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往年の名機、Roland SYSTEM-100がPLUG-OUTソフトシンセとして復活

きっと次に来るのはSYSTEM-100だよね」と予想していた人も少なくないと思いますが、8月27日、Rolandより、新たなソフトシンセ、「SYSTEM-100 PLUG-OUTソフトウェア・シンセサイザー」がRolandのオンラインショップであるRoland Content Storeにて25,920円でのダウンロード販売が開始されました。

 

SYSTEM-100は、もともとRolandが1975年に発売したセミ・モジュール式モノフォニックのアナログ・シンセサイザー。その40年前のアナログ回路をRolandが持つACB(Analog Circuit Behavior)という技術によってソフトウェア的に忠実にシミュレーションして復活させたのが、今回の「SYSTEM-100 PLUG-OUTソフトウェア・シンセサイザー」なのです。さっそくインストールして使ってみたので、これがどんなものなのか簡単に紹介してみたいと思います。


AIRAシリーズのPLUG-OUTシンセサイザとして、SYSTEM-100が誕生


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DTMステーションでは、これまでも何度かPLUG-OUTという一連のソフトシンセについて紹介してきました。具体的にはSH-101SH-2、そしてProMarsのそれぞれで、今回のSYSTEM-100が第4弾となるものです。


1975年に発売されたSYSTEM-100を忠実に復刻した

 

PLUG-INじゃなくて、PLUG-OUTって何だ!?」という方のために簡単に説明しておくと、PLUG-OUTはRolandが作った用語で、「PLUG-INを外に持って行ける」といったような意味合いのものです。要するに、まずは、これ、普通にPLUG-INであり、WindowsであればVSTインストゥルメントの環境で動作し、MacであればAudio Unitsの環境で動作します。だからCubaseでもSONARでもStudio OneでもAbilityLogicでも、自分の持っているDAW環境で使うことができます。

DAW上で使っているPLUG-INシンセサイザをSYSTEM-1へ転送して持ち歩けるのがPLUG-OUT

 

でも、それだけで終わらないのがPLUG-OUTです。RolandのAIRAシリーズとして存在するPLUG-OUTシンセサイザー、SYSTEM-1もしくはSYSTEM-1mを持っているユーザーの場合、このDAW上で動いているPLUG-INのシンセサイザーをハードウェア側へ「PLUG-OUT」=移行できるのです。


 写真の真ん中にあるモジュールがSYSTEM-1m

 

つまり、今回のSYSTEM-100の場合、SYSTEM-1もしくはSYSTEM-1mをSYSTEM-100に変身させることができ、そのままどこへでも持って行って演奏することができるのです。PCがないと動作しないDTM環境から解き放ち、普通の楽器として使えるようにできる面白い発想のシステムというわけなのです。この辺の詳細については、以前「PLUG-OUT対応の新コンセプトシンセ、AIRA SYSTEM-1を触ってみた」、「SH-101を再現するAIRA SYSTEM-1のPLUG-OUTを使ってみた!」といった記事でも解説しているので、そちらも合わせて読んでいただければと思います。


1975年発売の名機、SYSTEM-100は基本システムのModel101とオプションの拡張システムModel 102から構成されていた

 

さて、ではSYSTEM-100とはどんな音源なのでしょうか?冒頭でも述べた通り、これは1975年に発売されたアナログシンセであり、基本システムであるModel 101とそれを拡張するModel 102という2種類がありました。今回登場した製品はそのModel 101とModel 102の両方を組み合わせた構成になっています。


RolandサイトからはModel 101、Model 102のオリジナルマニュアルをPDFでダウンロード可能 

 

画面を見ると、だいたいの雰囲気が分かると思いますが、VCO-1とVCO-2という2つのオシレーターを装備し、LFOも2つあります。またサンプル&ホールド、リングモジュレーター、ピンクノイズ/ホワイトノイズの切り替えも可能なノイズジェネレーターも搭載しています。

 

これらをAUDIO MIXERでミックスした上で、VCF、VCA、エフェクトと通って音が出る構成になっています。またエンベロープジェネレーターは2つ独立して存在し、1つがVCFへ、もう1つがVCAへ接続されて制御されています。


SIGNAL FLOWボタンをオンにすると、信号の流れが矢印で表示される

こうやって文章で書くと分かりにくかもしれませんがSYSTEM-100のSIGNAL FLOWというボタンをオンにすると、信号の流れが画像で表示されるため、そのままのパネルを見ているようりも、だいぶ分かりやすくなります。

 

しかし、SYSTEM-100が、これまでのPLUG-OUTシンセサイザーと異なる最大のポイントは、これがパッチングができるモジュラーシンセサイザーである、という点です。そう、プリセットを見てみると、SYSTEM-100のパネル上に、グチャグチャとケーブルが飛び交っていますよね。これによって、非常に自由度の高い音色づくりが可能になっているのです。


パッチケーブルが飛び交う。それぞれのケーブルはマウスで自由に接続したり、切り離すことが可能

 

