商用利用もOK。AI音声合成や膨大な音素材ライブラリも使える定番波形編集ソフト、SOUND FORGE Pro 18誕生

ドイツMAGIXから定番の波形編集ソフトの新バージョン、SOUND FORGE Pro 18およびSOUND FORGE Pro 18 Suiteがリリースされました。今回のバージョンアップの目玉はAIを利用した音声合成機能を搭載し、日本語でテキストを入力すると、非常にリアルで自然な声で、そして高音質なサウンドで喋り声が生成されることです。VOICEPEAKやVOICEVOX、A.I.Voice、CoeFont……などなど、ここ数年で急速に進化し、数々のソフトが出てきたTTS=Text to Speech(音声読み上げソフト)の世界にSOUND FORGEが殴り込みをかけてきた格好です。しかも単なるTTSに留まらず、翻訳機能も搭載。これによって最大100言語へ翻訳して喋らせることも可能になっているため、グローバルなコンテンツ制作も可能になっています。

さらにStoryblocksという音素材、動画素材のライブラリとも提携したことで、SOUND FORGE Pro 18/SOUND FORGE Pro 18 Suite内からアクセスして膨大なライブラリを入手することが可能となっているのも大きなポイントです。もちろんSOUND FORGE Pro 18 Suiteは以前にも紹介したSteinbergのSpectraLayers Pro 10も同梱されているほか、没入感のある3D空間サウンドの制作を可能にする3DリバーブFXという新たなプラグインを搭載しているのも重要なポイントとなっています。そのSOUND FORGE Pro 18は39,800円(税込価格、以下同)、そしてSOUND FORGE Pro Suiteは59,800円ですが、5月31日~6月9日の期間、DTMステーション読者限定でそれぞれ19,800円、24,800円となるクーポンを配布中です。さらに各製品ともにiZotope Ozone 11 Elements、iZotope RX 10 Elements、Celemony Melodyne 5 essentialが付属するので、これら付属ソフトでけでも十分元が取れる内容となっています。実際SOUND FORGE Pro 18とはどんなソフトなのか試してみたので紹介してみましょう。【PR】

SOUND FORGE Pro 18/Suiteがリリース。音声合成機能などを新規搭載

サクサク動く音を自在に操れるソフト、SOUND FORGEがバージョンアップ

筆者自身、30年近く長年愛用してきた波形編集ソフト、SOUND FORGE。DAWしか使っていない方だと、その波形編集ソフトの必要性がすぐにはピンと来ないかもしれませんが、音をいじる上で、とにかく便利で使い勝手のいいソフトです。

定番中の定番である波形編集ソフト、SOUND FORGE

WAVやAIFF、MP3にAAC、FLAC、WMA、OggVorbis、ATRAC……とさまざまなフォーマットを読み込んだり、書き出すことができるのはもちろんん、サンプリングレートやサンプリングビット数字を自在に変換できたり、カットやトリミング、といった編集操作、数々のエフェクト処理ができ、ノイズリダクション処理ができる上に、これ一つでマスタリングを行ってDDPで書き出したり、オーディオCDを書き出すなど音にまつわる編集操作を自由自在に行うことができ、しかも軽くてサクサク動くのが最大の特徴でもあるソフトです。

あらゆる音声フォーマットの読み書きに対応しているのでコンバータとしても利用できる

そのSOUND FORGE、しばらく更新されないままの時期がありましたが、最近は毎年バージョンアップを図っており、今回も1年ぶりの大幅な機能強化となっています。まずは、そのSound Forge Pro 18の概要について紹介するビデオがあるのでこちらをご覧ください。

MAGIX Hubを通じてTTS機能を実行する

SOUND FORGE Pro 18 SuiteはSOUND FORGE Pro 18を含み、さらにSpectraLayers Pro 10や3DリバーブFXなどを含む、という関係にあるため、当然SOUND FORGE Pro 18でもSOUND FORGE Pro 18 Suiteでも同じようにこのAI音声合成機能を使うことが可能です。

正直なところ、まさかSOUND FORGEにTTSが搭載されるとは考えてもいませんでしたが、AIが急速に発展してきてきた今だからこそ、比較的容易に搭載できた、ということなのかもしれません。

音声合成機能を使うには、まずMAGIX Hubを起動させる

でも、SOUND FORGE Pro 18の各メニュー、アイコンを見ても、TTSとか音声合成のようなものが見つからず、「あれ?」と思っていたら、ありました。SOUND FORGE Pro 18にはMAGIX Hubというクラウド機能が搭載されており、これを通じて機能拡張されているんですね。

MAGIX Hubが開いたら、まずMAGIXアカウントでログインする

これを使うにはもちろんインターネット接続環境にあることが前提となるわけですが、MAGIX Hubを選択すると小さなブラウザが表示され、ここでログインを促されます。SOUND FORGEユーザーはインストールするにあたり、MAGIXのアカウントが必要となるため、ユーザーであればすでにMAGIXアカウントを持っているはずなので、そのID、パスワードを使ってログインします。

