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USBオーディオインターフェイスの最高峰、定価43万円のPrism Sound Lyra 2を使ってみた

イギリスのプロオーディオ機器メーカー、Prism Soundってご存知ですか?ADA-8XRなどのハイエンドAD/DAコンバーターやTitanAtlasといった超高級オーディオインターフェイスを出しているメーカーであり、業務用のスタジオやプロミュージシャンの間でもよく話題になっているメーカーです。

 

そのPrism Soundの中でエントリーモデルと位置づけられるLyra 1およびLyra 2という製品があります。従来定価40万円、50万円という価格だったのが、最近の価格改定で大幅に値下げされ、定価305,000円、432,000円(税抜き)となったのだとか(実売価格については、楽器店さんにお問い合わせください)。それでも一般ユーザーにとっては十分過ぎるほど高価な製品ではありますが、先日Lyra 2を借りる機会があったので、これがどんな製品なのか、数多くある手頃価格のオーディオインターフェイスとどう違うのかを試してみました。


定価43万円の超高級USBオーディオインターフェイス、Prism Sound Lyra 2を使ってみた


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みなさんご存知の通り、昨今、オーディオインターフェイスは低下価格化が進んでおり、2IN/2OUTといったものなら1~2万円程度、8IN/8OUTといったマルチ入出力を持ったものでも数万円で購入でき、DAWもついてくる時代です。スペック上は24bit/192kHzに対応するなど、これでもか、というものになっていて、「これでメーカーは儲かるんだろうか……」と心配になってしまうほどの過当競争になっています。

 

でも実際にレコーディングしてみて、実際にハイレゾサウンドを再生してみて、「もう少しいい音のものはないの?」なんて感じている人は少なくないと思います。確かにデジタル的には24bit/192kHzなどのハイスペックであったとしても、音の入出力にはかならずアナログ回路も含まれるため、ここが音の良し悪しを決定付ける要因であり、ここにどれだけのコストを掛けているかで音が変わってくるのも事実です。

 

さらにクロック精度にどこまでこだわるかというのも音に大きな違いが出てくるところ。クロックの精度が悪いとジッター(信号波形の時間的な揺らぎ)が発生し、音ばボケていきますが、ここがしっかりしていればクッキリとしたサウンドになっていきます。そのため、クロック精度も重要なポイントなのです。


高級レコーディング/マスタリング機器から測定器まで扱う英Prism Sound

 

そうした中、ヨーロッパメーカーが安さではなく、音質や性能にこだわった製品を出しています。よくみなさんご存知のところではドイツのRMEがありますが、イギリスのPrism Soundもオーディオインターフェイスの低価格競争とは一線を画し、独自の世界を突き進むメーカーの一つ。


インジケータのデザインもカッコイイ、Lyra 2

 

国内でPrism Sound製品を扱うミックスウェーブの担当者は「Prism Soundはオーディオインターフェイスのみならず、測定器も開発しているなど高い技術力を持つメーカーで、世界中のマスタリング・スタジオ/レコーディング・スタジオから高い信頼を得ているメーカーでもあります。そのPrism Soundが出すLyraは同社のプロ用機材と同じ音質性能を持つオーディオインターフェイスなのです。プロ用機材と比較して入出力数こそ違いがありますが、その高品位なサウンドは同じように味わうことができます」と語ります。

 

またその担当者は「国内においてはレコーディング / マスタリング用途で、プロ、セミプロ問わず、ホームスタジオなどでも導入されているほか、最近ではハイレゾオーディオのリスニング用に使われるケースも増えています」と説明してくれましたが、そう言われると、どんな音がするのか、とっても気になりますよね。

 

そこで、このLyra 2という機材を借りることができたので、筆者の自宅のDTM環境で鳴らしてみました。もちろんMacでもWindowsでも使うことができるのですが、ここではWindowsに最新の64bitドライバを入れるとともに、1.08という最新のファームウェアにアップデートした上で、Cubase 8を起動。


Cubaseからは4IN/8OUTのオーディオインターフェイスとして見える 

 

