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チップチューン、フェルトピアノ、ビブラフォン、ストリングス、アンビエントの5音源が無料公開中!Lunacy Audioの新製品NOVAを試してみた

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以前DTMステーションでも紹介したことのある、3Dインターフェイスのシンセ「CUBE」や、光でエフェクトを組む「BEAM」を開発したロサンゼルスのLunacy Audio。そのLunacy Audioが、日本時間9月18日に新しいインストゥルメント・プラットフォーム、NOVAを正式ローンチしました。NOVAは、ブラウザで音源を探してそのまま演奏できるWebサイトと、その画面を丸ごとDAWに持ち込む無料のホストプラグインで構成されるプラットフォーム。音源ごとのインストーラもライセンスキーの入力も要らず、ブラウザで見つけた音源をそのままDAWのトラックで鳴らせるのが最大の特徴となっています。

そんなNOVAは、ローンチ時点で5つの無料音源を公開しており、これらをすべて自由に使うことが可能です。揃っているのは、フェルトピアノのWoodland Piano、チップチューン音源のChiptuner、ビブラフォンのGood Vibes、ストリングスのZephyr Strings、そして5種類の音色を持つSilhouettesの5本。さらに、無料の音源は今後も定期的に追加されていく予定なので、ホストプラグインを1つ入れておくだけで、どんどん新しい音源が使えるようになるのです。実際にどんなものなのか、試してみたので紹介していきましょう。

インストーラもライセンスキーもなし!無料で使えるブラウザとDAWがつながる新プラットフォーム、Lunacy AudioのNOVAの実力

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探して、鳴らして、DAWへ。Lunacy AudioのNOVAとは

Lunacy Audioは、2021年にロサンゼルスで作曲家とプロデューサーが立ち上げたメーカー。DTMステーションで2023年に紹介したのが、最大8つのサウンドを読み込んで、画面の中を漂うオーブを動かしながらブレンドしていく3Dインターフェイスのシンセ、CUBE。その後登場した、音の流れを光のビームとして見せ、ノードと呼ばれるエフェクトを好きな順番に並べていくマルチFXプラグイン、BEAMも紹介しましたね。

2023年に紹介した3Dインターフェイスのシンセ、Lunacy Audio CUBE

これらを開発したLunacy Audioは、これまでになかったユニークかつ実用的な製品開発が得意であり、音を目で見て触れるようにするUIの作り込みも、このメーカーの持ち味となっています。

ちなみにCUBEを紹介したのが「怪しいオーブが縦横無尽に移動する、3Dインターフェイス搭載シンセLunacy Audio CUBE」という記事。BEAMは「光でエフェクトを組む新感覚マルチFXプラグイン、Lunacy AudioのBEAMがスゴい!6月1日まで40%OFFの4周年記念セール実施中」で取り上げています。どちらもこのメーカーらしさがよく出た製品なので、記事もあわせてぜひご覧ください。

光でエフェクトを組むマルチFXプラグイン、Lunacy AudioのBEAM

そんなLunacy Audioが、創業から5年となる今年に打ち出したのがNOVAです。単体のプラグインではなく、音源を探して、鳴らして、DAWへ持ち込むところまでを1つにまとめたプラットフォームとなっています。まずはプラグインのマーケットプレイスとして始まり、いずれは音を見つけて、演奏して、作って、共有する場所にしていくという構想らしく、新製品というよりも新サービスといえるかもしれません。

音を鳴らすまでの手順は2通り存在していて、1つ目は、まずブラウザのExplore画面で音源を探して鳴らし、気に入ったらその音源のリンクをコピー。あとはDAWに立ち上げたNOVAのプラグインへ貼り付ければ、そのままトラックで使えるという方法。2つ目は、プラグインからでもブラウザと同様の画面にアクセスすることができるので、そのまま音源を選択して鳴らすという方法です。

