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Photoshopみたいに音をいじれる機能を搭載したWaveLab 9.5がリリース

10月24日、Steinbergから波形編集ソフト兼マスタリングソフトである、WaveLabの新バージョン、WaveLab 9.5がリリースされました。ラインナップとしては上位版のWaveLab Pro 9.5(オープン価格:実売62,640円前後)およびWaveLab Elements 9.5(オープン価格:実売10,800円前後)の2つで、従来バージョンであるWaveLab 9などからのバージョンアップは、Steinbergサイトからオンラインで購入できるようになっています。

 

今回のWaveLab 9.5の最大の特徴ともいえるのは、スペクトラムエディターの大幅強化で、これによって、Photoshopで写真の中の電線や電柱を消すかのごとく、オーディオの中からノイズを取り除くことができる、オーディオインペインティング機能などが利用可能となったのです。またそれとは別にノイズ除去プラグインスイート「RestorRig」が搭載されたり、エラー修正機能が強化されるなど、ノイズやエラーの除去といったことが非常にしやすいツールになっています。さらに再配布可能なDDP Playerなる便利なツールが用意され、マスタリングにおける決定版的なツールに進化したのがポイント。具体的にどんな強化がなされたのか、紹介していきましょう。


10月24日、WaveLab Pro 9.5およびWaveLab Elements 9.5がリリースされた


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まずご存じない方のためにWaveLabについて簡単に紹介しておくと、これはCubaseを開発しているドイツSteinberg(2004年よりヤマハ傘下の企業)のソフトで、オーディオ波形編集ソフトとして20年以上の歴史を持ったものです。長年の歴史において、さまざまな機能を装備する中、CDのマスタリング機能であるオーディオモンタージュという機能を搭載したことで、プロの世界でもマスタリング用のツールとして幅広く浸透するようになっていきました。

長い歴史を持つWaveLabの新バージョン、WaveLab Pro 9.5

前回のバージョンであるWaveLab 9が出たのは1年半前の2016年3月。「Cubaseと強力な連携を可能にしたマスタリングソフト、WaveLab 9の実力」という記事でも紹介したとおり、Cubaseと有機的連携をするようになり、Cubase用マスタリングソフトとしても非常に使いやすいものとなりました。またM/S編集機能が充実したのも前回のバージョンアップだったわけですが、今回はまたちょっと違った方向での機能拡充が図られているのです。

WaveLabも基本はオーディオを波形表示させて編集する形ではある

そのポイントとなるのがスペクトラムエディターです。普通、オーディオ編集ソフトでは、オーディオの音量の大小に基づいて波形表示させて、それをエディットしていくわけで、WaveLabでももちろんそれが基本となっています。


オーディオを周波数成分に分解した形で表示させるスペクトラムエディターが大きく機能強化されている

それに対し、このスペクトラムエディターでは縦軸に周波数を用いることで、音質を視覚的に表示可能とするもので、今回のWaveLab 9.5では、カラーも含め見た目も自由にカスタマイズできるのも面白いところです。


カラーも含め自由にカスタマイズが可能になっている

このスペクトラムエディターにウェーブレット表示というものが加わり、オーディオピッチのスケールに基づいた分析ができるようになり、音楽コンテンツをより正確に視覚化できるようになりました。ここでは高い周波数では時間分解能を高く、低い周波数では周波数分解能を高く示すことができるのが特徴となっています。


オーディオピッチのスケールに基づいた分析ができるウェーブレット表示

 

そして、このスペクトラムエディターは、まさにPhotoshopなどフォトレタッチソフトのように編集できるようになったというのが、今回のバージョンアップの最大のポイントです。

たとえばレコーディングした音の中にちょっとしたノイズが入っていた場合、通常では録音しなおしとなるところ、WaveLabなら、これを簡単に、そしてキレイに取り除くことができるのです。