まずは手元にある24bit/192kHzの音源を読み込んで、再生してみました。接続したのがYAMAHAのMSP5 STUDIOなので、43万円もするLyra 2にとってはだいぶ格下のモニタースピーカーだったかもしれませんが、確かに、「これはいい!」と感じられる製品ですね。何と比較したかは、ここでは伏せておきますが、同じファイルを再生してもだいぶ違ったクリアでクッキリした音で聴こえてきます。

 

曖昧な表現で恐縮ですが、クッキリした音といっても、シャキシャキした“元気な音”ではなく、“落ち着いたヨーロッパな音”といった感じでしょうか……。リスニング用途のユーザーが増えているという理由が分かるような気がしました。

 

今回試したのはLyra 2でしたが、回路自体はLyra 1とまったく同じ。その違いは入出力数です。Lyra 1はアナログ2IN/2OUT+オプティカルS/PIDF入出力という構成で、マイクプリアンプは1つとなっています。一方のLyra 2はアナログ2IN/4OUTで2系統のマイクプリを装備。デジタル入出力はオプティカルS/PDIFに加えてコアキシャルのS/PDIFさらにAES3、そしてADAT入出力も搭載しているんですね。


Lyra 2のリアパネル 

 

なお、Lyra 2のリアパネルを見ると、Ethernetポートが用意されていますが、現時点ではオプションの扱いで機能しません。将来的にAVB対応するとのことなので、そのうちファームウェアがアップデートすることで使えるようになりそうですね。

コアキシャルのS/PDIFやWordクロック、ADAT入出力なども装備されている

 

さて、Lyraの入出力はコントロールソフトのLyra Control Pannelから制御できるようになっています。これを起動するとミキサーコンソール風な画面が登場してくるので、ファンタム電源のON/OFFや位相の反転、ハイパスフィルターのON/OFFといったことが可能です。


Lyra Control Pannel 

 

またデフォルトではADATがオフの状態になっており、この際、DAW側から見ると4IN/8OUTのオーディオインターフェイスとして見えます。というのは前述のアナログ2IN/4OUT+S/PDIFに加えてヘッドホン出力も独立しているからですね。


ADATをONにすると44.1kHz/48kHzでは12IN/16OUTのオーディオインターフェイスになる

 

ここでADATをADAT 8(この場合、44.1kHzまたは48kHzのサンプリングレートになります)にすると8IN/8OUT追加されて12IN/16OUTのオーディオインターフェイスに、ADAT 4に設定すると4IN/4OUT追加されて8IN/12OUTのオーディオインターフェイスへと変身します。

 

また音の決め手となるクロックは内部クロックを使うのが基本ではありますが、Sync Sourceのセッティングをすることで、S/PIDFやAES3などデジタル入力から供給を受けること、Word Clock入力から供給を受けることもできるようになっています。


デジタル端子用のサンプリングレートコンバータ機能も搭載 

 

また面白いのはデジタル入力に対するサンプリングレートコンバータを装備している点です。SRCの項目に「DI」=Digital Input、「DO」=Digital Outputという項目がありますが、これを設定することによって、たとえば44.1kHzのデジタル入力が来ている状態でリアルタイムリサンプリングで96kHzや192kHzに変換してレコーディングしたり、反対に96kHzの音を再生する際、出力を88.2kHzでといったことを高品位に行うといったことも可能です。


入力はライン、マイク、PAD、インストゥルメントから選択できる

では、アナログ入力のほうはどうなのでしょうか?まずライン入力、マイク入力、PAD入力、インストゥルメント入力と切り替えが可能になってり、ライン入力の場合、必要に応じて+4dBuか-10dBVかといった設定も確実にできるようになっています。

 

実際にマイクプリを使ってレコーディングしてみたところ、S/Nの非常に高いクリアな音で録ることができます。ビンテージ系のマイクプリを通す音とは違い、クセのまったくないすごくHi-Fiなサウンドですね。

 

