発売されてもう3年以上経つ機材なので、普通あまり話題に上ることもないけれど、16IN/4OUTで、USB 2.0対応の24bit/96kHzのオーディオインターフェイス機能も装備して、マルチエフェクトも持つなど結構多機能な現行製品のミキサー。今価格を調べてみると37,000円前後といった手ごろな価格なんですよね。以前、Digital Audio Laboratoryで記事にしたことはありましたが、ちょっと忘れていたので、改めて使ってみようとTASCAMからモノを借りてみました。
各チャンネルごとに、TRIMつまみ、HPFスイッチ、HI・MID・LOのEQ、そして2系統のAUXセンド、フェーダー、またメイン出力に送るか、サブ出力に送るかの設定ボタンなどが並んでいます。
そう、あくまでもアナログミキサーがベースになった製品だから、使っていてもとても分かりやすいのがM-164UFの大きな特徴です。実際にEQを動かしてみると、かなり効き具合がいいのも大きなポイントでした。変化の違いがとても分かりやすいので、初めてのユーザーでも音作りがしやすいのではないでしょうか。
リアパネルを見てみると、いっぱいの端子があるのが確認できると思いますが、ラインもマイクもいろいろと接続が可能。もちろんマイクはファンタム電源にも対応しているので、コンデンサマイクもそのまま接続可能です。マイクプリアンプも搭載されており、こちらも気持ちよく使うことができます。RCAのラインインも用意されているので、各種オーディオ機器との接続もできるし、PHONO端子があるので、レコードプレイヤーとの接続も可能です。一方、トップパネルにはステレオミニジャックの入力もあり、ここにiPodやiPhoneなどを接続して使えるというのも便利なところです。
また外部のエフェクトも同じようにして使えるのも、やはりアナログミキサーの便利なところ。エフェクトのセンド出力があるので、これを手元の外部エフェクトがあれば、そこに接続してやればいいのです。DAWだけの環境に手持ちのエフェクトを組み込むのは、結構面倒ですが、この辺は融通が利きやすいですよね。AUX1とAUX2と2系統ありますので、実質的には16IN/6OUTのミキサーといってもいいかもしれませんね。ちなみにAUX2は前述の内蔵エフェクトとの兼用になっています。
では、オーディオインターフェイスの機能はどうなっているのでしょうか?製品にはWindows用、Mac用のオーディオインターフェイスドライバが入っているので、これをインストールし、USBミニのケーブルで接続すると、PC側からは16IN/2OUTのオーディオインターフェイスとして見えます。
M-164UFにはCubase LE 5(以前AV WatchでレビューしたときはLE 4でしたが、現在はLE 5になっていました)が入っているので、これで見ると確かに16IN/2OUTです。ただし、この16INは、すべてM-164UFに入ってきたものをストレートにPCへ流しているというわけではにのが面白いところ。Cubaseの設定画面を見ても分かるとおり、1ch~10chまでは、前述のEQ、そしてフェーダーを経た音がPCへと入ってきます。
一方、PCから出力のはステレオ2チャンネルで、ミキサー上の11-12chに入ってくる形になっています。文字だけで読んでいると少し混乱するかもしれませんが、下のブロックダイアグラムを見ると、スッキリ整理できるのではないでしょうか?
ヘッドホンジャックはトップパネルにある。左斜め下にあるのはiPodなどと接続できる入力端子
こうやって使ってみても、やはりフェーダーやツマミ、ボタンがいろいろあって、すぐにアクションを起こせるハードウェアのミキサーはなかなか便利です。しかも、USB経由でその音をそのままPCに取り込むことができるので、活用方法もいろいろ。デスクトップ環境に1台置いておくといいと思いますよ。