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20msの超低遅延ワイヤレスヘッドホンは、DTMでも使えるのか?有線接続も可能なOneOdio Studio Max 1を試してみた

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以前、DTMステーションでも中国オーディオ機器メーカー OneOdio(ワンオーディオ)の製品を紹介したことがありましたが、今年に入って同社からユニークなヘッドホンが発売されていました。その名も、OneOdio Studio Max 1。税込23,980円(記事最後の15%クーポンコードの利用で20,383円)という価格ながら、有線接続やBluetoothによるワイヤレス接続に加え、付属のトランスミッタを使った20msの超低遅延接続が可能。

開発にあたっては、イタリアのトップDJであるAriannaが関わっており、DJならではのシビアな視点や現場でのニーズを徹底的に盛り込んだ共同開発製品となっているのです。これによりヘッドホンとしての各種性能がDTMにもかなりマッチしたものに仕上がっているようです。たとえば、トランスミッタをオーディオインターフェイスに接続しておけばワイヤレスでモニタリングすることが可能になります。この際OneOdio Studio Max 1を頭に装着したままPC操作ができるのはもちろん、そのままちょっと立ってボーカルレコーディングをしたり、少し移動してギターを演奏する……といったことも可能。こうした移動においてケーブルが邪魔になることがありません。気になる音質のほうも、ドライバーに50mmの日本製大口径ドライバーを採用していることもあって、かなりいい感じです。DTMでのちょっとしたストレスから開放してくれるのはもちろんのこと、そのまま日常シーンでも使えてしまう、Studio Max 1を試してみたので、紹介していきましょう。

複数の接続モードを搭載したヘッドホンOneOdio Studio Max 1

複数の接続モードを搭載したヘッドホンOneOdio Studio Max 1

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OneOdio社とフラッグシップ機Studio Max 1

まず本題に入る前に、このOneOdioというメーカーについて改めて少し紹介しておきましょう。OneOdioは、2015年に香港で設立された企業で、DJヘッドホン、Bluetoothヘッドホン、ノイズキャンセリングヘッドホンなどを専門としています 。同社は、機能豊富なオーディオ機器を競争力のある価格帯で届けることに注力しており、アマチュアDJやホームスタジオユーザーの間で人気があります 。DTMステーションでは以前、モニターヘッドホンMonitor 60について、「8,680円のハイレゾ対応製品!? 6.3mmと3.5mm、2つのジャックを装備するモニターヘッドホンOneOdio Monitor60を試してみた」という記事で詳しく紹介していますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。

過去にDTMステーションでも紹介したことのあるOneOdio Monitor 60

そんなOneOdioから誕生したStudio Max 1は、フラッグシップモデルとして位置づけられており、実用的なワイヤレス性能を搭載することでDJヘッドホン技術の常識を覆すことを目指しています。イタリアのトップ5 DJであるAriannaとのコラボレーションも大きな特徴で、AriannaはStudio Max 1のチューニングに6ヶ月間、自身のライブセットで試行錯誤したとされています。実際、Studio Max 1は現場で使える機能や音質を装備しており、これまで有線接続がスタンダードだったDJシーンはもちろん、DTM環境においてもワイヤレス運用の新たな可能性を見せてくれる一台となっているのです。

イタリアのトップ5 DJであるAriannaとのコラボレーションで生まれたStudio Max 1

プロユースを意識した外観と装着感

さて、Studio Max 1のデザイン面からまずは見ていきましょう。大きなイヤーカップと太めのヘッドバンドという作りとなっており、イヤーカップの側面にはレコード盤をイメージしたデザインが施され、ヘッドバンド部分のステッチなど、細部にもこだわりが感じられる仕上がりとなっています。また、イヤーパッドとヘッドパッドにはふかふかと表現されるプロテインレザーとクッションが採用されており、快適な装着感を目指した設計となっており、ヘッドバンド内部には調整可能な金属製バンドが採用されています。

レコード盤を模したStudio Max 1のイヤーカップ側面デザイン

イヤーカップは180°回転するスイベル機構を備えており、片耳でのモニタリングが容易におこなえます。本体を内側に折りたたむことができるので、付属のプレミアムトラベルバッグに入れてコンパクトに持ち運ぶことも可能となっています。