先ほどの担当者は「マイクプリのTHD+N(歪み率)はわずか0.00040%(+10dB gain: -108dB at -0.1dBFS)となっており、FireWireオーディオインターフェイスとして世界的に多くのスタジオに導入されたOrpheusと同じマイクプリが採用されています」とのこと。この辺のこだわりはスゴそうですね。


「M+S」のスイッチをONにするとM-Sマイクのデコーダーが機能する 

 

なお、先ほどのControl Panelで「M+S」というスイッチをONにすると、M-SマイクのデコーダーがONになるため、NeumannのSM69やオーディオテクニカのBP4029といったM-Sマイクを直接接続して使うこともできるようですよ。


フロントのInst端子を使うことでフォノイコライザ内蔵のオーディオインターフェイスとしても利用できる

さらにInstrumentsを設定した場合は、ギターをレコーディングするというほかに、アナログレコードプレイヤーを直接接続して使うという機能も持っているようです。いわゆるフォノイコライザ装備という形になっているんですね。マニュアルを見ると、アナログレコードプレイヤーと接続する際にはプレイヤー側でアースを取る必要がある、といった旨の記述はありましたが、オーディオファンにとっては、Lyraが再生デバイスとして使えるだけでなく、アナログメディアのデジタル化のための機材としても使えそうですよね。

 

以上、Prism SoundのLyraについて見てきましたが、いかがだったでしょうか?サイズ的には1Uの2/3ラックサイズであり、DTM環境においてもまったく違和感のない機材ではありますが、音質にトコトンこだわったという製品。「DTMで最高峰の音を求めたい」という人にとっては一つの選択肢として考えてみてもいいのではないでしょうか?

【製品情報】
Prism Sound Lyra製品情報(ミックスウェーブ)

【価格チェック】
サウンドハウス ⇒ Prism Sound Lyra 1
サウンドハウス ⇒ Prism Sound Lyra 2

 

Commentsこの記事についたコメント

4件のコメント
  • rock ok

    デジタル入力に対するサンプリングレートコンバータを装備という部分は、マスタリングスタジオでも見られるPrism Soundらしく面白いと思いました

    2015年6月12日 11:33 AM
  • jr9_oda

    PCオーディオインターフェイス奥が深いですね!
    先日DAW仲間が集う飲み会に混じってきて、エントリークラスのモデルでは、
    シビアな使い方では厳しいような話を聞きました。
    (当方UR28Mを使用、ほぼ不満なく使っていますが)
    この世界にはまってしまった人向けに、
    「1クラス上のPCオーディオインターフェイス特集」など
    やってほしいなと思いました。
    クリエイターのスタイル、環境、予算など要素が多岐にわたり
    記事にするのは簡単ではないと思いますが、お値段が嵩むだけに
    その時「失敗したくない」と思ったのでちょっと書いてみました。

    2015年6月15日 11:46 PM
  • 藤本健

    jr9_odaさん
    JR9ってことは、北陸地方にお住まいなんですよね。
    私自身は、1エリアから出たことがないのですが(^^)
    さて、1ランク上のオーディオインターフェイス特集、確かにやってみたいところですが、どう比較するかは、非常に難しいですよね。AV Watch記事のほうで、周波数特性やレイテンシーのチェックなどは行っているので、これを串刺しして比較するというのも手ですが……。
    ただ、確かに入出力チャンネルと接続端子、DSPの有無、そして実売価格といったことだけでも、並べるだけで、結構いろいろなものが見えてきそうではありますね。
    もっとも音質は、使う人の感性によるところが大きいので、ななかか難しいところではありますが…

    2015年6月16日 12:21 AM
  • ねむねむ☆

    あ!やるんでしたら、Antelope ZEN STUDIOをぜひラインナップに!
    マスタークロックの「4th Generation Acoustically Focused Clocking 」がどれだけ他のオーディオインターフェイスとの音の違いを生み出すのか知りたいです。
    マスタークロックの特集でもいいですよ!
    検討よろしくお願いします。

    2015年6月16日 3:38 PM

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