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Cubase 10.5誕生。新プラグインが追加され、ビデオの書き出し、EQとスペクトラルカーブの比較モードなどが追加に

11月13日、SteinbergからCubaseの新バージョン、Cubase 10.5が発表されると同時にその発売が開始されました。大方の予想通り、10.5というバージョンだったわけですが、このタイミングでリリースされたのは、Cubase Pro 10.5Cubase Artist 10.5の2種類。下位バージョンであるCubase Elements 10.5、Cubase AI 10.5、Cubase LE 10.5に関しては、現時点では、まだリリース時期についてアナウンスされていません。価格はオープンプライスですが、基本的に従来と同様なので、Cubase Pro 10.5が税込63,000円前後、Cubase Artist 10.5が36,000円前後となります。

今回はx.5というバージョンアップではありますが、ビデオの書き出しに対応したり、EQとスペクトラルカーブの比較モードが追加されたほか、プラグインではMultiTap Delayが追加され、PadshopがPadshop 2へと進化。さらにプロジェクトからのトラックを読み込む際の自由度の向上、非録音時のMIDI入力データ記録の改善、スコアエディターの改善、オブジェクト選択ツールと範囲選択ツールが結合したり、MixConsoleチャンネルが色付けに対応したり……と、さまざまな機能が追加、強化されています。そんなCubase 10.5を一足早く試してみたので、バージョンアップポイントを簡単にまとめてみました。

Cubaseの新バージョン、Cubase10.5が誕生

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この約10年近く、毎年11月ごろに0.5ずつバージョンアップしてきたCubase。今年もCubase 10からCubase 10.5へと順調に進化してきました。奇数年はマイナーバージョンアップに当たる年ということになりますが、思っていた以上に大きな進化をしており、操作性が向上するとともに、MIDI機能とオーディオ機能がさらに強化された、という印象です。実際に何が変わったのか、1つずつ見ていきましょう。

Cubase 10.5のインストール画面

まずは新たに追加されたディレイのプラグイン、MultiTap Delayについて。これは最大8個のディレイの量を自由調節できるタップディレイで、ある意味飛び道具的にも利用できるユニークなエフェクトです。8個あるディレイの1個ずつのPANを左右に振ったり、ディレイのキャラクターをDigital Modem、Digital Vintage、Tape、Crazy、Customから選べ、さらに細かいサチュレーション感も調節できるなど、かなり自由度の高いディレイプラグインになってます。他にも、ディレイ1個ずつに個別でChorus、Phaser、Overdrive、Reverb…など、14種類のエフェクトを掛けることが可能です。従来からあるPingPongDelayやStereoDelayなどとはまったく役割が違うエフェクトなので、表現の幅も広がりそうです。

新しく追加されたプラグインMultiTap Delay

Padに特化したシンセサイザPadshopがメジャーバージョンアップし、Padshop 2となりました。これまでもCubase 10付属のPadShopとは別に、オプション扱いの有料のソフトシンセとしてPadshop Proというものがありましたが、そのPadshop Proがさらに進化すると同時にCubase Pro 10.5およびCubase Artist 10.5に搭載されたものです。新しくプリセットが100個以上追加されて、即実践に使える音色も増えていますし、Padshop Proにあったサンプルの読み込み機能やレイヤー独立3バンド EQも付いています。さらにアルペジエーターが追加されるなど、強力な音源になっています。

Padshopがメジャーバージョンアップして、Padshop 2になった

Cubase Pro 10.5限定ではありますが、EQとスペクトラルカーブの比較モードが追加されました。周波数の被りを目で確認することができたり、参照元または参照先のEQをウィンドウを行き来することなく編集できる機能となっています。2つのチャンネルのスペクトラルカーブを重ねて表示できるようになったので、バスドラムとベースの帯域の被りをなくす作業などがしやすくなると思います。またアレンジのときなどに楽器の役割が似すぎていないかチェックするときに、便利に使えますね。

EQとスペクトラルカーブの比較モードが追加された

これもCubase Pro 10.5限定の機能ではありますが、プロジェクトへ別のプロジェクトからトラックを読み込むための機能が拡張されています。以前のバージョンからプロジェクトからトラックを読み込む機能自体はありましたが、Cubase Pro 10.5になって参照先のトラックの内容がアイコンで表示されたり、読み込み方を細かく設定できるようになっています。イベントとパート、チャンネルとインスペクターの読み込みを個別に設定でき、自動で名前を認識して他のプロジェクトのトラックの状態を引き継ぐことができるようになったのは、プロジェクト管理の面からも非常に大きな進化点です。

