もちろん、大人向けのピアノ教室などはあるので、そうしたところに通ってみるのも手ですが、そのために時間を割くのは大変だと思うし、結構なレッスン料もかかります。そんな中、DTM環境をそのまま利用し、いつでも好きな時間に、自分にマッチしたレッスンが受けられるサービスがあったとしたら、どうですか?「ピアノマーベル」は、そんなことを実現してくれる新しいWeb上のサービス。まったく鍵盤を弾いたこともないというゼロレベルの人から始められるし、それなりのテクニックを持った人が上達を目指すのにも利用可能な、幅広い人をターゲットとしたメニューを持っています。しかも最初の30日間は完全無料でレッスンを受けられるというのも嬉しいところ。実際、その「30日無料お試し」でレッスンを受けてみたので、どんなものなのか紹介してみましょう。
Windows/MacとUSB-MIDIキーボードがあればピアノレッスンが受けられるWebアプリケーション「ピアノマーベル」
では、このピアノマーベルのレッスンがどのようなものなのか、もう少し具体的に見ていきましょう。これを利用するためには、まずWindowsまたはMacでインターネット接続できるマシンを用意するとともに、USB-MIDIキーボードを用意します。DTMをしている方なら、普段の環境ですよね。MIDI出力付きの電子ピアノなどをお持ちの方であれば、USB-MIDIケーブルをPCに接続したり、オーディオインターフェイスのMIDI端子とMIDI接続する形でもOKですよ。
その上で「30日無料お試し」を申し込んで所定のURLへアクセスすると、「プラグインが見つかりません」というメッセージが出てくるので、指示にしたがってダウンロードした上でインストールを行います。その後、ID・パスワードを使ってログインすると、最初の準備としてキーボードのセッティングを行います。
まずは接続したキーボードを設定する。初級であれば49鍵盤のUSB-MIDIキーボードでも大丈夫
ここではMIDIポートの設定を行うとともに、一番低いキー、一番高いキーを押せば準備完了となり、ここからレッスンに入れます。
メインの画面を見てみると、左側にメソッドと書かれた1-Aから6-Eの空のトロフィーが用意されています。これがピアノマーベルのメインの学習機能であるレッスンを選択するところで、数字が大きくなるほど難易度が上がっていきます。
「ドの歌」を選ぶと、「ド」だけで弾く譜面が表示されるが、実際プレイしてみると、いい感じの伴奏もついて、結構気分よく弾ける
右側には曲名が一覧で表示されていますが、たとえば、上から4番目「ドの歌」を選んでみると、ドだけで構成された楽譜が表示されます。ここでプレイボタンをクリックすると、男の人の声で「One , Two , Set , Go!」とカウントされるので、それに合わせて「ド、ド、ド……」と弾いていけばいいのです。
演奏が終わると、即、採点が始まり、どの音符がキチンと合っていて、どの音符を外したかなども緑と赤の点で表示されます。うまくできたら、1つずつステップアップしていくと、右手と左手を交互に使うなど、少しずつ難しくなっていきます。
もちろん、譜面を見てすぐに弾ければいいけれど、やはりどうやって弾けばいいか分からないことだって、ありますよね。そんなときは、レッスンビデオというのが用意されているので、それを見て習えばいいわけです。レベルごとに、またレッスンごとに分かりやすい解説がされていますよ。
仕上げはテスト。レッスンして身に着けた実力を、初見力(はじめて見た楽譜を弾く力)のテストという形で測ってもらうことができるんですね。また、その結果は日付とともに折れ線グラフで表示されていくのえ、自分の上達具合をしっかり見ることができるのも嬉しいところですね。
クラシックだけでなく、ポップス、ジャズ・ブルース、ロックなども用意されていており、個別に購入も可能
ところで、このピアノマーベルは、Webアプリケーションという性格もあって、そのままの状態だと、鍵盤を弾いても音が出ないんです。電子ピアノを接続しているような場合なら、電子ピアノ自体で音をだせばいいわけですが、USB-MIDIキーボードを使っている場合には、ちょっと設定が必要になってきます。
そこで、もう少しまともな音にするためにはDAWを活用する形になります。そう、CubaseでもStudio Oneでも自分で持っているDAWを起動するとともに、ピアノ音源を立ち上げて、バックで鳴らせばいいわけですね。
一方、Windowsの場合、バーチャルピアノが開発中とのことでまだ利用できないので、DAWでのピアノ機能を使うのが必須となるのですが、その場合も少し工夫が必要となってくるのです。というのも、WindowsではピアノマーベルとDAWでMIDIポートを同時に使うことができないので、loopMIDIというフリーソフトをインストールして利用する必要があるのです。
※追記 2016.10.22
最新版のWindows版ピアノマーベルにバーチャルピアノ機能が搭載され、Macと同様に使えるようになりました。音質重視であれば、ここにあるloopMIDIを使った方法が引き続き有効です。
(協力:Sound Marvel )
※追記 2017.02.01
ピアノマーベルのiPadアプリがリリースされています。
【関連サイト】
ピアノマーベルサイト
30日無料お試しページ
loopMIDIダウンロード