Thunderboltでそのまま使えるFireWireオーディオIF、Saffire PRO

オーディオインターフェイスって、これまでFireWire中心に使ってたけど、最近なくなってきたのでどうしようか、と思ってる」、「USBオーディオインターフェイスって、いまだになんとなく抵抗があって……」なんていう人もいるのではないでしょうか? 確かに時代はFireWireからUSBに移っているので、USBオーディオインターフェイスへ乗り換えるのが王道ではあります。

でも現行のMacのすべてに搭載され、WindowsPCでも増えてきているThunderbolt端子を活用するのも1つの手段。ただ、Thunderbolt対応のオーディオインターフェイスは選択肢が少ないし、高価なのが実情。そんな中、英Focusrite社のFireWireオーディオインターフェイス、Saffire PROはThunderbolt端子に接続できることを表明しており、安定的に使えるとのこと。実際、簡単に使うことができたので、紹介してみたいと思います。


FocusriteのSaffire PRO 14をMacのThunderboltに接続して使ってみた 


DTMステーションでもこれまで何度か話題として取り上げているThunderbolt。これはAppleとIntelが共同で規格化した新しいインターフェイスで、USB 3.0FireWire800と比較しても圧倒的に高速でやりとりが可能、というものです。


うちのMac miniのリアにも雷マークのThunderbolt端子がある 

Macなどにある雷マークのついた小さな端子がそれで、技術的にいえばデスクトップPCの内部スロットであるPCI-Expressをそのまま小さな端子として取り出したもの。システム的にはPCI-Expressの内部バスそのものではあるけれど、内蔵カードと違い、PCを開けたりする必要はなく、USBやFireWireのように外付けハードウェアとして手軽に扱うことができます。

デイジーチェーン(数珠つなぎ)で最大6つまで接続できるため、扱い方としてはFireWireに近い感覚なインターフェイスでもあるのです。

とはいえ、現状においてはThunderboltに対応した周辺機器はまだ少ないですし、オーディオインターフェイスとしては、UAのapollo twinやLynxのAurora、MOTUの828xなどがいくつか登場してきましたが、まだまだ高価なのが実情。

そうした中、実売価格25,000円程度~という価格設定のFocusriteのFireWireオーディオインターフェイス、Saffire PROシリーズがThunderboltで使える、というのです。これは、どういうことなのでしょうか?

ヨドバシで買ってきたThunderbolt-FireWireアダプタ 

発売元のハイ・リゾリューションによると、「ForcusriteのSaffire PROシリーズは、ThunderboltにAppleのThunderbolt-FireWireアダプタを取り付けることで、そのまま利用できることを保証しています」とのこと。私もよく分かっていなかったのですが、そんなワザがあったんですね!


アダプタを2つ使ったのでやや団子状での接続となったが、簡単に認識された 

 

ハイ・リゾリューションにお願いして、Saffire PRO 14をお借りするとともに、アキバのヨドバシで税込み3,130円でThunderbolt-FireWireアダプタを購入。自宅のMac miniに接続してみたところ……、ちょっと拍子抜けするくらい簡単に繋がってしまいました。


Webからダウンロードしたドライバをインストールするだけ

持っていたのが9ピンのFireWireケーブルで、Thunderbolt-FireWireアダプタの端子が6ピンであったため、9ピン-6ピン変換アダプタは取り付けましたが、たったそれだけ。


Macで簡単に認識されることができた

もちろん、ドライバのインストールは必要ですが、Focusriteのサイトからダウンロードした普通のFireWireドライバでOK。あとは普通にAbleton LiveとでもProToolsCubaseとでもセットで使えてしまいます。


ProTools 11で使ってみたところ、しっかりレコーディングすることができた

USBと比較してThunderbolt、FireWireはバス供給可能な電源容量が大きいので、ACアダプタ等不要で、バス電源でも余裕で動かせられるのも魅力の一つです。


Thunderboltからの電源供給で動作する
 

Saffire PROシリーズの中ではエントリー版という位置づけのSaffire PRO 14は24bit/96kHzで8IN/6OUTという仕様。そのほかにも16IN/8OUTのSaffire PRO 24とSffire PRO  24 DSP、20IN/20OUTのSaffire PRO 40、そして28IN/28OUTのLiquid Saffire 56と多彩なラインナップが揃っています。


使い勝手のいいミキサーアプリ、Saffire Mix Control

新モデルとして18IN/8OUTのSaffire PRO 26がFocusriteから発表され、国内でもハイ・リゾリューションから発売される予定。


新製品18IN/8OUTのSaffire PRO 26

この新製品Saffire PRO 26を含め、シリーズすべてにおいて、同じ方法でThunderboltで使えるようです。

ラックマウントタイプの上位機種、Saffire Pro 40もThunderboltでの接続が可能

ここで試してみたのが、同じことがWindowsでもできるのか、という実験。まだWindows PCでのThunderbolt普及率は高くはないものの、INTEL、GIGABYTE、MSI、ASUS……と各マザーボード・メーカーの製品に搭載されるようになっており、私が愛用しているINTELのベアボーン、NUCにも搭載されています。正直なところ、これまで、このThunderbolt端子、使ったことがなかったのですが、ここにApple純正のThunderbolt-FireWireアダプタを接続して、果たして認識されるのでしょうか?

愛用の小さな小さなPC(Saffire PRO 14の上にある赤い筐体)、IntelのNUCに接続

結論から言えば、こちらもMacと同様に認識され、安定して使うことができました。この使い方はなかなか画期的でとても便利です。Thunderboltって便利なものなんですね。


Windowsでもオーディオデバイスとして普通に認識された

理論的には、このThunderbolt-FireWireアダプタを使うことで、各種FireWireデバイスを使うことができるようになるはずなのですが、必ずしもうまくはいかないようです。実際、RolandのFA-101を接続してみたところ、Windowsでは動いたのにMacでは認識されないなど、不安定な面はありそう。
※読者の方からMac Book Pro RETINAでFA-101が正常に動作したという連絡がありました。

そうした中、メーカーがThunderbolt対応を正式にサポートしてくれるのは心強いところですね。


WindowsのCubase 7でもバッチリ動作を確認 

ところで、Focusriteというブランド、以前からレコーディングの世界に携わっているプロの方なら知らない人はいないと思われるイギリスの機器メーカー。ミキシングコンソールやマイクプリアンプなどをプロ御用達の機材を数多く手掛けてきた高級メーカーであり、Wikipediaでミキシングコンソールを調べてみると、一番最初に「Focusrite Console 72in 48out with GML Fader Automation」として登場してくるほど。もちろん、いまでも現役で活躍しているFocusriteのコンソールは世界中にいっぱいあります。


Focusrite Console 72in 48out with GML Fader Automation (Wikipedia「ミキシング・コンソール」より)

個人的には、Focusrite製品を手軽に買えるようになるなんて夢のようです。今回取り上げたSaffire PROシリーズ、またUSB接続のScarlettシリーズなど、個人ユーザーでも気軽に購入できる価格になっているのは、本当にうれしい限りです。

Thunderboltを有効利用するために、まずは、ここからスタートしてみるというのもいいのではないでしょうか?

【製品情報】
Saffire PRO 14
Saffire PRO 24
Sffire PRO  24 DSP
Saffire PRO 26
Saffire PRO 40
Liquid Saffire 56
【価格チェック】
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