70言語に対応しており、もちろん日本語もOK

するとメニューが表示されるので、その中にあるText to Speechを選択すると、喋らせることが可能になるのです。

MAGIX Hubのメニューが表示されるので喋らせるには、Text to speechを選択

使い方はいたって簡単。この画面の大きな欄に読ませたい文章を入力し、Voicesで読ませたい人の声を選択した上で、「Generate Full Audio」ボタンをクリックすればOKです。このテキストを入力する欄、英語で「Enter your text here(max.10000 characters)」と書かれていいるので、「あれ?これは英語専用?」と思ったのですが、そのまま日本語で入力してOKなんですね。

読ませたい文章を日本語で入力してGenerate Full Audioボタンを押す

この際、Voicesをクリックすると、数多くの顔写真が並ぶのですが、ここから誰に喋らせたいのかを選択します。顔写真をクリックするとどんな声なのかをプレビューすることも可能です。また顔写真の隣に名前と言語が記載されており、その言語の種類は70種類にもおよびます。

Voicesをクリックすると膨大な話者の顔写真が表示されるのでその中から声を選択する

ただし、日本語を喋らせるためには日本語に対応した話者を選択する必要があります。英語やフランス語の話者で日本語を喋らせようとしても何も喋ってくれません。日本語の話者を見つけるには、Speech Stylesの項目で「Japanese」に設定することで、日本人話者に絞り込むことが可能となっています。

日本語に絞り込むと現在8人の話者が選択できるようになっている

またAI翻訳機能も装備されているので、日本語を世界中さまざまな言語に自動翻訳して喋らせることも可能になっています。以下が実際に喋らせてみた声の例です。

いかがですか?簡単に、自然な声で喋らせることができるのがお分かりいただけると思います。

生成できる上限はあるけど、プレビューであれば無制限

ちなみに下のボタンには「Gnenerate Full Audio」ボタンのほかに「Generate Preview」というボタンがあります。この「Generate Preview」でも喋らせることができますが、気になるのは「Free」とボタンに記載されている点。実は、この音声合成は無制限にできるわけではなく、SOUND FORGE Pro 18ユーザーの場合80,000文字、SOUND FORGE Pro 18 Suiteのユーザーは120,000文字までとなっています。

Generate PreviewとGenerate Full Audioという2つのボタンがあるが…

まあ、一般的な使い方なら80,000文字あれば、普通は十分すぎて使いきることはないのでは…と思います。またうまく工夫することで、上限なく使えるようです。そう1,2行の短い文章であれば左のPreviewボタンで喋らせることができ、長文だとカウントされる右のボタンを押す必要があるうのです。

いずれの場合も、生成後に右下にあるDownloadボタンをクリックするとSound Forgeの編集画面上に48kHz/16bitモノラルの音声波形が生成されるようになっています。

音声が生成されたら、Downloadボタンを押す

なおAdjust speed、Adjust pitchというパラメータがあり、これでスピードやピッチを調整することも可能。この調整により再度音声が生成しなおされますが、ここではカウンターは進まないので、気に入った速度、ピッチになるまで何度でも試すことができます。その後にDownloadを実行すると、SOUND FORGEへ取り込めるようになっています。

Downloadボタンを押すと、SOUND FORGEに音声ファイルが取り込まれる

サブスク料金不要で膨大なサウンド、ビデオファイルにアクセス可能

もうひとつSOUND FORGE Pro 18の新機能として用意されたのが、やはりMAGIX Hubに搭載されたStock Mediaという機能。これはいわゆる音素材、画像素材のライブラリ集で、膨大な数の音楽ライブラリ、効果音ライブラリにアクセスし、それらを入手可能になっているのです。

MAGIX Hub内でStock Mediaを選ぶとStoryblocksにアクセスできる

実はこの機能、MAGIXがStoryblocksという音素材、動画素材のライブラリと提携したことで実現したもの。本来このStoryblocksを使うにはサブスクで月額2,000~5,000円が必要になるのですが、SOUND FORGE Pro 18のユーザーなら、サブスク料金不要で利用できるというわけなのです。

基本的にはサブスクで利用するサービスであるStoryblocks

ただし、こちらもいくつかの制限があります。まず、SOUND FORGE Pro 18ユーザーの場合は音楽ファイルのみダウンロード可能で、最大6,000個まで。一方SOUND FORGE Pro 18 Suiteの場合は音楽・動画ファイルのダウンロードが可能で、上限は10,000個までとなっています。

プレビューするだけであれば、いくらでも無料でチェックすることが可能

もっとも、こちらもプレビューするだけであれば、いくらでもアクセスしてチェックすることができるので、いろいろ探して聴いてみるなら無制限。目的のもののダウンロードの数がこの上限なので、普通ならこれで十分ではないでしょうか?

