Lion搭載の新Mac miniでCubase 6、ProTools 9は動くのか?

7月20日にリリースされて大きな話題になっているMac OSX Lionと新Mac。私自身は永遠のMac初心者(!?)なので、あまり状況がしっかり把握できているわけではないのですが、「やはり新OSが出たら、ちょっとは試してみなくては」と新Mac miniを買ってきました。本来なら、手持ちのMacにApp Storeからダウンロード購入したLionをインストールして……とすべきなのでしょうが、Snow Leopard環境を壊して元に戻せなかったらマズイという思いから、個人的には大きな出費ではあったものの、Lion環境用に別マシンを導入したというわけです。

で、そのLionが入ったMac miniのDTM環境がどうなのか、半日ほどいじって試してみたので、ファーストインプレッションという感じでレポートしてみましょう。
とにかく小さい新型Mac mini。52,800円也



私が買ってきたのはMac miniの中で一番安いCore i5を搭載した52,800円のマシン。昨日、渋谷のビックカメラで定価(ポイント5%)で買ってきました。実はつい4ヶ月ほど前に、前機種のMac miniを買ったばかりで、ほとんど使っていなかったため、かなりもったいない気もしたのですが、いざとなったらWindows7をインストールして、事務用マシンにしちゃおうという思いもあり、購入を決めたのです。

バルクのDDR3メモリ4GB×2枚=8GBが4,000円を切った時代だというのに、このMac miniには2GBしかメモリが搭載されていないというのは納得いかないところではありましたが、まあ、そんなのはあとで買ってきて入れればいいか、と持って帰りました。しかし、梱包されている箱もコンパクト。これだけ小さいWindowsマシンってないですもんね。

大きさや形は前のMac miniとまったく同じ。ただ、この新Mac mini、光学ドライブが内蔵されていないんです。これがちょっとネックかなとは思ったものの、最近、CD-ROMやDVD-ROMを使う機会もあまりないから、必要となればLAN経由で別のマシンにつなげばいいか、と割り切って考えました。


電源を入れてOSが起動すると、なるほどちょっと雰囲気が変わっています。ただ、普段Windows使いの私から見ると、それほど劇的に変わったという感じはしません。LaunchPadというのを起動すると、iPad風な画面になるけれど、だから何?という程度です(もちろん、使い込んでいけばいろいろいい点おあるのでしょうが、あくまでもファーストインプレッションということで…)。
起動してみると、従来のSnowLeopardとちょっぴり雰囲気が変わっている


そんなことより気になっているのが、DAWやオーディオインターフェイスとの互換性がどうなっているか。開発者向けのバージョンが出た後の海外の情報を見ていたのですが、かなり動かないものが多そうだったからです。Lionは64bitOSとなったわけですが、「64bitアプリケーションのみしか動かず、32bitアプリケーションは切り捨てた」なんて噂もあったので、どうなんだろう……、と。

そこでまずはCubase 6をインストールしてみました。Windowsの64bit環境にインストールする際には「32bit版をインストールするか、64bit版をインストールするか?」と聞かれるのですが、Lion上ではそうした表示はありません。10分程度で、何の変わったこともなくインストールが終了。念のため6.02にアップデートをした上で、USBドングルをつけて起動。

Cubase 6はあっさりインストールできた

 

結論からいうと、何ら問題なく使うことができたのですが、最初に「おや?」と思ったのはロゴが表示されたとき。よく見ると「Version 6.0.2(32bit)」ってあるんですよね。せっかくの64bitOSなのに、アプリケーションとしては32bitのようです(以下の追記で64bit版として動くことを記載しております)。一方で、「Lion上で32bitアプリは動くの?」と思ったのですが、普通に動いてくれました。

ロゴの下を見ると64bitではなく、32bitと表示されている!

