AppStoreで発売されたのは10月31日だったので、ご存じの方、すでに使った方もいると思いますが、これがなかなかよくできたアプリなんです。iPhone、iPadそれぞれに最適化された画面で利用できるもので、価格は1,000円ですからPC用の耳コピソフトと比較すると圧倒的に安いですよね。実際に使ってみたので、どんなものなのか紹介してみましょう。
これまで取り上げてきた耳コピソフトと呼ばれるものには、さまざまなものがありました。Melodyne Editorやほぼ全自動 耳コピ支太郎のような採譜を行うもの、SpectraLayeres ProやR-MIXのようなのような特定楽器の音を抜き出すタイプもの、BandProducerのようなコードを判定するタイプのもの……などなど。ソフトによって得意・不得意もあり、万能なソフトはないというのが実情ではありますが、技術の進歩によって年々精度も上がってきているようです。
判定する素材は、iTunesで管理している曲なら何でもOK。アプリが曲を読み込むと10秒程度(iPad Airで3分程度の曲を処理した場合)で解析して、コード表示してくれるのです。
行っているのは、曲を指定して読み込むだけ。あとは自動的に解析して、画面にコードを表示してくれるんですね。曲を再生すると、それに合わせてコードが切り替わっていき、どの音を使うのか、鍵盤上にマークしてくれます。
また画面を切り替えると、GarageBandでいうところのSmartGuitarやSmartKeyboardのようなものが登場してきます。鍵盤やギターが弾けない人でも、ここで適当に弦を弾いたり、鍵盤を弾いてみると、コードで鳴ってくれるので、コードを音で確認できるというだけでなく、楽器を演奏したことのない人でも、演奏気分を味わうことができるのが楽しいところですね。
デフォルトでは1小節に2つのコード、つまり2拍ごとにコード判定をしてくれますが設定によって4つにしたり8つにすることも可能です。もちろん4/4拍子以外に3/4、5/4拍子といったこともできます。
再生しながら、このコードを弾いてみると、やはりところどころ、妙な音になっているところもあります。そんな場合、別候補を表示させて、それに置き換えることもできるし、場合によっては手動で自分でコードを入れてしまうといったこともできます。ただ、この辺の編集機能は、再生位置を目的の小節へ簡単に移動できなかったり、編集モードに切り替えるとプレビューできないなど、使い勝手がこなれていない印象。この辺は今後のバージョンアップに期待といったところでしょうか…。
先ほどのビデオだと、いろいろな音色が選べるようになっていましたが、1,000円で購入した際に使える音色は鍵盤ではグランドピアノとエレピの2つとギターではナイロン弦ギターとスティールギターの2つの計4つのみ。ほかの音色を使いたい場合は、1つ100円のアプリ内課金が必要になってきます。もし、全部購入したら29音色あるので2,900円と結構なお値段になってきます。
なお、Chordana ViewerはCoreMIDI対応となっているので、MIDIキーボードを接続すると、それでChordana Viewerの音源を弾くことができるし、反対にMIDI音源を接続すると、それを鳴らすことも可能です。
試しに、IK MultimediaのiRig Keyを接続してみたところ、しっかり弾くことができました。この場合、Chordana Viewerは単なるMIDI音源として動作します。一方、出力先として、先日のeVY1 ShieldをLightning-USBカメラアダプタ経由で接続してみたら、ややMIDIデータの取りこぼしが発生するようではありましたが、音を出すことはできました。こうした外部音源を接続してしまえば、わざわざアプリ内課金で音色を増やさなくてもよさそうですよね。