プラグイン側のExplore画面。ブラウザとまったく同じ棚がそのまま並ぶ

いずれにせよポイントは、音源ごとのインストールが必要ないというところ。従来であれば、音源を1つ買うたびにインストーラを落として、認証して、DAWでスキャンして、という手順が必要ですよね。一方NOVAは、1つのプラグインさえダウンロードしておけば、その工程をまるごとカットできるのです。しかもローンチ時点で、無料の音源が5つ用意されているので、まずはタダで高品質な音源を試せるのも魅力となっています。

アカウントを作るだけで自由に使える無料の5音源

さて、そんな無料で提供されている音源から先に見ていきましょう。NOVAの面白いところが、プラグインをインストールしていなくても、Lunacyのアカウントさえあれば、ブラウザで音源をそのまま鳴らせる点アカウントの作成は無料なので、気になった方は先に済ませておくとスムーズですよ。登録はこちらから行うことができます。

サインインすれば、ブラウザから直接音源の使い勝手をチェックできる

ちなみにブラウザで試せるのは、無料の音源に限った話ではありません。従来のデモ版というと、まず自分のPCに入れるところから始まり、購入するならそのまま置いておけばいいものの、見送った場合はアンインストールしないと残り続けてしまいます。試しただけのプラグインが一覧にずらりと並んだまま、消すのも面倒で放置している、という方も多いのではないでしょうか。

その点NOVAは、有料の音源もブラウザでそのまま鳴らせます。実際に有料の音源を開いてみたところ、プリセットの切り替えからパラメータの操作まで自由に試せました。もちろん購入するまではDAW側のプラグインから呼び出せず、開こうとしても鍵のマークが出るだけ。それでも、インストールを1つもせずに中身を確かめられるのは、ありがたい仕組みですよね。

以下に5本それぞれのリンクを貼っておくので、読みながら実際の音を確かめてみてください。ログインした状態で開けば、画面下の鍵盤を押すだけで音が出ます。MIDIキーボードを繋いでいる場合は、設定画面のEnable MIDIをオンにすれば、そのまま弾くことも可能で、DAWを立ち上げなくても音源の中身を一通り触れるわけですね。

Woodland Piano

Woodland Pianoは、フェルトを噛ませた柔らかいサウンドのピアノ音源。緑の森を背景にした画面は、左にAttack、Decay、Sustain、Releaseのエンベロープ、右にSize、Tone、Predelay、Mixを持つプレートリバーブという並び。そして中央に配置されているのが、きらびやかなテクスチャを加えるWonderというパラメータです。

フェルトピアノのWoodland Piano

うまくできているのが、Envelopeの枠にADSRの形が図で表示され、Plate Reverb側には広がりを示す波紋のような図が出るところ。試しにAttackを上げてみたところ、枠の中の立ち上がりがなだらかな傾きに変わったので、数値を読まなくても今どんな設定になっているかが目で分かるわけですね。Wonderの下には、SOFTからLOUDまでタッチの効き方を決めるSensitivityも用意されていました。

Good Vibes

続くGood Vibesはビブラフォンで、画面はWoodland Pianoとまったく同じレイアウト。中央のノブがSparkleになり、右側がSize、Pitch、Predelay、Mixを持つシマーリバーブに置き換わります。

ビブラフォン音源のGood Vibes

Zephyr Strings

Zephyr Stringsはストリングスで、こちらも同じレイアウトです。中央がIntensityになり、右側はWoodland Pianoと同じプレートリバーブですね。

ストリングス音源のZephyr Strings

ここまでの3本に共通しているのは、エンベロープとリバーブ、そして音の表情を決めるノブが1つ、という割り切った構成となっている点。中央の大きなノブは、それぞれで名称が変わりますが、どれも音の個性をコントロールするパラメータ。まずはこれ一つで音作りをして、周りのノブで楽曲に合うように整えていくというのが、基本的な使い方になると思います。

機能が絞られている分、使いどころが明確で、初心者でも扱いやすいですね。また3本とも触る場所が同じなので、1つ覚えれば残りも迷わず扱えるのがありがたいところです。

Chiptuner

ここからは雰囲気が少し変わります。Chiptunerはピンクのドット絵で組まれたチップチューン音源で、Basic、Noise、Jagged、Classicの4グループに分かれた16種類の波形から1つを選んで音を作っていきます。左下にMonoとPolyを切り替えるVoiceとArp、右下にATK、DEC、SUS、RELのエンベロープと、ポルタメントのPORT、ビットクラッシャーのCRUSH、そしてGAINという並び。波形のボタンを押し替えながら、ゲーム音楽風のリードやベースを手早く作れますよ。

