで、ノイズ・歪みもなくとってもクリアです。ステレオによる音の広がりも自然な感じでいいですよ。かなり立体的に音を捉えてくれるのも楽しいところです。

90度回転させることで、iPhoneやiPadの持ち方を変えても大丈夫

ZOOMのiQ6iQ7のようにマイクの広がり角度を調整する機能は持っていませんが、端子部分が90度回転するというのがユニークなポイント。そう、これによってiPhoneやiPadの持ち方、設置方向を変えてもうまくステレオで音を捉えることができるわけです。IK Multimediaよると、この90度回転について特許申請中とのことですが、なかなか便利だと思います。


中には2つのエレクトレット・コンデンサマイクが内蔵されている

ところで、このiRig MIC Fieldの中には2つの単一指向性エレクトレット・コンデンサ・マイク・カプセルを内蔵しているため、ステレオで音を捉えることができるわけですが、そのため、当然このマイクには裏と表があるわけです。音を捉えるほうを表とすると、裏側にはカラーLEDが用意されていて、iPhoneやiPadに接続すると、青く点灯するようになっています。


マイクの向きの裏側にはLEDが装備されているが、単なる電源ランプではなくて…… 

実はこのLED、単なる電源ランプというわけではありません。これがレベルメーターとなっており、無音入力で青、適度な入力で緑、さらに音量が上がっていくとオレンジになり、ピークに達すると赤くなるという仕掛け。そのため、このLEDを見ているだけで、現在のレコーディング状況が分かるわけですね。


音量を上げていくとオレンジ、赤と変わっていく

IK Multimediaのアプリではありませんが、FiLMiC Proというものを使うことで、ステレオ録音に対応する形でビデオ撮影ができるので、ライブをレコーディングする際などにも使えそうですよ。この際、ステージ側にマイクを向け、ユーザーは裏側のレベルメーターをチェックしておけばいいわけです。


FiLMiC Proというアプリならステレオマイク入力対応のビデオ撮影ができる

入力レベル自体はサイドにある入力レベル調整のためのボリュームを使って合わせます。もっともこのボリューム自体がマイクユニットに取り付けられているため、これを調整すればノイズが乗ってしまうのは仕方ないところ。予めレベル調整をしておけばいいわけですね。


超優秀だったヘッドホン出力性能 

さらに、ZOOMやTASCAMのマイク(TASCAM製品は今のところ30pinDOCK接続ですが)と同様に、iRig MIC Fieldにもヘッドホン端子が搭載されており、Lightning端子にこれを接続するとオーディオ出力はiPad/iPhone搭載のヘッドホン出力からiRig MIC Fieldのものへと切り替わります。

普通にオーディオを再生させて聴いてみるとビックリ。iPhone 6 Plus内蔵のヘッドホン端子の音と比較して、明らかに音がクリアになり、高域が伸びています。音量レベル自体に変化はありませんので、ポータブルヘッドホンアンプをつけたのとはちょっと違いますが、要するに外付けDACですからね。下手なヘッドホンアンプを使うよりも高音質での再生ができると思いますよ!

iPhone/iPadお本体よりもキレイな音でレコーディングができ、再生もいい音でできるのですから、これはなかなか良さそうです。また、特に大きな電力を食うデバイスではないので、これを取り付けたからといって、バッテリー消費が激しくなるということもなさそうです。しっかり測定をしたわけではありませんが、しばらく取り付けていても、バッテリー残量に大きな変化はなかったですよ。


IK MultimediaからiRig Recorderのステレオ対応版が出る予定だが、現在まだリリースされていない

では、実際の利用において、どんなアプリを使うといいのでしょうか?年末に発表したIK Multimediaの情報を見ると、同社がリリースしているiRig RecorderがiRig MIC Fieldの発売に合わせてバージョン2になってステレオ対応になると書かれていますが、残念ながら、まだステレオ版はリリースされていないようです。


無料で入手できるヤマハのCloud Audio Recorder 

とはいえ、やはり使ってみたいので試してみたところ、当然ながら、どのアプリでもうまく行きます。個人的にレコーダーアプリとして気に入ってよく使っているのは、以前に「結構使えるオープンリール風レコーダーアプリ」として紹介したことのあるヤマハのCloud Audio Recorder。これを使えばステレオでレコーディングでき、編集もできるし、エフェクトもかけられるし、SoundCloudへアップロードといったことも可能です。しかも当初は170円だったのが、今は「ヤマハシンセサイザー40周年を記念して、ダウンロード無料」ということになってますからね!


ZOOMのHandy Recorderでも使うことができた

また使い勝手という面でいいのは、ちょっとズルい感じだけどZOOMのHandy Recorderを使ってしまうこと。これでも、問題なくステレオでレオーディングできエフェクトも掛けられますよ。ただし、Cloud Audio RecorderもHandy Recorderも、iRig MIC Fieldの場合、リアルタイムのモニタリングはできないのがウィークポイントでsた。


GarageBandならモニタ=ONで、リアルタイムモニタリングもできた 

一方GarageBandなら、問題なくモニターしながらのレコーディングができるし、Cubasisでもモニターをオンすることでモニターできますね。この際、GarageBandでもCubasisでもエフェクトをリアルタイムで使うこともできますよ。これらのDAWを使っても、やはりステレオで高音質に録れるマイクがあるということは、非常に便利であるだと実感できます。


Cubasisもエフェクトを掛けながらのステレオ入力、モニタリングに対応

以上、iRig MIC Fieldについて簡単に紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?iPhone、iPadをレコーディングに使ってみたいという方なら、検討してみる価値はあると思いますよ!

【価格チェック】
◎Amazon ⇒ iRig MIC Field
◎サウンドハウス ⇒ iRig MIC Field

【関連記事】

iPhoneを高性能レコーダー化するZOOMのマイク、iQ6とiQ7
歌ってみた、演奏してみたを即制作できるマイク内蔵、エフェクト搭載の高音質システム、iTrack Pocket
高感度コンデンサマイク内蔵でギター録りにも使えるSonic Port VX

【関連情報】
iRig MIC Field製品情報(IK Multimedia)

Commentsこの記事についたコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です