なげたわツールで自由な形での選択が可能に

その場合、まずスペクトラムエディターで問題となるノイズを見つけ出します。このとき、ノイズ部分を長方形選択ツールで選んでもいいのですが、自由な形で選択できる「なげなわツール」やペイント選択を可能にする「ブラシツール」、周囲の同様のレベル持つスペクトル内容を自動的に分析して選択する「自動選択ツール」など多くの選択オプションがツールセットに追加されたのは、オーディオ編集の世界においては画期的なことだと思います。また自動選択ツールは選択した基本周波数の1つまたは複数の高調波を自動的に選択することも可能にしています。

オーディオインペインティング機能で、ノイズをキレイに修復できる

そしてフォトレタッチソフト的機能の真骨頂が「オーディオインペインティング」機能です。これはSteinbergが現在特許出願中の技術とのことですが、まさに写真の中から不要なモノをキレイ消し去るかのごとく、ノイズやオーディオドロップアウトによって生じた欠落部分をキレイに消して、修復することができるのです。これは周囲のスペクトル情報を元に分析し、論理的に再現しているんですね。まさに画期的な技術だと思います。

ウォーターマーク機能により、オーディオデータに文字を書き入れることも可能

さらに、スペクトログラムにウォーターマーク、つまり透かしを追加するといったことも可能なのです。たとえば、ここにテキストや画像を埋め込むこともできるのです。この処理を行っておくと、スペクトラム表示した際に文字や画像が浮き出てくるため、著作権管理などにも役立つというわけですね。

ライブスペクトグラム機能で、再生中の音をリアルタイムにスペクトル表示できる

もう一つ、これまでの波形編集ソフトなどで見たことがなかった新機能が、ライブスペクトグラムというものです。これは再生中のオーディオをリアルタイムにスペクトル表示するというものです。ここまで見てきたスペクトラムエディターは、すでに存在しているオーディオデータをスペクトル表示させていたわけですが、こちらは再生中の音を、しかもプラグインエフェクトをかけた後の音もリアルタイムに表示できるから、どのように変化しているのかを細かく目で追っていくことができます。

オーディオモンタージュ機能を使ってマスタリングした後、DDPの書き出しが可能

一方で、これだけのためにWaveLab Pro 9.5を買っても十分お釣りがくるだろう、と思うのが、DDP Playerです。DDPとは、CDをプレスに出す際、プレス工場に渡すマスターデータのことですが、このDDPデータがあまり一般的なデータではないため、その音を確認するのには、マスタリングソフトを用意しなくてはならないという、面倒な点があったのです。


再配布可能なDDP Player

とくに問題となったのはマスタリングエンジニアがマスタリング作業を終了し、完成したDDPデータをクライアントに確認してもらう手段がなかったということです。クライアントにマスタリングソフトを用意させるのは、現実的でないし、そうかといってCD-Rに焼いたのでは物理的に届けるしかなく、すぐに確認してもらうことが困難でした。しかし、このWaveLab Pro 9.5にはSteinbergが開発したDDPデータを簡単に再生するためのDDP Playerがバンドルされているのです。

 

このDDP Playerは普通のCDプレイヤーと同様の使い勝手なので、誰でも簡単に使うことが可能です。そして、これはWaveLab Pro 9.5のインストーラとは別のインストーラとして用意されており、WaveLab Pro 9.5のユーザーはこのDDP Playerをクライアント用としてDDPデータに付属させる形で配布することができるのです。したがって、DDPデータとともに、DDP Playerも一緒にクライアントに渡すことが可能となり、これなら簡単に聴いてもらって確認してもらうことが可能になるわけです。

SONNOXのプラグインからSteinbergオリジナルに切り替わったRestorRig

そのほか、新たなプラグインもいくつか登場しているので、紹介しておきましょう。まず1つ目がSteinbergが開発した新たなノイズ除去プラグインスイートのRestoreRigです。これまでSonnoxのノイズ除去プラグインがバンドルされていましたが、これに代わってより強力なオリジナルプラグインになったのです。

