レコーディングスタジオ御用達、プロが愛用するKensingtonのトラックボールの新モデル、ワイヤレス対応のSlimBlade Pro Trackballが誕生

みなさんは、Kensington(ケンジントン)というメーカーをご存知でしょうか?音楽業界との関わりとしては、レコーディングスタジオによく置かれているトラックボールが有名で、SlimBlade Trackballというものが長年デファクトスタンダードのように世界中のスタジオで使われてきました。そのKensington。昨年末に、SlimBlade Trackballのワイヤレス接続版であるSlimBlade Pro Trackball(16,500円税込)を発表・発売しています。色味が少し変わっていますが形状や、操作感はまったく同じながら、2.4GHz無線接続、Bluetooth接続、そして従来通りのUSB接続も可能なトラックボールとなっています。

Kensingtonといえば、トラックボールという印象が強いですが、実はもっと身近なところにもKensington製品は溢れています。それがKensingtonのロックシステム、「ケンジントンロック」。店舗のPC展示などで、ワイヤーに繋がって持ち出せないようになっているのを見たことがあると思いますが、まさにそれがHP、Dell、Lenovo、ASUS、Acerなどでも採用されているケンジントンロックなのです。そんなKensingtonというメーカーともに、新製品であるSlimBlade Pro Trackballについて紹介していきましょう。

※2023.1.18追記
記事を公開した翌日にはAmazonでの在庫がなくなり、購入できなくなっていたようです。量販店でもまだ扱いがほとんどなく購入しづらい状態が続いていますが、本日、日本に入荷したようで、数日内にはAmazonでの販売が再開される模様です。

DTMの操作を圧倒的に効率化するトラックボールKensington SlimBlade Pro Trackball


Kensingtonは1981年に設立され、シリコンバレーの中心地ともいえる米カルフォルニア州バーリングゲームに本社を置く老舗。現在はACCO Brandsという企業のテクノロジー事業部という位置づけになっています。冒頭でもお伝えしたようにノートパソコンのセキュリティロックの発明者であり、世界100カ国以上で販売されているワールドワイドなメーカーです。DTMの世界ではトラックボールのメーカーとして認知されていますが、ケンジントンロックは、シンセサイザなどにも採用されていたりするので、シンセが手元にある方は見てみると、鍵マークにKというアイコンが確認できると思います。

1981年設立。米カルフォルニア州サンマテオに本社を置くKensingtonのケンジントンロック

ケンジントンロック、トラックボール以外にも、ビデオ会議機材、ドッキングステーション、バッグ、ケース、生体認証セキュリティなどを開発。PC本体以外の生産性を上げてくれるデバイスの開発を得意とするKensingtonは、数多くのデザイン賞を受賞、HP、Microsoft、intel、Lenovo、Dellといった大手メーカー各社とパートナーシップも結んでいるのだとか……。

生産性を上げてくれるデバイスの開発を得意とするKensington

そんな、Kensingtonが昨年末から発売をスタートしたSlimBlade Pro Trackballです。これまで発売されていたSlimBlade Trackballの無線対応モデルであり、上位バージョンという位置づけになっていますが、写真を見てもわかる通り、色味が少し違うものの、ほぼ同じ形、デザインとなっていることがわかります。真ん中に大型ボールを配置しており、左右対称のデザインをしているので、右利きでも左利きでも使用可能となっています。左下、右下、左上、右上にそれぞれボタンが配置されており、この4つのボタンに機能を割り当てることができます。

SlimBlade Trackball(左)とSlimBlade Pro Trackball(右)

トラックボールを触ったことがないという方も少なくないと思うので、簡単に説明すると、トラックボールはマウスと同じ役割を果たすデバイスであり、違いはその操作方法にあります。マウスはデバイスを直接動かしてPC内のカーソルを操作しますが、トラックボールは指先や手のひらを使って、ボールを回転させることで、デバイスは固定したままPC内のカーソルを操作します。体への負担が少ないことや狭いスペースでも使用できるのが、トラックボールのメリット。

SlimBlade Pro Trackball(左)と別タイプのトラックボールExpert Mouse Wired Trackball(右)

