MIDI規格登場前の1981年に誕生した初期のシーケンサ、Roland MC-4
MIDIについての詳細については以前書いた「MIDIって何?」という記事を参照していただきたいのですが、MIDIを使った音楽制作の特徴は、まったく楽器が演奏できない人でも、データを入力すれば、そのデータ通りに正確に演奏できる、ということです。
上の画面はピアノロールと呼ばれる画面であり、ドレミファソラシドというデータが入力されています。縦が音程、横が時間を表しており、マウスを使ってグラフのように入力することでMIDIシーケンスデータができあがります。この状態で、プレイボタンを押せば、ドレミファソラシドと演奏されるわけですね。
ここで問題になるのは、どんな音で演奏されるのか、という点です。これは、設定次第でピアノ音色でもギター音色でも、ブラス音色、ストリングス音色……と何でも可能です。また、一昔前までは、PCの外部にMIDI音源モジュールと呼ばれる音源を取り付けて鳴らしていましたが、現在の主流はソフトウェア音源と呼ばれるもので、DAW上で動くソフトウェアで鳴らします。
たとえばSONARの最上位版であるSONAR Platinumにはマルチ音源のD-Pro、ドラム音源のSession Drummer 3、ウェーブ・テーブル・シンセサイザーのRaptureやマニアックなシンセサイザz3ta+……とさまざまなソフトウェア音源が標準搭載されているほか、高性能ドラム音源として広く知られるXLN AudioのAddictive Drums 2 Producer、ピアノ音源として定評のあるTruePianos Amberなど、他社が開発した音源も利用できるようになっているのも、現在のDAWの大きな特徴です。
かなりリアルなピアノ音源True PianoはCakewalk製ではないがVSTインストゥルメント対応なのでSOANRでつ開ける
SONARの場合、VSTインストゥルメントと呼ばれるプラグイン規格に準拠する仕様になっているため、VSTインストゥルメント対応のソフトウェア音源をインストールすれば、SONAR上で利用できるようになり、どんどん追加していくことができるのです。そして入力したMIDIデータを再生する音源を切り替えれば、同じフレーズでもずいぶんと違った雰囲気で演奏することができるのです。こうしたプラグインの音源は市販のもの、フリーウェアなど、世界中から数多くのものが出ていますよ。
では、次にMIDIデータの入力方法について見ていきましょう。先ほどはピアノロールという画面を使ってみましたが、手元に譜面があるのなら、譜面ビューを利用し、画面の五線譜上に音符を置いていく譜面入力という方法も用意されています。これなら譜面があまり読めない人だって、単純に譜面通りに写していけば、曲の演奏が自動でできてしまうというのは、なかなか面白いところですよね。
とはいえ、単純に譜面通りに入力するだけでは、その演奏は単調で機械的になりがちです。これは先ほどのピアノロールを使った場合でも同様です。テクノ系の音楽で、その単調さを前面に出したい場合はそれでもいいのですが、そうでない場合はもっと表現力をつけたいところですよね。そんな場合、ピアノロール画面であれば音の長さをもっと細かく調整して入力できるほか、別途ベロシティーというパラメータを使うことで、音の強弱をつけていくことも可能です。さらに、サスティンベダルのオン/オフをパラメータで制御したり、ピッチチェンジというパラメータを利用することで、キーボードについているピッチベンドホイールの動きを表現することも可能です。
とはいえ、「そんなパラメータを細かく設定するのは難しそう……」と思う方も多いでしょう。そこで登場してくるのがリアルタイム入力、リアルタイムレコーディングと呼ばれる手法です。「DTM初心者のためのMIDIキーボード選び」という記事でもいろいろ紹介していますが、DTMにおいてはUSB端子を通じてMIDIキーボードと接続することができます。そして、このキーボードを弾くことで前述のソフトウェア音源を鳴らすことができるだけでなく、SONARのMIDIトラックにおいて録音ボタンを押すと、キーボードを弾いた情報を録音していくことができるのです。
たとえば、ゆっくりなテンポで録音し、あとでテンポを速く設定するという方法。これならば、普通は弾けないようなフレーズでも弾きやすくなりますよね。もちろん、少しずつ区切って入力して、つないでいくということも簡単にできます。
このような方法を用いて、ピアノやオルガンなど鍵盤のパートをMIDIデータとして入力していくことはもちろんのこと、ドラム、ベースやギター、ストリングス、ブラスなど、さまざまなパートを入力していくことができます。そして、DAW上ではオーディオトラックと一緒に鳴らすことができるので、ボーカルとアコースティックギターだけはオーディオトラックで録り、それ以外はMIDIトラックで打ち込んでいくといった使い方が便利ですね。
【製品情報】
SONAR製品情報
TASCAM オーディオインターフェイス製品情報
TASCAM TRACKPACK 2×2製品情報
【価格チェック】
◎Amazon ⇒ SONAR PLATINUM
◎サウンドハウス ⇒ SONAR PLATINUM
◎Amazon ⇒ SONAR PROFESSIONAL
◎サウンドハウス ⇒ SONAR PROFESSIONAL
◎Amazon ⇒ SONAR ARTIST
◎サウンドハウス ⇒ SONAR ARTIST
◎Amazon ⇒ TASCAM US-2×2
◎サウンドハウス ⇒ TASCAM US-2×2