より楽しいDAWに進化したGarageBand ’11

レポートがとても遅くなってしまいましたが、先日、Mac用の音楽制作ソフト、GarageBandの新バージョン、「GarageBand ’11」がリリースされました。新Macを買えば標準バンドルされているソフトであり、旧Macユーザーでも、写真管理・編集ソフト「iPhoto ’11」、動画編集ソフト「iMovie ’11」とセットとなった「iLife ’11」が4,800円で入手できるというソフトですが、価格からは信じられないほどの機能を装備したDAWです。

はじめてDTMにトライするという人には、まさに最適なソフトとして多くの人に親しまれてきたGarageBandですが、今回さらに機能が強化され、より使いやすく楽しいソフトに仕上がりました。DAWとにらめっこしながら、音楽を制作していくのではなく、音楽を楽しみながら気軽に制作できるソフトです。

GarageBand ’11が入っているiLife ’11は4,800円


GarageBandそのものについての紹介はこれまでも、数多くの記事(私の書いた記事は下記の関連記事を参照してください)や書籍がありますから、そちらに譲り、今回は新機能にだけ絞ってチェックしてみたいと思います。

さまざまな機能を持つGarageBand ’11

GarageBand ’11で追加された一番強力で便利な機能と思えるのが「グルーブマッチング」という機能です。一般にグルーブクォンタイズと言われる機能であり、オーディオレコーディングしたリズムトラックのノリにすべてのトラックのノリを合わせる、といった機能です。ほとんどのDAWにもこうした機能が装備されていますが、結構使い方が難しく、使いこなせてない人も多いと思います。

基準としたトラックをグルーブトラックとして設定

また多くのDAWでのグルーブクォンタイズの場合、あるフレーズからリズムのノリを抽出し、それを曲全体に適応させるため必ずしも思ったとおりにいかないというケースもよくあります。

それに対し、GarageBandの「グルーブマッチング」というのはあるトラックのノリをそのまま全トラックに反映させるという使い方です。もっとも単純な使い方は、ドラムループを並べたトラックを基準に設定することで、全トラックのタイミングがドラムにピッタリと合うのです。操作はドラムトラックの一番先頭部分をクリックして、★印を点灯させるだけだから、とにかく簡単。試してみたところ、あまりにも外れすぎたタイミングの補正はできなかったものの、微妙にズレたものはキレイに補正してくれました。素人演奏をキレイにするには最適ですね。もちろん、ドンピシャなリズムにするだけでなく、自分で演奏したリズムなど、ノリのあるリズムに全体を合わせるといったことも可能です。

グルーブトラックに合わせるように変換が行われる

もうひとつの新機能は、「FlexTime」というもの。これも多くのDAWに搭載されている機能で、オーディオの発音タイミングを自由に調整できるというもの。たとえばおはよございまーす」というフレーズの波形の位置を動かすことで「おっはよーござーいますといったように調整することができてしまうのです。波形を見ながら感覚的に調整できるので便利ですよ

FlexTimeによって音の位置、長さを自在に調整できる

また、前のバージョンでギターアンプシミュレータ機能など、ギタリスト向けの機能がかなり強化されましたが、今回さらにギターアンプやエフェクトが追加されました。具体的にはOrangeやVOXをシミュレーションするアンプが7つ追加されて計12個になっています。

Orangeなど7つのモデリングアンプが追加されている

また、ストンプエフェクトも5つ追加されて計15個に。これを自由に選んで並べていくことができるので、ギタリストにとってはGarageBandがあれば、これだけでかなり遊べるのではないでしょうか?

ストンプエフェクトも追加されて15種類に

ある意味、GarageBandを目的に、Macを買ってみるというのもいいかもしれませんね。

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