このうちCubase AI 9はオーディオインターフェイスのUR22mkIIやUR12などのURシリーズ、VOCALOID 4 Editor for Cubase、AG03やAG06などのミキサー、またYAMAHAのMOTIFシリーズなど、数多くの製品にバンドルされている無料のバージョンです。しかも、これまでダウンロードしていなければ、かなり古い製品であっても、いま登録することで、最新のCubase AI 9が入手できてしまうという嬉しい仕組みになっているんです。そこで、実際にCubase AI 9を無料で入手し、使ってみたので紹介してみたいと思います。
4年くらい眠ったままになっていたフィジカルコントローラー、CMC-AIを引っ張り出してみた
私もSteinbergやYAMAHAの製品は結構いっぱい買っているので、使わないで放置しているダウンロードコードが数多くあります。そこで、あえてちょっと古いものを引っ張り出してきました。
ダウンロードサイトにアクセスしてみるとCubase AI 7と出てきた…
普通これを見れば、「入手できるのはCubase AI 6である」と思いますよね。そして記載されているダウンロードのURLを入力するとCubase AI 7の表示が出るので、「1つバージョンが上がったものが手に入るのだろうか…」と思うところですが、その後ブラウザ上で指示通りに操作を進めていくと、Cubase AI 9のダウンロードページへと行きつくんです。
その後、画面の指示に従っていくと、Cubase AI 9が入手できた!
ただしオンラインショップで、5,400円支払うことで、Cubase AI 9の上位版であるCubase Elements 9を入手することは可能です。もちろんCubase Aritst 9やCubase Pro 9へも、それぞれ27,000円、48,600円でアップグレードすることは可能ですよ。
ちなみにCubase AI 9のインストーラー、容量的にはWindows版が5GB、Mac版が5.1GBですから、それなりに大きいです。またインストーラを起動してみればわかる通り、プログラム自体はCubase Elements 9もCubase AI 9もCubase LE 9も同じものなんです。自分が持っているのがどのライセンスであるのかによって、利用できる機能や同時使用可能なプラグインの数などの制限が変わってくるだけの仕組みなんですよね。
UI的にはCubase Pro 9と同様、下ゾーンが表示され、1画面ですべてが収まるようになっている
というわけでCubase AI 9を起動し、プロジェクトを読み込んでみました。UI的にはCubase Pro 9と同じように、下ゾーンにMixConsoleも収まる1画面設計。また右ゾーンに表示されるVSTインストゥルメントもCubase 8時代のように間抜けに大きい表示でなく、小さくシンプルになりつつも、パラメータ自体は減っていないというのも嬉しいところですね。
MIDIクリップをダブルクリックすれば、下ゾーンにスコアエディターが表示される
ただし、Cubase 9シリーズの最大のポイントともいえるサンプラートラックの機能はCubase AIやCubase LEにはありません。これが利用できるのはCubase Elements 9以上となっているため、サンプラー機能が欲しいという場合には、5,400円支払ってCubase Elements 9にアップグレードする必要があります。
また64bit専用になったのに伴い、これまで搭載されていたVST Bridgeも搭載されなくなりました。VST Bridgeとは32bit版のVSTプラグインを64bit版のCubaseで使うための橋渡しするための変換ツール。これがなくなってしまったので、古い32bit版のプラグインが使えなくなっています。とくにフリーウェアプラグインでは今も32bit版が広く普及しているため、これらが使えなくなります。どうしても使いたいという場合はjbridgeなど他社製の変換ツールが必要になります。
実はこれ、プラグインマネジャーを見ると、ブラックリスト入りしていて、使えなくなっているのです。でも、その大半は、ブラックリストにあるプラグインを選んで「再アクティベート」ボタンをクリックすることで、使用可能になるようです。Cubase 9の発表会においてもデモを行っていた青木繁男(@groundescape)さんによると
サウンドプロデューサー、マニピュレータの青木繁男によると、再アクティベートで大半のプラグインが使えるようになるとのこと
「Cubase Pro9起動時にPlug-inスキャンを行う際、ドングルなどのオーサライズ情報を確認するのですが、ドングルやハードディスクのアクセスが遅かったりすると『ライセンスがありません!』と勘違いしてブラックリストへ入れてしまうのが原因と考えられます」とのこと。再アクティベートさえすれば、普通に使えるようになるようです。もっとも、VST規格に準拠していない怪しいプラグインを弾くという機能もあるので、動作に支障を与えるようなフリーウェアなどは、ホントの意味でブラックリスト入りするケースもあるようです。
とはいえ、しっかりしたメーカーのVSTプラグインで64bit対応であれば、ほとんどが使えるはず。あれ?と思ったら、「再アクティベート」を試してみてくださいね。
【関連情報】
Cubase 9シリーズ製品情報
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