プロジェクトからトラック読み込みの機能拡張がされ、自由度が増した

またCubase Pro 10.5のみの細かい改善点としては、スコアエディターで譜表名に複数のサブ名を設定できるようになったのと、音符挿入時の位置ルーラーが追加されました。もちろん、より高機能な譜面作成を求めるのであれば、譜面作成ソフトのDoricoを使う必要がありますが、Cubase Pro 10.5単体でも、それなりのことができるようになってきています。

スコアエディターがさらに使いやすくなった
Cubase Pro 10.5、Cubase Artist 10.5、さらには今後リリース予定のCubase Elements 10.5においてビデオの書き出しに対応したのは、Cubase 10.5の重要なポイントです。これまでもビデオをトラックに読み込むことはできたものの、その書き出しができなかったので、ビデオの扱いがやや中途半端な状況でした。しかし、今回、プロジェクト全体もしくは指定した範囲をMP4ファイルのビデオデータとして書き出すことができるようになったので、動画制作におけるCubaseの意味合いが大きく変わったのです。一般的なビデオ編集ソフトでは難しい、テンポやリズムに合わせた小節単位の編集ができるので、動画制作の最後のワークフローをCubase 10.5で完結することができるようになりました。YouTubeにアップするための動画などをCubaseで書き出すことができるようになったわけです。

※2019.11.14追記
初出時、Cubase AI 10.5およびCubase LE 10.5でもビデオ書き出し対応と記載しましたが、AIとLEは非対応でElements以上が対応とのことです。訂正してお詫びいたします。

時代に合わせCubase 10.5は進化し、ビデオの書き出しにも対応した

一方地味ながらも、便利になったのがオブジェクト選択ツールと範囲選択ツールの統合です。ツールバーで「選択ツールを統合」をオンにすることで、オブジェクト選択ツールと範囲選択ツールを同時に使えるので、わざわざツールを変更することなく波形編集作業などを行えるようになっています。イベントの上部では範囲選択ツールになり、下部ではオブジェクト選択ツールに切り替わります。

オブジェクト選択ツールと範囲選択ツールの統合(黄色)すると、イベントの上部では範囲選択ツールとなる(緑色)

イベントの下部ではオブジェクト選択ツールとなる

非録音時のMIDI入力データ記録の改善もされています。停止または再生中に何げなく演奏したMIDIノートを、より簡単に便利に取り込めるようになりました。各トラックで演奏したMIDIデータを取り込めるために、トラックごとにMIDIデータ記録用のバッファーが用意されました。また演奏したMIDIデータをリニアに挿入するか、ループ間などで弾いていた場合にスタックされたMIDIパートとして挿入するか選択可能となっています。非録音時の入力データ記録を挿入する操作ボタンがインスペクター上で選択できるよう前面に出てきたので、アクセスしやすくなった機能ですね。

いい演奏を逃さないよう、非録音時のMIDI入力データ記録改善された(ベータ版で画面キャプチャしたため英語表記になっていた)

MixConsoleチャンネルが色付け可能となり、より視覚的にもトラックの判断がしやすくなりました。もちろん、従来の色付け設定のままにもできるので、好みによって鮮やかな表示に変更できます。

MixConsoleのフェーダー部分もカラー化することができ、視認性が向上

そのほかにもノーマライズの参照先としてLUFSを使用するラウドネスを選択できるようになったり、トラブルシューティングに便利なセーフスタートモードが搭載されたり、プロジェクトの自動有効化機能をオフにできるようになど、Cubase 10.5では、さまざまな点が強化されています。

ノーマライズする際、ピーク以外にラウドネスを選択できるようになった

以上、Cubase 10.5についてその概要を紹介してみました。この新バージョンは本日11月13日からSteinberg Online Shopにて、バージョンアップが可能になっており、たとえばCubase Pro 10からCubase Pro 10.5であれば税込7,150円、Cubase Artist 10からCubase Artist 10.5なら5,940円などとなっています。

一方、冒頭でも触れたとおり単体でパッケージを購入する場合、Cubase Pro 10.5が税込63,000円前後、Cubase Artist 10.5が36,000円前後となります。またほかのDAWから乗り換えるユーザーの場合、Cubase Pro 10.5を税込40,000円前後で入手可能なクロスグレード版というものが用意されているので、通常版より安く購入できます。

なお、最近Cubase 10を買ったという人であれば、グレースピリオドと呼ばれる救済法により、無償でCubase 10.5へバージョンアップできる仕組みも用意されています。具体的には1か月前の10月17日以降に購入または製品登録した人が対象。残念ながら10月16日前だと、有償となるので、確認してみてください。
【関連情報】
Cubase 10.5製品情報
Steinberg Online Shop
【価格チェック】
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