ただ、初回起動時に「PowerPCアプリケーションは現在サポートされていないため、アプリケーションVSTBridgeAppを開けません」というメッセージが表示されます。そう、SnowLeopardまでまではPowerPC用の古いアプリケーションをIntelマシンで動かすためのRosettaというシステムがありましたが、Lionではそれがなくなったため、一部のVSTは動かないということなのでしょう。このメッセージが出た後、ハングアップしてしまう、というトラブルがありましたが、強制終了後、再起動したら問題なく起動し、過去の曲データを読み込んでもトラブルなく再生させることができました。
初回起動時にVSTBridgeAppを開けませんというメッセージが

【追記】
初出時、Cubase 6が32bitモードで動作すると書きましたが、これはデフォルトの設定であって、設定変更によって64bitモードで動作することを確認しました。具体的には、アプリケーションフォルダに入っているCubase 6のアイコンを選択し、「情報を見る」で内容を確認すると「32ビットモードで開く」オプションにチェックが入っています。これをはずすと64bitモードで起動します。私のMacへの理解不足が原因で誤った情報を出してしまいました。お詫びいたします。

一方、すでに動作しないとアナウンスされてるのがProTools 9。PowerPCコードの問題があるのかもしれませんが、Cubaseの動きを見ると、多少トラブルがあっても動きそうな気もします。そこでこいつもインストールしてみました。

ProTools 9も何のトラブルもなくインストールはできたインストール自体はとくにトラブルもなくうまくいきました。これなら、うまく動作してくれるのでは……と淡い期待をしながら、起動してみると……。「アプリケーションPro Toolsのこのバージョンは、このバージョンのMac OSXでは使用できません」とのアラートが表示されて終了。何か技を使うと無理やり動かすことができるのかもしれませんが、Mac初心者の私には、さっぱりわからずGiveUpでした。

ProTools 9を起動することはできず、GiveUp

つづく(次回はオーディオインターフェイスについてレポートします)

Commentsこの記事についたコメント

5件のコメント
  • だんきゅん

    はじめまして。
    藤本さんと同じようにMacMiniを買ってPro Tools 9が動かずに悶絶してる者ですw
    AVIDはアップデートを開発中のようですが、早くVer.UPして欲しいです><

    2011年7月29日 10:09 AM
  • 藤本健

    こんにちは。
    はやく対応して欲しいところですが、あまりすぐの対応は期待しないほうがいいかもしれませんね。原因はおそらく、PowerPCのコードが入っていることだと思われます。LionではRosetta非対応になったため、もしProToolsのプログラムにこれが多く混ざっていたとすると、抜本的な開発のしなおしになってしまうので、時間もかかりそうです。すでに、キレイなプログラムであることを期待したいところですが、歴史あるソフトだけに、大変かもしれません。

    2011年7月29日 6:54 PM
  • pc-8801

    こんにちは
    いつも記事を参考にしています。
    Mac mini のいづれかを購入検討中なのですが、
    藤本さんが導入されたものですと、Cubase6の動作はスムーズでしょうか?
    おそらくメモリ増設は必須だとは思いますが。
    勝手ながら、お暇なときに、
    おおまかで良いので印象などをお教えいただければありがたいです。
    暑い日々がつづきますが、ご自愛ください。

    2011年8月12日 3:25 PM
  • 藤本健

    コメントありがとうございます。
    はい、メモリ増設は必須だと思います。AV Watchのほうの記事にも書いたとおり5000円もせずに8GBに増設できるので、ぜひやってみてください。当初、このDTMステーションを書いたときは標準の2GBで動かしていましたが、とりあえずは問題なく動作していました。32bit版としても64bit版としても問題なかったです。
    強いて言うと、32bit版の初回起動時、VSTBridgeが自動起動する際に、ハングアップしてしまいます。ただ、一度強制終了させると、それ以降はその問題はなくなります。
    使い込んでいるわけではないので、絶対大丈夫とまでは断言できませんが、とりあえず問題ないと思います。

    2011年8月12日 10:03 PM
  • pc-8801

    調べましたが今メモリ安いですね。
    参考になりました。
    ありがとうございました。

    2011年8月13日 7:10 PM

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です