27Trのマルチデータ公開。PSP Audioware&DTMステーションの共同主催のミキシングコンテスト開催

4月29日~5月18日の日程で、PSP AudiowareDTMステーション共同主催、国内発売元のBeatcloud.jp協賛のミキシングコンテストを開催します。これはPSP Audiowareが各国で行っているミキシングコンテストの日本版という位置づけで、課題曲のパラデータを各自のDAWでミックスして、その作品の良さを競うというもの。そのミキシング時の条件としては、PSP Audiowareの新製品であるチャンネルストリッププラグイン「PSP InfiniStrip」を使用する、ということ。もっともPSP InfiniStripを持っていない方が大半だと思いますが、30日間フル機能が利用できるデモ版があるので、これを使っての参加もOKです。

最優秀賞作品には、PSP AudiowareがリリースしているすべてのプラグインをセットにしたPSP TotalPack(全35種類、総額45万円以上)のプレゼントするほか、上位入選者には好きなもPSPプラグイン20種類セットなども用意しています。その課題曲として用意したのはDTMステーションCreativeレーベルの第1弾ミニアルバム「Sweet My Heart」の中から、小寺可南子(@cana_ko_tera)さんボーカルの「Appreciation 100」。作曲家の多田彰文(@akifumitada)さんの協力のもと、全27トラックのWAVデータを用意し、誰でもダウンロードできるようにしました。自宅にこもりがちな時期ではありますが、DAWユーザーなら誰でも参加可能なミキシングコンテストとなっていますので、ぜひチャレンジしてみてはいかがですか?

PSP AudiowareとDTMステーション共同主催のミキシングコンテストを開催

今回のミキシングコンテストはPSP InfiniStripとDTMステーションの共同主催。というのも、PSP AudiowareがInfiniStripをリリースをしたことを記念して、現在ワールドワイドでミキシングコンテストを実施しているそうで、日本ではDTMステーションが協力することになったわけです。

そんなPSP InfiniStripをリリースしたPSP Audiowareは、ポーランドに本社を構えるプラグインメーカーで、世界中のプロの現場で高い評価のあるプラグインを開発しています。2000年の設立以降、定番のミキシング・マスタリングツールPSP WintageWarmerをはじめとする多くのプラグインは、国内でもプロの人たちが好んで使っている印象があります。

世界中のプロが愛用するプラグインを開発する、PSP Audioware

またiPad版のDAWとして評価の高いAuria Pro/AuriaにもPSPのチャンネルストリップやマスターエフェクトが搭載されているので、これを使ったことがある人も少なくないと思います。

そのPSP Audiowareが今回リリースしたPSP InfiniStripは、チャンネルストリップ型のプラグインで、PREAMP、FILTERS、GATE、COMPRESSOR、EQ、LIMITER、CONTROL、SPECIALの8種類のモジュールで構成されるもの。それぞれのモジュールごとに別種類のモジュールも用意されているので、音源素材によってモジュールを入れ替えて使うことが可能です。またゼロレイテンシー設計であり、負荷も軽いため、気兼ねなく全トラックにインサートして使うこともできます。もちろんWindows、Macの両対応であり、AAX、AudioUnit、VST、VST3、RTASに対応しているので、現在みなさんが使っているDAWでほぼ間違いなく使うことが可能です。

今回のミキシングコンテストは、PSP InfiniStripを必ず1トラック以上インサートするという条件がありますが、製品版を持っていなくてもデモ版を使って参加可能です。デモ版を入手するには、まずPSP Audiowareホームページのデモのダウンロードページへ行きます。

PSP InfiniStripのデモ版でも参加可能

アカウントを持っている場合は「Log in」をクリックしてログインを、持っていない場合は「register」をクリックして、必要事項を記入してください。記入が終わったら、ページの下にある「Create account」をクリックすると、次の画面が表示され登録完了です。
アカウントを作成し、登録を完了させてください

ログインした状態のまま、ホームページ上部にあるDEMOSタブをクリックするか、先ほどのURLに飛べば、各プラグインがインストールできるようなります。PSP Audiowareのデモ版は、30日間フル機能を使えるというものなので、製品版との機能的な違いはありません。もちろんPSP InfiniStrip以外にも、PSP Audiowareのほぼすべての製品のデモ版をここに用意されているので、興味があれば、ダウンロードして試してみることが可能となっています。

