8月4日にスタートしたボカロネットのサービスをさっそく試してみた!

カンタンモードにおいて、漢字交じりで歌詞を入力するだけ
操作自体は本当にカンタン。基本的に歌詞入力のところに、4段に分けて歌詞を入力するだけ。画面を見てもわかる通り、漢字交じりの文字で入力してもOKなのです。VOCALOIDを使ったことがある方なら、よくわかる通り、本来VOCALOIDでは「私は蝶々が好き」を「わたしわちょおちょがすき」のように入力する必要があるのですが、ボカロデューサーの場合、普通に漢字で入力すればいいのは、便利で、わかりやすいですよね。
シンガー、曲調は自分で指定することも可能ですが、ここはとりあえず「おまかせ」にして、「作曲開始」ボタンを押すだけ。これで先ほどのような曲ができてしまうんです。
一方、ノーマルモードを利用すると、もう少し自分の意思を反映させた作曲が可能になります。シンガーはもちろん、メロディテイスト、伴奏ジャンルや伴奏音源といったものを指定することができるので、ある程度の狙った感じの曲になるんですよね。
しかもボカロデューサーで作った楽曲は、自分で聴いて楽しむだけではく、友達と共有することも可能です。自動作曲されると同時に自動的に自分のボカロストレージ(保存領域)に保存されるので、その試聴ページをTwitter、Facebookに投稿すればいいのです。
このうちの「楽曲一覧を開く」のボタンを押してみると、ボカロデューサーで作曲した曲の一覧が表示され、ここで試聴することができます。それが目的のファイルであれば、「ダウンロードして開く」のボタンをクリックすると、VOCALOID Editorの画面には作曲されたVSQXファイルが読み込まれると同時にステレオのWAVトラックには伴奏が読み込まれるので、ここで再生することができるのです。
さらに、有料サービスのプレミアム会員にアップグレードすると、もっと踏み込んだ使い方ができます。まずは、その無料会員とプレミアム会員の違いを簡単に表にまとめてみたので、ご覧ください。
無料会員 | プレミアム会員 | |
ボカロストレージ容量 | 500MB | 5GB |
ボカロデューサー使用可能回数 | 3回/1日、20回/1ヶ月 | 30回/1日、300回/1ヶ月 |
使用できるシンガー | 2種類 ※ 歌声ライブラリは2種類 |
20種類 ※ 歌声ライブラリは5種類 |
使用できる伴奏スタイル | 15種類 | 140種類 |
使用できる伴奏音源 | ライト音源 | ライト音源 + プロ音源 |
ボカロデューサーで作曲できる1曲あたりの最大小節数 | 8小節(1パート) | 32小節(4パート) |
楽曲ファイルダウンロード ※ ボカロネットのウェブサイトから |
✕ | VOCALOIDシーケンスファイル(.vsqx) ステレオオーディオトラックファイル(.flac) モノラルオーディオトラックファイル(.flac) ミックスオーディオファイル(.mp3) 伴奏MIDIファイル(.mid) |
VOCALOID3 Editor、VOCALOID Editor for Cubase、iVOCALOIDとの連携 | ○ | ○ |
利用料金 | 無料 | 月額500円(税別) |
※この表の内容は2014年8月4日現在のものです
いろいろと違いがあるのですが、まず1つ目の大きな違いとして挙げられるのが、ボカロデューサーを使える回数です。そう無料会員だと1日3回、1か月で20回までという制限があるのに対し、プレミアム会員だと1日30回、1か月に300回までと大幅に増えます。
伴奏ジャンル、伴奏音源もさまざまなものから選択できるので、いろいろ作曲させてみたくなる
またボカロストレージ容量も500MBと5GBですから結構違いますよね。作った楽曲が、ここにどんどんたまっていくので(削除することも可能ですが)、データを保存しておくためには、ある程度の容量がほしいところ。また先ほどはダウンロードすることだけを試しましたが、反対に自分の完全オリジナル作品や、ボカロデューサーで作った曲を少しエディットした結果をアップロードすることができます。そのための容量も考えると500MBだと少なそうですよね。
いかがですか?無料会員の場合、8小節までですが、プレミアム会員なら32小節まで可能。ここでは夏目漱石の「坊ちゃん」の冒頭を16小節分入力して作曲させてみました。先ほどの枕草子の場合、直接ブラウザで再生させましたが、今度はVOCALOID3 Editorにダウンロードした上で再生させているので、必要に応じてボーカルと伴奏のバランスを調整したり、ボーカルにリバーブやコンプを掛けるといったことも可能です。
このように漢字交じりの歌詞を入れて、普通に読んでくれるわけですが、どんな読みでも完璧というわけではないようです。ヤマハによると、読みについては、日々学習させていくので、賢くなっていっているそうですが、数字の読みは苦手なのだとか……。実際、「一週間」を「いちしゅうかん」と歌っていることに気付いた方もいると思います。でも、VOCALOID3 Editor上でのデータとなっているので、自由に修正することも可能です。
ここでは、この歌詞の修正だけでなく、さらにもう一歩進んでMIDIファイルを含めて、Cubaseに読み込み、VOCALOID Editor for Cubaseで再生させたのが以下のものです。
こちらはシンガーをオリジナルのZOLA PROJECT YUUから、蒼姫ラピスに変更するとともに、伴奏はMIDIファイルを利用してHALion Sonic SEを鳴らしているのですが、だいぶ違う雰囲気になりますよね。
そして、もう一つボカロネットの強力な機能として挙げられるのがiVOCALOIDとの連携です。そう、PC版のVOCALOIDだけでなく、iPad、iPhoneのiVOCALOIDでも同様の連携が可能なので、通勤・通学中、iPadを使ってアレンジをして、ボカロストレージにアップロードし、自宅に戻ってから、PC上Cubaseとボカキューでじっくり仕上げに取り組む……なんてことまでできるわけです。
【関連リンク】
ボカロネット