iPhone/iPad用オーディオI/Fにも使えるギターアンプ、CUBE Lite

iPhoneiPadでDTMをする上で使える、手ごろないいスピーカーってないかな……と思っている人も多いのではないでしょうか?もちろんオーディオ機器としてのiPhone用スピーカーは、いろいろな製品があります。その一方でRolandからiPhone/iPadのモニタースピーカーとして利用でき、ギターアンプでもあり、オーディオインターフェイスとしても使えてしまう、便利な機材、CUBE Liteというものがあったのをご存じですか?

私は、春に行われたRolandの発表会で製品を見ていたのですが、そのときはあまり印象に残っていませんでした。しかし、先日ふと楽器店の店頭で見かけて「これ、いいかも!?」と思ったのです。改めてRolandにお願いして製品を借りてみたところ、なかなか便利な製品だったので紹介してみたいと思います。

ギターアンプとしても、オーディオインターフェイスとしても使える小型の2.1chスピーカー、CUBE Lite


CUBE Liteというのは、Rolandのギターアンプ、CUBEシリーズの小型モデル。ACアダプタで駆動させるアンプで、デスクトップ上にも置ける本当にコンパクトなもの。出力も10Wというアンプなので、ギターアンプとしては小さいのですが、見た目からは想像できないほど、大出力が得られるので、音を出すとちょっとビックリするほど。

机の上にもおけるとてもコンパクトなスピーカーながら迫力あるサウンドが鳴る

その理由はCUBE Liteが2.1chのスピーカーユニットとなっており、ステレオ・スピーカーとして3W×2、さらにサブウーファーが4Wという構成で、大きな迫力が得られるようになっているからです。

ボディーの下のほうからは重低音が響く

またクリーントーンから、思い切り歪んだサウンドまで出せるのも、面白いところ。なぜそんなことができるのかというと、これがCUBEシリーズの特徴で、アナログアンプとして歪ませているのではなく、Rolandお得意のCOSMテクノロジーにより、デジタル的にギターアンプモデリングを行って音を作り出しているからです。

COSMアンプ機能により、3種類のアンプタイプを選択できる

具体的にはRoland JC-120をモデリングしたクリーントーンのJC CLEAN、クランチ・サウンドを作り出すCRUNCH、そしてハイゲインの思い切り歪ませたサウンドが出せるEXTREMEの3種類があり、スイッチを切り替えることで、まったく違う音にでき、DRIVEパラメータをいじることで、その度合いの調整もできるようになっています。

VOLUME、BASS、TREBLEのほか、CHRUS|REVERBというパラメータも並んでいる

そのほかにもVOLUME、BASS、TREBLEのツマミがあるほか、CHORUS|REVERBとういパラメータが用意されており、これを動かすことで、かなり音の広がりや奥行きをつける効果もえられます。

と、ここまでは普通のギターアンプとしての機能。しかし、本体後ろ側には、i-CUBE LINKという端子と、それに連動するVOLUMEツマミがあり、これらを利用することで、ギターアンプから、iPhone/iPadのモニタースピーカー、さらにはiPhone/iPad用のオーディオインターフェイスへと変身してくれるのです。

秘密兵器!?ともいえるi-CUBE LINKという端子がリアに用意されている

この端子、ミニジャックではありますが、内部が4極になっており、付属の4極ケーブルを使ってiPhoneやiPadと接続することができます。そして、このケーブルで接続した場合、両方向に信号が流れるようになっているのです。
このi-CUBE LINKの端子には付属する4極のミニケーブルを利用してiPhone/iPadと接続する

そう、まずはiPhone/iPadのオーディオ出力がステレオでCUBE Liteへ流れてくるので、その音をCUBE Liteの2.1chスピーカーから出すことができます。一般的にギターアンプのライン入力から出る音って、かなり荒い音になりがちですが、これがキレイなんですよね。ステレオスピーカー+サブウーファーという構成だからなのか、音量を大きくしてもまったく歪まないのです。
これならiPhone/iPad用のモニタースピーカーとして十分に使えるサウンドだと思います。ちなみに、iPhone/iPadの音を鳴らすだけであれば、4極ケーブルである必要はなく、普通の3極のステレオミニケーブルでも使うことができます。

またモニタースピーカーとして使いつつ、先ほどのようにギターを接続している場合は、ミックスしてギターを鳴らすことも可能です。音量バランスは、ライン入力のVOLUMEを調整すればOK。単純にiPhoneのライブラリを再生しながら、ギターを弾いて練習するのにも便利ですね。もちろん、スピーカーで鳴らすだけでなくヘッドホンで聴いても、アンプシミュレータがしっかり聴いた迫力あるサウンドを楽しむことができますよ。

でも、やはりi-CUBE LINKを使う上で、より面白くなるのは4極ケーブルで接続した場合。このときは、CUBE Liteに接続したギターサウンドをiPhone/iPadに送ってレコーディングすることができるのです。

たとえばGarageBandを使った場合を考えてみましょう。この場合、GarageBandにすでにレコーディングされているバックトラックをCUBE Liteのスピーカーで鳴らしながら、ギターを弾くと、COSMアンプやコーラス・リバーブで作ったサウンドをそのままGarageBandの別トラックへとレコーディングしていくことができます。

でも、ギターアンプシミュレーションやエフェクト処理はiPad側で行いたい、というケースもあるでしょう。そのときは、COSMボタンを押しながら電源を入れなおすとモードが切り替わり、ギター入力の音をそのままiPhone/iPadへと送ることができるようになります。そうした場合でも、もちろんiPhone/iPadからの音はそのまま鳴らすことができるので、GarageBandほか、各社のエフェクトアプリなどを使って演奏するということもできますね。

iPhone用アプリとして無料配布されているCUBE JAM

なお、RolandからはiPhone用のアプリ、CUBE JAMというものが無料で出ています。これはiPhone/iPadに入っている音楽ライブラリを再生するとともに、CUBE Lite経由で入ってくるサウンドをレコーディングしたり、それをミックスすることができるというもの。センターキャンセル機能なども装備しているため、ギターのソロ練習などにも使えそうです。

もちろん、CUBE Liteに限らず、iPhone/iPad用の各種DAWアプリなどでも利用できるので、いろいろな使い方ができそうですよ。

なお、今回お借りしたのは赤いボディーのものでしたが、ほかにもブラック、ホワイトの計3種類があるそうです。

【関連情報】
CUBE Lite製品情報

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