Banner B0
640x200伸縮サイズ
Banner B1
640x200伸縮サイズ
Banner A0(728x90)伸縮サイズ

超低レイテンシー、1.58msを実現した24bit/96kHz非圧縮伝送可能なワイヤレス・イヤーモニターシステム、日本のベンチャーRonkジャパンが発売開始

従来デジタル・ワイヤレスシステムの難点は、レイテンシーが生じること、音質が劣ること、混信などの問題が起きやすいこと……などが指摘されていました。そうした中、レイテンシー1.58msという超低レイテンシーで24bit/96kHzをノイズレス、劣化なしの非圧縮で、しかもステレオで伝送できるワイヤレス・イヤーモニターシステムが誕生しました。

開発したのは神奈川県相模原市にあるベンチャー企業、Ronkジャパン。小さな会社ではありますが、イヤホンガイドシステムやインカムなど数多くの業務用システムで実績を持つメーカーが満を持して作り上げたもの。しかも画期的なのは1:nでの伝送が可能であること。つまり1か所から送信された音を、別の場所にいる複数のメンバーで同時にモニターすることができるのです。これまでのワイヤレスモニターの常識を変えるような機材で、さまざまな活用法が考えられそうです。実際どんなものなのかチェックしてみたので、紹介してみましょう。

Ronkジャパンが開発した超低レイテンシーなワイヤレス・イヤーモニターシステム、RWE01S

Banner B2
640x200(320x100)
伸縮サイズ
Banner B3
640x200(320x100)
伸縮サイズ
Banner A1(728x90)
伸縮サイズ

今回発売されたワイヤレスモニターはRWE01Sという型番の製品で、親機=トランスミッターと子機=レシーバーが1つずつセットでペアリングされたもの。価格的にはセットで実売49,800円前後(税別)とそれなりのお値段ではありますが、ライブ用途はもちろん、制作用として、楽器演奏の練習用などとしても使えるもの。

製品の特長として、以下の5つのポイントが挙げられています。

1.非圧縮デジタル伝送
ステレオ音質24bit/96kHz

2.高性能ICチップ搭載
レイテンシー1.58ms

3.同時リスニング可能
レシーバー増設無制限

4.Rチャンネルのみモニター可能
R/MONO機能搭載

5.都度のペアリング不要
チャンネル自動サーチ搭載

実際に使いながら見ていきましょう。

高性能な製品とはいえ、使い方は至ってシンプル。親機と子機、それぞれの電源を入れたら終わり。それだけです。だからこそ、業務用機器として使っていくことができるわけですが、もう少し細かくチェックしていきましょう。

出荷時はアンテナが切り離されているので、これを取り付ける

まず親機のほうは小さなボックスサイズのもので、付属の9VのACアダプタを使って動作させるものです。出荷時はフロントの左右端子にオレンジのカバーが取り付けられているので、これを取り外し、付属のアンテナをそれぞれに取り付けて使います。

あとは電源を入れれば即使うことができる

リアにはTRSフォンの入力端子が2つあるので、ここにステレオで送信する信号を接続します。もしモノラルの場合はRチャンネルのみに入力すると、それがステレオ化(同じ信号が左右に展開される)されて、送信される仕様になっています。

リアにはTRSフォンでのステレオ入力がある。モノラル信号の場合はRチャンネルに入力する

親機側での操作は基本的に電源を入れるだけ。これによって2.4GHzの信号で子機へ送信することができます。つまりアナログ入力された信号が親機の中にあるADコンバーターで24bit/96kHzに変換されてデジタル信号として送信されるわけです。

とてもコンパクトなレシーバー。本体の重さは72g

一方の子機のほうは単3電池2本で動作するもので、本体のみの重さは約72gと軽量です。またバックル付きの専用皮ケースも付属しており、これをベルトなどに取り付けて使うことができるようになっています。端子としてはステレオミニの出力があるので、ここにイヤモニなどを接続して利用する形になります。

単3電池x2で約10時間駆動させることが可能(音量によって多少異なる)

その横にあるツマミを回すことで、出力音量を調整することができますが、実際試してみると、かなりの出力パワーを持っているので、ライブ会場などでも問題なく使うことができそうです。