ピンクのドット絵で組まれたチップチューン音源のChiptuner

Silhouettes

残る1本のSilhouettesは、真っ黒な画面の中央に大きなコントローラと2つのスライダーが配置されたアンビエントパッドとなっています。画面上部のタイトルの左右にある矢印を押すと、SILHOUETTES、GLISTEN、DRIFTING、GHOSTS、FIELDSという5種類の音色に切り替わり、これに合わせて各パラメータも変化します。

中央の白い点を動かすと音が変化するので、これをオートメーションで動かして、時間軸で表情を変えていくこともできます。またMOTIONスライダーを上げれば、サウンドは自動的に移り変わっていきますよ。

真っ黒な画面にコントローラが置かれたSilhouettes

前述したように無料の音源は、この5本で打ち止めではありません。公式のFAQにも、無料で遊べる音源のライブラリは増えていくと書かれていますし、Explore画面にはComing Soonの棚も並びます。予告されているのは、LunacyのTides、Matt LaraのGem PK 4900、Virtual RiotのSuperslicer、Dylan KiddのFluff Drumsの4つ。ここを見てみると、Lunacyによるものだけでなく、クリエイターとのコラボ音源も同じ棚に並んでいます。

Coming Soonの棚。Lunacy以外のクリエイターによる音源も予告されている

とりあえずNOVAのホストプラグインだけインストールしておけば、後から増えていく音源をその都度試せるので、入れておいて損することはないと思いますよ。

無料で始めるNOVA。アカウントとプラグインの準備

もう少し使い方について詳しく見ていきましょう。ブラウザで気に入った音源が見つかったら、次はDAWで鳴らす番。Lunacyのアカウントを作成済みであれば、必要なものはNOVAのホストプラグイン1つだけです。プラグインはNOVAのサイト(https://nova.lunacy.audio/)のDownload NOVAから、macOS版とWindows版を選んでダウンロードできます。

プラグインはNOVAのサイトのDownload NOVAから、macOS版とWindows版を選んでダウンロードできる

対応フォーマットは、macOSがAU、VST3、AAXの3種類、WindowsがVST3とAAXの2種類。動作環境はmacOS 11以降またはWindows 10以降で、RAMは8GBが推奨となっており、今回試したバージョンは1.0.0でした。

このプラグインをDAWのインストゥルメント・トラックに立ち上げると、ブラウザとまったく同じExplore画面が現れます。ただしデータはクラウドから読み込むので、安定したインターネット接続が前提。オフラインでの使用は想定されていない、というのが注意ポイントですね。

リンクを貼るだけでDAWに音源を呼び出せる

実際にStudio Pro上でNOVAを立ち上げ、無料のWoodland Pianoを開いてみました。クリックするとLoading samplesの表示とともに読み込みが始まり、画面中央のイラストが浮かび上がったところで演奏できる状態になります。待ち時間は数秒から十数秒程度。音源を選び直すたびに読み込みは入りますが、インストーラを落として展開する時間と比べれば、圧倒的に短いですよね。

音源を開くとサンプルがクラウドから読み込まれ、進み具合が%で表示される

右上には検索欄と音量スライダーが並び、画面の下にはC2からC4までの鍵盤が表示され、ボタンで隠すことも可能。MIDIキーボードを繋いでいなくても、ここをクリックして音を確かめられるようになっています。

画面の作りはブラウザ版と共通で、左上のNOVAロゴを押せばExplore画面に戻ります。

左上のロゴを押すと、DAWの中でもExplore画面に戻ることができる

そしてブラウザとDAWを繋いでくれるのが、ブラウザ右上の共有ボタンです。これを押すとLink copiedと表示され、今開いている音源へのリンクがクリップボードに入ります。これをDAW側のプラグインの検索欄に貼り付けると「Open /room/…」という候補が出て、Returnを押せば、その音源がDAWの中で開くという仕組みです。