 

このRestoreRigにはテープのサーという音などを取り除くDeNoiser、電源からくるブーンというハムノイズを取り除くDeBuzzer、レコードのプチプチノイズなどを取り除くDeClickerが搭載されており、簡単にこうしたノイズを除去できるのです。


MasterRigにも新しい機能が少し追加された

一方、マスタリングエフェクトであるMasterRigも少し強化されています。従来からあったLimiterモジュールのMAXIMIZERに最新のMODERNモードアルゴリズムとMIXノブが搭載されたほか、Equalizerモジュールには最初と最後のEQバンドに6dB/octと96dB/octの新しいかっとスロープが搭載されるなどのリニューアルがされています。

デザインが変わった真空管コンプレッサのTube Compressor

そのほか温かみのある真空管コンプレッサのTube Compressorおよび、ビンテージデザインのVingate Compressorは画面上のデザインを変更。機能的にはほとんど変わっていませんが、この辺もグッとくるところです。

Vingate Compressorもデザインが変わって、よりグッとくる感じに

そのほかにも4Kディスプレイへの対応やMacBook Proなどに搭載されているTouch Barのサポートなど、さまざまな機能が追加されているので、とくにマスタリングを行っているかた、マスタリングに興味のある方は、チェックしてみるといいと思いますよ。

【価格チェック】
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◎サウンドハウス ⇒ WaveLab Elements 9.5
※WaveLab 9.5のインストーラはダウンロード形となっています。10月24日以降にアクティベーションした場合、パッケージが前バージョンのWaveLab 9でも9.5を入手可能です。また、グレースピリオドとなる9月24日以降にアクティベーションした方は無償で9.5にバージョンアップすることが可能です。

【関連情報】

Commentsこの記事についたコメント

15件のコメント
  • あるある

    ミックスの段階では気付かないのに、できあがってから「こんなノイズあったっけ?」と原因不明の雑音がまじってたりすることがたまにあります、これできれいに消せたらいいなと思います。

    2017年10月25日 2:34 AM
  • ・・・

    このところマスタリング方面の新製品・新サービスも多いですね。ネット上で作りこんでくれるLANDRも興味ありますし、人工知能のもの2つくらいや、イタリアの老舗のものや、このドイツの老舗のものや(あまり正確な把握でなくて申し訳ないですが)。
    どれがいいんでしょうか。ちょっと情報過多というか、高度で難しすぎるというか、まあ値段もお高くてもあるんですが、頭が混乱してしまい、システムダウンしちゃいそうです笑。かなりの人が「人工知能系でもし済むならそれでもいいけど、まだまだ手作りもいいんだろうな」とか色々と迷いながら考えていそうな気がします。

    2017年10月25日 4:41 AM
  • ふみゆき

    スペクトラムエディターは、Cubase Proにも追加して欲しい機能ですね。

    2017年10月25日 9:50 AM
  • 藤本健

    ・・・さん
    IKのはまだ使ってないのですが、LANDRも先日のOzone 8もマスタリングにおける音作りのためのものです。それに対し、WaveLab Pro 9.5は音作りだけでなく、最終的なマスタリング、つまりプレス工場の出すためのマスター制作ができるソフトであるため、ちょっと位置づけが違うと考えていいと思います。
    だから組み合わせて使うというのもいいと思いますよ。

    2017年10月25日 10:00 AM
  • km

    コメント失礼します。
    Wavelab Elements 9を使っていますが、Wavelab Elements 9.5にアップグレードした方が良いのでしょうか?
    機能面でどう違うか教えていただけますでしょうか?

    2017年10月25日 12:35 PM
  • みけ

    Adobe Auditionの対抗馬として進化してきてますね。
    ただこちらはどちらかと言うと作曲寄りなので、音響処理に特化してるAuditionとはジャンルが違うか。

    2017年10月25日 1:01 PM
  • 見たことがなかった新機能??知らないだけでは?