出力は3.5mmのステレオミニ。ボリュームで出力音量の調整が可能

親機・子機それぞれがあらかじめペアリングされているから、両方の電源が入ると、自動的に接続されます。しっかり接続されているかどうかは子機のLEDを見れば確認することができ、緑の点灯状態になればOK。親機側の電源が入っていないなどで、接続できていない場合は点滅状態になっています。

この状態で親機側にオーディオ信号を入れると、そのまま子機側で音をモニターすることが可能です。試しにシンセサイザキーボードの信号をステレオで入力してモニターしてみたところ、まったく違和感なく、レイテンシーは感じられません。同様にオーディオインターフェイスの出力を親機にTRSのケーブル2本で接続してみましたが、快適です。

皮ケースが付属しており、これに入れることでベルトなどに取り付けることが可能

Bluetoothのワイヤレス・イヤホンで同様のことを行うとかなりのレイテンシーがあって、まともに使えないことをご存知の方は多いと思います。でも、このデジタルワイヤレス・イヤーモニターシステムであれば有線で接続しているのと何ら変わりはないですね。その意味では、自宅での演奏用、制作用、DTM用といった使い方でも、ケーブルのない非常に快適に環境を得ることができます。Bluetoothワイヤレスが実用的に使えないことで諦めていた人でも、これなら満足して使えると思います。

■ワイヤレスインイヤーモニターシステム仕様(RWE01S)
周波数範囲:2,400~2,483.5MHz
変調方式:GFSK
空中線出力:10mW
占有周波数:4MHz+4MHz
サンプリング周波数:96KHz
データサイズ:24bit/Stereo
使用可能チャンネル:16chのうち、任意の1ch
同時使用チャンネル:最大4ch
遅延:1.58mS
最大到達距離:約30m(見通し距離)
接続可能レシーバー:無制限(台数増設による音質の劣化はしない)

音質的にも非常にクリアであり、有線接続との差は感じられません。というより、オーディオインターフェイスからの音を伝送した場合、ヘッドホンアンプとしての駆動力も大きいので、オーディオインターフェイスによってはヘッドホン出力でモニターするよりもいい感じに聴こえるくらい。FMトランスミッターなどとは完全に違い、ノイズもないので、その点も非常に快適ですね。

試しに屋外で試してみたところ、50m弱の距離まで飛ばすことができました。仕様上は30mとなっていましたが、親機のアンテナが見えるところであれば50mであっても、音質はまったく変わらずクリアなまま。ただし、障害物が入るといきなり音が途切れてしまうので、この辺は注意が必要かもしれません。ライブなどで使用する場合、小さい箱であればまったく問題なさそうですが、大きいホールなどでの使用は難しいかもしれませんね。

気になる子機のバッテリー持続時間ですが、連続使用で約10時間とのことなので、心配はなさそうです。ニッケル水素電池であるeneloopで試してみても問題なく使うことができました。

SYSTEM IDのスイッチを切り替えることで使用する周波数を変更できる

ところで、親機のほうにはSYSTEM IDと記載されたロータリースイッチがあります。電源オフ時にこれを回すことで、利用する周波数が切り替わる仕組みになっており、具体的には以下の周波数帯を使う形です。

1CH 2,403MHz + 2,480MHz 9CH 2,419MHz + 2,464MHz
2CH 2,405MHz + 2,478MHz 10CH 2,421MHz + 2,462MHz
3CH 2,407MHz + 2,476MHz 11CH 2,423MHz + 2,460MHz
4CH 2,409MHz + 2,474MHz 12CH 2,425MHz + 2,458MHz
5CH 2,411MHz + 2,472MHz 13CH 2,427MHz + 2,456MHz
6CH 2,413MHz + 2,470MHz 14CH 2,429MHz + 2,454MHz
7CH 2,415MHz + 2,468MHz 15CH 2,431MHz + 2,452MHz
8CH 2,417MHz + 2,466MHz 16CH 2,433MHz + 2,450MHz

ご覧いただくと分かるとおり、1chで2つの周波数を使っているのですが、実はこれが高音質・低レイテンシー・音切れ無しの秘密。同時に2つの周波数を使いながら、それぞれが補完する形で信号を送っているので、何かのトラブルがあっても音が切れないようになっているのです。その仕組みの詳細を開発者であるRonkジャパンの社長、高山建さんに伺ったのですが、内容がかなり技術的でマニアックになるため、詳細については、今度AV Watchの連載、Digital Audio Laboratoryのほうで掲載しようと思っています。いずれにせよ、2.4GHz帯を使いながら、Bluetoothなどではなく、完全独自の方式で伝送しているからこそ、実現できているものなのです。

