USB時代のMIDIパッチベイ機材、iConnectMIDI

MIDIパッチベイという機材をご存知ですか?キーボードやMIDI音源モジュール、コンピュータ……と複数のMIDI機材をこれに接続し、キーボードAから音源Bに、コンピュータCから音源Dに……というようにスイッチひとつで、MIDI接続を切り替えられるという機材です。

最近MIDI機器そのものをいっぱい並べる人がいなくなったためか、残念ながらこうした機材は現在ほとんどなくなってしまいました。私個人的には必須の機材であるため、昔に買ったRolandのA-880というものを今でも現役機材として使っています。そんな中、今の時代にマッチしたMIDIパッチベイ、iConnectMIDIというものが発売されたので、ちょっと紹介してみましょう。

コンパクトな現代のMIDIパッチベイ、iConnectMIDI

iConnectMIDIはアメリカのiConnectivityという会社が開発した機材で、国内ではメディア・インテグレーションが19,800円で4月から発売したもの。「iOS対応MIDIインターフェイス」といった説明がされていたので、プレスリリースやWebのニュースサイトの記事などでチラっと見ていたのですが、いまいちピンと来ず、気にも留めていませんでした。

こちらは私が現在も使っているRoland A-880(下から2つ目)

ところが先日、メディア・インテグレーションの担当者から「使ってみませんか?」と連絡があったので、製品を送ってもらいました。モノは手のひらに乗るサイズでフロントにはUSB端子が3つ、リアにはMIDIの入出力が2つずつ搭載された機材。ACアダプタを接続しないと動作しないようです。パッケージにはマニュアルもなく、正直なところ、最初、これは何に使うものなんだろう…とよく分かりませんでした。

メーカー側がYouTubeにビデオをアップしているので、これも見てみると、いろいろなMIDI機材が利用でき、iPhoneやiPadさらにはPCでも利用できるようではありますが、それでも何かピンと来ません。

ただパッケージには「Made for iPod,iPhone,iPad」と記載されており、iPad Cammera Connection Kitを使わなくてもiPhoneやiPadで使えるようです。そしてDock-USBケーブルが付属していたので、これをつないでみると、なるほどLine6のMIDI MobilizerIIなどと同様にMIDIインターフェイスとして機能しました。ここでMidi Tool Box(アールテクニカのMIDIユーティリティですがとっても便利です!)を利用して入出力ポートを見てみると、妙にいっぱいのポートが見えています。全部で12ポートもあるようです。

Midi ToolBoxでチェックするといっぱいのポートが見える

それぞれ何の意味をしているのだろうと思い、調べてみると、まずは本体搭載のMIDI IN/OUTが2つ。そしてフロントの右側にあるミニUSBポート用が2つ、さらにフロント中央にあるUSBが計8つとのこと。その時点でも???と使用目的やら使い方がぜんぜん分からなかったのですが、使っていくうちにだんだんと見えてきました。

フロントの右側にミニUSBポート×2、中央にUSBホストとしてのポートが1つある

そう、これこそが現在のMIDIパッチベイだったんですね。これをiOS用のMIDIインターフェイスだと考えてしまったから分かりにくかっただけ。MIDI端子間はもちろん、USB同士でもUSBとMIDIとでも自由に接続を切り替えられるMIDIパッチベイなんです。

iConnectMIDIを中心にさまざまな機器を接続できる

私の手元にある機器も最近はMIDI端子を使わず、USBで接続するものが大半になってきています。とくに鍵盤などはUSBで直接接続するものが多く、MIDI端子すら持っていないものも多いですから。これらをMIDIと同じように扱って切り替えることができるのです。ためしに、先日紹介したLine6のMobile KeysやRolandのA-Pro 300(Advanced Driverモードをオフ)、KorgのnanoKeyを接続してみましたが、確かにバッチリ動いてくれます。 またPCと接続してもしっかりMIDIインターフェイスとして認識してくれますね。
SONARからもしっかりマルチポートのMIDI I/Fとして見える

実際iPhoneやiPad、PCなどを接続しなくてもOK。複数のUSB接続のキーボードをiConnectMIDIに接続し、一方でMIDI音源モジュールもここに接続してくと、どのキーボードで演奏しても音源を鳴らすことが可能となります。この際、各キーボードのMIDIチャンネルを別々に設定しておけば、マルチティンバー音源の音色を弾き分けることができるわけです。

リアパネルにはMIDIの入出力が2系統用意されている 

では、どうやって複数のUSBキーボードをこの小さなiConnectMIDIと接続するのか。そのためには、USBハブを利用するのです。これによって最大8つまでのUSBデバイスを接続可能になっています。また、前述のミニUSB端子にはWindowsとiPadとか、iPhone2台など2つまでのホストを接続可能で、これもほかのMIDI機材と同じように切り替えが可能になっています。

USBハブを利用して複数のUSB機材と接続できるが、結構ダンゴ状態になる

ところで、その切り替えはどうすれがいいのか?これは本体ではできないため、iPhoneのアプリを使って行います。A-880のように本体にスイッチがあったほうが便利ではあるのですが、まあ、その辺は仕方ないところでしょうか…。
無料で入手できるユーティリティソフトで、パッチの切り替えができる

いっぱのMIDI機器、USB-MIDIキーボードがあって、効率よく繋ぎ替えをしたいという人にとっては救世主的な機材だと思いますよ。

【関連サイト】
iConnectionMIDI製品ページ(メディア・インテグレーション)

【価格チェック&購入】
◎Amazon ⇒ iConnect MIDI
◎Amazon ⇒ LINE6 Mobile Keys 25
◎Amazon ⇒ Roland A-300PRO
◎Amazon ⇒ KORG nanoKEY2

Commentsこの記事についたコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です