Cubase 9シリーズが発売された。今回の目玉機能はサンプラー機能の統合
オープン価格 想定売価(税別) |
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Cubase Pro 9 通常版 | 57,000円 |
Cubase Pro 9 アカデミック版 | 38,000円 |
Cubase Artist 9 通常版 | 32,000円 |
Cubase Aritst 9 アカデミック版 | 18,000円 |
Cubase Elements 9 通常版 | 12,000円 |
Cubase Elemnets 9 アカデミック版 | 7,000円 |
Cubase AI 9 | バンドル |
Cubase LE 9 | バンドル |
というようになっています。これまでは上位2製品が発表のタイミングで登場し、その後しばらくしてからElementsとAIおよびLEの登場となっていましたが、今回は全ラインナップが一斉に発売されることになりました。
※12月7日 23:15追記
記事掲載後、Steinbergから連絡が入り、Cubase LE 9についてのみリリースが2017年1月ごろの見込みで、12月7日の現時点ではアクティベートしてもCubase LE 8とのことです。ご留意ください。
数日前には関係者向けにCubase 9に関する事前説明会が実施された
かなり多くの人にとって気になるのは、バージョンアップする際の価格ではないでしょうか?これについてはCubase Pro 8.5からCubase Pro 9が10,000円(税別)、Cubase Pro 8からCubase Pro 9が20,000円、またCubase Artist 8.5からCubase Artist 8.5が8,000円、Cubase Arist 8からCubase Aritst 9が13,000円とのこと。「前回は5,000円だったのに!」と私は思ったのですが、Steinbergによると、今回はメジャーバージョンアップなので、10,000円だとのことでした。
Cubase 9シリーズのパッケージ。中にはライセンスとSteinberg Keyが入っているだけなので、インストーラはダウンロードする
今Cubase 8.5のパッケージを購入しアクティベーションしても自動的にCubase 9になる。よく見るとパッケージにバージョン表記はない
Cubase Pro 9でプロジェクトを開き、再生している画面
左ゾーンにあったインスペクター、右ゾーンにあったメディアベイに加え、下ゾーンが追加され、ここにMixConsoleが表示されるようになったのです。Studio OneやSONARなど、最近のDAWは1画面ですべてを表示させる方向になってきているので、Cubaseもそれを採用したというわけですね。
また、トランスポートパネルも画面一番下に表示されて1画面化しているんですよ。ディスプレイの大画面化が一般的になってきた今、確かにこういうUIが使いやすいようにも思います。もちろん、画面はカスタマイズできるので、下ゾーンを消し、従来通りのトランスポートパネルにすることで、Cubase 8.5のときとほぼ同じUIにすることも可能ですよ。なお、Cubase 8でやや気に入らなかったのが右ゾーンに表示されるインストゥルメントラックが妙に大きかったこと。そうした声は世界中から届いていたようで、今回はだいぶスッキリしています。とはいえ、情報欠けはなく、すべて表示されているみたいですね。
オーディオクリップをダブルクックすると、サンプルエディターが表示される
続いて紹介するのはCubase 9の最大の特徴ともいえるサンプラー機能についてです。今回Cubase 9では「サンプラートラック」というものが新たに追加されました。このサンプラートラックを作成すると、一見、普通のMIDIトラックのようなものが追加されるのですが、下ゾーンを見ると、ここには見慣れないサンプラーコントロールなるものが表示されています。
単なるMIDIトラックが追加されたようにも見えるが、下ゾーンに見慣れない画面が…
ここにMediaBayなどからオーディオをドラッグ&ドロップで持っていくと、もうこれだけでサンプラーとして機能しちゃうんです。もってくるのはMediaBayからだけでなく、オーディオトラックにレコーディングしたクリップなどでもOK。あとはMIDIキーボードを弾けば、その音で演奏できちゃうんですよ!
ここにオーディオ素材をドラッグすれば、もうそれだけでサンプラーとして機能してしまう!
FL STUDIOなどサンプラー機能をDAWに内包しているようなものはありましたが、さらに使いやすくなった印象です。特筆すべきは、これがVSTインストゥルメントではなく、Cubaseのトラックであるということ。そのため、動作が軽く、また操作がとにかく簡単で使いやすいんですよね。
ここでレコーディングすれば、MIDIトラックとしてサンプラーの演奏を記録していくことができる
もちろん、かなり高性能なサンプラーなので、ピッチや音量の調整はもちろんのこと、シンセサイザ的にフィルタをいじったり、サンプラーとして利用するポイントを指定したり、さらにはループポイントを指定し、そこにクロスフェードをかけて、スムーズにする……なんてことも自由自在です。
これまでのCubaseだって、サンプル素材をオーディオトラックに貼り付けて曲を構成するということは可能でしたが、たとえばリリースの長いドラムを張り付けていくと、2つ同時には鳴らせないために、同じトラックにあると、どうしても前の音の尻尾が切れてしまっていたわけですが、サンプラーだったら、その心配はありません。また、音程を自由に変えられるだけでなく、ベロシティーの設定で音量も変えられるので、いちいちフェードカーブを描く必要もなく、扱いは圧倒的に簡単になります。
編集したサンプラーのデータをHALionやGrooveAgentのライブラリとして転送することも可能
MixConsoleの見た目自体は一見ほとんど変わらないが……
MixConsoleをいじった履歴をすべて記録するヒストリー機能が追加されている
このMixConsoleのヒストリー機能は、オーディオやMIDI編集のヒストリー機能とは別に独立したものとなっているんです。だから、新たにレコーディングしたトラックについても、このMixConsoleのヒストリー機能を使って、以前の設定と、新しい設定で比較するといったこともできるんですよ。
機能強化されたmaximizerは従来と同じ動作をするCLASSICモードも搭載されている
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