ここから、PSP Audiowareのプラグインのデモ版がダウンロード可能

自分の環境に合ったインストーラーをダウンロードできたら、インストーラーを起動して、手順に沿って進めていき、インストールを完了させてください。

ダウンロードが完了したら、インストールをスタート

DAWを起動させ、PSP InfiniStripが読み込まれると、ウィンドウが表示されるので、Tryをクリックします。

インストールが終わったら、DAWを立ち上げオーソライズしていく

PSP InfiniStripは、デモ版でもiLokアカウントでのログインが必要となります。アカウントがない場合には、iLokアカウントを作成し、ログインしてください。

iLokアカウントでログインする

次にどれにアクティベートさせるか選択し、Nextを押せば準備完了です。この際、iLokキーがなくても自分のPC本体にアクティベートすることができます。

iLokキーがなくてもPC本体にアクティベート可能

PSP InfiniStripをトラックにインサートして、画面を立ち上げると、PREAMP、FILTERS、COMPRESSOR、EQが挿入された状態が表示され、これがデフォルトとなります。

ちゃんとPSP InfiniStripが立ち上がるかチェック

モジュールを追加する場合は、「+∞」をクリックすると、プルダウンメニューが開くので、そこから好きなモジュールを選択すると、一番右に選んだモジュールが追加されます。

「+∞」のプルダウンメニューから好きなモジュールを選択

また、追加したモジュールの種類を変更したい場合は、モジュール部分の名前をクリックするとプルダウンメニューが表示されるので、そこから選択します。また各モジュールの左上にある上下ボタンでもモジュールを切り替えることが可能です。もし、モジュールを外したい場合は、プルダウンメニューからremoveを選択します。

各モジュールごとに、それぞれ違う種類のモジュールが用意されている

ちなみに歯車ボタンのプルダウンメニューからは、表示モードが切り替えることができ、Full view modeを選択すると、追加していないモジュール部分も含め全部表示されます。Full view modeでの画面を見ていただくと分かる通り、PREAMP、FILTERS、GATE、COMPRESSOR、EQ、LIMITER、CONTROL、INSERT X、INSERT Yのトータル9か所にそれぞれモジュールをインサートできるようになっています。PREAMP、FILTERS、GATE……などは、専用のモジュールとなっているので、対応したモジュールしか使えませんが、INSERT X/INSERT Y
に関しては、モジュールのタイプに関係なく自由に使用できます。

7つの専用スロットと2つの自由なスロットが搭載

またプリセットも豊富に分かりやすいものが用意されており、ドラムならDRM、ベースならBSS、ギターならGTR……と、カテゴリーごとに分けられています。全体のプリセット以外に、モジュールごとにもプリセットが用意されているので、まずはここから使ってみるのもよさそうです。

豊富なプリセットが用意されている

モジュール間の並び替えは、それぞれドラッグ&ドロップで行えます。持ち上げたモジュールを下の方に持っていけば、モジュールを外すこともできます。

ドラッグ&ドロップで、順番の入れ替えやモジュールを外すことが可能

各モジュールの説明については、PSP InfiniStripのページから確認でき、見てみるとそれぞれPSP Audiowareの製品であるPSP preQursorやPSP RetroQなどの1部分を備えていたり、新設計、再設計されているのが確認できます。チャンネルストリップ型のプラグインは、ミキシングで必要なものをひとまとめにしているという特徴があるので、DAWに最初から入っているプラグイン以外に、ミキシング系のプラグインがほしいという方には、ピッタリだと思います。

 

ミキシングコンテスト情報

さて、今回のミキシングコンテストの課題曲は冒頭でも紹介したように、「DTMステーションCreative」の第1弾ミニアルバム「Sweet My Heart」から「Appreciation 100」です。作詞・作曲は多田彰文さん、ボーカルはコテカナこと小寺可南子さん。マルチトラック素材は以下の27トラックとなっています。

01_Kick
02_Snare
03_HiHat
04_Toms
05_OH_ST
06_OH_M
07_Room_ST
08_Room_M
09_Perc
10_Clap
11_Bass
12_EGt1
13_EGt2
14_EGt3
15_EGt_Melo
16_Piano_Intro
17_Piano_End
18_RandomRichness
19_StarGlitter
20_SynBass
21_EndingMeloSyn
22_Synth_Stem
23_SE_Stem
24_Chorus_H
25_Chorus_M
26_Chorus_L
27_Kotekana

