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DJ TAROさんオリジナルのノンストップミックス制作術

J-WAVEなどFMのラジオDJとしてお馴染みのDJ TAROさん。ターンテーブリストとして、またサウンドプロデューサーとしても幅広く活動されているほか、iPadを使ったDJプレイヤーとしても知られており、Twitterを見ていても、DTM系のマニアックな発言も多く気になっていました。

 

そのDJ TAROさんの連絡先を先日、知人から紹介してもらってメールしてみたところ、すぐに「DTMステーションよく見てますよ!」というお返事をいただきました。システム環境などについて、お話を伺えないか聞いてみたところ、快くOKをいただいたので、先週DJ TAROさんのスタジオに行ってきました! DTM関連との出会いから、ラジオ番組のノンストップミュージックの制作術まで、面白い話をいっぱい聞くことができたので、インタビュー形式で紹介してみましょう。


DJ TAROさんのスタジオに伺って、ノンストップミックスをどう作っているかなどを聞いてきました

 


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--もともとDJ TAROさんが、DTMなどの機材を使うようになったのはいつごろだったんですか?
DJ TARO:19歳のころだから、もう22年くらい前ですね(笑)。スタートはVestaxの6TrのカセットMTRからでしたね。多重録音をしてみたいと思って使ったんですよ。そこからサンプラーに興味を持つようになり、AKAIのS1000を購入。このS1000自体はシーケンサ機能を搭載していなかったから、すべて手弾きにするしかないけれど、キーボードは弾けないので、その辺に限界を感じました。ただ、そうした楽器を触っていると、自分でも曲を作ってみたいと思うようになり、いろいろと模索しました。

 

--コンピュータやシーケンサを導入したりしなかったんですか?
DJ TARO:ちょうどそのころMacintoshのColor Classicが出たころで、それを買って、OpcodeのVisionを入れたんですよ。でも初めてのPCだったこともあり、操作が分からないし、どにも直観的に使うってことができませんでした。またMIDIなど、難しい用語とか機材とかがでてきてお手上げ。結局、そのときは挫折してしまいました。


昔、Opcode Visionを使って挫折したと話すDJ TAROさん

--なるほど、最初はVisionだったんですか!
DJ TARO:Visionはダメだったので、サンプラーでシーケンサ機能を搭載しているものはないだろうか……と探していたときにAKAIのMPCに出会いました。これならキーボードじゃなくて、パッドだから、こっちがいいんじゃないか、って!サンプリングできるのが楽しくてね、手を叩いた音でループモノを作ってみたり、CDなどからリズムを取り出して音を分解してみたり…。中学のころからファンクやソウル、ブラックコンテンポラリ、ヒップホップ…といったジャンルの曲が好きだったから、そんな感じのリズムを作ったりしていました。

 

--ラジオのパーソナリティをする前の話ですか?
DJ TARO:そうですね、ラジオは25歳(98年)からだったから、その前ですね。当時はダンスをしたりプロスケーターとして滑ったりしていて、そこで使う音楽を作ろうとしていたんですよ。仕事的には当初イベントなどでのMCをしながら、DJをしたりしていました。機材触るのが好きだったんで、自分の作品を作るというよりも、裏方としてやってましたね。そのうち、アーティストさんからリミックスの仕事も来るようになり、今でいうマッシュアップのようなことをやってました。当時「ブレンド」って呼んでましたが、インストの曲にアカペラを載せたりね…。とはいえ、すべてアナログだったんで、ピッチシフトとかタイムストレッチみたいなことはできない。完全に合わせるのは不可能なんだけど、テンポとキーを手探りで合わせて、リミックスしていくなんてことをしていましたよ。


スタジオの片隅に置いてあるENSONIQ ASRやKORG TRITON、AKAI MPC 60IIなど

--機材的にはその後どんなものを?
DJ TARO:いまもこのスタジオに置いてありますが、MPC60IIを買ったり、ENSONIQのASRやKORGのM1を買ったり…、鍵盤系では最終的にはTRINITYですね。ただ僕はいまだに楽器はできないし、譜面も読めないので、MPCをベースにして鍵盤をつないでマルチティンバーで鳴らしたりしていました。MPCは2000XLまでアップデートしながら使っていきました。循環することで気持ちよくなる音楽を聴いていたので、なるべく1ループで成立するようなサウンドを探していったんですよ。手持ちのレコードもいろいろあったから、それらをサンプリングしたりしながら……。