たとえば、初期設定では使われていないLFO-2の出力をVCO-1のEXT CV INと接続するとVCO-1に対してビブラートをかけることができます。またこのLFOは普通はVCOやVCF、VCAに掛けるために存在するものですが、LFOの出力をそのままミキサーに突っ込んでしまうと、LFOによる低周波をそのまま聴くこともできます。周波数を下げればブチブチいうだけですが、これを上げていくとブーンという音になってきます。

また普通ならVCFにかけるエンベロープジェネレータのADSRの波形の代わりに、サンプル&ホールドの出力をパッチングで接続すると、これはまたワケの分からない音が出てきます。想定外なつなぎ方をしても、面白い音が出てくるし、これによって音作りの幅が大きく広がるのも楽しいところです。

 

このパッチングはコネクタからコネクタへとマウスをドラッグすれば簡単に接続できるし、接続されているケーブルを別のところへドラッグすれば切断することも簡単です。OUT同士やIN同士を接続するといった、誤った接続はできないようになっているし、変なところへ繋いでも壊れる心配がないというのも、安心して使える嬉しい点です。


画面左下のマトリックスを使ってパッチングを行うことも可能 

 

なお、パネル上のコネクタをケーブルで接続していくという方法のほかにも、画面左下のマトリックスを使った接続というのも可能になっています。これはどの出力をどの入力へ接続するのか、全体を俯瞰しながら、論理的に接続していくという手段です。このマトリックス上にマウスカーソルを持って行くと、縦軸、横軸に項目が表示されるので、それを元に接続するわけです。


Cubase上において標準の大きさでの表示

 

パッチングケーブルを使って操作しても、マトリックスを使って操作しても、できることはまったく同じだし、片方で操作すればもう片方でも反映されるのですが、人によってどちらが使いやすいかは違ってくるかもしれません。ただ、マトリックスでの項目表示の文字が小さいので、なかなか読みにくいのも事実。ここについては設定で、SYSTEM-100の表示自体を100%~200%の範囲でズームさせることができるので、この機能を使うことで見やすくなると思いますよ。


150%表示にするとかなり大きくなる 

 

なお、PLUG-OUTした場合、SYSMTEM-1mであれば、パッチングが可能になっていますが、SYSTEM-1にはパッチング機能がないため、パッチングによる音作りは不可能です。そのため、パッチングをしたい場合は、まずDAW内のPLUG-INで操作をし、その音色を保存した上でPLUG-OUTすればいいわけですね。


SYSTEM-1mならPLUG-OUT後もパッチングが可能 

 

またPLUG-OUTした場合、SYSTEM-1とSYSTEM-100/SYSTEM-100mではノブやボタンの配置が異なるため、どこにどのパラメータが割り振られているか、最初ちょっと分かりにくいかもしれません。そんな場合、PLUG-IN側の表示をSYSTEM-1風にすることもできるので、これなら戸惑うこともなさそうですね。


SYSTEM-1風な画面レイアウト表示 

 

この画面を見て気づくのは、サンプル&ホールドやLFO-2はSYTEM-1側のパラメータとしては割り振られないということ。もちろん、そうであってもPLUG-OUTされた音源の中に機能としては入っているので心配はいりません。先ほどのパッチング同様、操作はソフトウェア側で行ったうえでPLUG-OUTすればいいわけです。

 

実際に音を出してみると分かりますが、まさにアナログシンセというサウンドで、低音がかなり野太い音が出るのを実感できます。また数多くのプリセットが入っており、それぞれ聴いてみるとサンプル&ホールドやアルペジエーターを効かせた、破壊的なサウンドもたくさんあって面白いですね。


SYSTEM-100には数多くのプリセットが用意されている

 

これらの音色プリセット、以前もAIRAの話題でインタビューした、ミュージシャンの齋藤久師(@hisashi_saito)さんが数多く作っているそうですが、「故障しない新品状態のsystem100が手に入った感覚ですね!マトリックスは非常に便利ですが、僕はパッチコードですべての音色を作りました。パッチコードの色を変えられるのも楽しいですよ」とコメントしています。

 

その話で「ケーブルの色ってどうやって変えるの?」と思って試してみたら、ケーブル上をダブルクリックすることで14種類の色に変えられるようになっていました。

 

以上、新しいPLUG OUTシンセサイザー、SYSTEM-100について見てきましたが、いかがだったでしょうか?パッチングができるシンセサイザって、音作りの幅が大きく広がるのですごく面白いし、ちょっと頭の体操的にはなりますが、シンセサイザの基礎を改めて学べるので楽しいですね。このSYSTEM-100、無料で入手できる体験版(起動後、10分が経過すると、周期的に出力音が歪んだり、小さくなる制限があるほか、初回起動後、14日経過すると起動直後から周期的に出力音が歪んだり、小さくなる)もあるので、SYSTEM-1やSYSTEM-1mを持っていないも試してみてはいかがでしょうか?

【製品情報】
SYSTEM-100 PLUG-OUT Software Synthesizer

【製品マニュアル】
SYSTEM-100 基本ユニット101オーナーズ・マニュアル
SYSTEM-100 エクスパンダー102オーナーズ・マニュアル

 

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