いつの間にか大きく進化し、機能もテンコ盛りに。7,584円で買える最新版Music Maker 2020を試してみた

Windows用の初心者向けDAWとして定評のあるMusic Maker。DTMステーションでもこれまで何度も取り上げてきましたが、9月20日にソースネクストから最新版となるMusic Maker 2020 Premium Edition(以下Music Maker 2020)が発売されました。ドイツのMAGIXが開発するこのMusic Makerはプロのマスタリング用DAWとして知られるSEQUOIA、音にこだわりを持つユーザーが使うDAWとして知られるSamplitudeのエントリー版に位置づけられるソフト。国内においては、Music Makerの代理店が数年前にAHSからソースネクストに移管したこともあり、国内では発売されていないバージョンもありましたが、MAGIXとしてはこれが第28番目となるバージョンなんだとか……。

改めて使ってみると、機能、性能ともかなり進化しており、これまでやや納得のいかなかった部分も解消され、結構使えるソフトに進化していました。しかも、ここには数多くのソフトウェア音源やエフェクト、ループ素材集が搭載されいるほか、iZotopeのOzone 8 Elements、さらには波形編集ソフトのSound Forge Audio Studio 12(英語版)もバンドルされているなど、まさにテンコ盛り。しかも通常価格15,046円(税込み)が9月26日9月30日(※9月25日修正 急に延長が決まり、9月30日までとなりました)まではほぼ半額の7,584円で購入できるので、買って決して損のないソフトだと思います。改めてMusic Makerとはどんなソフトなのか紹介してみましょう。

第28代目となるMusic Maker 2020が発売開始

Music Makerを以前使ったことのある方ならご存知だと思いますが、これは「DTMはまったく初めて」、「楽器もまったく弾けない」、「音楽理論も分からないし、楽譜もまったく読めない」……という人でもすぐに使うことができるエントリー向けのDAWです。

でも、実はDTM経験がある人にとっても、かなり使えるソフトであり、場合によっては手持ちのDAWと連携させたり、役割分担させて使うのもいい強力なソフトなのです。その最大の特徴ともいえるのがMusic Makerの持つ「ソングメーカー」という自動作曲機能です。実際、最新版のMusic Maker 2020で試してみたので、以下のビデオをご覧ください。

いかがですか?ジャンルを選んでボタンを押せば、もうそれですぐに曲ができてしまうのですから、面白いですよね。必要に応じて、イントロやブリッジを入れるかどうかなど曲の構成を設定することもできるし、使う楽器を指定することも可能です。

数回のボタン操作だけで自動作曲ができるソングメーカー機能

まあ自動作曲とはいえ、基本的にループ素材を組み合わせて作成するため、同じジャンルであれば、何度自動作曲しなおしても、似たような雰囲気になり、それほど極端な違いがわるわけではないのですが、出来上がった曲は自分のオリジナルとして使うことができ、著作権使用料などは発生しません。そのため「YouTubeにアップするビデオ用のBGMになる曲が欲しい…」なんてときに、これで作るというのもアリですよね。

※2019.9.26追記
商用で利用する場合、サウンドプールのダウンロード時に「ライセンス」のところを「Commercial」に設定する必要があり、これは有料となります

膨大にあるサウンドプールの中から好きなものをダウンロードして使う

ちなみに、そのジャンル、正確にはサウンドプールというものは、あらかじめいくつかが入っているのですが、オンランストア上の膨大な種類が用意されているため、その中から気に入ったものを選んで購入することが可能です。しかも、いっぱいのサウンドプールがまとまったサウンドプールコレクション(1本$100相当)が1つ、個別のサウンドプール(1本$19.99相当)が3本まで無料でダウンロードできる権利がセットになっているので、結構使えると思いますよ。ちなみに、オンラインからのダウンロード入手だけでなく、「jamバンドパック」など昔のAHS時代のサウンドプールを持っていれば、それらを取り込んで使うこともできますね。

選んだサウンドプールを0円でダウンロード購入(※追記 商用利用する場合はライセンスをcommercialにする必要があります)

昔のMusic Makerでも、このような自動作曲をするソングメーカー機能は搭載されていたのですが、出来上がった曲のコード進行を後から修正するというのはなかなか難しかったと記憶しています。事実上、出来上がったものはそのまま使うしかない、というものだった、と。

自動作曲されたものに対して、後でコードを変更することも可能でメジャー、マイナーも選ぶことができる

ところが最新のMusic Maker 2020では、後から自由にコードを変更することが可能で、コードを変えれば全トラックがそれに追従する形になっているのです。しかも、ここではCをFにするとか、DmをBmにするといった移調ができるだけでなく、CをBmにするとかD#mをFにするなど、メジャーコードとマイナーコードを変更することまできちゃうのです。これ、画期的じゃないですか?全然気づいていませんでしたが、このコード変更、昨年のMusic Maker 2019でも装備されていたようです。

まあ、MIDIであればこうしたコード変更は簡単にできますが、これはオーディオのループ素材を使ったものですから、だいぶ不思議にも感じるところ。もっとも変更できるのはここまでであって、7thコードにしたいとか、SUS4にしたい……といった要望までは応えられない模様です。