なお音声合成の場合も、このライブラリの場合も上限を超えてさらに使いたい場合はどうすればいいのかについては現在ソースネクストに確認中。何か情報が分かったら後程追記する予定です。

SOUND FORGE Pro 18 Suiteには3Dリバーブを搭載

上位版のSOUND FORGE Pro 18 Suiteには、今回新たに搭載される強力なエフェクトがあります。それがMAGIX開発の最新のリバーブ、3D REVERBというもの。

この3D REVERBはその名の通り3次元空間での残響音をリアルに再現する3Dのリバーブで、小さな部屋から大きなコンサートホールまで、幅広い音響空間を作成できる強力なアルゴリズムリバーブエフェクトとなっています。

SOUND FORGE Pro 18 Suiteに搭載されている3D REVERB

ステレオプロジェクトに対して利用できるのはもちろん、5.1chや7.1chなどのサラウンド、7.1.2chや7.1.4chのイマーシブ環境のプロジェクトに対しても利用できるのが大きなポイントです。

マルチチャンネルのデータに対しても3Dリバーブをかけられる

初期反射の計算は幾何学的空間モデルに基づいており、オーディオチャンネル構成に合わせて自動的に調整されます。これにより、入力オーディオ信号の定位と正確に一致する反射パターンが実現されるようになっています。プロジェクト内で既存の3Dパニングを使用して、ソース信号の配置に一致する残響を作成し、印象的な 3D サウンドを生み出す……といったことが可能です。

ちなみに、この3D REVERBはあくまでもSOUND FORGE内で利用するもので、ほかのDAW環境のプラグインで使える、というものではないようです。

SOUND FORGE Pro SuiteならSpectraLayers Pro 10もバンドル

そしてSOUND FORGE Pro 18およびSOUND FORGE Pro 18 Suiteには、さまざまなバンドルソフトが用意されている、というのも大きな魅力。具体的には以下のようになっています。

バンドルソフト SOUND FORGE Pro 18 SOUND FORGE Pro 18 Suite
Steinberg SpectraLayers Pro10 ×
Celemony Melodyne 5 essential ×
iZotope Ozone 11 Elements
iZotope RX 10 Elements

ここにもある通り、SOUND FORGE Pro 18でもSOUND FORGE Pro 18 SuiteでもiZOtopeのOzone 11 ElementsおよびiZotope RX 10 Elementsのそれぞれがバンドルされているというのは重要なところです。

SOUND FORGEはWindows専用ですが、iZotopeのソフトはどちらもWindowsおよびMacの両方で使えます。これらを入手するためだけで考えても十分元が取れてしまいますね。ただし、RXは最新のRX 11ではなくRX 10のようなので、この点はご注意ください。

SOUND FORGE Pro 18 SuiteにはSpectraLyaers Pro 10がバンドルされている

さらにSOUND FORGE Pro 18 SuiteにはSteinbergのSpectraLayers Pro 10が付いてくるというのが最大の魅力でまります。これについては前バージョンのSOUND FORGE Pro 17のときと変わりませんが、もし通常ルートでSpectraLayers Pro 10を新規に入手しようと思ったら、41,800円ですから、その半額以下で入手できてしまうわけです。絶対これがお得ですよね。

さらに、Melodyne 5 essentialも付いてくるというわけです。

そのSOUND FORGE Pro 18およびSOUND FORGE Pro 18 Suiteを安く購入できるクーポンをDTMステーション読者のみなさま用に発行してもらいました。SOUND FORGE Pro 18 Suiteを19,800円で入手するには以下のクーポンをご利用ください。

SOUND FORGE Pro 18 Suite特別割引情報
クーポンコード: DTM0502
割引後価格:59,800円→24,800円 (50,000円以上の利用で適用)
有効期限 : 2024年5月31日(金)~6月9日(日)まで
利用方法 : 以下のページから商品をカートに入れた後に、クーポンコードを入力してください。「ご注文の確認に進む」を押したタイミングで割引が提供されます。
※コンビニ後払いを選択した場合は110円の手数料がかかります。
販売ページ : ソースネクスト SOUND FORGE Pro 18 Suite

もし、SpectraLayers Proなどは不要で単純にSOUND FORGE Pro 17本体を安く購入したいという場合は以下のクーポンの利用も可能となっています。

SOUND FORGE Pro 18特別割引情報
クーポンコード: DTM0501
割引後価格:39,800円→19,800円 (30,000円以上の利用で適用)
有効期限 : 2024年5月31日(金)~6月9日(日)まで
利用方法 : 以下のページから商品をカートに入れた後に、クーポンコードを入力してください。「ご注文の確認に進む」を押したタイミングで割引が提供されます。
※コンビニ後払いを選択した場合は110円の手数料がかかります。
販売ページ : ソースネクスト SOUND FORGE Pro 18

【関連情報】
SOUND FORGE Pro 18 Suite製品情報
SOUND FORGE Pro 18製品情報
SpectraLayers Pro 10製品情報

【価格チェック&購入】
◎ソースネクスト ⇒ SOUND FORGE Pro 18 Suite
◎ソースネクスト ⇒ SOUND FORGE Pro 18