• DTMステーションCreativeレーベル、4月24日のM3に出展。新譜2作品をUSBメモリのステム版としてリリース

DTMステーションからの派生版として展開している実験的音楽レーベル、DTMステーションCreativeですが、今週末、2022年4月24日に開催される「M3 – 音系・メディアミックス同人即売会」にブースを出展するとともに、第7弾となる新譜を2作品同時リリースします。今回の2作品はともにAI歌声合成ソフト、Synthsizer Vを中心に据えた作品で、弦巻マキ AI「世界中笑顔になれ!~Power Trance Version」および、ついなちゃん AI琥珀の扉」のそれぞれ。

いずれもUSBメモリーに収録された形になっており、この中には完成形である24bit/48kHzのステレオミックスしたWAVファイルが収録されているほか、ドラム、ベース、エレキギター、アコースティックピアノ…といったように各パートごとのデータとして分けてあるステムデータ、さらにはSynthesizer Vのデータ、そして歌詞カードなどが収録される形となっています。いずれもM3会場にて3,000円で頒布するほか、2作品を1つのUSBメモリーにまとめたセット版(5,000円)も用意しています。なお、M3の会場には来られない…という方にもM3終了後の発送という形でDTMステーションCreativeオンラインショップでも受け付けを開始しております。

4月24日、M3に多田彰文さんとともにDTMステーションCreativeとして出展し、新譜を2曲リリース

改めてDTMステーションCreativeについて紹介すると、これは私、藤本健と、作曲家の多田彰文さんとで運営しているレーベルで、隔週配信しているネット放送番組DTMステーションPlus!から派生したレーベルです。DTMステーションとしてさまざまな実験的な試みをしてみたいと、2018年4月に発足させ、今年で3年目に入ったところです。

初回はプロの音楽制作にはどれだけのコストがかかるのか、すべての数字を赤裸々に公開しつつ、収支も公開して大きな話題になりました。作詞料、作曲料、編曲料からボーカリストへ支払う歌唱料、スタジオ使用料、プロのエンジニアにお願いするミックス料、マスタリング料、そしてもちろんCDのプレス料から、JASRACに通じた著作権使用料にいたるまで、細かく明細を公開したことで、さまざまな批判も含め話題になったのです。興味ある方はぜひその時の記事「DTMステーションCreativeでM3に初出展。滑り出しは上々!?売上情報、収支状況を全公開」をご覧になってみてください。

2018年のDTMステーションCreativeとして初めて出展したM3

一方で、声優の小岩井ことりさんとともに作品作りに取り組み、コミケに出展するという企画も2回ほど行いました。初回はコミケに出るとどんなことになるのか……という試みでしたが、2回目はバイノーラルマイクを利用してどこまで立体的に音楽作品が作れるのかにチャレンジした結果、おそらく他にない面白い作品作りができました。この小岩井ことりさんとの作品のCDについては完売で、追加の予定はないのですが、第1弾アルバムの楽曲、『ハレのち☆ことり♪』および『運命の輪を廻す者 XX』については、e-onkyo musicでステム版のダウンロード販売をしているとともに、今回のM3においてはUSBメモリーでの頒布も行います。

小岩井ことりさんとともにリリースした第1弾、「Harmony of birds」

そのほか、DTMステーションPlus!の番組内で声優の田村響華さんが作曲した楽曲をアルバムにしてみたり、世界初のAI歌声合成によるCDを制作するなど、いろいろな試みをしてきたDTMステーションCreativeレーベルなのですが、今回はAI歌声合成ソフトである、Synthesizr Vを使った作品2曲を、その制作の中身全公開という形でリリースするのです。以下に、その概要を紹介するクロスフェード試聴動画があるので、ぜひご覧になってみてください。

Synthesizer Vがどんなものなのかについては、これまでもDTMステーションで何度も取り上げてきているので、ここでは細かく紹介しませんが、この歌声の正体については、ぜひ「もはや人間と区別がつかない次元に。多言語で歌う機能も搭載したSynthesizer Vの破壊力」をご覧になってみてください。

弦巻マキ AI「世界中笑顔になれ!~Power Trance Version

この2曲とも、作詞・作曲・編曲は多田彰文さんによるもの。実は「世界中笑顔になれ!」は弦巻マキのSynthesizer V版がリリースされたときに公式デモ曲として公開され、「琥珀の扉」も、ついなちゃんのSynthesizer V版がリリースされたタイミングで公式デモ曲として公開されているので、聴いたことがある方も多いと思います。が、先ほどのクロスフェード試聴動画を聴くとわかる通り、当初公開されたものとはだいぶ雰囲気、歌い方なども違うんです。

ついなちゃん AI琥珀の扉

弦巻マキのほうはタイトルが「世界中笑顔になれ!~Power Trance Version」となっていることからもわかる通り、オリジナルが、バンド風サウンドになっていたのに対し、こちらはトランス系。また、リリースされた当時と比較して、Synthesizer Vの機能が大きく進化したことから、歌声が断然、人間っぽくなっているのです。

「世界中笑顔になれ!~Power Trance Version」のSynthesizer Vデータ

「琥珀の扉」のほうは、オケ自体はオリジナルと同じですが、歌声のほうは人間っぽくアップデートしています。いずれも「自動ピッチ調整(カスタマイズ)」という機能を使っているだけではあるのですが、かなり雰囲気が変わっていることがお分かりいただけたと思います。

ついなちゃんAI「琥珀の扉」のSynthesizer Vのデータ

その、全データを今回USBメモリーで頒布するので、ぜひいろいろと活用していただければと思います。もちろん、音楽として楽しんでいただくともに、ステムデータをチェックすることでプロの作曲家である多田さんがどのように曲作りをしているかを見ることができると思いますし、そのステムデータをDAWに読み込ませたうえで自分なりにミックスしてみるのも面白いですし、たとえばドラムを自分で作った別モノに差し替えてみるとか、別のボーカルを重ねてみるなど、リミックスしてみるのも面白いと思います。

ステムデータをDAWに読み込むことで、自由にミックス可能になる

そしてSynthesizer Vをお持ちの方であれば、まったく同じ歌声を手元で再現させることができるので、どうなっているのかをチェックするという点でも役立つと思います。これを別の歌声で歌わせてみるとか、さらに調声したうえで、DAWに読み込ませてリミックスしていくのも面白いと思います。

そのようにしてリミックスした楽曲をYouTubeに公開していただいてもOK。もし、公開された場合は、Twitterなどを通じて我々に教えていただければ、こちらからもリツイートするなどしていきたいと思っております。

M3の会場は以下のとおり。


開催日:2022年4月24日
場所:東京流通センター 東京都大田区平和島6-1-1 センタービル1F
ブース番号:第一展示場 P-24b
参加者:藤本健、多田彰文
M3入場料:前売り1,500円、当日1,650円
M3情報:https://www.m3net.jp/

M3会場には我々が出展しているほか、先日「最強の音質を誇るDOTECのフラグシップとなるコンプレッサ、DeeCompressor誕生」という記事で紹介したDOTEC-AUDIOや、CeVIO Pro(仮)を開発するテクノスピーチなど、DTMに関するさまざまな企業、サークルも出展しているので、遊びにくると楽しいと思いますよ。

もっとも、会場まで出向くのが難しいという方は、ぜひDTMステーションCreativeオンラインショップをご利用ください。

【関連情報】
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