普通のマウスは持ち上げて動かさなくてはいけないので、腕や肩、手首に負担が掛かってしまいます。片腕の重さは約3kgあり、これを動かし続けるために筋肉を使うので、筋肉疲労が起こり、肩こりなどの原因になってしまいます。また、手首も使うので腱鞘炎の原因になります。一方トラックボールは、指でボールを動かして、カーソルを操作するため、これらを軽減することができます。

Kensingtonのトラックボールの歴史

さらにトラックボールの場合、マウスを動かすことなくカーソルを操作できるので、机の上が小スペースでも利用可能。レコーディングスタジオの現場は、まさに過酷な世界。しかも操作スペースもあまりないからこそ、トラックボールが使われているのです。もちろんトラックボールも複数社が製品を出していますが、やはり体への負担が少なく、操作感がいいということで、Kensington製品が使われてきたわけです。もちろんプロのレコーディング現場に限らず、DTMerの方にとってもトラックボールが有用なのは変わりません。普段MIDIキーボード、フィジカルコントローラ、PC用のキーボード、そして資料といったものを机に置くと思うので、デスクスペースが狭くなりがち。そんなときでも、最低限トラックボールを置くスペースがあれば、使うことができるのは大きなメリットです。また、また、Shiftを押しながら、ボールを水平方向にひねることで、画面を水平にスクルールできるというのも、Kensingtonのトラックボールの大きな特徴でDAWの操作に向いているといわれるポイントでもあります。

付属のケーブルや変換アダプタを使ってPCと接続する

さて、SlimBlade Pro Trackball特有の機能は、有線でも無線でも接続できる点。有線の場合は、付属のUSB Type A – USB Type Cケーブルを使って接続。ちなみに本体側は、Type C端子。USB Type AからCに変換するアダプタも付いているので、さまざまなデバイスで有線接続可能。有線接続ができるのであれば安心という人も少なくないでしょう。

一方、2.4GHz無線で接続する場合は、底面に格納されている付属のUSBレシーバーを使用します。ほかのワイヤレスマウスでも採用されているものと同じで、USBレシーバーを接続すると、簡単にトラックボールが使用可能になるので、WindowsやMacなど、OS側で操作・設定する必要はまったくありません。

USBレシーバーを使って接続する

そしてもうひとつのBluetoothでの接続は、右側面にあるDPIと書かれたボタンを3秒長押しすると、デバイスを見つけられるようになるので、これを使って接続します。こちらはOS側でのペアリング操作が必要となりますがWindows、Macはもちろん、iPhoneやiPad、AndroidデバイスなどBluetooth搭載の端末があれば、SlimBlade Pro Trackballを使って操作することも可能です。

Bluetooth接続でiPhoneを操作することもできる

有線・2.4GHz無線・Bluetoothでの接続方法の切り替えは、左側面にあるスイッチを使って切り替えます。1台のパソコンは有線で接続して、もう1台は2.4GHz無線、iPadはBluetoothで接続しておき、スイッチを切り替えることで、スムーズにすべてのデバイスのトラックボールとして利用することもできます。

接続方法は、スイッチで切り替えられる

では、カーソルやスクロールの速度、ボタン機能のカスタマイズなどが行える専用ユーティリティのKensingtonWorksについても見ていきましょう。KensingtonWorks(https://www.kensington.com/ja-jp/software/kensingtonworks/)は、ホームページから無料でダウンロードすることができます。

KensingtonWorksでカスタマイズすることができる

設定は直感的に行えるので、実際に起動してみると簡単に使えると思います。また、アプリケーションごとに登録しておくキーを決めることが可能。たとえば、Google Chromeを使う際は、「進む」と「戻る」を設定しておいて、Studio Oneを使う際には、「ミキサーウィンドウを開く」と「エディターを開く」のショートカットにするといったことができます。ほかにも、Pro Toolsはミキサーウィンドウの表示切替が、「⌘+=」または「Control+=」なのですが、両手を使わなくては押せないショートカットを割り当てると、作業効率を上げることができます。

以上、KensingtonのSlimBlade Pro Trackballについて紹介しました。なお、SlimBlade Pro Trackballは、USB充電式の内蔵バッテリーを搭載しており、ワイヤレス接続の場合4カ月以上の使用が可能。使い慣れてくると、普通のマウスに戻れなくなるのがトラックボール。ぜひ1度試してみてはいかがでしょうか?

【関連情報】
SlimBlade Pro Trackball製品情報

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