先日、国内初お披露目となったAKAIのMPC XとMPC LIVEの発表会
いま4×4のパッドを持つBEATマシンとしてはAKAIのMPCシリーズとNative InstrumentsのMASCHINEシリーズが人気を二分しています。そのいずれも、PCをコアにして使うものであり、WindowsもしくはMac(場合によってはiPhoneやiPadを使うケースもあるけれど)の環境があって、初めて動作するシステムとなっています。
発表会会場で展示されていたMPCシリーズの初代機、1988年に発売されたMPC60
MPCシリーズの系譜。2016年にMPC STUDIO BLACKが発売され、今回MPC XとMPC LIVEが登場
MPC TOUCHとほぼ同じデザイン、大きさながらスタンドアロンで動作するMPC LIVE
まずMPC LIVEのほうは、見た目も大きさもMPC TOUCHとそっくりなもので(若干、ボディーが厚くなっているそうです)、使い勝手もMPC TOUCHのものをそのまま継承しています。7インチのフルカラー・マルチタッチディスプレイを使いながら、波形を直接触って編集できるなど、見るからにスマートな機材です。
2.4kgととっても軽量だけど、ここには内蔵のリチウム・イオン・バッテリーが内蔵されていて、これ一つ持ち歩いてプレイできてしまうというのが大きな特徴となっています。主な特徴を列挙すると、以下のようになっています。
- PCを使わずにハード本体のみで動作するスタンドアロンMPC
- 7インチ高解像度マルチタッチディスプレイ
- 充電式リチウムイオン電池内蔵
- PHONO、ライン、マイクなど多彩な入力系統
- 2つのMIDI入出力端子
- 16GBのオンボードストレージ搭載(10GB以上のサウンドコンテンツを含む)
- 2GB RAM
- フルサイズSDカードスロット
- 拡張可能な2.5″ SATAドライブコネクター(SSDまたはHDD)
- USBドライブやMIDIコントローラー用の2つのUSB3.0A端子スロット
またユニークなのは、スタンドアロン機材でありつつもモードを変更するとPCと連携して使えるDAWモードになること。この辺、まだよくわかっていないのですが、ぜひ、今度、実機を借りて試してみたいと思っています。
一方のMPC XのほうはMPC5000、MPC Renaissanceを進化させたような風貌のフラグシップマシン。こちらは結構大きな機材だけに、据え置き型として使うのが前提のようですが、10.1インチのマルチタッチディスプレイを搭載するとともに、専用のメニューボタン、大きなマスターエンコーダーノブ、16個のタッチセンシティブな360°アサイン可能なポット(Q-Links)を搭載するなど、かなりパワフルな制作環境となっています。こちらの主な特徴は以下のとおりです。
- PCを使わずにハード本体のみで動作するスタンドアロンMPC
- 10.1インチ高解像度マルチタッチディスプレイ
- MPC 2.0ソフトウエア・コントローラーとしても機能
- PHONO、ライン、マイクなど多彩な入力系統
- ビンテージシンセをコントロール可能なCV/ゲート出力
- 多彩な表現を可能にする16 Q-Linkノブ
- 2つのMIDI入力端子と4つのMIDI出力端子
- 16GBのオンボードストレージ搭載(10GB以上のサウンドコンテンツを含む)
- 2GB RAM
- フルサイズSDカードスロット
- 拡張可能な2.5″ SATAドライブコネクター(SSDまたはHDD)
- USBドライブやMIDIコントローラー用の2つのUSB 3.0 A端子
この発表会の会場で動いていたMPC LIVE、MPC Xをちょっとだけ触った程度ではありましたが、かなり機敏に反応してくれて、リアルタイムでのタイムストレッチなどを含め、快適に使えそうな印象でした。
そう、実はまだ実機が数台しかなかないようで、前日にアメリカから初めてやってきて、発表会終了とともに、アメリカに持ち帰られてしまったので、国内には機材がないんですよね。でも、そんな初めての機材でも、普通にプレイできてしまうのですから、まさにMPCとして完成していることが証明されたわけでもあります。
実機がやってきたらスタンドアロンでの操作性とともにPCとの連携性についても詳しくレポートする予定
ぜひ、今度製品が正式に日本にやってきたら、試してレポートしてみようと思っていますが、コンパクトで持ち歩ける機材になったMPC LIVEの意義はすごく大きいように感じました。MPC TOUCHとの価格差もそれほど大きくはないので、MPC LIVEが主流になっていくのかな……という印象ではありました。
リアルタイムでのパフォーマンス用というより音楽制作機材としてニーズが高そうなMPC X
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