データフォーマットは、すべて48kHz/24bitのWAVとなっています。BPMは142なので、DAWのテンポ設定を142に設定すると、3小節目から楽曲がスタートします。各トラックの中身はファイル名からも分かるとおり、キック、スネア、ハイハット、タムなど、基本的には個別の音で構成されるパラデータです。もっとも、制作時は倍以上のトラック数があったのですがデータ量などを考慮し、トライアングルやタンバリンをPercにまとめたり、SEやSynthをステムデータにするなど、ある程度こちらでまとめている音源がありますので、その点はご了承ください。

オリジナルのミックスは、レコーディングエンジニアの飛澤正人さんが行っており、VRミックスという、ちょっと特殊なミックスを行っています。iTunesSpotifymora、LINE MUSIC、ototoyなどでもストリーム配信、ダウンロード販売しているほか、DTMステーションCreativeオンラインショップでも通信販売しているので、よかったら参考にしてみてください。


なお、ミックスはどのように行っていただいても結構ですが、ダウンロードした素材そのものはもちろん、ミックスした作品をYouTubeやニコニコ動画、Soundcloudなどにアップロードしたり、その他で公開することは厳禁です。またCDなどにして販売したり、再配布するなども厳禁であり、著作権違反となりますので、その点は十分にご注意ください。

応募された作品は、私のほか、PSP Audioware、作曲家の多田彰文さん、ボーカリストの小寺可南子さん、そしてBeatcloud.jp担当者が審査員となって、審査する予定です。審査結果は、改めてDTMステーションで発表する予定ですので、ぜひ奮ってご応募ください。

上位入賞者への商品
1位:PSP TotalPack (PSPの全プラグイン計35本)1名
2位:お好きなPSPプラグイン20種類 1名
3位:お好きなPSPプラグイン10種類 1名
4位:Beatcloud でPSPプラグイン購入の際に使用できるクーポン 5名

【素材ダウンロード】
(データダウンロードサービスは終了しました)

【コンテスト応募情報】
応募先:psp@dtmstation.com (←@を小文字に書き換えて入力してください
締め切り:5月18日 午前10:00

【記載事項】
お名前:(ハンドルでも可)
メールアドレス
その他連絡先:(電話、Twitterなどメールで連絡が取れないときのための予備)

ダウンロードURL:(Giga File便を利用)
制作環境:(※記載は任意です)
コメント:(PSP Audiowareをどのように使ったか、その他アピールしたいポイントなど自由記述)

【注意事項】
ダウンロードした素材そのものや、それらを改変したもの。そしてミックスした作品をYouTubeやニコニコ動画、Soundcloudなどにアップロードしたり、その他で公開することは厳禁です。またCDなどにして販売したり、再配布するなども禁止いたします。

※補足・追記 2020.4.30
コメント欄にもいくつか質問が来ていたので補足事項です。
応募するデータはミキシングした結果のステレオ2ミックスデータをWAVファイルでお送りください。24bit/48kHzのままでもいいですし、16bit/44.1kHzなどに変換していただいても結構です。

一方、純粋なミックスなのか、トラックを加えるなどリミックスにするかなどは、ユーザーのみなさんが自由に決めていただいて結構です。メインは純粋なミックスですが、リミックス作品の応募が多い場合などはリミックス部門として審査する形になるかもしれません。場合によっては双方の作品をご応募いただいても結構です。

入賞者発表
今回のミキシングコンテストにおいては、数多くのご応募をいただき、ありがとうございました。合計134名(締め切り後、さらに3名)の作品をいただき、審査員4名ですべての曲を聴くとともに、ノミネート作品を選出しました。その後、6月16日のDTMステーションPlus!の番組内において、8本のノミネート作品を紹介するとともに、入賞者を決定させていただきました。以下のみなさんです。商品については、改めて入賞されたみなさんにメールにてご連絡いたしますので、もうしばらくお待ちください。番組にはPSP Audiowareの社長Antoni Ozynskiさんにも登場いただいたので、ぜひ、番組のほうもご覧いただけると幸いです。

【関連情報】
PSP InfiniStrip製品情報
PSP InfiniStrip DEMO版ダウンロードページ

【ダウンロード購入】
◎beatcloud ⇒ PSP InfiniStrip

Commentsこの記事についたコメント

10件のコメント
  • Ramxa

    失礼します。
    PSPaudiowareのソフトは平時より愛用しており、当コンテストについても興味を持って記事を読ませていただきました。

    ついては、応募要項について伺いたい点があるのですが、当コンテストは「ミキシング」コンテストということですので、新たにトラックを追加したり、元トラックを大胆に加工するような、アレンジ・リミックスの毛色が出てしまう手法は、コンテストの趣旨に合致せず望ましくないと考えるべきものでしょうか?