180°回転するイヤーカップのスイベル機構

本体の重量はケーブルなしで、約350g。ヘッドホンとしてはやや重めとなっています。大容量バッテリーや堅牢な構造などが関係して、この重量となっているのでしょうね。ただ、Austrian Audio Hi-X65はケーブルなしで310g、beyerdynamic 1990 PROはケーブルなしで376gとなっているので、定番のモニターヘッドホンと比べても、許容できる重量感となっていると思いますよ。

コンパクトに折りたたむことのできるStudio Max 1

左右独立入力が可能なユニークな仕様

そんなStudio Max 1は、本体左右に6.35mmと3.5mmの異なる入力ジャックを装備しています。これは「4つのモード、1つのヘッドホン」を謳う多彩な接続性の一部で、たとえばミキサーやオーディオインターフェイスの標準ジャック出力を6.35mmで、PCやポータブルプレイヤーの出力を3.5mmで、といった使い分けができます 。付属のケーブルは、片方が6.35mm、もう片方が3.5mmのカールコードとなっており、このケーブルを反転させることで、どちらの接続も行える仕様となっています。なお、同時に入力ジャックにケーブルを接続している場合、3.5mmの入力が優先されます。

本体左右に6.35mmと3.5mmの異なる入力ジャックを装備

20ms超低遅延と驚異のバッテリー性能

続いてワイヤレス関連も見ていきましょう。Studio Max 1は、LDAC、AAC、SBCに対応した標準的なBluetooth 5.3接続に加え、付属のトランスミッタを使用した接続が可能です。Bluetooth接続では、本体に搭載されたマイクを使った通話など日常的な使い方や音源チェックを行い、トランスミッタ使用時では有線接続と変わらない感覚で制作作業を行っていくことが可能。

ハイレゾにも対応している

OneOdio独自のRapid WiLL+ 超低遅延トランスミッタモードとなっており、付属のM1トランスミッタと組み合わせて使用した場合、その遅延はわずか20ms、つまり0.02秒。従来のBluetooth接続ではSBCコーデックで約220ms、場合によっては400ms以上の遅延が生じることもありましたが、Rapid WiLL+はこの問題を解決しており、ほぼリアルタイムで音を再生することができるようになっています。

超低遅延接続を実現するM1トランスミッタ

実際に小型のギターアンプのイヤホン端子にM1トランスミッタを接続し、ギターを弾いてみましたが、全然遅延を感じませんでした。集中して聴けば、わずかなレイテンシーを感じるので、シビアなレコーディングを行う際には、やはり有線接続がいいですが、普通に実用に耐えるレベルだと思いますよ。ちなみに20msの音の遅れは、音源から6.8m離れたときの音の遅れと同じ。オーディオインターフェイスやDAWで設定できるバッファサイズでいうと、1024サンプル程度。ワイヤレスでこれなら、なかなか優秀ですよね。

超低遅延ワイヤレス技術「Rapid WiLL+テクノロジー」

また、バッテリーに関しては、Bluetoothモードで最大120時間、M1トランスミッタを使用した低遅延ドングルモードでも最大50時間という再生時間となっています。大容量バッテリーを搭載しており、さらに急速充電にも対応し、5分間の充電で5時間の再生が可能。M1トランスミッタを使っていても、週一回充電をしておけば、ヘビーな使い方をしていても、そうそう充電が切れるということはなさそうですね。

Bluetoothモードとトランスミッタモードの切り替えは、右のハウジングに搭載されたBボタンを使います。またここには、Bluetoothモード時に使えるボリュームボタンや多機能ボタンが搭載されています。多機能ボタンの長押しで電源のオンオフ、ダブルクリックでEQ重低音モードに切り替えることが可能。EQ重低音モードBluetooth接続時のみ使え、その名の通り、低音の量感が増し、迫力のあるサウンドを楽しみたい場合に使える機能。制作時に使うことは、ほぼないと思いますが、ちょっと気分を変えたいときなどにはいいかもしれないですね。

ハウジングのコントロールボタン類。多機能ボタンをダブルクリックでEQ重低音モードがオンになる

ちなみに、ワイヤレス接続時に有線接続を行うと、自動的に電源がオフになる仕様となっていました。同時にワイヤレス接続や有線接続を行うことはできませんが、自動的に電源がオフになるので、無駄にバッテリーを消費することはないという利点がありますね。

