とはいえ、数か月前からマシンの調子がやや怪しくなってきたのと、さすがにこのままでは時代遅れになるのでは……なんて思うようになり、久しぶりに新しいマシンを組んでみたのです。みなさんの参考になる点もあるのではないかと思うので、どんなマシンなのかについて紹介してみたいと思います。
前回、マシンを組んだ2年半前にも「DTM用にHaswell Core i7/Windows 8.1マシンを組んでみた」という記事で紹介しているので、旧マシンについてはそちらを参照していただきたいのですが、私が市販のPCを買わず、自作している理由は単純。変なソフトやドライバがプリインストールされていてDAWの動作が不安定になると嫌なので、できるだけスッキリ、シンプルにさせたいということ。
今回購入したベアボーン、ShuttleのXH170Vとその付属品
左の黒いのが今回購入したXH170V、その赤いのがインテルのNUC、右の大きいのが旧マシンのSZ87R
といったところ。このPC、光学ドライブは装備可能なのですが、その場合HDDは2.5インチとの組み合わせになることが前提。3.5インチHDDにすると光学ドライブが使えないんですよね。まあ、最近はCD、DVD、Blu-rayなどを使うケースも頻繁ではないので、外付けドライブとすることにしました。
マシンが確定したら、次は部品集めです。前回はベアボーン本体はAmazonが一番安かったので、ネット購入していましたが、それ以外は主に秋葉原のPCショップ。今回もまずはパーツごとに調べていきました。その結果、やはりShuttleのベアボーン、XH170V本体は26,503円とAmazonが最安値でした。次にCPUは最高速のCore i7 6700K(4GHz)にするか、1つグレードを落とした6700(3.4GHz)にするかで悩みました。
相場を見ると6700Kが4万円程度で、6700が3万6000円程度。1割の価格差だから6700Kにすべきかな……とは思ったのですが、今CPUのパワー不足は感じないし、今回の小さなボディーで、ファンもそれほど威力はなさそうなだから熱問題も考慮して、6700にしておきました。で、パーツチェックで、いつも愛用しているサハロフの秋葉原レポートや価格.comで調べてみると、やはり35,870円とAmazonが最安値でした。
※追記
実は、XH170Vは6700Kはサポートされていないことが分かりました。たまたま6700を選んだの正解だったようです。
本体、CPU、メモリはAmazonで購入、HDDおよびSSDはアキバのショップで購入
それにしても、完成品のPCはともかくとして、いわゆるバルク品と流通していたようなPCパーツまでAmazonのほうが安いことには愕然としました。これじゃあ、いずれアキバのショップも経営的に危ないんじゃないか……と。「心配するくらいならAmazonなんかで買わず、アキバで買えよ!」という声は聞こえてきそうではありますが、やっぱり便利だし、安いとねぇ……。
Amazonのほうは夜中に注文したところ、翌朝9時前に宅急便で届いて驚きました。その後、別の用事もあってアキバに出かけて上記のSSDを購入し、帰宅してからマシンを組み立てていきました。
日本語の組み立てマニュアルもあるので、これを見ながら組み立てたところ30分ほどで完成しました。実は、最初の最初、ICEモジュールというCPUの冷却モジュールを取り外すことができず、10分ほど戸惑ったのは事実です。
CPU冷却のためのICEモジュールをマザーボードから取り外せずに焦ったけれど……
念のために英語マニュアルを読んだら、ネジの回し方が左右逆に翻訳されていたことを発見し、事なきを得ました。その後はトラブルもなく、初心者がやっても1時間もかからずにできるだろうと思いましたよ。
さっそく動作を確認しようと、PCにマウス、キーボード、ACアダプタを接続し、続いてディスプレイを接続しようと思ったら、また浦島太郎に……。このXH170Vは、3つものディスプレイに接続できて、4Kにも対応しているというのが売りだったのですが、DVI端子が見当たらないのです。
リアパネルを見ると、DVI端子がないことに気付いてビックリ…
よく見てみると見たことの名DP端子なるものが2つとHDMI端子。とりあえず、その場ではHDMIに接続して使いましたが、4K接続にはDP=DisplayPortというものを使うそうなんですね。
調べてみるとDisplayPort-DVI変換アダプタというのが、やはりAmazonで850円であったので、これを注文。ついでに光学ドライブとしてBUFFALOのUSB2接続Blu-rayドライブBRXL-PC6VU2/Nというのが5,981円であったので、これもセットで注文しました。いずれも、やはりネットで調べる限り、Amazonが最安値だったんですよね。
メーカー | 品名 | 購入店 | 価格 | |
ベアボーン本体 | Shuttle | XH170V | Amazon | 26,503 |
CPU | インテル | I7 6700 BOX | Amazon | 35,870 |
メモリ | Trancend | DDR3L 1600 8GB×2 | Amazon | 7,423 |
HDD | 東芝 | MD04ACA50D 5TB | ツクモ | 16,178 |
SSD | Trancend | TS128MTS800 | 東映無線 | 6,480 |
光学ドライブ | BUFFALO | BRXL-PC6VU2/N | Amazon | 5,480 |
アダプタ | Cyberplugs | DP-DVI変換アダプタ | Amazon | 850 |
合計 | 98,784 |
以上、すべてをまとめるとトータル10万円弱ということになります。本来はこれにWindows 10のOSが必要になってきますが、私の手元には以前に購入したWindows 7やWindows 8があるので、これをいったんインストールして、Windows 10にアップグレード。今年の7月29日までなら無料で手に入るので、これを入手しない手はないですからね。
ちなみに、現行のWindows 10であれば、DAWなどを動かす環境して、問題なく安定して動いてくれますよ!もっとも古いバージョンのDAWや一部古いオーディオインターフェイスなどの場合、動かないものもありますが、その点は自分の機材が使えるかをチェックしておいたほうがいいですね。
フロントパネルのカバーを開けると、USB 3.0×2、USB 2.0×2、マイク、ヘッドホンジャックなどが用意されている
新マシンのベンチマーク結果は従来のものとほとんど変わらなかった
もしかして、違うベンチマークなら……とCrystalMarkというソフトも使ってみましたが、これもやっぱり大差ない状況。ん~、なんかもうPCの処理能力は行きつくところまで来ちゃったんですかね…。
なお、このマシンの消費電力も計ってみました。旧マシンであるHaswellでも十分低消費電力となっていたのですが、それから2世代進んでどう変わったのか。Windows 10を起動し、ブラウザでWebページを見ている程度なら20W前後と、従来より30%程度省電力化できています。さらにオーディオインターフェイスを接続し、DAWを動かして、ある程度のプラグインを使いながら再生すると35W程度。こちらもやはり省電力化されています。とはいえ、そもそも消費電力が少なくなっていたので、電気代で見るとわずかかもしれませんが……。
ブラウザを見ている程度なら20W前後、DAWを動かしても35W程度と超低消費電力マシンになっている
焦って新調することもなかったのかもしれませんが、近いうちに4Kディスプレイを購入するなど、このマシンの威力を徐々に味わっていければ…と思っているところです。