    また、審査はどのような観点から行われる予定であるのかなど、応募要項に関して、可能な範囲でもう少し詳細な部分までご提示いただけましたら幸いです。

    作業の方向性を考えるにあたり参考にさせていただきたく存じますので、何卒宜しくお願いいたします。

    2020年4月30日 7:44 AM
  • タカハシ

    コンテストの開催ありがとうございます、楽しみたいと思います!
    2点ほどコンテストに関して質問があります
    ・提出時のファイル形式に指定はありますでしょうか?
    ・提出のファイルは2mixのデータでしょうか、それともマスタリング済みのデータでしょうか?

    以上2点の回答をよろしくお願いします

    2020年4月30日 10:55 AM
    • 藤本 健

      タカハシさん

      ありがとうござます。確かにそれが分からないと困りますね。後ほど、記事のほう修正しますが、
      2ミックスのデータでWAVでご応募いただければと思います。24bit/48kHzでもいいですし、16bit/44.1kHzなどにしても構いません。

      2020年4月30日 2:46 PM
  • 藤本 健

    Ramxaさん

    コメントありがとうございます。その点、実はどうしようかと考えて、あえて何も書いていませんでした。
    厳密な意味でのミキシングもいいし、いわゆるリミックスがあっても面白いと思っています。応募状況しだいですが、場合によっては純粋なミキシングでの優秀賞と、リミックスでの優秀賞を出して、審査員の中で検討して最優秀賞を出す形でもいいのかな、と。なので、得意な方法で、またやりたい方法で作業していただければと思います。

    2020年4月30日 8:04 PM
  • 空色

    ミックスコンテストに応募する時、どのくらいの音圧レベルで送るといいんだろうといつも思うのですが、このぐらいで送ってくれるとありがたいみたいなのはありますか?
    限界まで音圧稼いだり、音質が犠牲にならない程度にとか、音圧稼ぐのは全くしないとか、人によってかなり音圧レベルに差が出てくると思うのですが…

    2020年5月1日 11:01 PM
    • 藤本 健

      空色さん

      確かに、音圧は気になるところですね。まあ、これはミキシングコンテストでマスタリングコンテストではないので、適度にしていただければ大丈夫です。音圧をどのくらいに揃えてほしいという規定は用意していませんので、自由にしていただいて結構ですが、音圧を上げすぎると、ミックスでの音作りが分からなくなる可能性もあるので、その点も注意の上、お願いします。

      2020年5月1日 11:28 PM
  • Takeshi Horimoto

    マルチデータのWAVを確認しましたが、楽曲のフル尺ではなく、1コーラス分でしかありません。
    このデータで間違いないですよね?

    2020年5月2日 12:33 PM
    • 藤本 健

      Takeshi Horimotoさん

      商品として売っている楽曲のマルチデータを無料公開している形なので、1コーラス分とさせていただいています。

      2020年5月2日 2:29 PM
  • xxx

    ミキシングコンテストとリミコンでは勝手が違うので、それぞれルールと最優勝者を分けて頂きたいです。ミキシングは公開データ以外の素材の使用禁止で他の素材を使わない、リミコンはボーカル以外の素材は自由とか。真面目に素材をミキシングしたのに、全然違う素材を使ったリミックスに負けたりするのが納得いかないと思います。

    2020年5月3日 3:41 AM
    • 藤本 健

      xxxさん

      おっしゃる通り、ミックスとリミックスでは関係ないくらい違いますね。
      まだ絶対とはいえないですが、おそらくは優勝はあくまで純粋なミックス作品、そのほかにリミックス賞を用意して
      それが2位とか3位か4位か分からないですが、内容によって…という感じになると思います。

      2020年5月4日 9:24 AM

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