Chiptunerを開いた状態で右上の共有ボタンを押すと、Link copiedと表示されてリンクがクリップボードに入る

この検索欄は「/」キーでも開き、「Paste a NOVA link, or search commands」と表示されるように、もともとリンクを貼る場所として用意されているわけですね。実際にChiptunerのリンクで試したところ、貼ってから切り替わるまでは10秒足らずでした。1つのインスタンスの中で、Woodland PianoからChiptunerへと持ち替えていく形になります。

Woodland Pianoの検索欄にコピーしたリンクを貼ると、Open /room/…という候補が現れる

面白いのは、音源そのものがクラウド上で更新されていく点です。画面右上の履歴ボタンを押すとVersion Historyが開き、Chiptunerには開発元のLunacyがリリースした2つのバージョンが、公開時期とともに並んでいました。開発側が新しいバージョンを公開すれば、次に開いたときにはそれが読み込まれる形なので、アップデータを探して当てる手間も要らなくなりそうです。

Version Historyを開くと、Lunacyがリリースした2つのバージョンが公開時期とともに並んでいた

またインストールが要らないことの効き目は、手間だけではありません。サンプルベースの音源は、ライブラリだけでギガバイト単位の容量を使うのが当たり前で、買い足すほどストレージが埋まっていきますよね。一方NOVAは音源ごとのライブラリを持たないので、音源をいくつ開いても手元のディスクを圧迫しません。SSDの価格が上がっている今、この差は決して小さくないと思います。

とはいえ現時点では音源の数がまだ多くないので、ブラウザでリンクをコピーして貼り付けるより、プラグインから直接選んでしまったほうが早いというのが正直なところ。ただ今後音源が増えて、探すのに時間がかかるようになってくれば、ブラウザで見つけたものをそのままDAWへ持ち込めるこの仕組みが効いてくるはずです。

買う前にブラウザで試せる5つのプレミアム音源と、この先のNOVA

さて、最後に有料のプレミアム・インストゥルメントについても、簡単に触れておきましょう。ローンチ時点で並んでいるのは5つ。

1基のオシレータから最大16ボイスをデチューンして積み上げるユニゾンシンセのSwarm、2つのデッキにテープを装填して混ぜ合わせるマルチサンプラーのDrift Cassetteが各35ドル。2基の非線形オシレータを持つフェイズディストーション方式のAnimaも、同じく35ドルとなっています。

有料のSwarmをブラウザで開いたところ。購入前でも音を出してチェックすることができる

そしてグロウルベースに特化したGrowlと、Rainbow Circuitが手掛けた物理モデリング音源のGleamが各19ドルです。なお現在は、期間限定のセール価格で、通常価格はそれぞれ49ドルと29ドルとなっています。5つすべてを収めたNova Launch Bundleは通常149ドルのところ99ドルで、200以上のプリセットと50のマルチサンプル音源を収録しています。単体で5つ揃えると143ドルなので、バンドルのほうが44ドル安い計算になりますね。また購入から14日以内であれば、返金にも対応(エクスパンションパックは対象外)となっています。

5つすべてを収めたNova Launch Bundle

Lunacy Audioは現在のNOVAをPhase 1と位置付けており、音源を探して使うことに重点を置いた段階としています。この先に控えているのがPlugin Builderで、コードを書かずにユーザー自身がプラグインを作り、ほかの人と共有できるようにする構想。さらに、作ったものをマーケットプレイスで販売できるようにする計画もあり、すでに一部の開発者に向けて制作ツールの早期アクセスが始まっているそうです。

以上、Lunacy Audioの新しいインストゥルメント・プラットフォーム、NOVAについて紹介しました。DAWの中では普通のソフト音源と同じように使えて、それでいて音源ごとのインストールもアクティベーションも要らない手軽さは、新たなワークフローの可能性を秘めていると思います。これからもまだまだ進化していくサービスなので、今のうちからチェックしてみてはいかがでしょうか?

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