Music Maker 2020搭載のミキサー

このようにしてできた楽曲をそのままWAVとしてミックスダウンして完成させるのもいいのですが、必要に応じてミキサーを起動し、ここで細かくエディットしていくというのも手です。Music Makerにはもともと、10バンドEQ、コンプレッサ、コーラス、ディレイ、ディストーション、リバーブといったエフェクトが装備されているので、これらを使うのもいいですし、coreFX bundles、essentialFX、Analogue Modelling Suie、Vintage Effects Suite、VariVerb II……と数多くのエフェクトがバンドルされているので、これらを使って音作りを楽しむのも面白いところです。

数多くのエフェクトを利用することができる

しかも、作ったトラックをそれぞれ個別にWAVで書き出すことも可能なのです。したがって、Music Maker 2020でとりあえず簡単に作った曲をトラックごとにWAVで保存し、その後、普段よく使っているDAWに読み込んで使うなんてこともできますよ。

各トラックをパラで書き出すこともできる

もちろん、他のDAWを使わなくてもMusic Maker 2020でDAWとしての機能は一通りそろっているので、これを使うことも可能です。つまりオーディオレコーディングもMIDIの打ち込みも、そのMIDIで使う音源を差し替えたり、リアルタイムにエフェクトをかけたり………とこの値段からは信じられないほどの機能が詰まっているのです。

ピアノ音源のConcert Grand LE

軽く紹介すると、まずはMIDIの打ち込みにおいては、インストゥルメントの中から音源を選んでトラックに置けば、すぐに入力していくことができます。インストール時点でピアノ音源のCONCERT GRAND LE、ステップシーケンサ搭載のシンセサイザRevolta2、そしてドラム音源としても強力なプレイバックサンプラーのVITA2の3つが装備されているので、これらを使って打ち込みが可能です。

プレイバックサンプラーのVITA2

さらに、MAGIXが提供する数多くのMusic Maker用のソフト音源の中から好きなものを5つまで無料ダウンロードして使うことができるので、どんな音源を入手するか選ぶのも楽しいところ。もっとも、Revolota2用のプリセット音色やVITA2用のライブラリも数多く無料で入手できるので、かなりのバリエーションがありますよ。

ダウンロードする形で入手したアナログシンセ

さらにVSTプラグインも使うことができるので、市販のプラグインはもちろん、フリーウェアも含めていろいろと拡張して使うことができます。たとえば、先日「A|A|Sのギター音源Strum Session 2とアナログシンセ音源のUltra Analog Session 2、さらにサウンドパックがセットで72%OFFの特売中」という記事で紹介したStrum Session 2Ultra Analog Session 2なども使うことができました(※キャンペーン期間が延長され9月30日まで72%引きとなっています)。

※2019.9.25追記
Music Maker 2020自体が32bit版アプリケーションであるため64bit版のVSTプラグインを読み込むことはできません。

VSTプラグイン音源としてStrum Session 2も利用できた

音源を組み込んだらピアノロール画面でマウスでポツポツと入力していくのもいいですし、MIDIキーボードを持っていれば、MIDIでリアルタイムレコーディングしていくことも可能。もちろん、その後クォンタイズをかけて、エディットしていくこともできます。

多機能を持つピアノロール画面でMIDIエディットもできる

一方、オーディオのレコーディングも初心者が簡単にできるよう、さまざまなエフェクトプリセットが用意されています。トラックのFXボタンを押すとボーカル用、ギター用、ベース用……とさまざまなプリセットを選択できるようになっているので、これを選んでAUDIO REC状態にすれば、オーディオインターフェイスに入力したマイクやギターなどの音にエフェクトがかかった形でモニターできます。

テンプレートとして用意されているエフェクトを選ぶだけですぐにいい感じでレコーディングできる

そしてそのまま録音ボタンをクリックすれば、その音でモニターしつつ、レコーディングしていくことが可能です。もちろんレコーディングした後に、エフェクトをかけて加工ができるほか、オーディオ編集を行うことも可能になっています。

実はMusic Maker 2020自体にはオーディオ編集機能を装備していないのですが、オーディオ編集ソフトの定番、Sound Forge Audio Studio 12がバンドルされており、これをインストールすると、「外部エディタで編集」という機能を使ってSound Forgeに橋渡しするとともに、そこでより細かくエディットしていうことができるんですね。

英語版のSound Forge Audio Studio 12がバンドルされており、これを波形編集用に内部連携させることが可能

もっとも、バンドルされているのは、現行製品の一つ前のバージョンの英語版。日本語メニューは使えませんが、機能的にはさほど変わらず、普通に購入すれば5,480円のソフトなので、これがついてくるのですから、かなりお得な感じです。さらに、通常10,000円で販売されているiZotopeのマスタリングソフトOnze 8 Elementsもバンドルされているので、これらが入手できるだけで、もう充分元が取れてしまいそうですね。

ソースネクストが発売を開始した、このMusic Maker 2020 Premium Editionは、メーカー公式価格13,932円が発売記念キャンペーンとして9月26日9月30日まで29%オフの9,800円で発売されています。さらに以下のクーポンコード

クーポンコード: DTM_MSP_3000

を入力することで3,000円引きとなり、税込み価格は7,584円で購入できます。この機会に入手してみてはいかがでしょうか?

【関連情報】
Music Maker 2020 Premium Edition製品情報

【ダウンロード購入】
◎ソースネクスト ⇒ Music Maker 2020 Premium Edition

モバイルバージョンを終了