 

--それでカッコいいサウンドがどんどんできていったわけですか?
DJ TARO:実は、だいぶ苦労しました。最初、普通に入力していったのでは、なかなかヒップホップっぽい音にならなかったんです。YMOがどうやって音作りをしていたか、といった文献を読み漁りながら、学んでいきました。たとえばマイクを、はじいたときの歪んだ音をキックに重ねてみたり、レートを落としてリサンプリングをしてみたり……、そうしているうちに、少しずつコツをつかんでいきました。そうこうしているうちに、ラジオでの仕事が本格化していき、夜な夜なラジオの番組が終わってから、制作作業をするようになっていったんですよ。


スタジオに置かれている数々のDJ機材

--ずっとMPCを使っていたわけですか?
DJ TARO:一時期Logicにチャレンジしてみたり、人から譲ってもらったAtariのCubaseを使ってみたりしたんですが、結局MPCに戻りましたね。2000年ごろには相棒ができ、一緒に曲作りをするようになっていきました。そのころ、一度アルバムも出しているのですが、当時まだエンジニアさんとの共通言語もなく、お任せ状態にしたらちょっと残念な音感になってしまいました。そうした経験から自分たちでスタジオを持ち、ミックスも自分たちでやっていきたいという夢を持つようなりました。最初はマンションの1室を借りてやっていました。初めてノンストップミックスの仕事の依頼がきたのを契機に、Digi 001を買ったのです。そして私のほうがMPCで制作し、相棒であるウチの相沢がミックスするというスタイル。今の仕事の仕方のベースが確立されたんです。

 

--ここのスタジオはいつごろに?
DJ TARO:ちょうどProTools|HDを導入後、2002年に念願かなって、ここにスタジオを構えることができました。リミックスを中心に、いろいろな仕事をこなすようになっていったのですが、僕自身は、ラジオでの仕事というのが多いため、なかなかスタジオで作業をするということができない。外でも使えるツールはないだろうかと思っていた中、出会ったのがACIDでした。2004年ごろ、まだ4.0というバージョンの時代でしたが、ビートを分解して再構築するといったことを視覚的に行えるし、これで作業している上ではオーディオインターフェイスがなくても使えてしまいます。最終的なレンダリングをするまでは、WindowsのノートPCひとつあればすべてでき、とても軽くて使いやすかったんですよ。

 

--なるほどMPCとACID、なんとなく共通するところもありそうですね。

DJ TARO:番組でノンストップミックスを流すことってすごく多いんです。たとえばサザン・オールスターズ・ノンストップミックスとかね……。もちろん、その場でDJプレイしていくというのも手ですが、テンポもかなりマチマチだし、ラジオの場合せいぜい10分とか15分と尺が短いだけに、その時間をできるだけ有効に使っていく、盛り上げていくためには、作りこんでおいたほうがいいんですよね。そうした中、ACIDが非常に役立つんです。単にテンポを合わせてつないでいくというだけではなく、それに合わせて僕の作ったリズムを重ねて行ったりすると、まさにここだけのサウンド、J-WAVEだけで聴けるノンストップミックスというのが作れるんですよ。


ACID Pro 7.0を入れたLet’s Noteでいつも作業しているというDJ TAROさん

 

--いまもACIDで仕事をしているんですか?
DJ TARO:はい、いまはLet’s NoteにACID Pro 7.0を入れて、常に持ち歩いています。これを使うとノンストップの曲でもタイムライン上にマークを付けることで、トラックIDを振った形でのCDが焼けるんですよね。昔はIDを振るためにいったんMDにIDを付けてからCDに取り込んで…といった面倒なことをしていましたが、いまはACIDがあれば簡単にできてしまいますね。またタイムストレッチをかけたときの音質劣化が少ないんですよ。いろいろなDAWも試してみたのですが、ACID Pro 7.0のélastique Proの性能は最高にいいですよ。

 

--ところで、そのDJ TAROさんオリジナルのリズム部分はどのように作っているんですか?