Ronkジャパンは相模原市にあるインキュベーション施設、さがみはら産業創造センター内にある

このように、気軽に簡単に使えるRonkジャパンのワイヤレス・イヤーモニターシステム。16chで使っているため、複数のセットを同時に使うこともできるようです。また必要に応じて子機=レシーバーを買い足すことが可能で、冒頭でも紹介した通り、1:nでの伝送も可能。この場合は、レシーバーのサイドにあるペアリングのボタンをペン先などで押すことでペアリング設定することができるようになっています。このように複数台をペアリングした上でたとえば左チャンネルにクリック、右チャンネルにオケを流して、バンドメンバー全員が同じ音をモニターするといったことも可能なので、使い方はアイディア次第。今後、幅広いシーンで使われていく機材となっていくのではないでしょうか?

※2020.08.20追記
2020.08.18に放送した「DTMステーションPlus!」から、第157回「JBLのスピーカーでDTMに高音質なモニター環境を!」のプレトーク部分です。「超低レイテンシー、1.58msを実現した24bit/96kHz非圧縮伝送可能なワイヤレス・イヤーモニターシステム、日本のベンチャーRonkジャパンが発売開始」から再生されます。ぜひご覧ください!

【関連情報】
ワイヤレス・イヤーモニターシステム製品情報
Ronkジャパン・サイト

【価格チェック&購入】
◎Rock oN ⇒ RWE01S(トランスミッター+レシーバーセット) RWE01R(レシーバーのみ)
◎Amazon ⇒ RWE01S(トランスミッター+レシーバーセット) RWE01R(レシーバーのみ)
◎サウンドハウス ⇒ RWE01S(トランスミッター+レシーバーセット) RWE01R(レシーバーのみ)

Commentsこの記事についたコメント

7件のコメント
  • kaz2go

    ユニークな商品ですが、技術適合証明を取っている商品でしょうか?

    2020年8月3日 10:07 PM
    • 藤本 健

      kaz2goさん

      当然とってますよ。そうじゃないと、大手のお店も扱ってくるわけないですよ。

      2020年8月3日 10:24 PM
  • Crazy

    kaz2goさん
    以下のサイトに「・無線従事者免許は不要|電波法認証(技適)取得済」との記載があります。
    https://wowma.jp/item/459140655

    2020年8月11日 3:56 AM
  • 旧電信級アマチュア無線技士

    変調方式:GFSK
    空中線出力:10mW
    この言葉にビビッときて変調方式が気になって調べてみました。
    意外と前からある技術なのですね。
    時代の流れは恐ろしいものです。
    昔2石のFMトランスミッターを作った記憶があります。40年以上前です。
    2石と言ってわかる人は藤本さんくらいかと思いますね。もちろん372です。
    送受信方式は今では聞かれることのないダイバーシティアンテナを思い出しました。

    2020年8月11日 1:27 PM
    • 藤本 健

      旧電信アマチュア無線技士さん

      FSK変調は、それこど40年くらい前のテープにデータ記録するのもこの方式でした。GFSKはそのガウス型というやつですね。
      2SC372懐かしいですね。そのころは372と945がもっともポピュラーなやつでしたよね。

      2020年8月11日 8:17 PM
  • 西浦達雄

    この商品を販売しておられる店舗の書き込みで、「障壁に弱く、ワイヤレスとしての距離が稼げません」と出ていましたが、藤本さんは最低でも30mと書いておられます。障壁というのはどうなんでしょう、隣の部屋なんかな論外として、人が横切るだけで、あるいは眼で見通せてもこの商品のおいてある場所から見通せなければ、途切れたりするんでしょうか?またシュアーの同様の商品とは値段の差はあるんでしょうか?よろしくお願いします。

    2020年9月12日 2:31 PM
    • 藤本 健

      西浦さん

      反射がない空間だと金属や人の影に入ると途切れることがあります。見通せる場合30mほど飛びます。シュア製品はその点、強いように思いますが、レイテンシーにおいてはRonkジャパンの製品のほうが断然いいです。その点一長一短ありそうです。

      2020年9月13日 2:20 PM

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です