Studio Max 1の音質とDTMでの使い勝手

またStudio Max 1のサウンドの心臓部には、日本製の50mm径のダイナミックドライバが搭載されています。ドライバにはOFC、つまり無酸素銅のカッパークラッドコイルが採用されています。インピーダンスは32Ω、感度は110dB、周波数応答は最大40kHzで、ハイレゾオーディオ認証も取得しており、スペック上は幅広い帯域の再生能力を持っています。

Studio Max 1に搭載される50mmダイナミックドライバ

実際に有線接続して聴いたところ、やはりいろいろな機能を搭載しているためか、同価格帯のモニターヘッドホンと比べると若干音質が劣るところがありますね。とはいえ、むしろこの価格でこれだけの機能を搭載して、この音質であれば、かなり健闘していると思います。有線接続とBluetooth接続時の音質はほぼ同等で、トランスミッタモード時には若干音質が落ちますが、ミックス手前までの作業であれば、全然音質は気にならないし、それよりも便利さがかなりのメリットとなると思いますよ。歌を録るにしてもケーブルの長さが足りなかったりすることはないし、ギター演奏時にケーブルが邪魔になることはないし、あらゆる作業でのちょっとしたストレスから開放され、楽曲制作に集中することができますね。

有線接続でもワイヤレス接続でも、いろいろな使い方ができる

もう少し具体的に音質について触れておくと、Studio Max 1は低音域と高音域がしっかりと出ており、迫力のあるサウンドを楽しめます。低音域はパンチがあってポップスやロック系の楽曲では存在感のある響きを聴かせてくれますが、場合によっては少し量感が多めに感じることもあります。ただし、これはDJやライブでの使用を想定した音作りと考えれば納得できる部分。

中音域については十分にクリアですが、細かなニュアンスを正確に把握したい場合には、やや物足りなさを感じる場面もありました。とはいえ、DTMでの制作作業全般では問題なく使える範囲だと思いますよ。 音場については密閉型としては広めで、楽器の定位感も良好。解像度に関しては、同価格帯の専用モニターヘッドホンと比較すると一歩及ばない部分もありますが、この多機能性を考慮すれば十分健闘していると感じます。なにより、ワイヤレスの自由度がもたらす作業効率の向上は、音質面での細かな部分を大きく補って余りあるメリットだと思いますよ。

トラベルポーチやカールケーブル、M1 トランスミッタなどを同梱

改めてではありますが、Studio Max 1には、ヘッドホン本体のほかに以下のものが同梱されており、購入後すぐにさまざまな接続モードを試すことができます。

Studio Max1 ヘッドホン本体
M1 トランスミッタ
3.5mm to 3.5mmオーディオケーブル
3.5mm-6.3mm変換プラグ
6.35mm to 3.5mmカールケーブル
トラベルポーチ
USB Type-C 充電ケーブル
ユーザーマニュアル

USB Type-C充電ケーブルは、ヘッドホン本体やM1 トランスミッタを充電するために付属していますが、M1 トランスミッタをそのままPCに接続すれば、3.5mm to 3.5mmオーディオケーブルを使わずともトランスミッタモードで使用することが可能。またトラベルポーチは、ヘッドホン本体やM1 トランスミッタなども収納できる大きめの作りとなっているので、持ち運びに便利ですよ。

付属のUSB Type-CケーブルをPCに接続してトランスミッタモードを使うことも可能

以上、Studio Max1について紹介しました。23,980円(税込)という価格で、これだけの機能を詰め込んできたのは正直なところ驚き。なんといっても最大の魅力は、付属のM1トランスミッタを使った20msという超低遅延ワイヤレス接続でしょう。音質については、本文でも触れた通り、同価格帯の有線モニターヘッドホンと単純比較すると、機能の多さゆえのトレードオフを感じる部分はあるかもしれません。特にM1トランスミッタ使用時の音質変化については、シビアなミキシング作業では有線接続を選ぶのが賢明ですね。しかし、楽曲制作の初期段階やアレンジ作業、自分でのレコーディングといった用途では、この便利さが音質の僅かな変化を上回る価値をもたらしてくれると思いますよ。

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【関連情報】
OneOdio Studio Max 1 製品ページ

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