個人的にもどんなカラクリになっているのかが非常に気になったため、レコーディング終了後、一緒に行ったヤマハの人にお願いして、種明かしをしてもらいました。基本的にこのシステムは隠されていて、利用者が見たり、触ったりすることはできないそうですが、ここだけの話で、ということで(笑)。
先日、スタジオに入って最初にふと目に入ったのが、「即レコ24」のチラシやPOP。やはり、使ってもらうには宣伝もしなくちゃいけないんだよな……なんて思ったわけですが、実はこのPOPなどが張り付けられていた黒い冷蔵庫のようなBOXこそが、即レコ24のシステムのすべてだったのです。
通常は完全にロックがかかっていて開けられないようになっているそうですが、それを開けてもらったら、こんな機材が中に納まっていました。
※開けることは禁止されていますから、ご注意ください。
下のボックスには3台のオーディオインターフェイスと電源ユニットが…
先日行った宮地楽器など、比較的早い時期に即レコを導入したスタジオはMR816が入っている一方、最近導入したところは、USBオーディオインターフェイスであるUR824×3台という構成になっているそうです。
近寄ってiMacの画面を見てみると、これCubase6ですね。見たところ23トラックという構成になっており、ドラムだけで7トラックあることが確認できました。キック、スネア、タム×3、天井からのマイク×2という構成ですね。そのときレコーディングしたデータがしっかり波形で確認することができます。またスタジオによって22トラックだったり、24トラックだったりと多少構成は違うそうですよ。
月額315円のスタンダードメンバー、月額525円のプレミアムメンバーになると、そのミックスされたMP3をダウンロードできるようになったり、セッションを保存できるようになったりするのですが、個人的にもっとも興味があったのは、Cubaseのデータを丸ごと入手できる「24chマルチデータ」というオプションサービス。こちらは、有料のメンバー会員になる必要はなく利用することができ、価格は20分までなら1,050円、1時間以内なら2,100円などとなっています。また、1時間以内ならダウンロードという形、それ以上の場合はDVD-Rでの配送になるとのことです。
そこで帰宅後、試しに自分たちで演奏した結果がどうなっているのかを確認するため、購入してみました。方法は、PCから即レコ24のWebサイトにアクセスした上で、スタジオでもらった即レコ24のMEMBER’S CARDに記載されているIDとパスワードを入力してログイン。すると、「マルチデータ」というメニューがあるので、これを選択すると、録音しておいた曲が表示されます。
試聴機能で再生させると、録音した結果がMP3再生されるので、確認した上で、「マルチデータ注文」にチェックを入れて「購入」。その後、決済方法などを指定すればOKです。ちなみに私はクレジットカード決済を使いましたが、ほかにもコンビニ決済やPayPal、WebMoneyなども使えるようでした。
ただ、この操作をしたらすぐデータが入手できるというわけではないようでした。2日ほどしてからダウンロード先のURLが指定されたメールが届き、各曲ごとにZIPで圧縮されたデータを入手することができました。
が、ここではCubase7でcprファイルを開いてみました。その結果が、この画面です。「入力デバイスにMR816csxがない」といったメッセージが表示されますが、その辺は無視。自分のオーディオインターフェイスを設定しておくと、スタジオで録ったものが完全な形で手元で再現することができました。
各トラックごとにコンプやリミッターなど細かくエフェクトの設定などもされている
まあ、もちろん目的は、単純に再現することではなく、これを元に自分なりの加工、ミックスを行ったり、さらに音を追加していくこと。プラグインのエフェクトを追加したり、MIDI機能を使ってソフトシンセの音を被せていくなど、やりたいことはいろいろ。スタジオで録った音を持ち帰って、家で自由自在に加工できるのですから、これは楽しいですよ!
家でラフなオケをDAWで作って、その2MIXをiPodなどに入れてスタジオに持ち込み、ラインにつないで再生しながら生楽器の録音。その後、マルチデータを入手して、元のDAWに追加したり差し替えるといった使い方もできますから、まさにアイディア次第で、利用法は広がりそうです。
なお、ちょうど6月25日発売の「Go!Go!GUITAR! 8月号」連動企画ということで、野村義男さんと渡辺英樹さんから成るユニット「三野姫」が即レコ24を使って1時間ほどで仕上げたマルチデータが公開されています。実際このファイルを開いてみれば、即レコ24で録音した音のクオリティーを確認することができると思うので、興味のある方は試してみてはいかがですか?
【関連サイト】
即レコ24
即レコ24導入スタジオ一覧
Go!Go!GUITAR!誌連動!「三野姫」マルチデータ配信情報
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