    スペクトラグラム上の画像ベースの処理やFFTリアルタイム表示は iZotope社のRXシリーズと、同 insight 製品群で数年前から実現している機能で今更感の有る機能・技術ですが、これをいかにも「新技術」みたいに書くのは、さすがに如何なものかと思います(S社にとっては新しいのでしょうが)。
    氏の記事はユーザー寄りの中立的な立場からの視点で書かれていて好感をもっていますが、似た製品・同種の機能の比較・例示もなくこれでは提灯記事や広告記事と変わらず、残念に思います。

    2017年10月25日 7:03 PM
  • あるある

    個人的な意見ですが、私や何年もDTMをやっている方は、ほかにノイズ処理できるソフトがいくつかあるのは知っているので、新製品の特徴や情報だけでもありがたいですし読みやすいです。毎回似た製品・同種の機能の比較・例示は大変だと思います。

    2017年10月26日 2:49 AM
  • ・・・

    藤本健さん
    誠にありがとうございました!
    まあ予算オーバーで、両方はすぐには買えませんが笑、
    純粋なマスタリングと、マスター制作まで見据えたもの、
    確かに棲み分けがある感じなのですね。
    大変参考になりました!
    これからも素晴らしい記事を、よろしくお願いいたします!

    2017年10月26日 6:49 AM
  • 藤本健

    kmさん
    お返事が遅くなってごめんなさい。
    確かに、どれがElementsの話なのか、わかりにくかったですね。
    Steinbergのサイト
    https://japan.steinberg.net/jp/products/wavelab/new_features_95.html
    ここに、新機能がまとめてあります。この中で、Pro対応のものはPro、
    Elements対応のものはElementsというマークがついているので、
    これで確認できると思います!

    2017年10月28日 8:29 PM
  • 川島徳之

    〉スペクトラグラム上の画像ベースの処理やFFTリアルタイム
    〉表示はiZotope社のRXシリーズと、同insight製品群で数年前
    〉から実現している機能で今更感の有る機能・技術ですが、
    そうですか。この記事の主旨はSteinberg WaveLab 9.5に新しく追加された機能の紹介なので、どうでもいいです。
    〉これをいかにも「新技術」みたいに書くのは、さすがに如何な
    〉ものかと思います(S社にとっては新しいのでしょうが)。
    Steinberg WaveLabのような波形編集ソフトに搭載されたのは初めてであると記事中に書かれています。業界初の新技術であるとはどこにも書かれていません。
    〉似た製品・同種の機能の比較・例示もなくこれでは
    〉提灯記事や広告記事と変わらず、残念に思います。
    無料で読めるブログ記事に有料媒体記事のような品質や分量を要求している図々しいコメントが書き込まれているのを残念に思います。この記事が提灯記事であろうと広告記事であろうと、読者に有益な情報を提供しているかぎり何の問題もありません。

    2017年10月31日 4:29 AM
  • まか

    Cubase Pro 10とWavelab Pro 9.5を連携機能で行き来するときのことを考えた上でのオーディオデバイス設定は、どのようにすれば良いでしょうか?
    UR44を使っています。

    2018年11月24日 4:39 PM
  • Nano

    コメント失礼します。
    ウォーターマークの挿入は音質に影響しますか?
    音質が変化してしまうのではないかと気になりました。

    2018年11月25日 9:56 PM
    • 藤本 健

      Naoさん

      あまり気づかないですが、音質に影響がないということはないですね。実際波形を思い切り変えちゃうわけですから。
      とはいえ、それを承知の上で、少しやってみるのはありだと思います。

      2018年11月25日 11:22 PM
  • 藤本 健

    まかさん

    お返事が遅くなって失礼しました。UR44、とくに変わった設定をする必要はないと思います。Cubase 10側もWaveLab側も、Yamaha Steinberg USB ASIOを指定するだけですが、何か問題がありましたか?

    2018年11月26日 9:05 AM

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