DJ TARO:これも全部ACIDでやってますよ。素材を取り込んだ上で、スネア、キック、ハイハット……のように切り刻んでから、リズムをトラック上に構成していくわけです。


ACID Pro 7.0の画面。これは先日リリースされたREAL ZOO BEST~DJ TARO SELECTIONのプロジェクト画面

 

--ええ?それって、かなり大変な作業ではないですか?
DJ TARO:慣れれば簡単ですよ。グリッド上にキック、スネアなどを配置し、あとは繰り返しコピーしていくだけですから。また、曲と曲のつなぎ目などでは音数が減って寂しくなることも多いので、その場合、リズムだけでなくソフトシンセを使って音を加えていくことも多いですね。いまのACIDはMIDIシーケンス機能も充実していますから、これでちょっと打ち込んでいけば簡単にできてしまいます。だから、僕がラジオで流しているノンストップミックスは、本当にほかでは聴くことができないものなんですよ。以前、ディズニーのライオンキングのバックにリズムを加えてリミックスを作って流したことがあったんですよ。もともとはバラードだけの曲だけどリズムを加えたことで、だいぶ違った雰囲気になるんですよね。そうしたらディズニーから「これはどこで入手したんだ」連絡がきたので、「僕が作ったんです」と答えたら、「欲しい」って言われちゃった(笑)。こうした作業を日々繰り返しているわけなんです。

 

--リスナーからは見えないところで、そんな苦労があったんですね。
DJ TARO:でもね、結構楽しい作業なんですよ。コンパクトなシステムだから、ラジオ局内はもちろんカフェで作業してたり、ファミレスで作業したり、どこでもできちゃう。自宅にいるときも、これを使っていることが多いですね。ちなみに、最近、リズムを作るのはACIDだけでなく、ArturiaのSPARK LEを使うケースが半々となってますよ。


先日、私が使ったSPARK LE

--SPARK LE、先日、私もいろいろ使いましたがコンパクトだし、リズム組むのには、非常に効率いいですよね。
DJ TARO:TR-808など、昔のステップシーケンサ的なリズムマシンだから、使いやすいし、パッドを叩いてリアルタイムに録っていける部分なんかもいいですね。MPCを使っていたころの原点に戻ったというか……。リミックスをしていく上で、世の中にいっぱいあるループ素材を利用するのが簡単ではあるけれど、どうしても単調になってしまいがちです。やっぱり自分でも一番大切にしているのがリズム。このリズムでうまくグルーヴ感を作っていくことで、機械っぽさをなくすこともできます。その意味でもSPARK LEは非常にいい。原点に立ち戻ったような気もしています。

 

--ACIDとSPARK、どうやって連携させているんですか?

DJ TARO:SPARKをACIDのプラグインとして起動させて、同期させて使っていましたが、最近はAパート、Bパートなどのようにブロックでリズムを作ったうえで、ACIDizedデータとしてACIDに読み込ませて使うケースのほうが多いかな。もともとSPARKを使いだしたのは1年ほど前で、最初はLEではなくオリジナルを使ってました。オリジナルのSPARKのほうはDJプレイしながらパフォーマンスに利用するといった使い方をしていますが、LEは小さくて持ち歩けるから重宝してますよ。


最近、DJ TAROさんはSPARK LEとACIDを連携させて使うことが多いという

 

--SPARKでの音の素材はどうしているんですか?
DJ TARO:ちょっと悔しい気もするけれど、Artriaのライブラリってすごくいい音が揃っているので、それを使うケースが多いですね。極端な話、キック、スネア、ハイハットの3つがあれば、カッコいいリズムをいくらでも構築できますから。EDM(Electronic Dance Music)というライブラリやDUBSTEPなど、数多くの音素材がありますから、とくにジャンルにこだわらず、これだと思う音を組み合わせて使っていますよ。

 

--本当に話は尽きませんが、参考になるお話をいろいろとありがとうございました。こうしたDJ TAROさんの影の努力を知った上で、ラジオを聴いてみると、さらに面白くなりそうですね。ぜひ、これからも頑張ってください。
【関連サイト】

 

【製品情報】
ACID Pro 7.0
SPARK LE




Commentsこの記事についたコメント

1件のコメント
  • 3gatudo

    お母様のソニア・ローザさんのアルバムに
    幼い頃のTAROさんの声が入ってますよね。
    あの子がこんなに大成されて、と遠い目になったり。
    ソニアさんのアルバムは、大野雄二プロデュースの
    ブラジリアン・フュージョンで
    結構レアものになってますけど。

    2013年7月12日 12:39 AM

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